JPH06136045A - オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法

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JPH06136045A
JPH06136045A JP29175592A JP29175592A JPH06136045A JP H06136045 A JPH06136045 A JP H06136045A JP 29175592 A JP29175592 A JP 29175592A JP 29175592 A JP29175592 A JP 29175592A JP H06136045 A JPH06136045 A JP H06136045A
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olefin
zirconium
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禎徳 菅
Yasuo Maruyama
康夫 丸山
Eiji Isobe
英二 磯部
Toru Suzuki
亨 鈴木
Fumihiko Shimizu
史彦 清水
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタロセン系遷移金属化合物、メタロセンで
ない遷移金属化合物、ケイ酸塩又はランタノイド化合
物、及び有機アルミニウム化合物を接触して得られるオ
レフィン重合用触媒並びに該触媒と必要に応じて有機ア
ルミニウム化合物を添加してオレフィンを重合するオレ
フィン共重合体の製造方法。 【効果】 本発明によれば、優れた重合活性を有し、し
かも分子量分布が広く、成形性に優れたオレフィン重合
体の製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合用触媒
及びこの触媒を用いたオレフィンの重合方法に関し、さ
らに詳しくは優れた重合活性を有し、しかも広い分子量
分布及び/又は多峰性の分子量分布を有するオレフィン
(共)重合体を与えることができるようなオレフィン重
合用触媒及びこの触媒を用いたオレフィンの重合方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりオレフィン重合体、たとえばエ
チレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体
を製造するための触媒として、チタン化合物と有機アル
ミニウム化合物とから成る、いわゆるチーグラー型触媒
が知られている。ところが、該触媒で得られるオレフィ
ン重合体は一般に分子量分布及び組成分布が広く、特に
組成分布が広いため表面非粘着性や透明性が劣ってい
た。
【0003】一方、新しいオレフィン重合用触媒として
メタロセン系化合物及びアルミノキサンから成るものを
用いる方法が広く知られている(特開昭58−1930
9号公報等)。この新しいオレフィン重合用触媒を用い
て得られるオレフィン(共)重合体は通常、分子量分布
や、組成分布が狭いという特徴を有している。しかし、
用途によっては分子量分布が広く、成形性に優れたオレ
フィン重合体が必要である。
【0004】こうした問題点を解決するために、オレフ
ィンの重合において生長反応速度定数及び停止反応速度
定数が異なる2種以上のメタロセン系化合物を用いる方
法がいくつか提案されている(特開昭60−35006
号,特開昭60−35008号公報)。また、このメタ
ロセン系化合物とアルミノキサンから成る触媒とチーグ
ラー型触媒を組み合わせる方法も提案されている(特表
昭63−501369号,特表平1−503715号,
特開平3−203903号,特開平3−203906号
公報)。
【0005】しかしながら、これらの方法では遷移金属
あたり、あるいはアルミニウムあたりの重合活性が充分
とは言えず、最終的に得られる重合体中より触媒残渣を
除去する工程が必要となるまでには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みなされたものであり、その目的は優れた重合活性を有
し、しかも分子量分布及び/又は多峰性の分子量分布を
有するオレフィン重合体を得ることができるようなオレ
フィン重合用触媒及びこの触媒を用いたオレフィンの重
合方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は 〔A〕少なくとも1種類のメタロセン系遷移金属化合物 〔B〕少なくとも1種類のメタロセンではない遷移金属
化合物 〔C〕ケイ酸塩またはランタノイド化合物 〔D〕有機アルミニウム化合物 の4成分を接触して得られるオレフィン重合用触媒、並
びに該触媒と必要に応じて 〔E〕有機アルミニウム化合物 の存在下、オレフィンを単独重合または共重合させるこ
とを特徴とするオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用される〔A〕成分、すなわちメタロセン系遷
移金属化合物としては、遷移金属とπ配位性の配位子を
含む化合物が使用できるが、下記の一般式
【0009】
【化1】
【0010】で示される化合物が好ましく用いられる。
ここでR1 ,R2 は炭素数1〜20の置換されていても
よい炭化水素基、ケイ素含有置換基、リン含有置換基、
窒素含有置換基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チ
オアルコキシ基であり、各々同一でも異なっていてもよ
い。
【0011】但し、a,b,n,p,q,r及びsは、
次式を満たす整数である。 0≦a≦5,0≦b≦5,p≧1,q≧0,r≧0 式〔1〕の場合は、p+q+r=s、式〔2〕の場合
は、p+q+r=s−nである。
【0012】具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアル
キル基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m
−トリル基等のアリール基、フルオロメチル基、フルオ
ロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、ク
ロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブ
ロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨ
ードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素
基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基等のケイ素含有置換基があげられる。
【0013】また、R1 とR2 は相互に結合した架橋基
を形成しても良い。具体的には、メチレン基、エチレン
基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン
基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフ
ェニルメチリデン基等のアルキリデン基、ジメチルシリ
レン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、
ジイソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メ
チルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メ
チルイソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチルシリ
レン基等のケイ素含有架橋基、ジメチルゲルミレン基、
ジエチルゲルミレン基、ジプロピルゲルミレン基、ジイ
ソプロピルゲルミレン基、ジフェニルゲルミレン基、メ
チルエチルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン
基、メチルイソプロピルゲルミレン基、メチル−t−ブ
チルゲルミレン基等のゲルマニウム含有架橋基、アミ
ン、ホスフィン等があげられる。
【0014】さらにR1 どうし、またはR2 どうしで相
互に結合して環を形成してもよい。具体的には、インデ
ニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、
オクタヒドロフルオレニル基等があげられる。R3 は、
炭素数1〜20の置換されていてもよい炭素水素基、水
素、ハロゲン、ケイ素含有置換基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミド基、またはチオアルコキシ基であ
り、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル
基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m−ト
リル基のようなアリール基、フルオロメチル基、フルオ
ロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、ク
ロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブ
ロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨ
ードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素
基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン、ト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニル
シリル基等のケイ素含有置換基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェ
ノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、
o−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、アミド基、
ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミ
ド基、ジイソプロピルアミド基、ビス(トリメチルシリ
ル)アミド基等のアミド基、メチルチオアルコキシ基、
エチルチオアルコキシ基、プロピルチオアルコキシ基、
ブチルチオアルコキシ基、t−ブチルチオアルコキシ
基、フェニルチオアルコキシ基等のチオアルコキシ基が
あげられる。
【0015】また、R3 はR1 もしくはR2 と結合して
いてもよく、このような配位子の具体例としては、C5
4 (CH2 i - (1≦i≦5),C5 (CH3
4 (CH2 i - (1≦i≦5),C5 4 〔Si
(CH3 2 〕 (t−C4 9)N- , C5 (CH3
4 〔Si(CH3 2 〕 (t−C4 9 )N- 等があげ
られる。
【0016】さらに、R3 が相互に結合して2座配位子
を形成してもよい。このようなR3の具体例としては、
-OCH2 - -OCH2 CH2 - -O(Q−C
6 4 )O- 等があげられる。Mは周期律表第3,4,
5,6族の原子であり、具体的には、スカンジウム、イ
ットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネ
オジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テ
ルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、
ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、アクチニウ
ム、トリウム、プロトアクチニウム、ウラン、チタニウ
ム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
タンタル、クロム、モリブデン、タングステンがあげら
れる。これらのうち、4族のチタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウムが好ましく用いられる。また、これらは
混合して用いてもよい。
【0017】Lは電気的に中性な配位子を示し、具体的
