JPH06143417A - プラスチック被覆鋼管の製造方法及び装置 - Google Patents

プラスチック被覆鋼管の製造方法及び装置

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JPH06143417A
JPH06143417A JP29446392A JP29446392A JPH06143417A JP H06143417 A JPH06143417 A JP H06143417A JP 29446392 A JP29446392 A JP 29446392A JP 29446392 A JP29446392 A JP 29446392A JP H06143417 A JPH06143417 A JP H06143417A
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coated steel
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cooling
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Akira Yamamoto
山本  明
Nobuo Yoshida
信雄 吉田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック被覆鋼管の製造において、鋼管
の内部へのシール治具の取付けおよび取外し作業を廃止
するとともに冷却時の冷却ミストや滴跡であるプラスチ
ック被覆鋼管の表面の凹凸による外観不良を解消する。 【構成】 回転軸を中心に自転する鋼管にブラスト処理
を行った後に下地処理剤の塗布と加熱とを行い、プラス
チック材を被覆して被覆鋼管6とした後、耐熱樹脂製シ
ート13、13で被覆鋼管6を覆い、この状態で水冷を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばガスや油等の輸
送用として、さらには港湾や河川等における飛沫発生地
域や干満帯地域において、それぞれ使用されるプラスチ
ック被覆鋼管の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】埋設環境下で使用される鋼管には極めて
優れた防食性が要求される。例えばパイプラインの外面
防食には、古くからアスファルト系あるいはコールター
ル系の瀝青質塗装材料が使用されてきた。しかし、エネ
ルギー資源開発地域の僻地化や極地化に伴う、パイプラ
イン敷設環境の厳しさの増大や、パイプライン自体の大
型化、安全性および経済性の確保といった観点から、近
年では、プラスチック被覆鋼管が注目・多用されるよう
になってきた。
【0003】プラスチック被覆鋼管としては、例えばポ
リエチレン被覆鋼管が多用される。ポリエチレンは、電
気絶縁性、耐水性さらには耐寒性が優れるとともに押出
し、射出、さらには真空成形等の成形加工も極めて容易
に行うことができるうえ、低価格であるため、防食材料
として評価が高い材料である。ポリエチレン被覆鋼管の
製造方法は、 押出し被覆方法:丸ダイ方式 (中・小径管) 、Tダイ
方式 (大径管) 粉体融着方法:流動浸漬方式 (異形管) 、粉体散布方
式 (異形管) に大別できる。以下、Tダイ方式を詳細に説明する。
【0004】図3は、この方法の一例を示す説明図であ
る。同図において、鋼管10は紙面向かって左から右へ自
転しながら搬送されており、まず、その外表面をブラス
ト処理装置1によりブラスト処理されて除錆され、プラ
イマー塗布装置2によりプライマーを塗布されてから加
熱装置3により所定の温度(130〜180 ℃) に加熱され
る。なお、図3に示す工程は、加熱を行われた後にプラ
イマーが塗布されるように構成されているが、プライマ
ー塗布工程と加熱工程とは順番が逆になってもよい。
【0005】このようにして前処理を完了された鋼管10
の表面へ、変性ポリエチレン押出機5およびポリエチレ
ン押出機4から、200 〜250 ℃程度に加熱されたそれぞ
れの材料が押し出されて鋼管10の表面を被覆し、被覆鋼
管6とされる(本明細書においては、溶融被覆状態のプ
ラスチックを被覆された鋼管を「被覆鋼管」といい、そ
