JPH0612946Y2 - 立体視装置付本 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、２個の凸レンズを利用したブルースター、ホ
ルメス立体視方式の装置を備えた本に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

ブルースター、ホルメス立体視方式は１９世紀に開発さ
れ、実用化もされている。国内でもステレオスコープの
販売が行われている。

第４図および第５図は、公知の折り畳み可能な立体視装
置付本を示している。第４図は本１の立体視装置を観察
できるように組み立てた状態を示し、第５図は携帯でき
るように折り畳んだ状態を示す。

上記公知の本１は、表表紙２と裏表紙５とからなり、表
表紙２の小口２ａにはプラスチツク板４を延設状に貼着
けてある。上記プラスチック板４には、観察者の目の間
隔と同じ距離だけ離して２っの覗き穴を穿設し凸レンズ
３、３を取り付けてあり、裏表紙５の内面に設けた立体
画像印刷帳６を凸レンズ３、３を通して見ることによ
り、印刷帳６の２つの画像が１っの立体像として観察で
きるようになっている。

そして、不使用時には第５図に示すように３っ折りにし
て折り畳むことにより格納に便利となり、携帯も可能で
ある。

また、実願昭52-45300号（実開昭53-140455号）のマイ
クロフイルムに見られるように、画像部と凸レンズ部と
を連結し、且つ両者間の距離を保つ板状物を２つ折りに
して全体を４っに折り畳んだ立体写真ビューアも提唱さ
れている。

〔考案が解決しょうとする問題点〕

上述した従来のものは収納時に３つ折りや４つ折りに折
り畳むので、本の厚みが増すと共に本の製作工程が複雑
化する難点があった。特に、雑誌などの付録として添付
するような場合には、厚みのあるものは店頭での積み上
げに不都合であるし、製作工程の複雑化はコストアップ
になって、雑誌に添付するような企画は実現し難い傾向
にあった。

また、画像部と凸レンズ部との距離は、並列画像の構成
や凸レンズの焦点距離などとの関連で定まり、本の幅に
合わせれば足りるというものではないのであるから、立
体視装置付きの本の企画にはそれらを総合的に考慮しな
ければならない煩わしさがあった。

さらに、前述の３っ折りタイプのものでは表表紙２が光
線を遮り画像部を暗くするので、鑑賞時には採光に配慮
する煩わしさがあった。

そこで本考案は、上述のような従来品の欠点を解消し、
簡潔な構成で設計し易く、製造が容易で低価額で供給し
うる立体視装置付き本を提供しょうとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、板紙を表紙と裏表紙とに２つ折りした本であ
って、裏表紙の内面に立体視用の画像を配置し、表紙に
は表紙自体を切り抜いて立体視用レンズ部を備える折曲
片を形成した構成である。

詳細には、その表紙の側縁（小口）に近く且つ側縁に平
行なヒンジ部を残して三方を切断し折曲片を形成する。
折曲片は、表紙の面に直角に内方に回動可能とし、その
適所に観察者の覗き孔を二箇所穿設すると共にそれぞれ
に凸レンズを取り付ける。

そして、使用に際しては、本の表紙を垂直近くまで開
き、さらに表紙の外側から上記折曲片を押して内方に突
き出させ水平近くまで折り曲げた後、凸レンズを透して
裏表紙上の立体画像を見るように構成したものである。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例を示すもので
あって、第１図は表紙を垂直近くまで開いた状態の斜視
図、第２図は表紙より立体視レンズ付折曲片を内方に折
り曲げ立体画像帳を見る状態とした斜視図、第３図は本
を折り畳んだ状態の斜視図である。

本考案による立体視装置付本７は、厚紙を２つ折りして
表紙８と裏表紙９としており、裏表紙９の内面上には立
体画像帳10を取り付ける。立体画像帳10はその綴部11を
本の折り畳み線に直角に設けた状態で取付られてある。

そして表紙８には、表紙８の側縁に近く、内方に直角に
回動可能のヒンジ部12を形成した一部切抜折曲片13を切
抜線14により表紙を切り抜いて設け、これに立体視レン
ズ立体視レンズ３、３を取り付けてあり、第２図のよう
に、立体視レンズ付折曲片13が立体画像帳10上に位置す
るようヒンジ部12に沿って折り曲げると、裏表紙９上に
置かれた立体画像をレンズ３、３を通して立体的に見る
ことができる。

この際、切抜折曲片13の折り曲げにより表紙８面に生じ
た切抜窓15は、立体画像帳10に対する明かり取りの窓と
なるので見る人の影になって立体画像帳の絵が暗くなる
ことはない。

なお、立体画像帳10の綴部11の配置は、めくられた頁に
より切抜窓15がふさがれるような状態が起こらないよう
にすればよく、第２図の例では、めくられた頁の跳ねか
えりが折曲片13の側縁で停止されるので画像の観察に際
し、より有利となる。

〔考案の効果〕

以上、説明したように、本考案による立体視装置付体
は、従来例のような３つ折状の形態をした本ではなく、
通常の本のように２つ折状の形態であるので折り畳み状
態が従来例に比し薄く、また材料も少なくてすみ工程も
簡略化できて生産費を低減できるから雑誌の付録などに
好適である。

そして、画像観察に際して、立体視レンズ付折曲片を内
方に折り曲げれば、表紙に切抜窓が形成されるので、こ
れより光が入り画像を明るい状態で観察することができ
る。従って、鑑賞時に採光に配慮する煩わしさがなく、
企画の際に、画像の天地をいずれにするかの問題も解消
する。

さらに、立体視レンズ付折曲片のヒンジ部の位置を画像
に近づける方向で任意に選定できるから、設計に際し、
従来例のように本の幅の制約を受けることがないなど卓
越した効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例を示すもので
あって、第１図は表紙を垂直近くまで開いた状態の斜視
図、第２図は第１図の状態の表紙から立体視レンズ付折
曲片を内方に折り曲げて、立体画像を観察できる状態に
した斜視図、第３図は本を折り畳んだ状態の斜視図であ
る。 第４図、第５図は従来例を示す斜視図であり、第４図は
観察状態の斜視図、第５図は閉じた状態を示す斜視図で
ある。 ３……立体視レンズ、７……立体視装置付本 ８……表紙、９……裏表紙 10……立体画像帳、11……綴部 12……ヒンジ部、13……折曲片 14……切抜線、15……切抜線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板紙を表紙(8)と裏表紙(9)とに２つ折り
   し、上記表紙(8)には、その側縁の近傍にそれに平行な
   ヒンジ部(12)を残して切抜線(14)により、内方に回動可
   能な折曲片(13)を形成し、上記折曲片(13)の適所に立体
   視レンズ(3),(3)を取り付けると共に、裏表紙(9)の内面
   には立体画像帳(10)を設けてなり、上記立体画像帳(10)
   は上記折曲片(13)を内方に回動して形成される切抜窓(1
   5)を覆わないように頁をめくりうる構成であることを特
   徴とする立体視装置付本。