JPH06130226A - セルロースエステルフィルム - Google Patents
セルロースエステルフィルムInfo
- Publication number
- JPH06130226A JPH06130226A JP27844092A JP27844092A JPH06130226A JP H06130226 A JPH06130226 A JP H06130226A JP 27844092 A JP27844092 A JP 27844092A JP 27844092 A JP27844092 A JP 27844092A JP H06130226 A JPH06130226 A JP H06130226A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- film
- cellulose ester
- ester film
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
能が劣化したり、着色したりすることのないセルロース
エステルフィルムの提供。 【構成】 (1)温度80℃、RH90%下に1000時間放置後の
フィルムが、波長400nm以下における透過率の変化量が
2%未満で、かつJIS Z 8720で規定する標準の光Cの下
で、JIS Z 8729の方法に従って10度視野XYZ系における
三刺激値から求められるa値、b値の変化量が各々0.1
未満、0.3未満であるセルロースエステルフィルム。(2)
特定のベンゾトリアゾール系UV吸収剤を含有する上記
(1)項記載のセルロースエステルフィルム。
Description
ィルムに関し、詳しくは液晶表示装置の偏光板に使用さ
れているセルロースエステルフィルム自体の耐久性及
び、液晶物質の保護のためにUV(紫外線)吸収性能を付
与した偏光板用保護フィルムに関するものである。
が優れ、かつ屈折率の異方性の小さな膜を容易に作製す
ることが出来るため偏光板用の保護フィルムなどの光学
的用途に広く使用されている。
は、紫外線に長時間暴露されると黄変するという該フィ
ルム固有の欠点を有している。
液晶表示の場合、偏光板は過酷な耐湿性及び耐熱性が要
求される。
ル溶液中にUV吸収剤を混入し、この溶液を用いてキャ
ステングフィルムとする方法、或は特開昭61-98301号に
記載されているようなUV吸収剤溶液を、セルロースエ
ステルフィルム上に塗布あるいは浸漬してUV吸収性を
付与し黄変を防止することが開示されている。
条件下、例えば温度80℃、RH90%以上の雰囲気下に10
00時間程度経時した場合、前記の方法で製造されたフィ
ルムでは、UV吸収剤が均一に分散含有されたものであ
るためブリード現象により光学特性が劣化し、黄変して
UV吸収性能が著しく劣化し満足されるものではなく、
その改良が強く望まれていた。
下での過酷な条件に長時間曝されてもUV吸収能が劣化
したり、着色したりすることのない偏光板用保護フィル
ムとしてのセルロースエステルフィルムを提供すること
である。
略してコストを低減したセルロースエステルフィルムを
提供することである。
より達成されることを見い出し本発明を成すに至った。
に1000時間放置後のフィルムが、400nm以下の波長にお
ける透過率の変化量が2%未満であって、かつJIS Z 87
20で規定する標準の光Cの下で、JIS Z 8729の方法に従
って10度視野XYZ系における三刺激値から求められるa
値、b値の変化量が各々0.1未満、0.3未満であることを
特徴とするセルロースエステルフィルム。
リアゾール系UV吸収剤の少なくとも一つを含有するこ
とを特徴とする(1)項記載のセルロースエステルフィル
ム。
か又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又はジ
アルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素
環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形
成してもよい。以下、本発明を詳述する。
ムの耐熱及び耐湿性については、温度80℃(好ましくは7
5℃以上85℃以下)で、RH(相対湿度)が90%(好ましく
は85%以上)の雰囲気下に1000時間放置することによ
り、実際に使用される条件の代用試験法とした。
以下の透過率を測定し、紫外部域に於ける未処理試料と
の透過率の差を求めた。未処理試料に対して透過率の変
化量が2%未満(好ましくは1.5%未満)であれば経時劣
化の少ないことを意味する。さらに該試料がJIS Z 8720
に規定する標準の光Cの下で、JIS Z 8729の方法に従っ
て10度視野XYZ系における三刺激値から求められるa
値、b値の変化量が各々0.1未満、0.3未満であることで
ある。
昼光で照明される物体色を表示する場合に用いられる標
準光である。
における三刺激値から求めたa値は、0.1未満(好ましく
は0〜0.08)で、b値は0.3未満(好ましく0〜0.25)であ
ることが耐熱、耐湿性の優れた色相変動のないセルロー
スエステルフィルムとして評価される。
中には、上述した一般式〔1〕のベンゾトリアゾール系
UV吸収剤の少なくとも一つが含有される。
R4及びR5は同一又は異ってもよく、水素原子、ハロゲ
ン原子(塩素、臭素、沃素、フッ素)、ニトロ基、ヒド
ロキシル基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n-
プロピル、iso-プロピル、アミノプロピル、n-ブチル、
sec-ブチル、tert-ブチル、クロロブチル、n-アミル、i
so-アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ステアリル
