JPH0613908B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
自動変速機の変速制御装置Info
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- JPH0613908B2 JPH0613908B2 JP60223371A JP22337185A JPH0613908B2 JP H0613908 B2 JPH0613908 B2 JP H0613908B2 JP 60223371 A JP60223371 A JP 60223371A JP 22337185 A JP22337185 A JP 22337185A JP H0613908 B2 JPH0613908 B2 JP H0613908B2
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- Japan
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- transmission
- shift
- gear
- automatic transmission
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Description
【産業上の利用分野】 本発明は、自動変速機の変速制御装置に係り、特に、複
数の変速段を自動的に切換え得る第1変速機及び該第1
変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さなギヤ比差の変
速段を有する第2変速機を備え、前記第1変速機と第2
変速機とを同時に変速させることにより特定の変速を達
成するようにした自動変速機の変速制御装置の改良に関
する。
数の変速段を自動的に切換え得る第1変速機及び該第1
変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さなギヤ比差の変
速段を有する第2変速機を備え、前記第1変速機と第2
変速機とを同時に変速させることにより特定の変速を達
成するようにした自動変速機の変速制御装置の改良に関
する。
近年の車両用自動変速機の急速な普及に伴ない、主に燃
費の向上を意図して車速及びスロツトル開度等に関係し
て変速段を自動的に切換え得る第1変速機に、変速比が
1以下となるいわゆるオーバードライブ装置を第2変速
機として直列に付設したものが多く採用されてきてい
る。 又、こうしたオーバードライブ装置のように低速段と高
速段に切換え得る第2変速機としての機能に着目し、こ
れを第1変速機の変速に積極的に同調させ、比較的大き
な変速段間ギヤ比差の第1変速機と比較的小さな変速段
間ギヤ比差の第2変速機とを同時又は交互に変速させる
ことにより、例えば第3図A部分に示されるような変速
制御を行わせることによつて前進6段の多段変速を達成
するようにしたものも既に知られている(例えば特開昭
57−37140)。 このように、第1変速機に対して低速側と高速側とを切
換え得る第2変速機を直列関係に配置することによつ
て、既存の自動変速機を基礎とし、設計変更を少なくし
て製造上有利としながら容易に多段変速が実現でき、燃
費の向上、動力性能の向上、あるいは変速段を多段にし
たことによる摩擦材の負担低下等の多くの利点を得るこ
とができる。
費の向上を意図して車速及びスロツトル開度等に関係し
て変速段を自動的に切換え得る第1変速機に、変速比が
1以下となるいわゆるオーバードライブ装置を第2変速
機として直列に付設したものが多く採用されてきてい
る。 又、こうしたオーバードライブ装置のように低速段と高
速段に切換え得る第2変速機としての機能に着目し、こ
れを第1変速機の変速に積極的に同調させ、比較的大き
な変速段間ギヤ比差の第1変速機と比較的小さな変速段
間ギヤ比差の第2変速機とを同時又は交互に変速させる
ことにより、例えば第3図A部分に示されるような変速
制御を行わせることによつて前進6段の多段変速を達成
するようにしたものも既に知られている(例えば特開昭
57−37140)。 このように、第1変速機に対して低速側と高速側とを切
換え得る第2変速機を直列関係に配置することによつ
て、既存の自動変速機を基礎とし、設計変更を少なくし
て製造上有利としながら容易に多段変速が実現でき、燃
費の向上、動力性能の向上、あるいは変速段を多段にし
たことによる摩擦材の負担低下等の多くの利点を得るこ
とができる。
しかしながら、このような第1変速機と第2変速機とを
同時又は交互に変速させることにより多段変速を達成す
るようにした自動変速機にあつては、例えば第3図の第
2速段から3速段へのアツプシフト、第4速段から第5
速段へのアツプシフト、あるいはこれらの逆のダウンシ
フトのように第1変速機と第2変速機とを互いに逆方向
に変速することによつて新たな変速段を達成する場合が
生じるが、このとき、単に各変速を個別に制御していた
のでは、変速シヨツクの増大が避けられないだけでな
く、アツプシフトなのにダウンシフトから変速が始まつ
たり、又、ダウンシフト後のアツプシフト、あるいはア
ツプシフト後のダウンシフトとなつたりするというよう
な奇妙な運転感覚となる場合があるという問題があつ
た。 このような問題に鑑み、出願人は先に、特願昭59−2
19454〜5において、第2変速機の変速が第1変速
機の変速期間(以下イナーシヤ相という)中に開始、完
了するように構成すると、良好な変速特性が得らえるこ
とを開示した。即ち、第2変速機の変速開始が第1変速
機の変速開始より前であつてはならず、又、第2変速機
の変速完了が第1変速機の変速完了の後であつてはなら
ないことを開示したものである。 しかしながら、その後、第2変速機の変速完了が第1変
速機の変速完了よりも早いと、第1変速機のイナーシヤ
相残部で出力軸トルクの急上昇が発生し、変速シヨツク
が増大するという問題が見出された。又、両者の変速タ
イミングを単にタイマ、あるいは摩擦係合装置の油圧レ
ベル等によつて制御するだけでは、このような微妙な開
始、終了時期の制御を意図した時期に一致させるのが極
めて困難であるという問題も浮かび上つてきた。即ち、
自動変速機の部品のばらつき、使用条件のばらつき等に
