JPH06138080A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JPH06138080A
JPH06138080A JP5007244A JP724493A JPH06138080A JP H06138080 A JPH06138080 A JP H06138080A JP 5007244 A JP5007244 A JP 5007244A JP 724493 A JP724493 A JP 724493A JP H06138080 A JPH06138080 A JP H06138080A
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JP
Japan
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sensor
layer
enzyme
sucrose
electrode
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JP5007244A
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Toshihiko Yoshioka
俊彦 吉岡
Satoko Fujisawa
里子 藤澤
Mariko Miyahara
万里子 宮原
Shiro Nankai
史朗 南海
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性の高いバイオセンサを提供する。 【構成】 絶縁性の基板1上に作用極4と対極5を主体
とする電極系を設け、前記電極系上にリン酸塩と酵素と
電子受容体と親水性高分子を含む反応層を設置したバイ
オセンサ。さらに、前記絶縁性の基板上にpH緩衝剤
(溶液状態でpH緩衝作用を有する物質)を配置したバ
イオセンサ。 【効果】 リン酸塩によってピラノースの光学異性体平
衡移動反応が加速されるため、迅速なセンサ応答を得る
ことができる。さらに、pH緩衝剤の作用によって試料
液のpHを予め調整することなく精度の高い測定が可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中の特定成分につ
いて、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施することので
きるバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】酵素反応過程においてピラノースの光学
異性体平衡移動反応を伴う系を有するバイオセンサの一
例としてスクロースセンサについて説明する。
【0003】酵素電極を用いたスクロースの定量方法と
してはインベルターゼ(EC3.2.1.26:以下I
NVと略す)、ムタロターゼ(EC5.1.3.3:以
下MUTと略す)、グルコースオキシダーゼ(EC1.
1.3.4:以下GODと略す)の3つの酵素と酸素電
極あるいは過酸化水素電極とを組み合わせた方式が一般
に知られている(例えば、鈴木周一編「バイオセンサ
ー」講談社)。上記方法について説明する。試料中のス
クロースはINVによってα−グルコースとフルクトー
スに加水分解される。つぎにMUTによってα−グルコ
ースからβ−グルコースへの異性化が促進され、このβ
−グルコースがGODにより選択的に酸化される。酸素
の存在下では、前記GODによる酸化反応過程において
酸素が過酸化水素に還元される。このときの酸素減少量
を酸素電極によって計測するか、あるいは過酸化水素の
増加量を過酸化水素電極によって計ることでスクロース
の定量を行なうものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酵素試薬は比較的高価
であることが多いが、上記構成のバイオセンサは3種類
の酵素を必要とするため、コストが高くなり実用化に際
して不利となることがみうけられた。また、本測定系は
3段階の酵素反応を有しているため、測定に必要な時間
が比較的長くなる傾向がみられた。
【0005】さらに酵素の比活性は、水素イオン濃度
(pH)に依存する性質を有しており、最も高い活性が
得られるpH(至適pH)は各酵素についてそれぞれ異
なる。したがって試料液のpHが異なる場合には一定の
センサ応答を得ることが難しい。試料液の前処理なしに
測定することは測定操作を極めて簡便ならしめるが、試
料液のpHによってセンサ応答が影響を受ける場合には
pHを一定にするための前処理が必要となり、簡便性が
損なわれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、絶縁性の基板上に少なくとも作用極と対
極からなる電極系を設け、前記電極系上にリン酸塩と酵
素と電子受容体と親水性高分子を主体とする反応層を設
置したバイオセンサを提供するものである。さらに、前
記電極系上に溶液状態でpHの緩衝作用を有する物質
(本発明では「pH緩衝剤」と記す)を配置したもので
ある。
【0007】