アミドブチル、デシル、ドデシル、ペンタデシル、ヘキ
サデシル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニルエチ
ル、フェニルプロピルなど)、アルケニル基(例えば、
ビニル、アリル、メタアリル、ドデセニル、トリデセニ
ル、テトラデセニル、オクタデセニルなど)、アリール
基(例えばフェニル、4-メチルフェニル、4-エトキシフ
ェニル、2-ヘキソキシフェニル、3-ヘキソキシフェニル
など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ、クロロブトキシ、デコキシ、ジ
アミノフェノキシ、エトキシ、ペンタデコキシ、オクタ
デコキシなど)、アシルオキシ基(例えば、カルボメト
キシ、カルボブトキシ、カルボヘキソキシ、カルボペン
タデコキシなど)、アリールオキシ基(例えば、フェノ
キシ、4-メチルフェノキシ、2-プロピルフェノキシ、3-
アミルフェノキシなど)、アルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ、エチルチオ、t-ブチルチオ、t-オクチルチ
オ、ベンジルチオなど)、アリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ、メチルフェニルチオ、エチルフェニルチ
オ、メトキシフェニルチオ、エトキシフェニルチオ、ナ
フチルチオなど)、モノ又はジアルキルアミノ基(例え
ば、N-エチルアミノ、N-t-オクチルアミノ、N,N-ジエチ
ルアミノ、N,N-ジ-t-ブチルアミノなど)、アシルアミ
ノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メ
タンスルホニルアミノなど)、酸素又は窒素を含む5又
は6員の複素環基(例えば、ピペリジノ、モルホリノ、
ピロリジノ、ピペラジノなど)を示し、R4とR5は閉環
して炭素原子からなる5又は6員環を形成してもよい。
る置換基は、炭素数5〜36が好ましく、アルキル基は炭
素数1〜18であることが好ましい。
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
チルフェニル)-ベンゾトリアゾール (1−2) 2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチル
フェニル)-ベンゾトリアゾール (1−3) 2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-5′-メ
チルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール (1−4) 2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチル
フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール (1−5) 2-(2′-ヒドロキシ-5′-イソオクチルフェ
ニル)-ベンゾトリアゾール (1−6) 2-(2′-ヒドロキシ-5′-n-オクチルフェニ
ル)-ベンゾトリアゾール (1−7) 2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-アミル
フェニル)-ベンゾトリアゾール (1−8) 2-(2′-ヒドロキシ-5′-ドデシルフェニ
ル)-ベンゾトリアゾール (1−9) 2-(2′-ヒドロキシ-5′-ヘキサデシルフェ
ニル)-ベンゾトリアゾール (1−10) 2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-アミル-5′-ベ
ンゾフェニル)-ベンゾトリアゾール なお、本発明においては上記の化合物を含めて本発明と
同一の出願人による特開昭60-128434号公報第10頁〜第1
2頁に記載されている化合物例の(IV-1)〜(IV-39)を用い
ることが出来る。本発明に用いられる上記のベンゾトリ
アゾール系化合物は、例えば特公昭44-29620号に記載の
方法、又はそれに準じた方法により容易に合成すること
が出来る。
としては、セルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレート、セルロースアセテートプロピオネートな
どが挙げられ、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜
62%のセルローストリアセテートが好ましい。
は、皮膜の柔軟性、耐湿性などの向上のために可塑剤を
添加してもよい。その具体例としては、例えばトリフェ
ニルホスヘート、ジエチルフタレート、エチルフタリル
エチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレー
トなどが挙げられる。これらの可塑剤の使用量は、セル
ローストリアセテートに対して重量比で2〜20%が用い
られるが、膜の柔軟性を損なわない最小量を用いるのが
好ましい。
の溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n-プ
ロピルアルコール、iso-プロピルアルコール、n-ブタノ
ールなどの低級アルコール類、シクロヘキサンジオキサ
ン類、メチレンクロライドのような低級脂肪族炭化水素
塩化物類などを用いることができる。
イド70〜95重量%、その他の溶剤は30〜5重量%が好ま
しい。又セルロースエステルの濃度は10〜50重量%が好
ましい。溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点