には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンのようなエーテル類、アセトニトリルのようなニト
リル類、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、トリ
メチルホスフィンのようなホスフィン類、トリメチルア
ミンのようなアミン類をあげることができる。〔R4
n-1 はn価のアニオンであり、具体的には、テトラフェ
ニルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバ
ドデカボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオ
ロフォスフェート等をあげることができる。
【0018】式〔1〕のような化合物の具体例として
は、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフ
ェニル、(メチルシクロペンタジエニル)(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシク
ロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(トリメ
チルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、(トリメチルシリル
シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジフルオライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムビス(トリメチルシリル)、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメトキサイ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェ
ノキサイド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムビス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(メチルチオラート)、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(フェニルチオ
ラート)、〔(η 5 :η1 −3−(2,3,4,5−テ
トラメチルペンタジエニル)プロポキシ〕ジルコニウム
ジクロライド、(ビスシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム(η2−1,2−ベンゼンジオキサイド)、メチレ
ンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ジフェニルメチリデンビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレ
ンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(ト
リメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ジメチルゲルミレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル)(1−フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエ
ニル)(1−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジ
メチルシリレン(シクロペンタジエニル)(1−フルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド、シクロペンタジエ
ニルジルコニウムトリクロライド等があげられる。
【0019】また、式〔2〕のような化合物の具体的な
例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムメチルテトラフェニルボレート、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムフェニルテトラフェニルボレー
ト、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチル
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(メチルシ
クロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムメチルテトラフェニルボレート、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルテトラ
フェニルボレート、ビス(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメチルテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、(トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
チルテトラフェニルボレート、3−(2,3,4,5−
テトラメチルシクロペンタジエニル)プロポキシジルコ
ニウムメチルテトラフェニルボレート、メチレンビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルテトラフ
ェニルボレート、エチレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメチルテトラフェニルボレート、エチ
レンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチル
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、イソ
プロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムメチルテトラフェニルボレート、ジフェニルメチリデ
ンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルテ
トラフェニルボレート、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムメチルテトラフェニルボレート、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムメチルテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、エチレンビス(テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムメチルテトラフェニル
ボレート、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメチルテトラフェニルボレート、
ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメチルテトラフェニルボレート、ジメ
チルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(1−フルオレニル)ジルコニウムメチルテトラフ
ェニルボレート、イソプロピリデン(シクロペンタジエ
ニル)(1−フルオレニル)ジルコニウムメチルテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルシ
リレン(シクロペンタジエニル)(1−フルオレニル)
ジルコニウムメチルテトラフェニルボレート、シクロペ
ンタジエニルテトラフェニルボレート、またこれらの化
合物のテトラヒドロフラン錯体等をあげることができ
る。
【0020】また、チタニウム化合物、ハフニウム化合
物等の他の第3,4,5,6族金属化合物についても、
上記と同様の化合物が挙げられる。更にこれらの化合物
の混合物を用いてもよい。一方、〔B〕メタロセンでな
い遷移金属化合物成分としては、従来、公知のチーグラ
ー・ナッタ型触媒の遷移金属化合物が使用できる。この
遷移金属化合物成分〔B〕としては、例えば下記一般式
【0021】
【化2】
【0022】で表わされる化合物が使用できる。ここで
M′は4族,5族又は6族の遷移金属原子であり、具体
的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングス
テン等があげられる。X1 はハロゲン原子を示し、R5
は水素原子、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、シクロアルキルオキシ基を示す。R6 は炭化水素
基を示す。また、f,gは、M′の価数をhとした時
に、f+g=hを満たす負でない数である。
【0023】これらの具体的な例としてはTiCl3
TiCl4 ,TiBr4 ,TiI4,Ti(OC
2 5 3 Cl,Ti(OC2 5 2 Cl2 ,Ti
(OC2 5)Cl3 ,Ti(OC3 7 3 Cl,T
i(OC4 9 3 Cl,Ti(OC 6 133 Cl,
Ti(OC8 173 Cl,Ti(OC2 5 4 ,Z
rCl 4 ,Zr(OC2 5 )Cl3 ,Zr(OC2
5 2 Cl2 ,Zr(OC2 5 3 Cl,Zr(OC
2 5 4 ,Zr(OC4 9 )Cl3 ,Zr(OC6
13)Cl3 ,HfCl4 ,Hf(OC2 5 )C
3 ,Hf(OC2 5 2Cl2 ,Hf(OC
2 5 3 Cl,Hf(OC2 5 4 ,Hf(OC4
9)Cl3 ,Hf(OC6 13)Cl3 ,NbF5
NbCl5 ,NbBr5 ,NbI5 ,TaF5 ,TaC
5 ,TaBr5 ,TaI5 ,MoCl5 ,MoB
5 ,WCl6 ,WBr6 ,CrCl3 等が挙げられ
る。
【0024】一方、バナジウム化合物の例としてはVC
3 ,VCl4 ,VOCl3 ,VO(OC2 5 3
及びVO(OC4 9 3 等を挙げることができる。更
に必要であれば、これら遷移金属化合物を複数、混合し
て用いることもできる。また、遷移金属化合物成分
〔B〕としては従来、公知の遷移金属化合物をマグネシ
ウム化合物に担持したものも好適に使用できる。特に好
ましくはチタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分
とし、必要に応じて電子供与性化合物を含有しているも
のが用いられる。これは(a)マグネシウム化合物,
(b)チタン化合物及び必要に応じて(c)電子供与性
化合物を接触させることにより調製される。
【0025】ここで用いられるマグネシウム化合物
(a)としては一般式
【0026】
【化3】
【0027】(式中、R7 ,R8 は炭化水素基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アラルオキシ基又は水素原
子を示し、R7 ,R8 は同じであっても、異なっていて
も良い。また、X2 はハロゲン原子を示し、j+k+l
=2となるようにj,k,lは選ばれる。)で表わされ
る化合物が使用される。具体的にはMg(CH3 2
Mg(C2 5 2 ,Mg(C3 7 2 ,Mg(C4
9 2 ,Mg(C6 132 ,Mg(C6 5 2
Mg(C2 5 )(C6 5 ),Mg(C6 4
3 2 ,Mg(OCH3 2 ,Mg(OC
2 5 2 ,Mg(OC3 7 2 ,Mg(OC
4 9 2 ,Mg(OC6 132 ,Mg(OC
6 5 2 ,Mg(OC6 4 CH3 2 ,Mg(C4
9 )(OC2 5 ),Mg(C4 9)(OC
6 5 ),MgH(C4 9 ),Mg(C2 5 )C
l,Mg(C3 7 )Cl,Mg(C4 9 )Cl,M
g(C6 5 )Cl,Mg(OCH3 )Cl,Mg(O
2 5 )Cl,Mg(OC6 5 )Cl,MgC
2 ,MgBr 2 ,MgI2 ,MgF2 等を挙げること
ができる。これらはまた、混合して用いることもでき
る。チタン化合物(b)としては一般式
【0028】
【化4】
【0029】(R9 は炭化水素基を示し、X3 はハロゲ
ン原子を示し、0≦t≦4)で示される化合物が使用さ
れる。具体的にはTiCl4 ,TiBr4 ,TiI4
Ti(OCH3 )Cl3 ,Ti(OC2 5 )Cl3
Ti(OC4 9 )Cl3 ,Ti(OC6 11)C
