JPH0613184Y2 - 両面複写装置のスタック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は片面複写後のシート状の用紙を収容するスタ
ッカー部を有する両面複写装置のスタック装置に関する
ものである。

〔従来の技術〕

一般に両面複写装置は複写部で片面に複写した紙葉類
（以下用紙という）を方向転換して複写部の下方に搬送
してスタッカー部に収容し、該用紙を再度送り出して上
方に搬送し方向転換して複写部に供給し、他面を複写す
るようにしたもので、このスタッカー部は自由落下して
くる用紙をスタックすることと、スタック後の用紙を再
給紙機構で給送に付することから、用紙先端はもとより
横巾もきちんと揃えることが必要となる。このため、従
来のスタック装置では自由落下してくる用紙を確実に捕
捉できるように横巾規制板を収容用紙の横巾より充分広
く開口しておき、この間に用紙がスタックされる毎に用
紙の巾より適正な余裕をもった巾まで閉じて横巾を揃え
るように構成していた。即ち、横巾規制板は一枚の用紙
がスタックされると閉じ方向に移動して直ぐに元に戻
り、次の用紙のスタックに備えるアクションを繰り返す
もので、用紙の両端を万遍なく叩き揃えるような恰好と
なることから、用紙を奇麗に揃えることができる利点が
ある反面、すでにスタックされている用紙までも上記ア
クションが継続して加わるため紙端が潰れる等の悪影響
を及ぼす虞れがあった。また、従来の横巾規制板の用紙
の捕獲巾では、大幅に片寄りが発生して用紙の片側がこ
の横巾規制板の外に出るように排出される場合に、これ
を捕捉できずに不揃いのまま積層されることとなる。従
って、確実に整合することなく、そのまま再給紙される
ジャムの原因となっていた。また、横幅規制板の上方部
分に用紙が落下できる角度を有する傾斜面を設けること
も行われていたが、この傾斜面の角度を維持したまま用
紙横幅方向の捕獲巾を広くとるようにするとスタック装
置自体が上方向に大型化することになる。通常スタッカ
ー部は、決められたスペースで収めなければならないの
で、実用化できないという問題点があった。

〔考案の目的〕

この考案は上記の点に鑑み、簡単な構造で用紙の横巾を
奇麗に揃え得ることのできる両面複写装置のスタック装
置を提供することを目的としている。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成するため、この考案は底面部２６ａ
と、直立部２６ｃと、前記直立部２６ｃの上端より外側
上方に拡開された平面である紙揃えのための傾斜面２６
ｄとからなる横巾規制部材２６を設けてなる、搬送手段
２０、２３により挿入される片面複写後のシート状の用
紙を収容するスタッカー部８を有する両面複写装置のス
タック装置において、前記底面部２６ａは、前記搬送手
段２０、２３による用紙放出方向Ａに所定の角度で交差
するように設けられ、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄ
の近傍に位置する前記搬送手段２０、２３に挟持されな
がら挿入される前記用紙の先端を案内するための平面で
あって、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄの外側上方に
拡開され、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄよりも傾斜
がゆるく形成された案内傾斜面２６ｅを有するように構
成したものである。

〔考案の作用〕

この考案においては、スタッカー部８を構成する横巾規
制部材の底面部２６ａは、搬送手段２０、２３による用
紙放出方向Ａに所定の角度で交差するように設けられて
いるので、搬送手段２０、２３によって挟持搬送されて
きた片面複写後の用紙の片寄りが大きい場合、用紙は自
由落下する前に、その先端が紙揃えのための傾斜面２６
ｄの外側上方に拡開されたゆるい傾斜の案内傾斜面２６
ｅに当接されることにより、用紙の先端がスタッカー部
８の内方に曲げられて紙揃えのための傾斜面２６ｄに案
内される。その後、さらに用紙が挟持搬送力によりスタ
ッカー部の内側に挿入され、用紙の後端の挟持状態が開
放されると、傾斜面２６ｄ、直立部２６ｃに沿って用紙
が落下してスタッカー部の所定の位置に確実に集積され
る。

〔実施例〕

次に、この考案を添付図面に示す実施例に基づいて説明
する。

第１図はこの考案を適用したスタック装置を搭載した両
面複写装置の断面図を示している。

図において、１は片面複写のための給紙部、２は該給紙
部１より一枚づつ送出された用紙に原稿台（図示せず）
上に載せられた原稿画像を複写する複写部、３は複写部
２で片面に複写された用紙を搬送ベルト４を介して受領
し、複写面を定着させる定着部である。定着部３の下流
側には定着後の用紙を直進させて機外に排紙する排紙機
構ａと、両面複写経路５へ導入する導入経路ｂとを切換
る分岐機構６が設けられている。該分岐機構６に連続す
る両面複写経路５の下流側で複写機本体の下部には用紙
を反転される反転機構７と、該反転機構７により反転し
た用紙を収容するスタッカー部８と、これによりスタッ
クされた用紙を再給紙する再給紙機構９が設けられ、更
に該再給紙機構９の下流側には用紙を前記複写部２の給
紙経路に戻す中継機構１０を備えている。