以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく
例えば60℃以上、80〜110℃の範囲に設定するのが好適
である。又、圧力は設定温度において、溶剤が沸騰しな
いように定められる。
か、または容器からポンプ等で抜きだして熱交換器など
で冷却し、これを製膜に供する。
ムの製造方法は特に制限はなく、当業界で一般に用いら
れている方法でよく、例えば米国特許2,492,978号、同
2,739,070号、同2,739,069号、同2,492,977号、同2,33
6,310号、同2,367,603号、同2,492,978号、同2,607,704
号、英国特許64071号、同735892号、特公昭45-9074号、
同49-4554号、同49-5614号、同60-27562号、同61-39890
号、同62-4208号等に記載の方法を参考にすることがで
きる。
の厚さは、10〜 500μmで特に30〜200μmであることが
好ましい。
スト低減の目的で偏光膜と接着する面側に偏光膜の接着
性を付与する親水性バインダーを含有した接着処理層を
塗設することが好ましい。
えば−COOM基含有の共重合体又は親水性セルロース誘導
体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシアルキルセルロース等)ポリビニルア
ルコール誘導体(例えば酢酸ビニルとビニルアルコール
の共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物
(例えばゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水
性基含有ポリエステル誘導体、スルホン基含有ポリエス
テル共重合体等が挙げられる。
重合体化合物は下記一般式で示される。
−CO−OM あるいは−(CO)−R であって、z=0のとき
Bは水素原子、またRがアルキル基のときBは水素原
子、Mは水素あるいはカチオン、Rは−O−R′あるいは
−N(R″)(R′) ここでR′はアルキル基、アラルキル
基、アリール基、異項環残基あるいはR″と共同して異
項環を形成するに必要な非金属原子、R″は水素原子、
低級アルキル基あるいはR′と共同して異項環を形成す
るに必要な非金属原子、R1及びR2は水素原子あるいは
低級アルキル基、Xは−(CO)−O−あるいは−O−(CO)
−、R3はハロゲノアルキルあるいはハロゲノアルキル
オキシアルキル基、m,p,q,r,x,y,zはそれぞれ各
単量体のモル%を示す値であって、mは0〜60、pは0〜10
0、qは0〜100、rは0〜100、xは0〜60、yは0〜100、zは0
〜100であり、m+p+q+r=100、 x+y+z=100である。
例えばスチレン、ニトロ基、弗素、塩素、臭素、クロル
メチル基、低級アルキル基等が置換されたスチレン、ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルク
ロルエチルエーテル、酢酸ビニル、クロル酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸あるい
はイタコン酸等の不飽和酸、炭素数1〜5であって、非
置換あるいは塩素、フェニル基等を置換したアルキルア
クリレートあるいはアルキルメタアクリレート、フェニ
ルアクリレートあるいはフェニルメタアクリレート、ア
クリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、アクリルアミド、炭素数1〜5のアルキル基あるい
は塩素、フェニル基等を置換したアクリルアミド、ビニ
ルアルコール、クリシジルアクリレート、アクロレイン
等があり、好ましくはスチレン、置換基を有するスチレ
ン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、アルキルアク
リレート、アクリロニトリル等である。
炭素数1〜24のものが好ましく、直鎖アルキル基、分岐
アルキル基、シクロアルキル基等のアルキル基のいずれ
でもよく、また該アルキル基は置換基を有していてもよ
く、この置換基としてはヒドロキシ基、ヒドロキシカル
ボニル基、カチオンのオキシカルボニル基等で、特に弗
素のごときハロゲンが置換されたハロゲノアルキル基ま
たはハロゲノアルキルオキシアルキル基は望ましい結果
が得られ、このとき炭素数2〜18のハロゲノアルキル
基、ハロゲノアルキルオキシアルキル基またはハロゲノ
シクロアルキル基であって、ハロゲン数は望ましくは1
〜37である。このハロゲノアルキル基及びハロゲノアル
キルオキシアルキル基及び前記式中のR3のハロゲノア
ルキル基及びハロゲノアルキルオキシアルキル基は、好
ましくは下記一般式〔A〕で示される。
あるいは弗素で、n2は0または1であり、n2が0のと
きにはn1は0、n2が1のときにはn1は2または3で
あって、n3は1〜17の整数、 但しn1+n3は1〜17であ
る。但しR4が構造式中で2個以上ある場合には1個が
水素で他が弗素であるように異なる基であってもよく、
同様にR5,R6,R7がそれぞれ構造式中に複数個ある
ときには、異なる基であってもよい。)また、前記一般
式〔I〕及び一般式〔II〕中のR′が前述のようなハロ
ゲノアルキル基、あるいはハロゲノアルキルオキシアル
キル基のときには、好ましくは前記一般式〔I〕及び一
般式〔II〕中のRは−O−R′である。また、R′のフェ
ニル基のごときアリール基、あるいはベンジル基のごと
きアラルキル基は置換基を有していてもよく、この置換
基としては、弗素、塩素、臭素等のハロゲン低級アルキ
ル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシカルボニル基、カチオ
