JPH0613148Y2 - 鋼板移替装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は高く積み重ねた鋼板を１枚１枚別の場所へ移し
替える装置に関する。

（従来技術と問題点） 従来高く積み重ねられた鋼板に穴が明いていて、吸引吸
着が困難な状態の鋼板の移し替えは電磁石を使用した装
置により行われている。

しかし電磁石を使って鋼板を磁着する装置は寿命が短く
かつコスト的に問題があった。

（目的） 本考案は上記の問題に鑑みてなされたもので寿命が長く
かつコスト的にも安価な鋼板移替装置を提供することを
目的とするものである。

（構成） 以下本考案の構成を図示例により詳細に説明する。

（１）はローラコンベアであって該ローラコンベア
（１）の右側外方には適当な間隔をおいて受台（２）が
設けられており、該受台（２）の上部には穴明き鋼板
（Ｔ）が高く積み重ねられている。

また該ローラコンベア（１）と受台（２）とをまたいで
門型フレーム（３）が設けられており、該門型フレーム
（３）上部には、台車（４）が図示されないシリンダに
より該ローラコンベア（１）及び受台（２）の上方位置
間を往復移動可能にして載置されている。

該台車（４）上にはシリンダ（５）が下向きに設けられ
ていて、該シリンダ（５）のピストンロッド（６）先端
には取付フレーム（７）が固着されている。

該取付フレーム（７）は、２本のコ字形型鋼（８）
（８）を水平状態にして適当な間隔をおいて背中合わせ
に配置し両型鋼（８）（８）を連結部材（９）により連
結した構成にされている。

該取付フレーム（７）には２個の中空箱体（１０）（１
０）が爪（１１）（１１）を前記型鋼（８）（８）の下
部に係合して吊設されていて、該型鋼（８）（８）にそ
って水平移動させることにより両中空箱体（１０）（１
０）の間隔を自由に変えられるようになっている。

該中空箱体（１０）の上部には電動シリンダ（１２）が
下向きに設けられていて該電動シリンダ（１２）の昇降
ロッド（１３）が該中空箱体（１０）の中空部へ突出さ
れている。

該昇降ロッド（１３）の先端には、永久磁石（１４）が
固着されていて該永久磁石（１４）は中空箱体（１０）
の中空部内で昇降できるようになっている。

尚図中（１５）は永久磁石（１４）に取付けられたガイ
ドロッドであって中空箱体（１０）上に設けられたガイ
ド筒（１６）に摺動自在に嵌合されていて、永久磁石
（１４）の昇降を案内するようになっている。

（作用） このように構成されたものについて作用を説明する。

図の状態において、鋼板（Ｔ）の大きさに応じて中空箱
体（１０）（１０）の間隔を調整した後シリンダ（５）
を作動させて中空箱体（１０）（１０）の下面が鋼板
（Ｔ）の上面に当接するまで下降させる。

次に電動シリンダ（１２）（１２）が作動して永久磁石
（１４）（１４）を、１枚の鋼板（Ｔ）が中空箱体（１
０）（１０）の下面に磁着される範囲の距離（この距離
は、鋼板（Ｔ）の厚さ及び大きさから予め定められた距
離とする）だけ下降される。これにより１枚の鋼板
（Ｔ）が永久磁石（１４）の磁力により中空箱体（１
０）（１０）の下面に磁着される。

次にシリンダ（５）が逆作動して中空箱体（１０）（１
０）と共に１枚の鋼板（Ｔ）を上昇させた後台車（４）
がローラコンベア（１）の上方位置まで移動され再びシ
リンダ（５）が作動し、鋼板（Ｔ）がローラコンベア
（１）上に載置される状態になるまで下降される。

次に電動シリンダ（１２）が逆作動して永久磁石（１
４）を上端まで上昇させる。この作動により永久磁石
（１４）と鋼板（Ｔ）との間隔が広くなり、永久磁石
（１４）の磁力が鋼板（Ｔ）に作用しなくなり磁着状態
が解除される。

次にシリンダ（５）が逆作動して鋼板（Ｔ）をローラコ
ンベア（１）上に残して中空箱体（１０）（１０）を上
昇させると共に台車（４）を元の位置に復帰させる。一
方ローラコンベア（１）上の鋼板（Ｔ）は所定の位置に
搬送される。

以上の作動をくりかえし行うことにより積み重ねられた
鋼板（Ｔ）を１枚ずつローラコンベア（１）上に移し替
えていくのである。

尚図示例では２個の中空箱体（１０）（１０）を取付フ
レーム（７）に対して水平移動可能に吊設して両者の間
隔を調節できるようにしてあるが一定の大きさの鋼板の
みを取扱う場合には中空箱体（１０）（１０）を取付フ
レーム（７）に固着しても同様の作用効果を得ることが
できる。

また図示例では細長い中空箱体（１０）を２個使用して
いるが平面からみて正方形に近い矩形状の中空箱体を１
個取付フレーム（７）に固着して使用しても同様の作用
効果が得られる。

さらに図示例においては永久磁石（１４）の昇降を電動
シリンダ（１２）により行うようにしているが昇降ロッ
ド（１３）を任意の位置で停止できる機構のシリンダで
あれば他のシリンダであってもよい。

（効果） 本考案は、上記の説明から明らかなように永久磁石を中
空箱体内で昇降させることにより鋼板を磁着及び磁着解
除する構成としたから電磁石使用の装置に比べて耐久性
がよくコスト的に安価になる等の優れた効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものにして、第１図は正面
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ矢視図、第３図は第
１図におけるＢ部の拡大断面図、第４図は第３図におけ
るＣ−Ｃ矢視図である。 （４）：台車、（７）：取付フレーム （１０）：中空箱体、（１２）：電動シリンダ （１３）：昇降ロッド、（１４）：永久磁石

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平方向に往復移動可能に設けられた台車
   （４）に、取付フレーム（７）を昇降可能にして吊設す
   ると共に該取付フレーム（７）の下部に中空箱体（１
   ０）を持設し、該中空箱体（１０）の上部に、昇降位置
   調節シリンダ（１２）を下向きに設けると共にその昇降
   ロッド（１３）を該中空箱体（１０）内に突出させて配
   設し、該中空箱体（１０）内に永久磁石（１４）を昇降
   可能にして配置すると共に該永久磁石（１４）と前記昇
   降ロッド（１３）とを固着連結したことを特徴とする鋼
   板移替装置。