よつて各部の変速開始時刻、変速時間等が微妙にばらつ
くため、このばらつきによる変速制御タイミングの誤差
が無視できないようになつてきたものである。 そこで本出願人は、更に、このような問題に鑑み、第1
変速機の変速を開始した後に第2変速機の変速を開始さ
せるようにし、且つ、第1変速機の変速終了と同期させ
て第2変速機の変速を終了させるようにして、アツプシ
フトを必ずハイギヤシフトから、ダウンシフトを必ずロ
ーギヤシフトから開始させることができ、又、ダウンシ
フト後のアツプシフト、あるいはアツプシフト後のダウ
ンシフトというような奇妙な運転感覚となることがな
く、良好な変速特性を得ることができるような技術を開
発した(特願昭60−144340)。又、同時に、こ
の特願昭60−144340においては、上記制御を行
うに当つて、今回の変速タイミングの結果に基づいて、
次回の第2変速機の変速制御を補正し、各種ばらつきに
拘わらず、常に1台1台の自動車において最適な変速特
性を得ることができるようにした技術も開示した。
同時又は交互に変速させることにより多段変速を達成す
るようにした自動変速機にあつては、例えば第3図の第
2速段から3速段へのアツプシフト、第4速段から第5
速段へのアツプシフト、あるいはこれらの逆のダウンシ
フトのように第1変速機と第2変速機とを互いに逆方向
に変速することによつて新たな変速段を達成する場合が
生じるが、このとき、単に各変速を個別に制御していた
のでは、変速シヨツクの増大が避けられないだけでな
く、アツプシフトなのにダウンシフトから変速が始まつ
たり、又、ダウンシフト後のアツプシフト、あるいはア
ツプシフト後のダウンシフトとなつたりするというよう
な奇妙な運転感覚となる場合があるという問題があつ
た。 このような問題に鑑み、出願人は先に、特願昭59−2
19454〜5において、第2変速機の変速が第1変速
機の変速期間(以下イナーシヤ相という)中に開始、完
了するように構成すると、良好な変速特性が得らえるこ
とを開示した。即ち、第2変速機の変速開始が第1変速
機の変速開始より前であつてはならず、又、第2変速機
の変速完了が第1変速機の変速完了の後であつてはなら
ないことを開示したものである。 しかしながら、その後、第2変速機の変速完了が第1変
速機の変速完了よりも早いと、第1変速機のイナーシヤ
相残部で出力軸トルクの急上昇が発生し、変速シヨツク
が増大するという問題が見出された。又、両者の変速タ
イミングを単にタイマ、あるいは摩擦係合装置の油圧レ
ベル等によつて制御するだけでは、このような微妙な開
始、終了時期の制御を意図した時期に一致させるのが極
めて困難であるという問題も浮かび上つてきた。即ち、
自動変速機の部品のばらつき、使用条件のばらつき等に
よつて各部の変速開始時刻、変速時間等が微妙にばらつ
くため、このばらつきによる変速制御タイミングの誤差
が無視できないようになつてきたものである。 そこで本出願人は、更に、このような問題に鑑み、第1
変速機の変速を開始した後に第2変速機の変速を開始さ
せるようにし、且つ、第1変速機の変速終了と同期させ
て第2変速機の変速を終了させるようにして、アツプシ
フトを必ずハイギヤシフトから、ダウンシフトを必ずロ
ーギヤシフトから開始させることができ、又、ダウンシ
フト後のアツプシフト、あるいはアツプシフト後のダウ
ンシフトというような奇妙な運転感覚となることがな
く、良好な変速特性を得ることができるような技術を開
発した(特願昭60−144340)。又、同時に、こ
の特願昭60−144340においては、上記制御を行
うに当つて、今回の変速タイミングの結果に基づいて、
次回の第2変速機の変速制御を補正し、各種ばらつきに
拘わらず、常に1台1台の自動車において最適な変速特
性を得ることができるようにした技術も開示した。
しかしながら、このようないわゆる学習制御を行うよう
にしたとしても、今回の変速と次回の変速とで自動変速
機の油温の差が大きい場合には、第1変速機の変速完了
と第2変速機の変速完了とを同期させるのは困難とな
る。 即ち、例えば、自動変速機の油温が高い場合には、低い
場合に比べて摩擦係合装置の油圧が油圧回路の油路中に
おいてより多量に洩れるため、結果として摩擦係合装置
に油圧が供給される場合は、油圧供給開始から該供給に
よつて変速機が変速開始されるまでの時間がかかるよう
になる。逆に、摩擦係合装置から油圧がドレンされる場
合はドレン開始から該ドレンによつて変速機が変速開始
されるまでの時間が短くなる。又、油温が極端に低い場
合(例えば0℃以下)では、オイルの粘性抵抗が大きく
なるため、摩擦係合装置の油圧が供給されるまでに時間
がかかるようになる。 自動変速機における変速にあつては、今回の変速から次
回の変速までにかなりの時間が経過することがある。従
つて、例えば暖機前の何回かの変速によつて油温が低い
ときの状態に合わせて変速制御タイミングの補正がなさ
れた後、かなり長い時間変速がなされないまま暖機が進
むと、次に変速がなされたときに、第1、第2変速機の
変速完了が同期せず、大きな変速ショックが発生するこ
とになる。 こうして影響は、第1変速機及び第2変速機の油路構
成、特に油路の長さが異つている場合、あるいは第1変
速機と第2変速機とで油圧の供給、ドレンが逆になつて
いる場合に両変速機の変速開始や変速終了のタイミング
に大きく及ぶようになつてくる。
にしたとしても、今回の変速と次回の変速とで自動変速
機の油温の差が大きい場合には、第1変速機の変速完了
と第2変速機の変速完了とを同期させるのは困難とな
る。 即ち、例えば、自動変速機の油温が高い場合には、低い
場合に比べて摩擦係合装置の油圧が油圧回路の油路中に
おいてより多量に洩れるため、結果として摩擦係合装置
に油圧が供給される場合は、油圧供給開始から該供給に
よつて変速機が変速開始されるまでの時間がかかるよう
になる。逆に、摩擦係合装置から油圧がドレンされる場
合はドレン開始から該ドレンによつて変速機が変速開始
されるまでの時間が短くなる。又、油温が極端に低い場
合(例えば0℃以下)では、オイルの粘性抵抗が大きく
なるため、摩擦係合装置の油圧が供給されるまでに時間
がかかるようになる。 自動変速機における変速にあつては、今回の変速から次