ンのオキシカルボニル基、ニトリル基、ニトロ基等が挙
げられる。また、式中のR′の異項環またはR′とR″と
で形成する異項環は、酸素、イオウ、または窒素を含む
飽和あるいは不飽和の異項環であって、例えばアジリジ
ン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾー
ル、イミダゾリン、トリアゾール、ピペリジン、ピペラ
ジン、オキサジン、モルホリン、チアジン等の異項環か
ら選択される異項環である。また式中Mのカチオンとし
ては、例えばアンモニウムイオン、ナトリウムイオン、
カリウムイオン、リチウムイオン等のカチオンである。
共重合体化合物は単独あるいは2種以上併用して用いら
れ、好ましくは平均分子量約500〜500,000(重量平均)
程度のものが用いられる。
化合物の代表的なものとしては、下記のものを挙げるこ
とができる。しかし本発明はこれらに限定されるもので
はない。
−COOM基含有共重合体化合物は、公知の方法で合成され
る。即ち、無水マレイン酸共重合物は極く一般的な重合
物であることは周知の通りであり、これらの誘導体もそ
れらに適合するアルコールあるいはアミン類を無水マレ
イン酸共重合物に反応させれば簡単に得られ、また無水
マレイン酸単量体に適合するアルコールあるいはアミン
類を反応し精製したものを他のビニル単量体と共重合さ
せても得られる。また、ハロゲノアルキル、ハロゲノア
ルキルオキシアルキル等のアクリレート類は、ジャーナ
ル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer
Science.15 515〜574(1955)あるいは英国特許1,121,
357号明細書に記載されている単量体及び重合体の合成
法によって容易に合成される。本発明に係る前記共重合
体化合物の使用量は、10〜1000mg/m2であることが好ま
しく、更には20〜300mg/m2であることが特に好ましい。
は、セルローストリアセテートが主であるが、セルロー
スジアセテート,セルロースアセテートブチレート,セ
ルロースプロピオネートなどのセルロースエステル,ポ
リカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリア
クリレートなども適用できる。厚みは特に制限はない
が、機能上および取扱い易さから10〜500μm、特に30〜
300μmが好ましい。
コーター、ディプコーター、リバースロールコーター、
押し出しコーターなど公知の方法で塗布できる。本発明
に係るポリマーの付量は10〜1000mg/m2の範囲であり、
特に安定な接着力、塗布後の仕上り性からみると20〜30
0mg/m2が好ましい。該塗布液を塗布した後乾燥する方法
としては特に制限はないが乾燥後の残留溶媒量は5wt%
以下とするのが好ましい。残留溶媒量が多いと、偏光膜
と積層された後の乾燥過程で接着界面に気泡を生じる場
合があり好ましくない。
光膜を貼り合わせるのに使用される接着剤としては例え
ばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどの
ポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート
などビニル系ラテックス等があげられる。
は、本発明に係る一般式〔1〕の化合物とともに下記の
一般式〔2〕で表される化合物を組み合わせて用いるこ
とができる。
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフエニ
ル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフ
エニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、
アルキル基、アルケニル基、フエニル基、シクロアルキ
ル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又
は-CO(NH)n-1-D基を表し、Dはアルキル基、アルケニ
ル基又は置換基を有していてもよいフエニル基を表す。
m及びnは1または2を表す。
ば、炭素数24までの直鎖又は分岐の脂肪族基を表し、ア
ルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ
基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのア
ルケニル基で例えばアリル基、2-ブテニル基などを表
す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置
換分としてはハロゲン原子、例えばクロール、ブロム、
フッ素原子など、ヒドロキシ基、フェニル基、(このフ
ェニル基にはアルキル基又はハロゲン原子などを置換し
ていてもよい)などが挙げられる。
ノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらのみに
限定されるものではない。
〔1〕の化合物とともにセルロースアセテートの劣化防
止剤として従来から知られている例えばエポキシ化合
物、弱有機酸、飽和多価アルコール類或は有機材料の酸
化防止剤として知られている例えばヒンダートフェノー
ル系、チオエーテル系、亜リン酸エステル系などの化合
物を本発明の一般式〔1〕の化合物と組み合わせて用い
てもよい。
〔2〕の化合物の使用量は化合物の種類、使用条件など
により一様ではないが、通常はセルロースエステルフィ
ルム1m2当り、0.2g〜3gが好ましく、特に0.5g〜2
gが特に好ましい。
メタノール、メチレンクロライドなど)に溶解したもの
を本発明に係るセルローストリアセテートなどのドープ