【作用】リン酸イオン(PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4
-)によってピラノースの光学異性体平衡移動反応が加
速されるため、迅速なセンサ応答を得ることができる。
さらに、前記光学異性体平衡移動を触媒する酵素(MU
Tなど)をバイオセンサ構成要素から除外することがで
きる。その結果、安価で高い信頼性を有するバイオセン
サが得られる。
【0008】さらに、pH緩衝剤の作用によって酵素反
応を一定のpHの範囲内で進行させることができ、その
結果試料液のpHにかかわらず高精度なセンサ応答を得
ることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0010】(実施例1)バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。図1は本発明のバ
イオセンサの一実施例として作製したスクロースセンサ
の断面図、図2は同スクロースセンサのうち反応層を除
き、図1の斜め上方向からみた分解斜視図、図3は同ス
クロースセンサの応答の一例を示す図である。
【0011】以下、スクロースセンサの作製方法につい
て説明する。ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁
性の基板1に、スクリーン印刷により銀ペ−ストを印刷
しリ−ド2、3を形成した。つぎに、樹脂バインダーを
含む導電性カーボンペーストを印刷して作用極4を形成
した。作用極4はリード2と接触している。
【0012】つぎに、絶縁性ペーストを印刷して絶縁層
6を形成した。絶縁層6は、作用極4の外周部を覆って
おり、これによって作用極4の露出部分の面積を一定に
保っている。さらに、絶縁層6は、リード2、3を部分
的に覆っている。
【0013】つぎに、樹脂バインダーを含む導電性カー
ボンペーストをリード3と接触するように印刷して対極
5を形成した。
【0014】次に、前記電極系(作用極4、対極5)上
に親水性高分子としてカルボキシメチルセルロ−ス(以
下CMCと略す)の0.5wt%水溶液を滴下、乾燥させ
てCMC層を形成した。つづいて、前記CMC層上に酵
素としてINV、GODおよび電子受容体としてフェリ
シアン化カリウムをリン酸緩衝液(0.2M:KH2
4−0.2M:Na2HPO4;pH=7.4)に溶解
させた混合溶液を滴下し、50℃の温風乾燥器中で10
分間乾燥させて反応層7を形成した。
【0015】リン酸塩、酵素および電子受容体の混合溶
液を滴下すると、親水性高分子からなるCMC層は一度
溶解し、その後の乾燥過程で酵素などと混合された形で
反応層7を形成する。しかし、撹拌等をともなわないた
め完全な混合状態とはならず、電極系表面はCMCのみ
によって被覆された状態となる。すなわち、酵素および
電子受容体などが電極系表面に接触しないために、電極
系表面へのタンパク質の吸着などを防ぐことができる。
【0016】上記のようにして反応層7を形成した後、
カバー9およびスペーサー8を図2中、一点鎖線で示す
ような位置関係をもって接着してスクロースセンサを作
製した。
【0017】このスクロースセンサに試料液としてスク
ロース水溶液3μlを試料供給孔10より供給した。試
料液は空気孔11部分まで達し、電極系上の反応層7が
溶解した。
【0018】なお、試料液の供給をよりいっそう円滑に
するためには、さらに、レシチンの有機溶媒溶液(例え
ばトルエン)を試料供給部(センサ先端部)から反応層
上にわたって広げ、乾燥させることでレシチン層を形成
してからカバー9、スペーサー8を接着するとよい。
【0019】試料液を供給してから一定時間後に電極系
の対極5と作用極4間に+0.5Vの電圧を印加し、5
秒後の電流値を測定したところ、試料液中のスクロース
濃度に比例した値が得られた。
【0020】本発明のスクロースセンサと前記スクロー
スセンサのうち反応層中のリン酸塩を除いて作製したセ
ンサについて、センサ応答の測定時間依存特性を図3に
示す。図3中、aは本発明のスクロースセンサ、bは本
発明のうちリン酸塩を除いたスクロースセンサ、cはa
のスクロースセンサの反応層中にさらにMUTを加えた
構成のセンサのスクロース水溶液(20mM)に対する
応答である。
【0021】本発明のスクロースセンサ(a)は、MU
Tを含むセンサ(c)に比べるとやや劣るが、リン酸塩
を除いたもの(b)と比較するとより短い時間でセンサ
応答が一定になることががわかる。
【0022】スクロースがINVにより加水分解されて
α−グルコースが生成し、このα−グルコースはリン酸
塩により迅速にβ−グルコースとなり、このβ−グルコ
ースがGODによって酸化される。GODによる酸化反
応で移動した電子によってフェリシアン化カリウムがフ
ェロシアン化カリウムに還元される。次に、前記の電圧
印加により、生成したフェロシアン化カリウムの酸化電
流が得られ、この電流値は基質であるスクロースの濃度
に対応する。
【0023】(実施例2)バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。