の後に冷却されてプラスチックが接着された鋼管を「プ
ラスチック被覆鋼管」という)。被覆鋼管6は冷却装置
7に導かれ、冷却水を噴霧されて冷却される。ちなみ
に、冷却開始直後の被覆鋼管6、すなわち冷却装置7に
侵入直後の被覆鋼管6の温度は、約130 ℃程度に低下し
ている。
【0006】ところで、鋼管10の外面に被覆されるプラ
スチックが長期間にわたり防錆効果を維持するために
は、このようなプラスチック被覆鋼管の製造工程の中で
も、プライマー塗布工程およびプラスチック被覆工程が
重要であるが、プラスチック被覆後の冷却工程も特に重
要である。
【0007】図4は、図3中の線分A−Aにおける冷却
装置7の縦断面図である。図4において、被覆鋼管6は
その底部を鋼管搬送装置8、8により支持されて、約10
〜30m/分程度の周速度で自転しながら約1〜2m/分
の搬送速度で搬送されており、その外面に冷却装置7の
内壁の周上に略等間隔に複数設けられた冷却ノズル9か
ら冷却水を噴射されて水冷される。
【0008】なお、被覆鋼管6は自転しながら搬送され
るため、被覆鋼管6の外面に鋼管搬送装置8による当た
り傷が発生するのではとも考えられるが、現実には、被
覆鋼管6は冷却装置7に侵入すると直ちに130 ℃程度に
まで急冷されるため、被覆されたプラスチックは被覆鋼
管6が鋼管搬送装置8、8に支持されるまでの間に硬化
し、このような当たり傷は発生しない。
【0009】従来のプラスチック被覆鋼管の製造では、
図3または図4に示すように表面へ直接冷却水を噴射す
るか、または被覆したプラスチックへの衝撃を低減する
ために、冷却水をカーテン状に流下させて静水状態を形
成し、この中にプラスチック被覆鋼管を通すことによ
り、水冷を行っていた。
【0010】しかし、冷却水を被覆鋼管6の外面に直接
吹き付ける従来の冷却法では、噴射時に、被覆鋼管6の
内部に冷却水が侵入してしまい所定の温度にまで加熱し
た鋼管の温度を低下させることがある。図5は、被覆鋼
管6の内部に冷却水が侵入する状況を示す説明図であ
る。同図に示すように、先行する被覆鋼管6aと後行する
被覆鋼管6bとは冷却装置7の内壁の周上に複数設けられ
た冷却ノズル9から冷却水を噴射されて冷却されるが、
冷却装置7の入口部近傍で後行材6bの先端から冷却水が
侵入してしまう。そのため、鋼管とプラスチックとの密
着性が低下し、耐食性劣化の原因となっていた。
【0011】そこで、従来は、被覆鋼管6の内部への冷
却水の侵入を防止するため、図6(a) に垂直断面図を、
図6(b) に上面図をそれぞれ示すシール治具11を、図6
(c)に示すように鋼管12の両端部近傍に設置して冷却水
の内部への侵入を防止していた。なお、図6(a) および
図6(b) において、符号19は例えば厚さ3mm程度のゴム
製円板であり、符号20はゴム製円板19にワイヤ止めされ
た、直径が50mm程度のゴム製チューブである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、被覆されたプラスチックに、冷却水のミストや滴等
が直接接触するが、プラスチックの一部が半溶融状態で
ある場合にはプラスチックの表面にミストや滴の形状跡
が残ってしまい、プラスチック被覆鋼管の外観を著しく
劣化させるという問題があった。
【0013】さらに、この方法ではシール治具11を全て
の鋼管に2個/本取り付けるとともに取り外す必要があ
り、またこの作業は自動化し難い作業であるため、工数
が大幅に増加してしまうという問題もあった。また、人
手に頼る作業であるため、シール治具の装着状態が不完
全であることもあり、装着が不完全な場合には冷却水が
被覆鋼管の内部に侵入してしまうこともあった。
【0014】ここに、本発明の目的は、プラスチック被
覆鋼管の製造において、プラスチック被覆後の冷却効果
はこれまで同様変化させずに、冷却時の冷却ミストや滴
跡である表面の凹凸による外観不良を解消することがで
き、さらには、鋼管の内部へのシール治具の取付けおよ
び取外し作業の廃止をも図ることができるプラスチック
被覆鋼管の製造方法および製造装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、鋼管の周囲に被
覆されたプラスチックを冷却装置内で冷却する際に、従