組成中に添加してもよく、直接添加してもよい。
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 実施例1 表1に示すUV吸収剤を添加し、下記のドープ組成物を
調製した。
撹伴しながら完全に溶解した。
保ち2つのドラムにはられた回転する長さ6m(有効長5.
5m)のエンドレスステンレスバンド上に均一に流延し、
剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステ
ンレスバンド上から剥離後、多数のロールで搬送させな
がら乾燥を終了させ膜厚80μmのフィルムを得た。
セテートフィルムを各々10cm平方の大きさに切りとり、
80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下に1000時間放置後、分
光光度計を用いて保護フィルム単体の透過率の分光吸収
特性を測定し波長320nmおよび400nmに於ける透過率を25
℃、56%RH雰囲気下に放置した試料と比較し、変化度を
評価した。
ートフィルムの1部に表1に示したように本発明試料と
してフィルムの片面に下記組成物から成る塗布液を25ml
/m2になるようにダブルロールコーターを用いて塗布
し、90℃で5min間乾燥し、接着層を有する保護フィル
ム試料No.1,2を得た。
に下記の方法で作ったフィルムと重ね合わせて偏光板を
作成した。
ムを保護膜とし、次の方法で作った偏光板フィルムの両
面にアクリル系粘着剤で接着させ偏光板を作った。
を沃素1重量部、沃化カリウム2重量部、ホウ酸4重量
部を含む水溶液に浸積し50℃で4倍に延伸し偏光板フィ
ルムを得た。
ートフィルムの一部に、温度60℃、濃度8wt%の水酸化
ナトリウム水溶液に5分間浸漬し、水洗してケン化処理
層を形成させ接着性の比較試料(試料No.3)とし、同
様の方法で偏光板を作成した。
ズに切断した。得られた切断片を各々6cm×8cmのガラ
ス板の中央部にアクリル系粘着剤で仮粘着し、次いでこ
れらを押圧して各片とガラス板の気泡を完全に除去する
ようにして各切断片をガラス板に粘着した。
加し、下記のドープ組成物を調整し実施例1と同じ方法
で膜厚80μmのフィルムを得た。
た。
wt%の水酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬し水洗してケ
ン化処理層を形成した。以下、実施例1と同様の方法に
より偏光板を作成し比較例の試料No.4とした。
セットした恒温恒湿オーブン内に互いに重ならないよう
に垂直に配して支持枠に1000時間固定した後、各片につ
いて下記の測定を行った。
記サンプルを80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下に1000時
間放置後、分光光度計を用いて320nm〜400nmの分光吸収
特性と500nm〜600nmの分光吸収特性を測定し、25℃、56
%RH雰囲気下に於ける分光吸収特性との変化度ΔT
(%)を評価した。
後、目視により観察を行い偏光膜と保護フィルムの間の
剥離状態を評価した。
時と直行時との透過の平均値から下記式に基づき算出
し、25℃、56%RH雰囲気下に於ける偏光度の変化度を評
価した。ただし透過率は43%に補正した。
直行透過率を示す。) ○・・・湿熱処理前の測定値(43%)との差±2%以内 △・・・ 〃 ±2%〜5% ×・・・ 〃 ±5%〜11% ××・・ 〃 ±11%以上
ば苛酷な条件下においても400nm以下に於ける透過率変
化度が少なく、かつ偏光板としての分光特性の劣化がな
い優れた偏光板フィルムが得られることが分かる。
フィルム表面に、親水性バインダーを含有する処理層を
設けた本発明の試料は、偏光膜との接着性が優れ、ケン
化処理層を省略することができる。
た。
ラムにはられた回転する長さ6mのエンドレスステンレ
スバンド上に位置した図1に記載した第一流延口から均
一に流延し、ついで第二流延口から実施例2に記載した
ドープを仕上がり膜厚80μmに対し、それぞれ80%、20
%に寄与するよう流延溶液量を調整して流延した後、ス
テンレスバンド上から剥離可能になるまで溶媒を蒸発
後、ステンレスバンドから剥離し、多数のロールで搬送
させながら乾燥を終了させ膜厚80μmのフィルムを得
た。
し、保護フィルム単体のUV吸収特性並びに偏光板のU
V吸収特性と偏光フィルムとセルロースアセテートとの
間の接着性を評価した。
に上記で得られた本発明に係るセルロースアセテートフ
ィルムの試料の片面にケン化処理層を設けた試料と、親
水性バインダーを含む接着層を塗布した試料を作成し
た。
以下の条件で塗布した。
加し、下記のドープ組成物を調整し実施例1と同じ方法
で膜厚80μmのフィルムを得た。
た。
wt%の水酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬し水洗してケ
ン化処理層を形成した。以下、実施例2と同様の方法に
より偏光板を作成し、比較例の試料No.8とした。
法で評価した。
ら明らかなように本発明の方法によれば、苛酷な雰囲気
下に長時間おかれても偏光度の変化及び偏光板分光特性
の劣化が少ないことが分かる。
時間曝されても、400nm以下の透過率変化が少なく、UV
吸収性能の劣化のない偏光板用保護フィルムを得られ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 温度80℃、RH90%の雰囲気下に1000時
間放置後のフィルムが、400nm以下の波長における透過
率の変化量が2%未満であって、かつJIS Z 8720で規定
する標準の光Cの下で、JIS Z 8729の方法に従って10度
視野XYZ系における三刺激値から求められるa値、b値