3 ,Ti(OC2 5 )Br3 ,Ti(OCH3 2
Cl 2 ,Ti(OC2 5 2 Cl2 ,Ti(OC4
9 2 Cl2 ,Ti(OC6112 Cl2 ,Ti(O
2 5 2 Br2 ,Ti(OCH3 3 Cl,Ti
(OC2 5 3 Cl,Ti(OC4 9 3 Cl,T
i(OC6 113 Cl,Ti(OC2 5 3 Br,
Ti(OCH3 4 ,Ti(OC2 5 4 ,Ti(O
4 9 4 ,Ti(OC6 114 等が挙げられる。
電子供与性化合物(c)としてはアルコール類、アミン
類、アミド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、ア
ルコキシシラン類等が挙げられる。マグネシウム化合物
(a)、チタン化合物(b)、及び必要に応じて電子供
与性化合物(c)を接触させる方法に制限はなく、従来
公知の方法が採用される。例えば
【0030】(1)MgCl2 等のハロゲン化マグネシ
ウム、TiCl4 等のハロゲン化チタン、及び必要に応
じてエステル等の電子供与性化合物を反応させて固体生
成物を得る方法。 (2)Mg(OC2 5 2 等のマグネシウム化合物、
TiCl4 等のハロゲン化チタン、及び必要に応じてエ
ステル等の如き電子供与性化合物を反応させて固体生成
物を得る方法。 等が挙げられる。用いられる各成分の使用量は通常、マ
グネシウム化合物1モル当り、チタン化合物は0.01
〜100モル好ましくは0.1〜50モルの量、また電
子供与性化合物は0〜10モル好ましくは0.05〜1
モルの量で使用される。そしてマグネシウム化合物に担
持されたチタンの量は通常、0.05〜30重量%、好
ましくは0.1〜20重量%である。メタロセン系遷移
金属化合物〔A〕とメタロセンでない遷移金属化合物
〔B〕の使用する割合は任意に選ぶことができる。
【0031】本発明において〔C〕成分としてはケイ酸
塩またはランタノイド化合物が用いられる。ケイ素塩と
しては、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物
を用いてもよい。また、これらは特に処理を行うことな
くそのまま用いてもよいし、ボールミル、ふるいわけ、
酸処理等の処理を行った後に用いてもよい。さらに、新
たに水を添加吸着させたり、あるいは加熱脱水処理した
後に用いても良い。また単独で用いても、2種以上のケ
イ酸塩を混合して用いても良い。形状は任意のものが用
いられるが、水銀圧入法で測定された半径20Å以上の
細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく用いら
れる。
【0032】具体的には、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸チタニウム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩や、
また、カンラン石、鉄カンラン石等のカンラン石群、ザ
クロ石等のザクロ石群、フェナサイト、ケイ亜鉛鉱等の
フェナサイト群、ジルコン、ケイ酸三石灰、メリライ
ト、ゲーレナイト、ベニト石、緑柱石、コージエライ
ト、また、エンスタタイト、シソ輝石、透輝石、リチウ
ム輝石、バラ輝石、ケイ灰石等の輝石群、直セン石、透
角セン石、陽起石等の角セン石群、正長石、ソーダ長
石、バリウム長石、灰長石等の長石群、ソーダライト、
ノーゼライト等のソーダライト群、ホウフツ石、ソーダ
フッ石等をあげることができる。
【0033】一方、ランタノイド化合物としては好まし
くはランタノイドのカチオンとアニオンとから成る化合
物が用いられ、酸化ランタン、硫化ランタン、フッ化ラ
ンタン、塩化ランタン、臭化ランタンセリウム、ヨウ化
ランタン、水酸化ランタン、硝酸ランタン、亜硝酸ラン
タンのような無機塩及び硫酸ランタン、炭酸ランタン、
シュウ酸ランタン、シアン化ランタンなどによる複塩、
酢酸ランタン、ランタントリメトキサイド、ランタント
リエトキサイド、ランタントリイソプロポキサイドのよ
うな有機物を含む塩などがあげられる。また、セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピ
ウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホ
ルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ル
テチウムについても、対応する化合物をあげることがで
きる。これらの化合物のうち、酸化物もしくは塩化物が
特に好ましく用いられる。
【0034】これらの塩は特に処理を行うことなくその
まま用いてもよいし、ボールミル、ふるいわけ等の処理
を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着
させたり、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよ
い。さらに、単独で用いても、2種以上のランタノイド
塩を混合して用いても良い。形状は任意のものが用いら
れるが、水銀圧入法で測定された半径20Å以上の細孔
容積が0.1cc/g以上のものが好ましく用いられ
る。
【0035】なお、実施例に記載した細孔容積は、
(株)島津製作所の「Auto Pore 9200」
を用いて測定した(測定範囲:細孔半径=20〜300
00Å)。また、本発明において〔D〕成分として用い
られる有機アルミニウム化合物の例は、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド、ジエチルアルミニウムメトキシド等のハロゲンある
いはアルコキシ含有アルキルアルミニウム、メチルアル
ミノキサン等のアルミノキサン等であり、この内特にト
リアルキルアルミニウムが好ましい。
【0036】〔A〕成分、〔B〕成分、〔C〕成分及び
〔D〕成分から重合触媒を得るための接触方法について
は、〔A〕,〔B〕各成分中の遷移金属の和とケイ酸塩
またはランタノイド化合物中の水酸基および〔D〕成分
である有機アルミニウム化合物中のアルミニウムのモル
比が1:0.1〜100000:0.1〜100000
00になるように、特に1:0.5〜10000:0.