回の変速までにかなりの時間が経過することがある。従
つて、例えば暖機前の何回かの変速によつて油温が低い
ときの状態に合わせて変速制御タイミングの補正がなさ
れた後、かなり長い時間変速がなされないまま暖機が進
むと、次に変速がなされたときに、第1、第2変速機の
変速完了が同期せず、大きな変速ショックが発生するこ
とになる。 こうして影響は、第1変速機及び第2変速機の油路構
成、特に油路の長さが異つている場合、あるいは第1変
速機と第2変速機とで油圧の供給、ドレンが逆になつて
いる場合に両変速機の変速開始や変速終了のタイミング
に大きく及ぶようになつてくる。
本発明は、このような場合であつても、少なくとも油温
を考慮した上で変速開始のタイミングを決定するように
し、第1変速機と第2変速機とを正確に同期させて終了
させることができるようにした自動変速機の変速制御方
法を提供することを目的とする。
を考慮した上で変速開始のタイミングを決定するように
し、第1変速機と第2変速機とを正確に同期させて終了
させることができるようにした自動変速機の変速制御方
法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の変速段を自動的に切換え得る第1変速
機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さな
ギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、前記第1
変速機と第2変速機とを同時に変速させることにより特
定の変速を達成するようにした自動変速機の変速制御装
置において、第1図にその要旨を示す如く、前記第1変
速機の変速を開始させた後に前記第2変速機の変速を開
始させる手段と、前記第1変速機の変速終了と同期させ
て第2変速機の変速を終了させる手段と、油温を検出す
る手段と、前記第2変速機の変速開始を油温に依存して
変更する手段と、第1変速機と第2変速機の変速完了の
ずれを検出する手段と、該ずれの検出結果に基づいて、
次回の第2変速機の変速制御を補正する手段と、を備え
ることにより、上記目的を達成したものである。
機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さな
ギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、前記第1
変速機と第2変速機とを同時に変速させることにより特
定の変速を達成するようにした自動変速機の変速制御装
置において、第1図にその要旨を示す如く、前記第1変
速機の変速を開始させた後に前記第2変速機の変速を開
始させる手段と、前記第1変速機の変速終了と同期させ
て第2変速機の変速を終了させる手段と、油温を検出す
る手段と、前記第2変速機の変速開始を油温に依存して
変更する手段と、第1変速機と第2変速機の変速完了の
ずれを検出する手段と、該ずれの検出結果に基づいて、
次回の第2変速機の変速制御を補正する手段と、を備え
ることにより、上記目的を達成したものである。
本発明においては、学習制御の補正をするに当つて少な
くとも自動変速機の油温を考慮するようにしたため、エ
ンジンの暖機状態の如何に拘わらず、常に良好且つ適正
な補正をすることができ、第1、第2変速機の変速完了
を適確に同期させることができる。 好ましい実施態様は、前記変速制御の補正程度が、自動
変速機の油温のほか、エンジン負荷、車速、変速の種類
の少なくとも1つに応じても変更されることである。こ
れにより、変速制御の補正が更に適正に行われ、効果が
大きく、且つハンチング等の生じない補正を行うことが
できる。 又、好ましくは、前記変速制御の補正が、予め定められ
たガード範囲内において行われることである。これによ
り、何らかの原因で補正が不当に大きく行われるのを防
止することができる。
くとも自動変速機の油温を考慮するようにしたため、エ
ンジンの暖機状態の如何に拘わらず、常に良好且つ適正
な補正をすることができ、第1、第2変速機の変速完了
を適確に同期させることができる。 好ましい実施態様は、前記変速制御の補正程度が、自動
変速機の油温のほか、エンジン負荷、車速、変速の種類
の少なくとも1つに応じても変更されることである。こ
れにより、変速制御の補正が更に適正に行われ、効果が
大きく、且つハンチング等の生じない補正を行うことが
できる。 又、好ましくは、前記変速制御の補正が、予め定められ
たガード範囲内において行われることである。これによ
り、何らかの原因で補正が不当に大きく行われるのを防
止することができる。
以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。 第1変速機60と第2変速機40とが同時に変速される
ことによつて新たな変速段が達成される場合、特に両変
速機40、60が互いに逆方向に変速されることによつ
て新たな変速段が達成される場合としては、第3図から
明らかなように、第2速段及び第3速段間の変速、ある
いは第4速段及び第5速段間の変速等があるが、趣旨は
同様であるため、ここでは第1変速機がハイギヤシフト
すると共に、第2変速機がローギヤシフトし、自動変速
機全体としてアツプシフトがなされる第2速段から第3
速段への変速を例にとつて説明してゆく。 まず、第2図にこの実施例が適用される車両用自動変速
機の全体概要を示す。 この自動変速機は、そのトランスミツシヨン部としてト
ルクコンバータ20と、第2変速機40と、前進3段、
後進1段の第1変速機60とを備える。 前記トルクコンバータ20は、ポンプ21、タービン2
2、ステータ23、及びロツクアツプクラツチ24を備
える。ポンプ21は、エンジン1のクランク軸10と連
結され、タービン22は第2変速機40における遊星歯
車装置のキヤリア41に連結されている。 前記第2変速機40においては、このキヤリア41によ
つて回転可能に支持されたプラネタリピニオン42がサ
ンギヤ43及びリングギヤ44と歯合している。又、サ
ンギヤ43とキヤリア41との間には、クラツチC0及
び一方向クラツチF0が設けられており、サンギヤ43
とハウジングHuとの間には、ブレーキB0が設けられ
ている。 前記第1変速機60には、遊星歯車装置としてフロント