の変化量が各々0.1未満、0.3未満であることを特徴とす
るセルロースエステルフィルム。 - 【請求項2】 下記一般式〔1〕で示されるベンゾトリ
アゾール系UV吸収剤の少なくとも一つを含有すること
を特徴とする請求項1記載のセルロースエステルフィル
ム。 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同じか又は異な
ってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒド
ロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、
アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又はジアルキルア
ミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素環基を表
し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成しても
よい。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27844092A JP3517788B2 (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | セルロースエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27844092A JP3517788B2 (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | セルロースエステルフィルム |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002319462A Division JP3584447B2 (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | セルロースエステルフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06130226A true JPH06130226A (ja) | 1994-05-13 |
JP3517788B2 JP3517788B2 (ja) | 2004-04-12 |
Family
ID=17597374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27844092A Expired - Lifetime JP3517788B2 (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | セルロースエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3517788B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002040232A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-06 | Konica Corp | 光学フィルム、偏光板及び表示装置 |
JP2002350644A (ja) * | 2001-05-29 | 2002-12-04 | Konica Corp | 光学フィルムとそれを用いた偏光板及び表示装置 |
JP2003026668A (ja) * | 2001-05-07 | 2003-01-29 | Konica Corp | ベンゾトリアゾール、紫外線吸収剤、光学フィルム、その製造方法、及びそれを用いた偏光板、並びに表示装置 |
US6767937B2 (en) | 2001-10-03 | 2004-07-27 | Eastman Kodak Company | Stabilizer system for polymer components of displays |
JP2008007780A (ja) * | 2007-07-11 | 2008-01-17 | Konica Minolta Holdings Inc | セルロースエステルフィルム |
JP2008144174A (ja) * | 1995-05-30 | 2008-06-26 | Fujifilm Corp | 光学フイルムおよびその製造方法 |
DE112009001702T5 (de) | 2008-07-10 | 2011-05-19 | Adeka Corp. | Optischer Film |
CN111487703A (zh) * | 2019-01-25 | 2020-08-04 | 住友化学株式会社 | 有机el显示器用层叠体及其使用的圆偏光板 |
-
1992
- 1992-10-16 JP JP27844092A patent/JP3517788B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144174A (ja) * | 1995-05-30 | 2008-06-26 | Fujifilm Corp | 光学フイルムおよびその製造方法 |
JP2011022609A (ja) * | 1995-05-30 | 2011-02-03 | Fujifilm Corp | 光学フイルムおよびその製造方法 |
JP2002040232A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-06 | Konica Corp | 光学フィルム、偏光板及び表示装置 |