来のように冷却水を被覆鋼管に直接吹き付けるのではな
く、溶融状態または半溶融状態にある高温度のプラスチ
ックと接触しても問題のない耐熱樹脂〔例えばテフロン
(登録商標) などのフッ素樹脂、シリコーン、ポリオレ
フィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン等)樹脂〕製
シートで被覆鋼管を覆い、耐熱樹脂製シートで被覆鋼管
を覆った状態で冷却水を噴射することとすれば、冷却水
を直接噴射する従来の方法と同等の冷却効果と、シール
治具の不要化と、さらにはプラスチック被覆鋼管の表面
の凹凸による外観不良の解消とを図ることができること
を知見して、本発明を完成した。
【0016】ここに、本発明の要旨とするところは、回
転軸を中心に自転する鋼管にブラスト処理を行った後に
下地処理剤の塗布と加熱とを行い、プラスチック材を被
覆して被覆鋼管としてから水冷を行うプラスチック被覆
鋼管の製造方法において、プラスチック材を被覆した後
に、例えばテフロン樹脂またはシリコーン樹脂等の耐熱
樹脂製シート、望ましくは厚さが30μm 以上150 μm 未
満である耐熱樹脂製シートで被覆鋼管を覆い、この状態
で水冷を行うことを特徴とするプラスチック被覆鋼管の
製造方法である。
【0017】また、別の面からは、本発明は、ブラスト
処理装置と、プライマー塗布装置と、加熱装置と、プラ
スチック材押出機と、さらに冷却装置とを備えるプラス
チック被覆鋼管の製造装置において、冷却装置が、自転
しながら搬送される被覆鋼管の表面への耐熱樹脂製シー
トの巻付装置を備えることを特徴とするプラスチック被
覆鋼管の製造装置であって、この巻付装置は、例えば、
搬送される被覆鋼管の上部に配置されて2方向へ2枚の
耐熱樹脂製シートを垂下する保持装置と、垂下された耐
熱樹脂製シートの端部を保持して耐熱樹脂製シートを被
覆鋼管の表面へ密着させる端末保持装置とにより構成さ
れる。
【0018】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明は、従来のプラスチック被覆鋼管の製造における冷
却工程を改善した発明であり、被覆鋼管に直接冷却水を
噴射して冷却するのではなく、被覆鋼管を耐熱樹脂製シ
ートで覆った状態で冷却水を噴射して冷却を行う。
【0019】被覆鋼管を耐熱樹脂製シートで覆う手段は
本発明では特に限定を要さない。適宜手段により行えば
よい。ただし、冷却効果を確保するために、耐熱樹脂製
シートを被覆鋼管に密着させる。密着の程度は、耐熱樹
脂製シートの厚さや噴射する冷却水量により変化する
が、自転する被覆鋼管との接触により耐熱樹脂製シート
が破断したり、絡んだりしない程度である。
【0020】本発明で使用する耐熱樹脂製シートとは、
最も広義には、溶融状態または半溶融状態にある高温度
のプラスチックと接触しても、例えば溶融や変形といっ
た問題が発生しない耐熱材料〔例えばテフロンその他の
フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系(ポリ
プロピレン、ポリエチレン等)樹脂〕からなるシートを
意味する。
【0021】耐熱樹脂製シートで被覆鋼管を覆うタイミ
ングは、冷却開始前とする。耐熱樹脂製シートで被覆鋼
管を覆うことにより、被覆鋼管の内部への冷却水の侵入
を防ぐためである。また、被覆鋼管の搬送方向の耐熱シ
ートの全長は、少なくとも、被覆鋼管に対して冷却水を
噴射する冷却ノズルの設置全長よりも長い長さとするこ
とが望ましい。冷却水が被覆鋼管内へ侵入することを防
止するためである。
【0022】本発明者らは、最適な耐熱樹脂製シート用
材料を選定するため、各種耐熱樹脂からなるシート材の
厚さを10μm 、30μm 、100 μm および150 μm の4水
準で変化させて本発明を実施してプラスチック被覆鋼管
を製造し、得られたプラスチック被覆鋼管の冷却効果、
耐熱性、耐摩耗性および被覆外観を調査した。結果を表
1にまとめて示す。表1において、○は極めて良好、△
は良好、×は普通を表す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から、冷却効果を確保するためには、