側及びリヤ側の2列が備えられている。この遊星歯車装
置は、それぞれ共通のサンギヤ61、リングギヤ62、
63、プラネタリピニオン64、65、及びキヤリア6
6、67からなる。 第2変速機40のリングギヤ44は、クラツチC1を介
して前記リングギヤ62に連結されている。又、前記リ
ングギヤ44とサンギヤ61との間にはクラツチC2が
設けられている。更に、前記キヤリア66は、前記リン
グギヤ63と連結されており、これらキヤリア66及び
リングギヤ63は出力軸70と連結されている。一方、
前記キヤリア67とハウジングHuとの間にはブレーキ
B3及び一方向クラツチF2が設けられており、更に、
サンギヤ61とハウジングHuとの間には、一方向クラ
ツチF1を介してブレーキB2が設けられ、又、サンギ
ヤ61とハウジングHuとの間には、ブレーキB1が設
けられている。 この自動変速機は、上述のごときトランスミツシヨン部
を備え、エンジン1の負荷状態を反映しているスロツト
ル開度を検出するスロツトルセンサ100、及び車速を
検出する車速センサ102等の信号を入力された中央処
理装置(ECU)104によつて、予め設定された変速
パターンに従つて油圧制御回路106内の電磁ソレノイ
ドバルブS1〜S4、及びSLが駆動・制御され、第3
図B部分に示されるような、各クラツチ、ブレーキ等の
継合の組合せが行われて変速制御がなされる。 又、第3図において○印は係合状態を示し、又、×印は
エンジンブレーキ使用時にのみ係合状態となることを示
している。 前記電磁ソレノイドバルブS1、S2は、第5図に示さ
れるように、第1変速機60の第1、第2シフトバルブ
の制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS3は、第2
変速機40の高速側及び低速側を切換える第3シフトバ
ルブの制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS4はレ
リーズコントロールバルブ(後述)の制御を行い、又、
前記電磁ソレノイドバルブSLはトルクコンバータ20
のロツクアツプクラツチ24の制御をそれぞれ行うよう
になつている。 なお、第2図において符号110はシフトポジシヨンセ
ンサで、運転者によつて操作されるN、D、R等の位置
を検出するもの、112はパターンセレクトスイツチ
で、E(経済走行)、P(パワー走行)等を選択するも
のであり、又、114はエンジンの冷却水温度を検出す
る水温センサを示し、116はフツトブレーキ、118
はサイドブレーキの作動を検出するブレーキスイツチを
それぞれ示している。 ここにおいて、この実施例では、前記中央処理装置10
4にこれらの入力信号の他に、自動変速機の油温を検出
するための油温センサ120の信号、及びクラツチC0
の回転速度を検出するための回転数センサ122の信号
が併せて入力されている。 第4図に前記油圧制御回路106の要部を示す。 図において、符号200は第1変速機60の第1速状態
と第2速状態との間を切換えるための第1シフトバル
ブ、S1は該第1シフトバルブの切換えを制御するため
の電磁ソレノイドバルブ、300は第2変速機40の高
速側、低速側を切換えるための第3シフトバルブ、S3
は該第3シフトバルブ300の切換えを制御するための
電磁ソレノイドバルブ、400、500、600は、そ
れぞれ前記ブレーキB2、B0、及びクラツチC0への
油路における油圧の過渡特性を制御するためのアキユム
レータ、700は運転者によつて操作されるシフトレバ
ーに連動したマニユアルバルブをそれぞれ示している。
これらの各機器自体の構成及び作用については、基本的
に従来と同様であるため、個々の機器の詳細な説明は省
略する。 又、符号800は、第3シフトバルブ300のドレン油
圧を制御することによつて、ブレーキB0の作用が解除
されるときの時間及び作用圧を制御するためのレリーズ
コントロールバルブである。このレリーズコントロール
バルブ800は、異なるフエイス面積A1、A2(A1
<A2)の2つのランド802、804を備え、該2つ
のランド802、804の中間位置に設けられたポート
806にブレーキB0のドレン油圧が入力されるように
なつている。又、図中下部のポート810には、図示せ
ねスロツトルバルブからのスロツトル圧が印加されるよ
うになつている。このレリーズコントロールバルブ80
0はECU104によつて制御される電磁ソレノイドバ
ルブS4によつて制御が可能である。 次に、この実施例の作用を第6図の流れ図を参照しなが
ら説明する。 始めにフラグTは零にしておく。ステツプ900におい
て車速とスロツトル開度によつて定められる変速点によ
り、変速判断がなされると、ステツプ902及び904
において自動変速機の油温及びスロツトル開度がモニタ
される。その後ステツプ906に進み、第1変速機60
の変速指令(B2油圧供給指令、即ち、第1シフトバル
ブ200を切換えるための電磁ソレノイドバルブS1の
ON指令)が出され、B2油圧が供給される。 次に、ステツプ908において第2変速機40のローギ
ヤシフトが第1変速機60のイナーシヤ相中で開始する
ように、第1変速機60の変速指令からTD(TDは例
えば第7図に示されるように、油温、スロツトル開度及
び変速の種類によつて決定される定数)の時間の猶予が
置かれた後、ステツプ910において第2変速機4の変
速開始指令(B0ドレン指令、即ち、第3シフトバルブ
300を切換えるための電磁ソレノイドバルブS3のO
N指令)が出され、B0油圧のドレンが開始される。な
お、このTDはスロツトル開度、変速の種類(第7図の
例では第2速段から第3速段へのパワーオンアツプシフ
トの場合のみが示されている)における初期値であり、
次回の変速からは、後述する学習フローでtDの増減の
みが行われる。 次に、ステツプ912においてC0ドラムメンバの回転
速度NC0と、そのときの出力軸回転速度Noから計算さ
れるC0ドラムメンバの同期回転速度NC0′(=(1+
ρ)×N0;ρはギヤ比)との比較が開始される。 次いでステツプ914においてB2供給指令からT4時
間経つとステツプ916でB0クイツクドレン指令を出
し、ステツプ918においてNC0とNC0′との比較を