5〜1000000で接触反応させるのが好ましい。
【0037】接触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭
化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃〜
溶媒の沸点の間で行い、特に室温から溶媒の沸点の間で
行うのが好ましい。更に、本発明において、必要に応じ
て用いられる有機アルミニウム化合物〔E〕としては、
〔D〕成分と同様の化合物が挙げられる。この際に用い
られる有機アルミニウム化合物の量は、〔A〕,〔B〕
各成分中の遷移金属の和対〔E〕成分中のアルミニウム
のモル比が1:0〜10000になるように選ばれる。
【0038】触媒各成分の接触順序は特に限定されな
い。触媒各成分の接触に際し、または接触の後にポリエ
チレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ
等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触させて
もよい。上記のような成分〔A〕,〔B〕,〔C〕及び
〔D〕及び必要に応じて〔E〕の存在下にオレフィンを
前重合してもよい。前重合温度は−50〜100℃であ
り、前重合時間は0.1〜100時間、好ましくは0.
1〜50時間程度である。
【0039】この前重合時に必要に応じて用いられる有
機アルミニウム化合物としては、〔D〕成分と同様な化
合物が挙げられる。この際に用いられる有機アルミニウ
ム化合物の量は、触媒成分〔A〕,〔B〕中の遷移金属
の和対〔E〕成分中のアルミニウムのモル比が1:0〜
10000になるように選ばれる。前重合に用いられる
オレフィンは、重合時に用いられるオレフィンが好まし
いが、他のオレフィンを用いてもよい。また、オレフィ
ンを混合して用いることもできる。
【0040】前重合によって生成させる重合体量は、
〔C〕成分1gあたり0.001〜1000g、好まし
くは0.1〜300gの範囲である。前重合時に用いら
れる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクシン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等、あ
るいは、これらの混合物等である。
【0041】このようにして得られた固体触媒は、洗浄
せずに用いてもよく、また洗浄した後に用いてもよい。
上記の様なオレフィンが前重合されたオレフィン重合用
触媒を用いてオレフィンの重合を行うに際して、必要に
応じて用いられる有機アルミニウム化合物としては、
〔D〕成分と同様な化合物が挙げられる。この際に用い
られる有機アルミニウム化合物の量は、成分〔A〕,
〔B〕中の遷移金属の和対有機アルミニウム化合物中の
アルミニウムのモル比が1:0〜10000になるよう
に選ばれる。
【0042】上記のようなオレフィン重合用触媒により
重合できるオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、ビニルシクロアルカン、スチレンあるいはこれら
の誘導体、2−ブテン、2−ペンテン等の内部オレフィ
ンあるいはこれらの誘導体並びにシクロヘキセン等の環
状オレフィンあるいはこれらの誘導体が挙げられる。ま
た、ジエン等のポリエンやメタクリル酸メチル等の官能
基含有オレフィンを重合反応時に共存させてもよい。重
合は単独重合のほか通常公知のランダム共重合やブロッ
ク共重合にも好適に適用できる。
【0043】重合には既知のプロセスを用いることがで
きる。すなわち、n−ヘキサンのような不活性炭化水素
を溶媒としたスラリー重合、液体プロピレンのようなモ
ノマー自身を溶媒とするバルク重合、また、不活性炭化
水素や液体プロピレン等の液相が実質的に存在しない気
相重合等が用いられる。さらに、これらのプロセスを組
み合わせて用いることもできる。反応形式としては、回
分式、連続式のいずれでもよい。
【0044】反応は、通常1〜2000気圧の圧力下、
−50〜250℃の範囲で行われ、水素等の公知の分子
量調節剤を適宜用いることができる。また、重合温度、
分子量調節剤の濃度等を変えて多段階で重合させてもよ
い。なお、本発明の如き成分〔A〕,〔C〕及び〔D〕
を含む触媒から得られたポリマーの末端には二重結合が
存在しており、その部位を利用して末端修飾やグラフト
重合等が可能である。