耐熱樹脂製シートの厚さは150 μm未満とすることが望
ましい。耐熱性は、約170 〜200 ℃以上の耐熱温度
が要求される。これは、図3に示す装置においてプラス
チック押し出し機4から押し出されるときのプラスチッ
クの温度はおよそ200 〜250 ℃であるが、このときに鋼
管10は加熱装置3により130〜180 ℃に加熱されている
ため、被覆鋼管6の表面はおよそ170 〜200 ℃程度にな
るからである。このように、耐熱性を充分に確保するた
めには耐熱樹脂の融点は170 〜200 ℃以上であることが
望ましいため、テフロン樹脂またはシリコーン樹脂を用
いることが望ましい。
【0025】耐摩耗性は、耐熱樹脂製シートの厚さが30
μm 未満になると不足し、被覆鋼管との接触により破断
が発生してしまうことがある。そこで、耐熱樹脂製シー
トの厚さは30μm 以上とすることが望ましい。プラスチ
ック被覆鋼管の被覆外観は、いずれの耐熱樹脂製シート
を被覆することによっても充分に確保できた。
【0026】したがって、表1に示す結果から、耐熱樹
脂製シートの材質はテフロン樹脂またはシリコーン樹脂
とすることが望ましく、耐熱樹脂製シートの厚さは30μ
m 以上150 μm 未満とすることが望ましい。なお、表1
に示す結果は、後述する端末保持装置および払い出し装
置を使用した場合の結果であり、これらを使用しない
と、耐熱樹脂製シートが被覆鋼管に巻きついたり、所望
の冷却効果を得ることができなかった。
【0027】このように、本発明によれば、以下に列記
する効果が得られる。 (i) 被覆鋼管は、耐熱樹脂製シートを介して冷却水によ
り冷却されるため、冷却水を直接噴射する方法と略同程
度に冷却され、従来の方法と同じ程度の冷却効果を確保
できる。 (ii)耐熱樹脂製シートにより被覆鋼管の内部への冷却水
の侵入を防止できるため、シール治具を取り付ける必要
がなくなる。 (iii) 冷却水がプラスチック被覆面へ直接接触すること
を防止できるため、冷却時の冷却ミストや滴跡であるプ
ラスチック被覆鋼管の表面の凹凸による外観不良を解消
することができる。
【0028】次に、添付図面を参照しながら、本発明に
かかる装置の実施例を説明する。なお、本発明にかかる
装置と図3により示した従来の装置との違いは冷却装置
7のみであるため、以降の本発明にかかる装置の説明で
は、冷却装置7のみ説明し、その他の装置 (ブラスト処
理装置、プライマー塗布装置、加熱装置、およびプラス
チック材押出機) については説明を省略する。
【0029】図1は、本発明にかかる装置における冷却
装置7の一例の説明図であり、具体的には、図1(a) は
鋼管の回転軸方向と直交する垂直断面図であり、図1
(b) は鋼管の回転軸方向を含む垂直断面図である。な
お、図1では、共通する符号は図4と同じ意味で用いて
いる。
【0030】図2は、図1に示す本発明にかかる装置で
使用する巻付装置を抽出するとともに一部省略して示す
斜視図である。図1(a) に示すように、本発明にかかる
装置で使用する冷却装置では冷却装置7の内部に、搬送
される被覆鋼管6の表面への耐熱樹脂製シート13、13の
巻付装置を備える。
【0031】この巻付け装置は如何なる形状の装置であ
ってもよく、またはいかなる作用に基づく装置であって
もよい。図1および図2に示す装置では、搬送される被
覆鋼管6の上部に配置されて2方向へ2枚の耐熱樹脂製
シートを垂下するとともに耐熱樹脂製シートと被覆鋼管
との間に隙間を開けないための保持装置14と、垂下され
た耐熱樹脂製シートの端部を保持して耐熱樹脂製シート
を鋼管の表面へ密着させるとともに耐熱樹脂製シートが
被覆鋼管に絡み付くことを防止する端末保持装置15、15
とにより構成される。
【0032】端末保持装置15は、図中の矢印方向へ移動
自在であって、爪部15aにより耐熱樹脂製シート13の端
末を保持し、保持した耐熱樹脂製シート13を被覆鋼管6
に密着させることができる。冷却装置内での、耐熱樹脂
製シートの端末の端末保持装置による保持は機械的に自
由に調整ができるシステムになっており、プラスチック
被覆される鋼管の外径とマッチングすることにより行わ
れるまた、図1(b) に示すように、耐熱樹脂製シート13
は、冷却ノズルからの冷却水の噴射位置よりもさらに下