終了する。ここでT4は、この変速でのB2供給指令か
ら第1変速機の変速完了までの時間であり、例えば第7
図に示されるように、油温、スロツトル開度及び変速の
種類に応じて設定される。このT4及び前述のTDには
上限値及び下限値が設けられており、センサ系の誤動作
によつて不適正な時間が選択されたりしないように配慮
している。 ここまでの作用を第4図を用いて説明すると、ブレーキ
B0の油圧がドレンされる際は、チエツク弁付オリフイ
ス502の作用によつてアキユムレータ500の戻りの
速度が押えられるため、ブレーキB0のドレン油圧PB0
がポート810の印加されるスロツトル圧及びスプリン
グ812の力で定まる所定の圧力PB0′以上のときは、
第4図左側の状態となつてポート806と808とを短
絡させてブレーキB0の油圧を急速にドレンさせ、又、
ブレーキB0の油圧が前記所定の圧力PB0′以下となつ
たときは同図右側の状態となつてポート808を閉じ、
オリフイス814を介してゆつくりとドレンさせるよう
な特性とすることができる。その結果、あらゆるスロツ
トル開度の場合において第2変速機が的確に変速を開始
するようにできると共に、第2変速機の解除力を所定の
値に維持することができ、第2変速機が瞬間的にニユー
トラルの状態となることによる出力トルクの低下を避け
ることができる。なおステツプ918においてB0クイ
ツクドレン指令が出たときには、電磁ソレノイドバルブ
S4がOFF状態となり強制的にポート806とポート
808とを短絡させてB0油圧をクイツクドレンさせ
る。第1変速機60の変速完了(T4の経過)時におい
て、B0をクイツクドレンさせるのは、第2変速機40
の変速完了が、万一第1変速機60の変速完了よりも遅
れたとき、第2変速機の変速完了を速やかに行うためで
あり、又、第1変速機60と第2変速機40との変速完
了が同期したときでも該同期後にB0油圧が多少とも残
ると、ブレーキB0の引きずりによつて出力軸トルクが
落込むためである。 ステツプ920からは学習補正のフローに入る。まず、
ステツプ920において変速中のスロツトル開度θが一
定であつたかどうかが判断され、一定であつた場合には
922に進んでNC0とNC0′との比較が行われる。 このように学習制御の基礎となる変速をスロツトル開度
θが一定であつた変速に限定するのは、特殊な状態下で
行われた変速結果を基準にして次回の変速が不適正に補
正されるのを防止するためである。 NC0>NC0′が成立した場合には、第2変速機の変速完
了が第1変速機の変速完了よりも早いと考えられるた
め、ステツプ924に進んで変速完了を同期させるため
にTD=TD+tD(tDは第7図に示されるように、
スロツトル開度及び変速の種類によつて決められた定
数)として第2変速機の変速開始を遅らせる。又、92
6においては、T4の値が実際の第1変速の完了時に合
わせて補正される。なお、第1変速機が変速完了したか
否かは、C0ドラムメンバ回転速度NC0が前記同期軸回
転速度NC0′に達したか否かで判断可能である。第2変
速機40が第1変速機60よりも早く変速を完了した場
合には、C0ドラムメンバ回転速度NC0は1度同期回転
速度を超えるので、再び同期回転速度に達したときを第
1変速機60の変速完了時とする。 ステツプ922においてNC0>NC0′が成立しなけれ
ば、第2変速機の変速完了が第1変速機の変速完了より
も遅れていたか、又は同期した場合で、ステツプ928
においてTD=TD−tDとして第2変速機の変速開始
を早める。 なおステツプ800〜803のフラグTに関するステツ
プ、ステツプ904、912においてそれぞれの条件が
成立するまで実質的にフローを停止させておくためのも
のである。 この実施例によれば、簡単な構成で第1変速機の第2変
速機の変速タイミングを、第8図破線に示されるように
良好に制御することができ、出力トルクの急変を防止す
ることが可能である。 なお、上記実施例においては、変速タイミングの結果
を、C0ドラムメンバーの回転速度の検出によつて行う
ようにしていたが、本発明においては変速タイミングの
結果を判定する手段、あるいは方法を限定するものでは
なく、例えばエンジン回転速度の変化の検出、あるいは
摩擦係合装置に供給される油圧の変化の検出によつて行
うようにしてもよい。 又、上記実施例においては、TD、T4等の補正程度を
油温のほかエンジン負荷(スロツトル開度)及び変速の
種類に応じて設定するようにしていたが、本発明におい
ては、依存の要素を限定するものではなく、これらの代
わりに、あるいはこれらに加えて例えば車速要素を考慮
するようにしてもよい。 更に、上記実施例においては、油温センサ120によつ
て自動変速機の油温を直接検出するようにしていたが、
本発明においては自動変速機の油温の検出方法を限定す
るものではなく、コスト、あるいは収容スペースの関係
で、例えばエンジン冷却水温センサ114からの信号を
自動変速機の油温を代表するものとして採用するように
してもよい。
ことによつて新たな変速段が達成される場合、特に両変
速機40、60が互いに逆方向に変速されることによつ
て新たな変速段が達成される場合としては、第3図から
明らかなように、第2速段及び第3速段間の変速、ある
いは第4速段及び第5速段間の変速等があるが、趣旨は
同様であるため、ここでは第1変速機がハイギヤシフト
すると共に、第2変速機がローギヤシフトし、自動変速
機全体としてアツプシフトがなされる第2速段から第3
速段への変速を例にとつて説明してゆく。 まず、第2図にこの実施例が適用される車両用自動変速
機の全体概要を示す。 この自動変速機は、そのトランスミツシヨン部としてト
ルクコンバータ20と、第2変速機40と、前進3段、
後進1段の第1変速機60とを備える。 前記トルクコンバータ20は、ポンプ21、タービン2
2、ステータ23、及びロツクアツプクラツチ24を備
える。ポンプ21は、エンジン1のクランク軸10と連
結され、タービン22は第2変速機40における遊星歯
車装置のキヤリア41に連結されている。 前記第2変速機40においては、このキヤリア41によ
つて回転可能に支持されたプラネタリピニオン42がサ
ンギヤ43及びリングギヤ44と歯合している。又、サ