【0045】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、こ
れら実施例によって制約を受けるものではない。また、
図1は本発明に含まれる技術内容の理解を助けるための
フローチャート図であり、本発明はその要旨を逸脱しな
い限りフローチャート図によって制約を受けるものでは
ない。なお、実施例においてメルトフローインデックス
(MFIとして示す)はASTM−D−1238−57
Tに基づき、190℃で2.16kg荷重により測定し
た。また、重合体の分子量分布(Mw/Mn)はGPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用
いて測定した。溶媒はQ−ジクロルベンゼンであり、操
作温度は135℃であった。
【0046】(実施例1) (1)成分〔B〕の製造 撹拌機、温度計を備えた500mlフラスコに精製N2
シール下、市販Mg(OC2 5 2 を5g採取し、T
i(OC4 9 4 7.4g及びテトラエトキシシラン
4.0gを混合し、撹拌下昇温した。130℃に昇温
後、フェノール8.2gのトルエン溶液を添加した。そ
の後、130℃で1時間反応させ、黄色スラリー状の反
応物を得た。このものに精製トルエン63mlを添加し
た後、−20℃まで冷却し、−20℃においてTiCl
4 25gを添加した。添加後、系内は均一となった。こ
の均一溶液を除々に50℃まで昇温したところ、昇温途
中より固体の生成が認められた。その後、さらに昇温
し、110℃に達した時、フタル酸ジエチル1.0gを
添加して同温度で1時間保持した。次いで室温において
精製トルエンで洗浄した後、TiCl4 42gを添加
し、再び110℃で1時間処理した。その後、室温にお
いてトルエン洗浄を行ない、成分〔B〕を得た。このも
ののTi含量は3.0重量%であった。
【0047】(2)触媒の製造 充分にN2 置換した500ml丸底フラスコに、市販の
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド6
0mgのトルエン溶液を採取し、室温で撹拌しながらト
リメチルアルミニウム52.7mmolを添加した。別
の500ml丸底フラスコに、水銀圧入法で測定した半
径20Å以上の細孔容積が0.803cc/gであるケ
イ酸マグネシウム5水和物(和光純薬工業(株)製)
4.28gを採取し、フラスコ内を充分N2 置換した
後、トルエン350mlを添加し、スラリーとした。
【0048】次いでこのスラリー304mlを上記のビ
スシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドとト
リメチルアルミニウムの接触物に、室温で添加した。添
加終了後、室温で1時間撹拌を行ない、さらに乾燥して
固体を得た。次に別途、充分にN2 置換した200ml
丸底フラスコに(1)で製造した成分〔B〕をチタン原
子に換算して0.15mmol、上記で製造した固体を
ジルコニウム原子に換算して0.20mmol、及び精
製ヘキサン100mlを加え、室温で30分間撹拌して
触媒のスラリーを得た。
【0049】(3)エチレンの重合 精製N2 で充分置換した2リットルの誘導撹拌式オート
クレーブに、N2 シール下、室温でトリエチルアルミニ
ウム0.4mmol、精製ヘキサン1lを仕込んだ。9
0℃に昇温後、水素を0.9kg/cm2 導入し、前記
(2)で得られた触媒(チタン原子換算で3.2μmo
l)をエチレンと共に導入し、全圧を10kg/cm2
にした。エチレン導入と共にエチレンの吸収が見られる
が、全圧を10kg/cm2 に保つようエチレンを追加
導入し、1時間後にエタノール圧入により重合を停止し
た。その結果、MFIが0.83g/10分、Mw/M
nが9.8であるポリエチレンが305g得られた。遷
移金属1gあたりで得られるポリエチレンの量は5.6
×105 gであった。
【0050】(実施例2) (1)触媒の製造 充分にN2 置換した500ml丸底フラスコに、市販の
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド6
0mgのトルエン溶液を採取し、室温で撹拌しながらト
リメチルアルミニウム53.4mmolを添加した。別
の500ml丸底フラスコに、水銀圧入法で測定した半
径20Å以上の細孔容積が0.294cc/gの酸化ラ
ンタン5.62gを採取し、フラスコ内を充分N2 置換
した後、トルエン200mlを添加し、スラリーとし