前記分岐機構６は排紙経路ａの前後に設けた上流ローラ
１１と下流ローラ１２との間にソレノイド等の駆動手段
（図示せず）により軸１４を中心に揺動する断面逆三角
状をした可動分岐体１３を設け、該可動分岐体１３の上
流ローラ１１に対向する尖端１３ａをそのローラの挟持
点Ｐより上下に変位して前記排紙経路ａと導入経路ｂを
切換できるようにしている。排紙経路ａに入った用紙は
そのまま機外に排紙され、導入経路ｂに入った用紙はこ
れに続く両面複写経路５を通して反転機構７へ導かれる
か、両面複写経路５の途中に設けた正逆転ローラ１５の
逆転作動で両面複写経路５と下流ローラ１２とを結ぶ反
転排紙経路ｃに逆向き搬送されて機外へ導かれる。この
反転排紙経路ｃを通して排紙された用紙は排紙経路ａを
通して直に排紙された用紙とページが逆となり、ページ
揃えのために有効である。

前記反転機構７は前記両面複写経路５の先端部に向けて
開口した上下ガイド板１６、１７間で受けた用紙を、下
ガイド板１７の上面を通るように大径プーリ１８と小径
プーリ１９との間に張設された複数条の走行ベルト２０
と、該走行ベルト２０の上面部に圧接するように上ガイ
ド板１６に軸支されたコロ２１とで挟んで搬送し、該走
行ベルト２０の大径プーリ側の円周に沿って設けた反転
ガイド板２２を通して反転させ、大径プーリ１８の下面
で走行ベルト２０に圧接した圧接ローラ２３との挟持点
２４から後方に向けてほゞ水平に放出できるようになっ
ている。

なお、前記走行ベルト２０を備えた下ガイド板１７はそ
の基端が大径プーリ１８の軸１８′に遊嵌して起倒自在
に設けられ、コロ２１を備えた上ガイド板１６は大径プ
ーリ１８の外方に軸架されている軸１６′に基端を固定
し、起倒自在に設けられ、それぞれこれらの間で用紙が
ジャムした場合に開放することによって容易に除去でき
るようになっている。

第２図乃至第５図は前記反転機構７から後方に向けて放
出された用紙をスタックするスタッカー部を示したもの
で、反転機構７の下方において用紙Ｒの放出方向と逆向
きに傾斜設置されたスタッカー基板２５と、その上面に
用紙サイズに合わせて広狭調節できる横幅規制部材２６
を備えている。このスタッカー基板２５の上位側には反
転機構７より放出された用紙Ｒの放出方向と逆向きで、
水平方向より上向きに空気流が噴射できる送風ファン２
７の噴射口２８が設けられ、用紙の下側に空気を潜り込
ませて落下の際に用紙を空気膜上に乗せてスタッカー面
を滑降できるようにしている。これにより、スタッカー
基板２５の傾斜角度を急にしなくてもよくしている。ま
た、スタッカー部８の傾斜下端側にはストッパー２９が
出没自在に設けられ、滑降した用紙の先端が当たるよう
になっている。ストッパー２９はスタック時には突出
し、再給紙機構９による給紙時には没入するように構成
されている。

前記横巾規制部材２６は底面部２６ａと立ち上り部２６
ｂとからなるもので、拡大縮小可能になっている。この
拡大縮小機能は例えば第５図示の如くスタッカー基板２
５の下部に設置した正逆回転可能の駆動装置３０の出力
軸に固定したピニオン３１を挟んで各横巾規制部材２６
の底面部２６ａの下面に基端を固定したラック３２、３
３を噛合させてなり、使用する用紙サイズ毎に自動的に
適性巾が確保できるようになっている。該横巾規制部材
２６の底面部２６ａはその傾斜上部側の内側角部には前
記空気流噴射口２８を塞がないように切欠部３４が設け
られている。

また、第６図から第１１図では用紙が挟持された状態で
横幅規制部材に当たりスタッカー部の内側へ案内される
ときの状態を示している。先ず第６図では用紙が片寄っ
て搬送ローラから搬送されてきた状態を示している。そ
して片寄って搬送されてきた用紙先端が案内傾斜面２６
ｅに当たる（第７図）。次に、第８図に示すように片寄
って挟持搬送されてきた用紙の先端は、スタッカーの内
側に曲げられ、用紙先端が２６ｄに案内される。その後
は第９図、第１０図、の如く、用紙の先端がスタッカー
内に確実に案内され、更に第１１図に示すように用紙が
搬送ローラから排出された後には用紙後端がフリーな状
態になり、用紙先端に先導されて用紙後端が２６ｅ、２
６ｄ、２６ｃにガイドされながら自由落下を始める。