ンギヤ43とキヤリア41との間には、クラツチC0及
び一方向クラツチF0が設けられており、サンギヤ43
とハウジングHuとの間には、ブレーキB0が設けられ
ている。 前記第1変速機60には、遊星歯車装置としてフロント
側及びリヤ側の2列が備えられている。この遊星歯車装
置は、それぞれ共通のサンギヤ61、リングギヤ62、
63、プラネタリピニオン64、65、及びキヤリア6
6、67からなる。 第2変速機40のリングギヤ44は、クラツチC1を介
して前記リングギヤ62に連結されている。又、前記リ
ングギヤ44とサンギヤ61との間にはクラツチC2が
設けられている。更に、前記キヤリア66は、前記リン
グギヤ63と連結されており、これらキヤリア66及び
リングギヤ63は出力軸70と連結されている。一方、
前記キヤリア67とハウジングHuとの間にはブレーキ
B3及び一方向クラツチF2が設けられており、更に、
サンギヤ61とハウジングHuとの間には、一方向クラ
ツチF1を介してブレーキB2が設けられ、又、サンギ
ヤ61とハウジングHuとの間には、ブレーキB1が設
けられている。 この自動変速機は、上述のごときトランスミツシヨン部
を備え、エンジン1の負荷状態を反映しているスロツト
ル開度を検出するスロツトルセンサ100、及び車速を
検出する車速センサ102等の信号を入力された中央処
理装置(ECU)104によつて、予め設定された変速
パターンに従つて油圧制御回路106内の電磁ソレノイ
ドバルブS1〜S4、及びSLが駆動・制御され、第3
図B部分に示されるような、各クラツチ、ブレーキ等の
継合の組合せが行われて変速制御がなされる。 又、第3図において○印は係合状態を示し、又、×印は
エンジンブレーキ使用時にのみ係合状態となることを示
している。 前記電磁ソレノイドバルブS1、S2は、第5図に示さ
れるように、第1変速機60の第1、第2シフトバルブ
の制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS3は、第2
変速機40の高速側及び低速側を切換える第3シフトバ
ルブの制御を行い、前記電磁ソレノイドバルブS4はレ
リーズコントロールバルブ(後述)の制御を行い、又、
前記電磁ソレノイドバルブSLはトルクコンバータ20
のロツクアツプクラツチ24の制御をそれぞれ行うよう
になつている。 なお、第2図において符号110はシフトポジシヨンセ
ンサで、運転者によつて操作されるN、D、R等の位置
を検出するもの、112はパターンセレクトスイツチ
で、E(経済走行)、P(パワー走行)等を選択するも
のであり、又、114はエンジンの冷却水温度を検出す
る水温センサを示し、116はフツトブレーキ、118
はサイドブレーキの作動を検出するブレーキスイツチを
それぞれ示している。 ここにおいて、この実施例では、前記中央処理装置10
4にこれらの入力信号の他に、自動変速機の油温を検出
するための油温センサ120の信号、及びクラツチC0
の回転速度を検出するための回転数センサ122の信号
が併せて入力されている。 第4図に前記油圧制御回路106の要部を示す。 図において、符号200は第1変速機60の第1速状態
と第2速状態との間を切換えるための第1シフトバル
ブ、S1は該第1シフトバルブの切換えを制御するため
の電磁ソレノイドバルブ、300は第2変速機40の高
速側、低速側を切換えるための第3シフトバルブ、S3
は該第3シフトバルブ300の切換えを制御するための
電磁ソレノイドバルブ、400、500、600は、そ
れぞれ前記ブレーキB2、B0、及びクラツチC0への
油路における油圧の過渡特性を制御するためのアキユム
レータ、700は運転者によつて操作されるシフトレバ
ーに連動したマニユアルバルブをそれぞれ示している。
これらの各機器自体の構成及び作用については、基本的
に従来と同様であるため、個々の機器の詳細な説明は省
略する。 又、符号800は、第3シフトバルブ300のドレン油
圧を制御することによつて、ブレーキB0の作用が解除
されるときの時間及び作用圧を制御するためのレリーズ
コントロールバルブである。このレリーズコントロール
バルブ800は、異なるフエイス面積A1、A2(A1
<A2)の2つのランド802、804を備え、該2つ
のランド802、804の中間位置に設けられたポート
806にブレーキB0のドレン油圧が入力されるように
なつている。又、図中下部のポート810には、図示せ
ねスロツトルバルブからのスロツトル圧が印加されるよ
うになつている。このレリーズコントロールバルブ80
0はECU104によつて制御される電磁ソレノイドバ
ルブS4によつて制御が可能である。 次に、この実施例の作用を第6図の流れ図を参照しなが
ら説明する。 始めにフラグTは零にしておく。ステツプ900におい
て車速とスロツトル開度によつて定められる変速点によ
り、変速判断がなされると、ステツプ902及び904
において自動変速機の油温及びスロツトル開度がモニタ
される。その後ステツプ906に進み、第1変速機60
の変速指令(B2油圧供給指令、即ち、第1シフトバル
ブ200を切換えるための電磁ソレノイドバルブS1の
ON指令)が出され、B2油圧が供給される。 次に、ステツプ908において第2変速機40のローギ
ヤシフトが第1変速機60のイナーシヤ相中で開始する
ように、第1変速機60の変速指令からTD(TDは例
えば第7図に示されるように、油温、スロツトル開度及
び変速の種類によつて決定される定数)の時間の猶予が
置かれた後、ステツプ910において第2変速機4の変
速開始指令(B0ドレン指令、即ち、第3シフトバルブ
300を切換えるための電磁ソレノイドバルブS3のO
N指令)が出され、B0油圧のドレンが開始される。な
お、このTDはスロツトル開度、変速の種類(第7図の
例では第2速段から第3速段へのパワーオンアツプシフ
トの場合のみが示されている)における初期値であり、
次回の変速からは、後述する学習フローでtDの増減の
みが行われる。 次に、ステツプ912においてC0ドラムメンバの回転
速度NC0と、そのときの出力軸回転速度Noから計算さ
れるC0ドラムメンバの同期回転速度NC0′(=(1+
ρ)×N0;ρはギヤ比)との比較が開始される。 次いでステツプ914においてB2供給指令からT4時