た。
【0051】次いでこのスラリー148mlを上記のビ
スシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドとト
リメチルアルミニウムの接触物に、室温で添加した。添
加終了後、室温で1時間撹拌を行ない、さらに乾燥して
固体を得た。次に別途、充分にN2 置換した200ml
丸底フラスコに、実施例1の(1)で製造された成分
〔B〕をチタン原子に換算して0.15mmol、上記
で製造した固体をジルコニウム原子に換算して0.15
mmol、及び精製ヘキサン100mlを加え、室温で
30分間撹拌して触媒のスラリーを得た。
【0052】(2)エチレンの重合 上記(1)で調製した触媒(チタン原子換算で3.2μ
mol)を用いた以外は実施例1の(3)と同様にして
エチレンの重合を行なった。その結果、MFIが0.8
8g/10分、Mw/Mnが9.7であるポリエチレン
が310g得られた。遷移金属1gあたりで得られるポ
リエチレンの量は7.0×105 gであった。
【0053】(比較例1)実施例1の(2)において、
触媒製造時に成分〔B〕を加えなかったこと以外は実施
例1の(2)と同様にして触媒を得た。次に、この触媒
(ジルコニウム原子換算で8.2μmol)を用い、実
施例1の(3)と同様の方法でエチレンの重合を行なっ
た。その結果、得られたポリエチレンのMFIは30.
0g/10分であり、分子量分布はMw/Mn=2.3
と狭い値であった。
【0054】(比較例2) (1)触媒の製造 充分N2 置換した100ml丸底フラスコに市販のビス
シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド6.6
μmolのトルエン溶液と実施例1の(1)で製造され
た成分〔B〕をチタン原子換算で82μmol、及びト
ルエン30mlを採取し、室温で撹拌しながらメチルア
ルミノキサン(分子量1,232;東ソー・アクゾ社
製)のトルエン溶液をアルミニウム原子換算で15.0
mmol添加した。添加終了後、室温で1時間撹拌を行
ない触媒を得た。
【0055】(2)エチレンの重合 上記(1)で製造した触媒(ジルコニウム原子換算で
6.0μmol)を用いた以外は実施例1の(3)と同
様にしてエチレンの重合を行なった。その結果、ポリエ
チレンが147g得られた。遷移金属1gあたりで得ら
れるポリエチレンの量は3.6×104 gであった。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、実施例に
見られる通り優れた重合活性を有し、しかも分子量分布
が広く、成形性に優れたオレフィン重合体の製造方法が
提供される。従って、本発明の工業的価値は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様を示すフローチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 亨 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 清水 史彦 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕少なくとも1種類のメタロセン系
    遷移金属化合物 〔B〕少なくとも1種類のメタロセンでない遷移金属化
    合物 〔C〕ケイ酸塩またはランタノイド化合物 〔D〕有機アルミニウム化合物 の4成分を接触して得られるオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の触媒及び必要に応じて 〔E〕有機アルミニウム化合物 の存在下、オレフィンを単独重合または共重合させるこ
    とを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109485760A (zh) * 2017-09-11 2019-03-19 中国石油化工股份有限公司 负载型非茂金属催化剂、其制备方法及其应用

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CN109485760A (zh) * 2017-09-11 2019-03-19 中国石油化工股份有限公司 负载型非茂金属催化剂、其制备方法及其应用

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