JPH0613712U - コンパクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パフを立てた状態で乾かすことができ、しか
も携帯時等に振動等が加わってもパフが蓋体裏面の鏡に
接触することのないコンパクトを提供する。 【構成】 上面に凹部１ｂを有する容器本体１と、裏面
に鏡４が取着され上記容器本体１の後端にヒンジ連結さ
れた蓋体２と、上記凹部１ｂに収容される板状パフ３と
を備えている。そして、上記パフ３の一端にパフ３を起
立状態で保持する略コ字状の固定台７が設けられ、略コ
字状の係合部１０を有するパフ保持体８が、上記係合部
１０のコ字状の上下の横片１０ａ，１０ｂが水平となる
状態で上記凹部１ｂ内に位置するように、上記凹部１ｂ
の周壁１ｃ近傍に固定され、上記固定台７のコ字状の上
下の横片７ａ，７ｂに、上記係合部１０の横片１０ａ，
１０ｂと着脱自在にスライド嵌合する嵌合溝９が形成さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ファンデーション等の化粧料を収容するコンパクトに関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ファンデーションは、図１４に示すように、蓋体２５が後端部にヒン ジ連結された容器本体２６の凹部２６ａに収容されており、乾いた状態または水 を含ませた状態のスポンジ状のパフ２７に移し取って顔に塗るようになっている 。ところが、パフ２７にファンデーション２８が残留するとともに、ファンデー ション２８を塗る際に顔の皮膚がパフ２７に付着し、使用を重ねる度にパフ２７ が不衛生な状態になる。この不衛生な状態では、雑菌が繁殖しやすく、パフ２７ の強度が低下して使い心地が悪くなったり、場合によってはパフ２７から腐敗臭 が発生したりする。このため、パフ２７を一定の使用回数で洗浄して清潔な状態 に保つことが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、パフ２７を洗浄して台等に載置して乾かすと、空気の接触面積 が少なく乾きにくいとともに、台に接触しているパフ２７の面がむれて雑菌が繁 殖しやすい状態になってしまう。また、パフ２７を壁面に立て掛けて乾かすと、 上記の載置して乾かす方法に比べて乾きやすいが、立て掛けた状態を保持しにく く、少しの振動が加わると倒れてしまう。一方、コンパクト内では、パフ２７は 凹部２６ｂの底面に載置された状態でコンパクト内に収容される。このため、携 帯時等に振動が加わると、蓋体２５の裏面に貼着した鏡２９にパフ２７が接触し 、パフ２７に残留しているファンデーション２８が鏡２９に付着し、鏡２９を汚 してしまう。

【０００４】 この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、パフを立てた状態で乾か すことができ、しかも携帯時等に振動等が加わってもパフが蓋体裏面の鏡に接触 することのないコンパクトの提供をその目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、この考案のコンパクトは、上面に凹部を有する容 器本体と、裏面に鏡が取着され上記容器本体の後端にヒンジ連結された蓋体と、 上記凹部に収容される板状パフとを備えたコンパクトであって、上記パフの一端 にパフを起立状態で保持する略コ字状の固定台が設けられ、略コ字状の係合部を 有するパフ保持体が、上記係合部のコ字状の上下の横片が水平となる状態で上記 凹部内に位置するように、上記凹部の周壁近傍に固定され、上記固定台のコ字状 の上下の横片に、上記係合部の横片と着脱自在にスライド嵌合する被係合部９が 形成されているという構成をとる。

【０００６】

【作用】

すなわち、この考案のコンパクトは、閉蓋状態では、板状パフを装着した略コ 字状の固定台が、容器本体の凹部の周壁近傍に固定されたパフ保持体の略コ字状 の係合部に保持された状態で、容器本体内に収容されている。そして、この状態 では、上記固定台およびパフ保持体の上側の横片によってパフの表面と蓋体裏面 の鏡との間に隙間があいた状態になる。また、パフを洗浄して乾かす場合には、 固定台の底部、すなわち、固定台のコ字状の縦片を下側にして台等の上に載置し 、パフを起立させた状態で乾かすことが行われる。