間経つとステツプ916でB0クイツクドレン指令を出
し、ステツプ918においてNC0とNC0′との比較を
終了する。ここでT4は、この変速でのB2供給指令か
ら第1変速機の変速完了までの時間であり、例えば第7
図に示されるように、油温、スロツトル開度及び変速の
種類に応じて設定される。このT4及び前述のTDには
上限値及び下限値が設けられており、センサ系の誤動作
によつて不適正な時間が選択されたりしないように配慮
している。 ここまでの作用を第4図を用いて説明すると、ブレーキ
B0の油圧がドレンされる際は、チエツク弁付オリフイ
ス502の作用によつてアキユムレータ500の戻りの
速度が押えられるため、ブレーキB0のドレン油圧PB0
がポート810の印加されるスロツトル圧及びスプリン
グ812の力で定まる所定の圧力PB0′以上のときは、
第4図左側の状態となつてポート806と808とを短
絡させてブレーキB0の油圧を急速にドレンさせ、又、
ブレーキB0の油圧が前記所定の圧力PB0′以下となつ
たときは同図右側の状態となつてポート808を閉じ、
オリフイス814を介してゆつくりとドレンさせるよう
な特性とすることができる。その結果、あらゆるスロツ
トル開度の場合において第2変速機が的確に変速を開始
するようにできると共に、第2変速機の解除力を所定の
値に維持することができ、第2変速機が瞬間的にニユー
トラルの状態となることによる出力トルクの低下を避け
ることができる。なおステツプ918においてB0クイ
ツクドレン指令が出たときには、電磁ソレノイドバルブ
S4がOFF状態となり強制的にポート806とポート
808とを短絡させてB0油圧をクイツクドレンさせ
る。第1変速機60の変速完了(T4の経過)時におい
て、B0をクイツクドレンさせるのは、第2変速機40
の変速完了が、万一第1変速機60の変速完了よりも遅
れたとき、第2変速機の変速完了を速やかに行うためで
あり、又、第1変速機60と第2変速機40との変速完
了が同期したときでも該同期後にB0油圧が多少とも残
ると、ブレーキB0の引きずりによつて出力軸トルクが
落込むためである。 ステツプ920からは学習補正のフローに入る。まず、
ステツプ920において変速中のスロツトル開度θが一
定であつたかどうかが判断され、一定であつた場合には
922に進んでNC0とNC0′との比較が行われる。 このように学習制御の基礎となる変速をスロツトル開度
θが一定であつた変速に限定するのは、特殊な状態下で
行われた変速結果を基準にして次回の変速が不適正に補
正されるのを防止するためである。 NC0>NC0′が成立した場合には、第2変速機の変速完
了が第1変速機の変速完了よりも早いと考えられるた
め、ステツプ924に進んで変速完了を同期させるため
にTD=TD+tD(tDは第7図に示されるように、
スロツトル開度及び変速の種類によつて決められた定
数)として第2変速機の変速開始を遅らせる。又、92
6においては、T4の値が実際の第1変速の完了時に合
わせて補正される。なお、第1変速機が変速完了したか
否かは、C0ドラムメンバ回転速度NC0が前記同期軸回
転速度NC0′に達したか否かで判断可能である。第2変
速機40が第1変速機60よりも早く変速を完了した場
合には、C0ドラムメンバ回転速度NC0は1度同期回転
速度を超えるので、再び同期回転速度に達したときを第
1変速機60の変速完了時とする。 ステツプ922においてNC0>NC0′が成立しなけれ
ば、第2変速機の変速完了が第1変速機の変速完了より
も遅れていたか、又は同期した場合で、ステツプ928
においてTD=TD−tDとして第2変速機の変速開始
を早める。 なおステツプ800〜803のフラグTに関するステツ
プ、ステツプ904、912においてそれぞれの条件が
成立するまで実質的にフローを停止させておくためのも
のである。 この実施例によれば、簡単な構成で第1変速機の第2変
速機の変速タイミングを、第8図破線に示されるように
良好に制御することができ、出力トルクの急変を防止す
ることが可能である。 なお、上記実施例においては、変速タイミングの結果
を、C0ドラムメンバーの回転速度の検出によつて行う
ようにしていたが、本発明においては変速タイミングの
結果を判定する手段、あるいは方法を限定するものでは
なく、例えばエンジン回転速度の変化の検出、あるいは
摩擦係合装置に供給される油圧の変化の検出によつて行
うようにしてもよい。 又、上記実施例においては、TD、T4等の補正程度を
油温のほかエンジン負荷(スロツトル開度)及び変速の
種類に応じて設定するようにしていたが、本発明におい
ては、依存の要素を限定するものではなく、これらの代
わりに、あるいはこれらに加えて例えば車速要素を考慮
するようにしてもよい。 更に、上記実施例においては、油温センサ120によつ
て自動変速機の油温を直接検出するようにしていたが、
本発明においては自動変速機の油温の検出方法を限定す
るものではなく、コスト、あるいは収容スペースの関係
で、例えばエンジン冷却水温センサ114からの信号を
自動変速機の油温を代表するものとして採用するように
してもよい。
以上説明した通り、本発明によれば、第1変速機と第2
変速機を例えば互いに逆方向に変速した結果新たな変速
段が達成されるような場合であつても、又、エンジンの
暖機状態の如何に拘わらずアツプシフト、ダウンシフト
の感覚を良好に維持でき、アツプシフト後のダウンシフ
ト、あるいはダウンシフト後のアツプシフトというよう
な奇妙な運転感覚が生じないようにすることができる。
又、個々の自動車に最適な制御が適切に行われる結果、
変速シヨツクを極めて低く抑えることができるようにな
るという優れた効果も得られる。
変速機を例えば互いに逆方向に変速した結果新たな変速
段が達成されるような場合であつても、又、エンジンの
暖機状態の如何に拘わらずアツプシフト、ダウンシフト
の感覚を良好に維持でき、アツプシフト後のダウンシフ
ト、あるいはダウンシフト後のアツプシフトというよう
な奇妙な運転感覚が生じないようにすることができる。
又、個々の自動車に最適な制御が適切に行われる結果、
変速シヨツクを極めて低く抑えることができるようにな
るという優れた効果も得られる。
第1図は、本発明に係る変速制御装置において実行され