【0024】実施例1と同様にして、ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1上に、リ−ド2、3
と電極系(作用極4、対極5)および絶縁層6を形成し
た。さらに、CMC層を前記電極系上に形成した。
【0025】次に、前記CMC層上にINVとGODと
フェリシアン化カリウムとリン酸二カリウム塩をマレイ
ン酸−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液
(pH=7.5:以下、マレイン酸−Tris緩衝液と
略す)に溶解させた混合溶液を滴下し、温風乾燥器中で
乾燥させて反応層7を形成した。さらに、実施例1と同
様にしてカバー9およびスペーサー8と共に一体化して
スクロースセンサを作製した。
【0026】前記反応層7は電極系表面に接して形成す
る方法について述べたが、必ずしもその必要はない。図
2のようなカバー9およびスペーサー8と一体化する場
合には、カバー9とスペーサー8と絶縁性の基板1とに
よって電極系上部に空間部が形成される。前記カバー
9、スペーサー8、絶縁性の基板1の前記空間部の壁面
に相当する部位であれば適当な場所に反応層を形成する
ことができる。センサに供給された試料液は前記空間部
を満たすため、反応層を溶解することが可能である。
【0027】上記のように作製したスクロースセンサに
試料液としてスクロース水溶液3μlを実施例1と同様
に試料供給孔10から供給してセンサ応答電流を測定し
たところ、スクロース濃度に比例した値が得られた。
【0028】(実施例3)バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。
【0029】実施例1と同様にして、ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1上に、リ−ド2、3
と電極系(作用極4、対極5)および絶縁層6を形成し
た。
【0030】次に、前記電極系上に0.5wt%ヒドロキ
シエチルセルロース(以下、HECと略す)水溶液を滴
下、乾燥させてHEC層を形成した。つづいて、前記H
EC層上にINVとMUTとGODとフェリシアン化カ
リウムとリン酸二ナトリウム塩を[N−(2−ヒドロキ
シエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸]
−水酸化ナトリウム緩衝液(pH=7.2:以下、HE
PES−NaOH緩衝液と略す)に溶解させた混合溶液
を滴下し、温風乾燥器中で乾燥させて反応層7を形成し
た。
【0031】上記のように作製したスクロースセンサに
試料液としてスクロース水溶液10μlを反応層上へ滴
下して反応層を溶解させ、一定時間後に実施例1と同様
に作用極と対極間に定電圧を印加して応答電流を測定し
た。
【0032】グルコースのα体からβ体への異性化はM
UTおよびリン酸イオン双方の作用によって促進され
る。本実施例のスクロースセンサのように、反応層中に
MUTとリン酸イオンとを共に有することにより、グル
コースのα体からβ体への異性化の速度をさらに加速す
ることができる。その結果、より短時間でセンサ応答を
得ることが可能となる。
【0033】(実施例4)バイオセンサの一例として、
グルコースセンサについて説明する。
【0034】実施例1と同様にして、ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1上に、リ−ド2、3
と電極系(作用極4、対極5)および絶縁層6を形成し
た。
【0035】次に、前記電極系上に0.5wt%ヒドロキ
シプロピルセルロース(以下、HPCと略す)水溶液を
滴下、乾燥させてHPC層を形成した。つづいて、前記
HPC層上にGODとフェリシアン化カリウムとリン酸
二カリウム塩をクエン酸二水素ナトリウム−水酸化ナト
リウム緩衝液(pH=5.5)に溶解させた混合溶液を
滴下し、50℃の温風乾燥器中で10分間乾燥させて反
応層7を形成した。さらに、カバーおよびスペーサーを
実施例1同様に接着してグルコースセンサを作製した。
【0036】上記のように作製したグルコースセンサに
試料液としてグルコース水溶液10μlを供給して反応
層を溶解させ、一定時間後に実施例1と同様に作用極と
対極間に定電圧を印加して応答電流を測定した。
【0037】GODはグルコースの異性体のうちβ体の
みを特異的に酸化する機能を有しているが、グルコース
は水溶液中ではα体とβ体が平衡状態にある。本実施例
のグルコースセンサを用いると、反応層中に予め添加し
たリン酸イオンの作用によってグルコースのα体からβ
体への異性化が迅速に行われるため、試料液中の全グル
コース量に比例した応答電流を短時間で得ることができ
る。
【0038】さらに、反応層中にMUTを添加すると、
測定時間をより一層短くすることができると共に、測定
精度を高めることも可能である。
【0039】また、本実施例で用いたGODの至適pH
は5付近であり、反応層中に添加したpH緩衝剤(クエ
ン酸二水素ナトリウム−水酸化ナトリウム)の緩衝作用