即ち、本願考案では前記底面部２６ａは、前記搬送手段
２０、２３による用紙放出方向Ａに所定の角度で交差す
るように設けられ、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄの
近傍に位置する前記搬送手段２０、２３に挟持されなが
ら挿入される前記用紙の先端を案内するための平面であ
って、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄの外側上方に拡
開され、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄよりも傾斜が
ゆるく形成された案内傾斜面２６ｅを設けている。この
紙揃えのための傾斜面２６ｄと用紙の挿入を案内する傾
斜面２６ｅを直立部２６ｃの外側上方に拡開することに
より、落下してくる用紙が斜めに載置されたり、片寄る
ように載置されることなくスタッカー部の底面部２６ａ
上に用紙の横巾方向が整合され積載することが可能とな
る。また、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄに対して外
側上方に拡開され、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄよ
りも傾斜がゆるく形成された案内傾斜面２６ｅを設けて
いるため、スタッカーの上方向に広いスペースを必要と
せず、かつ、広い用紙の捕獲巾を有することが出来る。
また、傾斜面２６ｅと傾斜面２６ｄの間に境界線を有す
るので、用紙が傾斜面２６ｄ及び２６ｅに密着する恐れ
がないので、用紙と傾斜面の摩擦力のために用紙が滑り
落ちないということもなく、用紙をスタッカー部に確実
にスタックすることが出来る。さらに、用紙がスタッカ
ー部に収まるよう内側への力が作用するので、確実に用
紙の先端を案内しスタックすることが出来る。

なお、スタッカー部８の横巾規制部材２６により横巾が
揃えられ、先端がストッパー２９により揃えられた用紙
は再給紙機構９によりその最上層から一枚づつ送出され
る。この再給紙機構９は前記ストッパー２９の出没に連
動して上下動する送りローラ３５と、該送りローラ３５
で送出された用紙を一枚づつ分離給送する重送防止機構
３６とにより構成されている。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は底面部２６ａと、直立
２６ｃと、前記直立部２６ｃの上端より外側上方に拡開
された平面である紙揃えのため傾斜面２６ｄとからなる
横巾規制部材２６を設けてなる、搬送手段２０、２３に
より挿入される片面複写後のシート状の用紙を収容する
スタッカー部８を有する両面複写装置のスタック装置に
おいて、前記底面部２６ａは、前記搬送手段２０、２３
による用紙放出方向Ａに所定の角度で交差するように設
けられ、前記紙揃えのための傾斜面２６ｄの近傍に位置
する前記搬送手段２０、２３に挟持されながら挿入され
る前記用紙の先端を案内するための平面であって、前記
紙揃えのための傾斜面２６ｄの外側上方に拡開されれ、
前記紙揃えのための傾斜面２６ｄよりも傾斜がゆるく形
成された案内傾斜面２６ｅを有することを特徴としてい
るから、傾斜面において確実に用紙を捕獲するととも
に、用紙先端を傾斜面でスタッカー部８の内側に案内
し、用紙後端が挟持搬送部から排出された後は用紙に傾
斜面から内側に押し戻す力が働き、用紙を奇麗に揃える
ことが可能となる。

また、この考案に係るスタック装置は構造簡単であり、
安価に製造できるので、これを設置する両面複写装置の
コストの低廉化が図れるなどの各種の優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用したスタック装置を搭載した両
面複写装置の断面図、第２図はスタック装置の外観斜視
図、第３図は収容する用紙の落下状態との関係を示す側
面断面図、第４図は正面断面図、第５図は横巾規制部材
の可動機構を示す斜視図、第６図から第１０図は用紙が
挟持された状態で規制板に当たり内側へ案内されている
ときの状態を示すスタッカー部の正面断面図及び斜視
図、第１１図は用紙が開放された状態を示すスタッカー
部の正面断面図及び斜視図である。 ８……スタッカー、２５……スタッカー基板 ２６……横巾規制部材、２６ａ……底面部 ２６ｂ……立上り部、Ｒ……用紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底面部(26a)と、直立部(26c)と、前記直立
   部(26c)の上端より外側上方に拡開された平面である紙
   揃えのための傾斜面(26d)とからなる横巾規制部材(26)
   を設けてなる、搬送手段(20)、(23)により挿入される片
   面複写後のシート状の用紙を収容するスタッカー部(8)
   を有する両面複写装置のスタック装置において、前記底
   面部(26a)は、前記搬送手段(20)、(23)による用紙放出方
   向(A)に所定の角度で交差するように設けられ、前記紙
   揃えのための傾斜面(26d)の近傍に位置する前記搬送手
   段(20)、(23)に挟持されながら挿入される前記用紙の先
   端を案内するための平面であって、前記紙揃えのための
   傾斜面(26d)の外側上方に拡開され、前記紙揃えのため
   の傾斜面(26d)よりも傾斜がゆるく形成された案内傾斜
   面(26e)を有することを特徴とする両面複写装置のスタ
   ック装置。