【０００７】 つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明する。

【０００８】

【実施例】

図１および図２はこの考案の一実施例を示している。これらの図において、１ は容器本体であり、この容器本体１には、その上面に化粧料収容凹部１ａとパフ 収容凹部１ｂとが形成され、後端部にはヒンジ軸１３が設けられている。２は蓋 体であり、その後端部２ａが上記容器本体１のヒンジ軸１３に回動自在に連結さ れている。上記蓋体２には、その裏面に鏡４が貼着されている。３はパフであり 、上記パフ収容凹部１ｂ内に、図３に示すように、パフ保持体８に保持される固 定台７に装着された状態で、収容されている。より詳しく説明すると、上記固定 台７は、図４に示すように、略コ字状に形成されており、側縁が円弧状に形成さ れた板状の上片７ａと、この上片７ａと同様に側縁が円弧状に形成された板状の 下片７ｃ（前後幅が上片７ａよりも小さく、左右幅が上片７ａと同じに形成され ている）と、両片７ａ，７ｂを連結する縦片７ｃとからなっている。また、上記 固定台７には、図５に示すように、その外側面に、上片７ａの後部から縦片７ｃ を通って下片７ｂの略中央に繋がる嵌合溝９が刻設されている。そして、上記固 定台７の上下片７ａ，７ｂ間にパフ３が着脱自在に装着されており、この装着状 態で、縦片７ｃを下側にして固定台７を台等の上面に載置すると、パフ３が起立 状態になる。

【０００９】 上記パフ保持体８は、図７に示すように、略コ字状に形成された係合部１０と 、この係合部１０のコ字状の縦片１０ｃの上部に一体的に形成される逆Ｌ字状の 支持部１１とからなる。上記係合部１０は上記固定台７の嵌合溝９に着脱自在に スライド嵌合しうる寸法に形成されている。上記支持部１１の下端部は半円形状 に形成されており、この半円形状の中心部に上記ヒンジ軸１３を挿通する軸孔１ ２があけられている。また、この半円形状の部分には、図８に示すように、その 左側面に係合凸部１４が突出形成されている。この係合凸部１４は、係合部１０ の上下片１０ａ，１０ｂが水平状態にあるとき、図９に示すように、その上面１ ４ａが上記軸孔１２の周縁から前方へ延びる水平面に形成され、側面１４ｂが上 記軸孔１２の周縁から後方に１５度傾斜して延びる傾斜面に形成されている。

【００１０】 このようなパフ保持体８は、図３に示すように、蓋体２の右側に配設された状 態で、上記容器本体１のヒンジ軸１３に回動自在に連結されており、上記支持部 １１に形成された係合凸部１４は蓋体２の後端部２ａに形成された切欠部１５に 係合するようになっている。すなわち、上記蓋体２の後端部２ａは、その下端部 が上記パフ保持体８の支持部１１の下端部と同じ半円形状に形成されており、こ の半円形状の中心部に上記ヒンジ軸１３を挿通する軸孔１６があけられている。 この半円形状の部分には、図１０に示すように、その右側面に切欠部１５が形成 されている。この切欠部１５は、閉蓋状態にあるとき、図１１に示すように、そ の上面の前側部分１５ａが上記軸孔１６の周縁から前方へ延びる水平面に形成さ れ、後側部分１５ｂが上記軸孔１６の周縁から上方に１５度傾斜して延びる傾斜 面に形成されている。図３において、６は通気孔である。