によって試料液のpHにかかわらず、酵素反応をpH5
付近で進行させることができる。したがって、精度の高
い測定が可能となる。
【0040】なお、緩衝液としてはクエン酸二水素ナト
リウム−NaOH(pH=5.5)を用いたが、これ以
外にもクエン酸−クエン酸三ナトリウム、クエン酸−ク
エン酸三カリウム、クエン酸二水素カリウム−NaO
H、マレイン酸水素ナトリウム−NaOH、フタル酸水
素カリウム−NaOH、コハク酸−四ホウ酸ナトリウム
の組合せをpH5〜6付近の値に調整して用いても同様
の効果が得られた。
【0041】(実施例5)バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。図4は本実施例の
スクロースセンサの断面図である。
【0042】実施例1と同様にして、ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1上に、リ−ド2、3
と電極系(作用極4、対極5)および絶縁層6を形成
し、前記電極系上にCMC層を形成した。
【0043】次に、前記CMC層上にINV、MUT、
GODおよびフェリシアン化カリウムをリン酸緩衝液
(0.2M:KH2PO4−0.2M:Na2HPO4;p
H=7.4)に溶解させた混合溶液を滴下し、50℃の
温風乾燥器中で10分間乾燥させて反応層7を形成し
た。
【0044】つぎにCMCをリン酸緩衝液(0.5M:
KH2PO4−0.5M:Na2HPO4;pH=7.4)
に溶解した溶液をカバー9の内側へ滴下し、乾燥させて
pH緩衝剤層20を形成した。前記pH緩衝剤層20を
形成したカバー9とスペーサー8とを実施例1同様に接
着してスクロースセンサを作製した(図4にその断面を
示す)。
【0045】このスクロースセンサに、pH3〜7のス
クロース標準液を試料液として供給し、実施例1と同様
にして応答を測定したところ、試料液のpHに依存せ
ず、スクロース濃度に比例した値が得られた。
【0046】(実施例6)バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。
【0047】実施例1と同様にして、ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1上に、リ−ド2、3
と電極系(作用極4、対極5)および絶縁層6を形成し
た。さらに、CMC層を前記電極系上に形成した。
【0048】次に、前記CMC層上にINVとGODと
フェリシアン化カリウムとリン酸二カリウム塩の混合水
溶液を滴下し、乾燥させて反応層7を形成した。さら
に、実施例1と同様にしてカバー9およびスペーサー8
と共に一体化してスクロースセンサを作製した。
【0049】前記スクロースセンサに試料液としてスク
ロース水溶液3μlを実施例1と同様に試料供給孔10
から供給してセンサ応答電流を測定したところ、スクロ
ース濃度に比例した値が得られた。
【0050】(実施例7)バイオセンサの一例として、
スクロースセンサについて説明する。
【0051】実施例1と同様にして、ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1上に、リ−ド2、3
と電極系(作用極4、対極5)および絶縁層6を形成し
た。さらに、CMC層を前記電極系上に形成した。
【0052】つぎに、前記CMC層上にINVとMUT
とGODとフェリシアン化カリウムをリン酸緩衝液
(0.6M:KH2PO4−0.6M:Na2HPO4;p
H=7.4)に溶解させた混合溶液を滴下し、50℃の
温風乾燥器中で10分間乾燥させてCMC−酵素−フェ
リシアン化カリウム層を形成した。つぎに前記CMC−
酵素−フェリシアン化カリウム層上へ、親水性高分子と
してポリビニルピロリドン(以下PVPと略す)の2wt
%エタノール溶液を展開後乾燥させて反応層7を形成し
た。
【0053】このように反応層の表面を親水性高分子層
で被覆した構造にすることにより、表面の平滑性を高め
ることができる。その結果、試料液をセンサに供給した
際に表面の起伏部分に取り残された空気によって生成す
る気泡の発生を抑えることができ、応答のばらつきを小
さくすることができる。
【0054】特に、本実施例のように反応層中のpH緩
衝剤の濃度が高い場合には結晶析出によって反応層表面
に多数の凹凸部が形成されるために、親水性高分子によ
る反応層表面の平滑化が有効である。
【0055】なお、上記実施例ではフルクトースセンサ
とグルコースセンサについて示したが、本発明はグルコ
ース−6−リン酸センサ、マルトースセンサ、ラクトー
スセンサ、セルロースセンサにも用いることが可能であ
る。この場合、酵素は順番に、アルカリフォスファター
ゼ、マルターゼ、β−ガラクトシターゼ、セルラーゼを
用いれば良い。
【0056】上記実施例のスクロースセンサでは、緩衝
液としてKH2PO4−Na2HPO4(pH=7.4)お
よびHEPES−NaOH(pH=7.2)およびマレ
イン酸−Tris(pH=7.5)を用いたが、これら
以外にもKH2PO4−K2HPO4、NaH2PO4−K2