る内容の要旨を示す流れ図、 第2図は、本発明が適用された車両用自動変速機の全体
スケルトン図、 第3図は、上記自動変速機における各摩擦係合装置の作
動状態を示す線図、 第4図は、同じく油圧制御回路の一部を示す回路図、 第5図は、同じく油圧制御回路内の電磁ソレノイドバル
ブとシフトバルブの関係等を示すブロツク線図、 第6図は、上記実施例装置での制御フローを示す流れ
図、 第7図は、第2速段から第3速段へパワーオンアツプシ
フトされる際のTD、tD、及びT4のスロツトル開度
に対するマツプの例を示す線図、 第8図は、変速タイミングが同期したときと同期しない
ときとを比較して示す変速特性線図である。 B0、B2……ブレーキ、 C0……クラツチ、 S1〜S4……電磁ソレノイドバルブ、 40……第2変速機、 60……第1変速機、 120……油温センサ、 200……第1シフトバルブ、 300……第3シフトバルブ、 400、500、600……アキユムレータ、 502……チエツク弁付オリフイス、 800……レリーズコントロールバルブ、 814……オリフイス。
る内容の要旨を示す流れ図、 第2図は、本発明が適用された車両用自動変速機の全体
スケルトン図、 第3図は、上記自動変速機における各摩擦係合装置の作
動状態を示す線図、 第4図は、同じく油圧制御回路の一部を示す回路図、 第5図は、同じく油圧制御回路内の電磁ソレノイドバル
ブとシフトバルブの関係等を示すブロツク線図、 第6図は、上記実施例装置での制御フローを示す流れ
図、 第7図は、第2速段から第3速段へパワーオンアツプシ
フトされる際のTD、tD、及びT4のスロツトル開度
に対するマツプの例を示す線図、 第8図は、変速タイミングが同期したときと同期しない
ときとを比較して示す変速特性線図である。 B0、B2……ブレーキ、 C0……クラツチ、 S1〜S4……電磁ソレノイドバルブ、 40……第2変速機、 60……第1変速機、 120……油温センサ、 200……第1シフトバルブ、 300……第3シフトバルブ、 400、500、600……アキユムレータ、 502……チエツク弁付オリフイス、 800……レリーズコントロールバルブ、 814……オリフイス。
Claims (3)
- 【請求項1】複数の変速段を自動的に切換え得る第1変
速機及び該第1変速機の変速段間のギヤ比差よりも小さ
なギヤ比差の変速段を有する第2変速機を備え、 前記第1変速機と第2変速機とを同時に変速させること
により特定の変速を達成するようにした自動変速機の変
速制御装置において、 前記第1変速機の変速を開始させた後に前記第2変速機
の変速を開始させる手段と、 前記第1変速機の変速終了と同期させて第2変速機の変
速を終了させる手段と、 油温を検出する手段と、 前記第2変速機の変速開始を油温に依存して変更する手
段と、 第1変速機と第2変速機の変速完了のずれを検出する手
段と、 該ずれの検出結果に基づいて、次回の第2変速機の変速
制御を補正する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項2】前記第2変速機の変速制御の補正程度が、
自動変速機の油温のほか、エンジン負荷、車速、変速の
種類の少なくとも1つに応じて変更されることを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の自動変速機の変速制
御装置。 - 【請求項3】前記変速制御の補正が、予め定められたガ
ード範囲内において行われることを特徴とする特許請求
の範囲第1項又は第2項に記載の自動変速機の変速制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60223371A JPH0613908B2 (ja) | 1985-10-07 | 1985-10-07 | 自動変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60223371A JPH0613908B2 (ja) | 1985-10-07 | 1985-10-07 | 自動変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6283541A JPS6283541A (ja) | 1987-04-17 |
JPH0613908B2 true JPH0613908B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=16797094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60223371A Expired - Lifetime JPH0613908B2 (ja) | 1985-10-07 | 1985-10-07 | 自動変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0613908B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01146053U (ja) * | 1988-03-31 | 1989-10-06 | ||
JP2739121B2 (ja) * | 1989-09-05 | 1998-04-08 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
JP2966003B2 (ja) * | 1989-09-06 | 1999-10-25 | トヨタ自動車株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
JPH0776581B2 (ja) * | 1989-10-03 | 1995-08-16 | 日産自動車株式会社 | 自動変速機のギアトレーン |
-
1985
- 1985-10-07 JP JP60223371A patent/JPH0613908B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6283541A (ja) | 1987-04-17 |
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