【００１１】 このように構成されているコンパクトは、図１に示すように、閉蓋状態では、 蓋体２の後端部２ａに形成した切欠部１５の上面の前側部分１５ａが水平になり 、この切欠部１５の上面の前側部分１５ａでパフ保持体８の支持部１１に形成さ れた係合凸部１４の上面１４ａが押圧されて水平に固定・保持される。このため 、パフ保持体８の係合部１０の上下片１０ａ，１０ｂがパフ収容凹部１ｂ内で水 平に保持され、これにより、固定台７に装着されたパフ３がパフ収容凹部１ｂ内 で水平姿勢で収容される。このとき、上記切欠部１５の上面の後側部分１５ｂと 係合凸部１４の傾斜面１４ｂとの間の角度は９０度になっている。つぎに、閉蓋 状態から開蓋する場合、図１２に示すように、蓋体２を９０度後方に回動させる と、上記切欠部１５の上面の後側部分１５ｂと係合凸部１４の傾斜面１４ｂとが 当接する。その状態で、図１３に示すように、さらに後方に蓋体２を回動させる と、上記切欠部１５の上面の後側部分１５ｂで係合凸部１４の傾斜面１４ｂを押 圧し、パフ保持体８を後方に回動させる。このため、固定台７に装着されたパフ ３がパフ収容凹部１ｂ内で斜め上向きに傾く。また、パフ３を洗浄したのち、乾 かす場合には、図６に示すように、パフ３を固定台７に装着し、固定台７の縦片 ７ｃを下側にして台等の上に載置する。これにより、パフ３を立てた状態で乾か すことができる。

【００１２】 したがって、上記コンパクトは、閉蓋状態では、パフ３がパフ収容凹部１ｂ内 で水平姿勢に固定・保持されており、振動等によってもパフ３が鏡４に接触する ことがない。このため、パフ３に付着したファンデーション等が鏡４に付着する ということがなくなる。また、開蓋時に、蓋体２を９０度以上回動させると、パ フ３を少し斜め上向きの姿勢にすることができ、パフ３をパフ収容凹部２ｂ内か ら取り出し易くなる。また、パフ３を立てた状態で乾かすことができるため、乾 燥時間が短くてすむ。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、この考案のコンパクトは、閉蓋状態では、板状パフを装着した 略コ字状の固定台が、容器本体の凹部の周壁の近傍に固定されたパフ保持体の略 コ字状の係合部に保持された状態で、容器本体内に収容されている。そして、こ の状態では、上記固定台およびパフ保持体の上側の横片によってパフの表面と蓋 体裏面の鏡との間に隙間があいた状態になる。このため、携帯時等に振動等によ ってパフが鏡に接触することがなく、パフに残留しているファンデーションが鏡 に付着して鏡を汚すということがなくなる。また、固定台を用いてパフを立てた 状態で乾かすことができるため、乾燥時間が短くてすむ。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】この考案の一実施例の要部を示す断面図であ
る。

【図３】容器本体の説明図である。

【図４】固定台の斜視図である。

【図５】上記固定台の断面図である。

【図６】上記固定台でパフを起立状態に保持していると
ころを示す斜視図である。

【図７】パフ保持体の斜視図である。

【図８】パフ保持体の斜視図である。

【図９】パフ保持体の側面図である。

【図１０】蓋体の要部の斜視図である。

【図１１】蓋体の要部の側面図である。

【図１２】コンパクトの作動説明図である。

【図１３】コンパクトの作動説明図である。

【図１４】従来例を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １ｂ パフ収容凹部 １ｃ 周壁 ２ 蓋体 ３ パフ ４ 鏡 ７ 固定台 ７ａ，７ｂ 横片 ８ パフ保持体 ９ 被係合部 １０ 係合部 １０ａ，１０ｂ 横片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面に凹部１ｂを有する容器本体１と、
   裏面に鏡４が取着され上記容器本体１の後端にヒンジ連
   結された蓋体２と、上記凹部１ｂに収容される板状パフ
   ３とを備えたコンパクトであって、上記パフ３の一端に
   パフ３を起立状態で保持する略コ字状の固定台７が設け
   られ、略コ字状の係合部１０を有するパフ保持体８が、
   上記係合部１０のコ字状の上下の横片１０ａ，１０ｂが
   水平となる状態で上記凹部１ｂ内に位置するように、上
   記凹部１ｂの周壁１ｃ近傍に固定され、上記固定台７の
   コ字状の上下の横片７ａ，７ｂに、上記係合部１０の横
   片１０ａ，１０ｂと着脱自在にスライド嵌合する被係合
   部９が形成されていることを特徴とするコンパクト。