流側から被覆鋼管6を覆うことができるように構成し、
さらに最も下流に位置する冷却ノズルの設置位置よりも
下流まで覆うことができるように構成しておくことによ
り、先行鋼管16と後行鋼管17との間の鋼管継部18から被
覆鋼管の内側への冷却水の侵入を容易かつ完全に防止で
きる。
【0033】この冷却装置を備えた本発明にかかる装置
を用いることにより、被覆鋼管6を耐熱樹脂製シート13
で覆ってから冷却水を吹き付けることができるため、
従来の方法と同じ程度の冷却効果の確保、被覆鋼管の
内部への冷却水の侵入の防止、さらには冷却時の冷却
ミストや滴跡であるプラスチック被覆鋼管の表面の凹凸
による外観不良の解消を図ることができる。さらに、本
発明を実施例を参照しながら説明するが、これは本発明
の例示であり、これにより本発明が限定されるものでは
ない。
【0034】
【実施例】図1、図2および図3に示す本発明にかかる
装置を用い、外径800mm 、厚さ12.7mm、長さ12mの鋼管
10にブラスト処理装置1を用いてブラスト処理を行って
除錆し、プライマー塗布装置2により下地処理剤として
エポキシ系プライマーをドライ膜厚で10〜50μm になる
ように塗布した後、加熱装置3として誘導加熱炉を用い
て、鋼管10の前処理を行った。
【0035】プラスチックの接着には変性ポリエチレン
(商品名: ADMER)を用い、この変性ポリエチレンを押出
機5から押出すとともに、プラスチックとしてのポリエ
チレン (商品名: ショーレックス) を押出機4から押し
出して、鋼管10の表面に被覆して被覆鋼管6とした。
【0036】なお、鋼管10および被覆鋼管6は自転させ
ながら連続的に搬送した。この時、鋼管の外表面温度は
160 ℃であり、搬送速度は1.2m/分であった。また、ポ
リエチレンおよび変性ポリエチレンの合計膜厚は約3.0
mmであり、その樹脂温度はプラスチック押出機4から押
し出された直後は220 ℃であった。
【0037】次に、被覆鋼管6の周囲に保持装置14から
耐熱樹脂製シート13、13 (厚さが50μm のテフロン樹脂
製シート) を被覆鋼管6の周囲に垂下するとともに端末
保持装置15、15により端末を保持して被覆鋼管6を覆
い、この後水冷を行い、プラスチック被覆鋼管とした。
【0038】被覆鋼管6と接触したときの耐熱樹脂製シ
ート13の表面温度は接触開始時には180 ℃であり、冷却
終了時は50℃であった。また、比較のため、冷却水侵入
防止のためにシール治具を鋼管の内部に設置して冷却を
行う従来例を併せて行った。
【0039】そして、本発明例および従来例について、
シール治具を取り付けた場合と取り付けない場合とにつ
いて、水冷後のプラスチック被覆鋼管の外観および、プ
ラスチックと鋼管との密着力を調査するとともに耐陰極
電解剥離試験を行った。密着力はバネ秤りによる引張方
法により調査し、耐陰極電解剥離試験は図7に示すよう
にポリエチエン(PE)を被覆された鋼材21に直径5mm
の人工欠陥22を設け、この鋼材21を23℃、3重量%のNa
Cl溶液23に浸漬して−1.5Vの電位をかけ、30日、60日お
よび90日間放置したときの腐食範囲の長径を測定するこ
とにより行った。なお、この耐陰極電解剥離試験は、プ
ラスチック被覆鋼管の施工地で布設施工後に電気防食を
行うが、被覆面に剥がれ部位が存在するところから腐食
が進展するおそれがあるため、これを想定して行われる
耐食試験であり、PE被覆鋼管では一般的な試験法であ
る。結果を表2にまとめて示す。表2において、◎は優
秀を、○は良を、△は普通をそれぞれ示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示す結果から、本発明によれば、シ
ール治具を用いなくとも、プラスチック被覆鋼管の外観
を維持できるとともにプラスチックと鋼管との密着力を
確保でき、さらには従来法と同等程度の耐食性を有する
プラスチック被覆鋼管を製造できることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、 シール治具の取付けおよび取外し作業が不要になる。
したがって、従来、直径が20〜60インチまでの鋼管の外
径毎に、さらに鋼管の板厚も勘案して、多量のシール治