JP4513181B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2010-07-28 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 光学フィルム、偏光板及び表示装置 |
JP2003026668A (ja) * | 2001-05-07 | 2003-01-29 | Konica Corp | ベンゾトリアゾール、紫外線吸収剤、光学フィルム、その製造方法、及びそれを用いた偏光板、並びに表示装置 |
JP2002350644A (ja) * | 2001-05-29 | 2002-12-04 | Konica Corp | 光学フィルムとそれを用いた偏光板及び表示装置 |
US6767937B2 (en) | 2001-10-03 | 2004-07-27 | Eastman Kodak Company | Stabilizer system for polymer components of displays |
JP2008007780A (ja) * | 2007-07-11 | 2008-01-17 | Konica Minolta Holdings Inc | セルロースエステルフィルム |
DE112009001702T5 (de) | 2008-07-10 | 2011-05-19 | Adeka Corp. | Optischer Film |
US8293145B2 (en) | 2008-07-10 | 2012-10-23 | Adeka Corporation | Optical film |
DE112009001702B4 (de) | 2008-07-10 | 2022-05-25 | Adeka Corp. | Optischer Film |
CN111487703A (zh) * | 2019-01-25 | 2020-08-04 | 住友化学株式会社 | 有机el显示器用层叠体及其使用的圆偏光板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3517788B2 (ja) | 2004-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3358029B2 (ja) | 偏光板用保護フィルム | |
JP5272055B2 (ja) | 偏光子保護フィルム、偏光板および画像表示装置 | |
AU609282B2 (en) | Varied-light transmittance article and method for repairing same | |
TWI444424B (zh) | A thermoplastic resin composition, a resin molded product using the resin composition, a protective element for a polarizing element, and a method for producing a resin molded product | |
US8961845B2 (en) | Optical compensation film, and polarizing plate and liquid crystal display employing the same | |
TWI395773B (zh) | 可交聯之纖維素酯組合物及由其形成之薄膜 | |
JPH0996722A (ja) | 偏光板保護膜 | |
JP6366426B2 (ja) | 偏光板用組成物、偏光板保護フィルム、偏光子、偏光板、液晶表示装置およびこれに用いる化合物 | |
JP3517788B2 (ja) | セルロースエステルフィルム | |
JP2014081413A (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JPH0694915A (ja) | 偏光板用保護フィルム | |
JPH06254958A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂延伸フィルム | |
JP3326607B2 (ja) | セルロースエステルフィルム | |
JP3341134B2 (ja) | セルロースエステルフィルム | |
JP3531007B2 (ja) | セルロースエステルフィルム | |
JP2001122980A (ja) | セルロースエステルフィルム、偏光板用保護フィルム及び液晶表示用部材 | |
JP3584447B2 (ja) | セルロースエステルフィルム | |
JP2011224934A (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP3711666B2 (ja) | 偏光板用保護フィルムおよびそれを用いた偏光板 | |
JP3637494B2 (ja) | 偏光板 | |
JPH06118233A (ja) | 偏光板用保護フィルム | |
CN111727387B (zh) | 偏振膜和其制造方法 | |
KR101983744B1 (ko) | 아크릴레이트계 필름 및 이를 이용한 편광판 | |
JP2001154017A (ja) | 光学フィルム及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置 | |
JP6713529B2 (ja) | 積層体、偏光板及び画像表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20040116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206 Year of fee payment: 9 |