HPO4、NaH2PO4−Na2HPO4、クエン酸−N
2HPO4、クエン酸−K2HPO4、Tris−Tri
s塩酸塩、[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−
2−アミノエタンスルホン酸]−NaOH、[ピペラジ
ン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)]−Na
OHの組合せをpH7〜8付近の値に調整して用いても
同様の効果が得られた。
【0057】さらに、上記実施例では親水性高分子とし
てCMC、HEC、HPC、PVPを用いたが、これら
に限定されることはなく、他のセルロース誘導体、具体
的には、メチルセルロース、エチルセルロース、エチル
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチル
セルロースを用いてもよく、さらには、ポリビニルアル
コール、ゼラチンおよびその誘導体、アクリル酸および
その塩、メタアクリル酸およびその塩、スターチおよび
その誘導体、無水マレイン酸およびその塩を用いても同
様の効果が得られた。
【0058】一方、電子受容体としては、上記実施例に
示したフェリシアン化カリウム以外に、p−ベンゾキノ
ン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フ
ェロセン誘導体なども使用できる。
【0059】また、上記実施例において酵素および電子
受容体については試料液に溶解する方式について示した
が、これに制限されることはなく、固定化によって試料
液に不溶化させた場合にも適用することができる。
【0060】また、上記実施例では、作用極と対極のみ
の二極電極系について述べたが、参照極を加えた三電極
方式にすれば、より正確な測定が可能である。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によると、高い信頼
性を有するバイオセンサを安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバイオセンサの一実施例として作製し
たスクロースセンサの断面図
【図2】同スクロースセンサのうち反応層を除いた分解
斜視図
【図3】同スクロースセンサの応答例を示した図
【図4】本発明の異なる実施例のスクロースセンサの断
面図
【符号の説明】
1 絶縁性の基板 2、3 リード 4 作用極 5 対極 6 絶縁層 7 反応層 8 スペーサー 9 カバー 10 試料供給孔 11 空気孔 20 pH緩衝剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南海 史朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性の基板と、前記基板上に形成さ
    れた、作用極および対極を有する電極系と、前記電極系
    上に形成された反応層とから構成され、前記反応層が少
    なくとも酵素と電子受容体と親水性高分子とリン酸塩と
    を含有することを特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1において、絶縁性の基板上に接し
    てあるいは近接してpH緩衝剤を形成したバイオセン
    サ。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、反応層が、親
    水性高分子からなる第1の層と少なくとも酵素と電子受
    容体とリン酸塩を含む第2の層を順に積層してなるバイ
    オセンサ。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、反応層が、親
    水性高分子からなる第1の層と、少なくとも酵素と電子
    受容体とリン酸塩を含む第2の層と、親水性高分子から
    なる第3の層を順に積層してなるバイオセンサ。
  5. 【請求項5】請求項1または2において、酵素がインベ
    ルターゼとグルコースオキシダーゼの組合せ、あるいは
    グルコースオキシダーゼであるバイオセンサ。
  6. 【請求項6】請求項1または2において、酵素がインベ
    ルターゼとグルコースオキシダーゼとムタロターゼの組
    合せ、あるいはグルコースオキシダーゼとムタロターゼ
    の組合せであるバイオセンサ。
  7. 【請求項7】請求項1または2において、酵素がアルカ
    リフォスファターゼ、マルターゼ、β−ガラクトシター
    ゼ、セルラーゼの中から選ばれたものであるバイオセン
    サ。
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JP24291992 1992-09-11
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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