具を準備する必要があり、さらにこれらの治具を人手に
より取付けたり取外す必要があり、大変な製造コスト増
および工数増となっていたが、これらの問題を解消でき
た。 プラスチック被覆鋼管の表面に発生していた、冷却水
のミストおよび滴跡の凹凸等の外観不良の発生が皆無に
なり、商品価値の向上が図れた。 プラスチック被覆鋼管の初期性能、特に耐食性は、従
来の製品に対して全く遜色なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる装置における冷却装置7の一例
の説明図であり、具体的には、図1(a) は鋼管の回転軸
方向と直交する垂直断面図であり、図1(b) は鋼管の回
転軸方向を含む垂直断面図である。
【図2】図1に示す本発明にかかる装置で使用する巻付
装置を抽出するとともに一部省略して示す斜視図であ
る。
【図3】ポリエチレン被覆鋼管の製造方法のうちの押出
し被覆方法の一例を示す説明図である。
【図4】図3中の線分A−Aにおける冷却装置7の縦断
面図である。
【図5】被覆鋼管6の内部に冷却水が侵入する状況を示
す説明図である。
【図6】図6は、被覆鋼管の内部への冷却水の侵入を防
止するため、従来用いていたシール治具12を示す説明図
であり、(a) はその垂直断面を、図6(b) はその上面
を、さらに図6(c) は被覆鋼管鋼管12の両端部近傍への
設置状況を、それぞれ示す。
【図7】耐陰極電解剥離試験の概要を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1:ブラスト処理装置 2:プライマー塗
布装置 3:加熱装置 4:ポリエチレン
押出機 5:変性ポリエチレン押出機 6a,6b,6:被覆鋼
管 7:冷却装置 8:鋼管搬送装置 9:冷却ノズル 10:鋼管 11:シール治具 12:被覆鋼管 13:耐熱樹脂製シート 14:保持装置 15:シート端末保持装置 15a: 爪部 16:先行鋼管 17:後行鋼管 18:鋼管継部 19:ゴム製円板 20:ゴム製チューブ 21:鋼材 22:人工欠陥 23:NaCl溶液
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を中心に自転する鋼管にブラスト
    処理を行った後に下地処理剤の塗布と加熱とを行い、プ
    ラスチック材を被覆して被覆鋼管としてから水冷を行う
    プラスチック被覆鋼管の製造方法において、前記プラス
    チック材を被覆した後に、耐熱樹脂製シートで前記被覆
    鋼管を覆い、この状態で水冷を行うことを特徴とするプ
    ラスチック被覆鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記耐熱樹脂製シートの厚さは、30μm
    以上150 μm 未満である請求項1記載のプラスチック被
    覆鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 ブラスト処理装置と、プライマー塗布装
    置と、加熱装置と、プラスチック材押出機と、さらに冷
    却装置とを備えるプラスチック被覆鋼管の製造装置にお
    いて、前記冷却装置は自転しながら搬送される被覆鋼管
    の表面への耐熱樹脂製シートの巻付装置を備えることを
    特徴とするプラスチック被覆鋼管の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記巻付装置は、搬送される被覆鋼管の
    上部に配置されて2方向へ2枚の耐熱樹脂製シートを垂
    下する保持装置と、垂下された耐熱樹脂製シートの端部
    を保持して耐熱樹脂製シートを被覆鋼管の表面へ密着さ
    せる端末保持装置とにより構成される請求項3記載のプ
    ラスチック被覆鋼管の製造装置。
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KR100806942B1 (ko) * 2007-09-20 2008-02-28 (주) 케이 앤 지 스틸 3층 폴리에틸렌과 세라믹을 강관에 코팅하는 장치 및 방법
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