JPH06129254A - 過給機の軸封装置 - Google Patents

過給機の軸封装置

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JPH06129254A
JPH06129254A JP4281312A JP28131292A JPH06129254A JP H06129254 A JPH06129254 A JP H06129254A JP 4281312 A JP4281312 A JP 4281312A JP 28131292 A JP28131292 A JP 28131292A JP H06129254 A JPH06129254 A JP H06129254A
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Kazuo Kojima
和夫 小島
Tetsuo Udagawa
哲男 宇田川
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、内燃機関用過給機の軸封装置に係
り、過給圧力過渡応答性に優れた過給機を提供するため
の低フリクションメカニカルシールの供給を目的として
いる。 【構成】軸封部12の従動リング23と収納部材25の
内壁25aとの間に構成されるシールリング26におい
て、内壁25aとの接触部に逆Y字形状のリップ部を形
成する。また、シールリング26のリップ部26a,2
6bの外周部26cに補強部材41を包含させて一体と
するとともに、従動リング23の内周部23aに凹部2
3bを、さらに、シールリング26の最外周部26dに
凸部26eを構成する。 【効果】シール部の気密性を十分に確保できるととも
に、フリクションの絶対値及びばらつきを低減でき、過
給機の過給圧力過渡応答性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用小形過給機
の軸封装置に係り、特に、軸部を潤滑する潤滑油の機外
への漏れを防止するコンプレッサ側軸封装置のメカニカ
ルシールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の過給機用コンプレッサ側軸封装置
に用いられるメカニカルシールは、特公昭62−22030 号
公報に示されるごとく、従動リングと収納部材の内壁と
の間の気密性を保持するためのシールリングに、断面が
円形状のOリングを使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術におい
ては、従動リングと収納部材内壁との間にシール部材と
してシールリングが設けられており、両部材間の気密性
を保持している。しかし、これらはシールリングの組付
け時のシールリング自体の弾性変形だけを利用したもの
であり、さらに、一般には該シールリングにはゴム部材
よりなるOリングが用いられており、密封部の気密性の
保持のためには、Oリングのつぶし代が大きくなるた
め、従動リングの軸方向追随性に対してフリクションの
ばらつきが大きく発生していた。また、Oリング自体の
問題としては、一般にOリング製作時の型割り位置が内
外径部に設けられているため、型割り部に発生するバリ
の寸法ばらつきによりOリングのつぶし代が大きくばら
つき、その結果、前記フリクションのばらつきをさらに
大きくしていた。
【0004】これらシールリング部の寸法やフリクショ
ンのばらつきを考慮するとともに、組立時及び軸回転時
の従動リングの追随性を確保するために、従来は、初期
接面圧力を付与するための円錐ばねの荷重値を大きく設
定することにより対策していた。しかしながらこの方法
は、密封部に作用する接面圧力の絶対値及びばらつきが
大きくなるという問題があり、特に接面圧力の増大に関
しては回転軸の回転力に対するフリクションが増大し、
過給圧力過渡応答性の悪化を誘発していた。
【0005】本発明の目的は、前記シールリングの形状
変更と、従動リングとの一体化とにより、軸封部に発生
する差圧に応じた十分な気密性が得られるとともに、シ
ールリングのフリクションの絶対値及びばらつきを低減
させ、過給機の過給圧力過渡応答性を向上させることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】従動リング及び収納部材
間に配置されるシールリングの収納部材側の接触部にリ
ップ形状を採用し、前記シールリングのリップ形状を収
納部材の内壁に対して逆Y字形状で接触させる。また、
シールリングにシールリングの材質とは異なる材質の補
強部材を包含させ、該補強部材の外周部を延長して、ば
ねの荷重受けを一体化する。さらに、シールリングの外
周部及び従動リングの内周部に凹凸部を設け、シールリ
ングの弾性を利用したスナップアクションによって両者
を係合して一体組付けする。
【0007】
【作用】収納部材の内壁側にシールリングのリップ形状
側を接触させて、両部材間の十分な密着性を確保するこ
とにより、形状及びフリクションのばらつきが少なくな
り、十分な気密性を得ることができる。
【0008】また、収納部材の内壁側に接触するシール
リングのリップ形状を逆Y字形状とすることにより、シ
ール部に圧力の反転が作用しても、各々のリップ部が収
納部材内壁と密着するため、十分な気密性が保持でき
る。
【0009】さらに、シールリングのリップ部の収納部
材の内壁との密着性に関しては、シールリングにシール
リングの材質とは異なる材質の補強部材を包含させ強度
上の安定性を得ることができ、フリクションの絶対値及
びばらつきを低減できるとともに、ばね受けを兼ねるこ
とにより部品点数が少なくなり、組立て寸法精度を上げ
ることができる。
【0010】また、シールリングと従動リングの組立時
には、両部材の対応する部位に凹凸部を設け、シールリ
ングの持つ弾性を利用したスナップアクションによるワ
ンタッチ組付けを採用することにより係合一体組付けが
でき、フリクションの絶対値及びばらつきを低減でき
る。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の第一の実
施例を説明する。図2は、過給機の断面図である。内燃
機関からの排気ガス入口1と排気ガス出口2とを有する
タービンハウジング3内には、タービン羽根車5が回転
自在に設置され、タービン羽根車5外周部のガス通路4
より導入された排気ガスによってタービン羽根車5が回
転する。タービン羽根車5は、回転軸13の大径部端に
一体化されており、回転軸13の小径部端にはコンプレ
ッサ羽根車18が止めねじ8によって固定されている。
従って、両羽根車5,18は同速回転し、コンプレッサ
羽根車18は、空気を吸入してコンプレッサハウジング
19の環状通路に圧送する。圧送された空気は内燃機関
の吸気管を経てシリンダ内へ供給される。回転軸13
は、給油通路9を設けた軸受箱6の一対のラジアル軸受
7a,7bによって支持され、軸受箱6の右端とコンプ
レッサハウジング19との間にはプレート20を介在さ
せている。プレート20には中央部に凹所と穴部を設け
てあり、スラスト軸受17,シートリング15,軸封部
12等を収容している。給油通路9から供給された潤滑
油は、小孔10,11を介してラジアル軸受7を潤滑す
るとともに、スラスト軸受17内に設けた潤滑油通路を
介してプレート20内の前記部材をも潤滑している。
【0012】図1は、図2のコンプレッサ側軸封装置の
要部拡大断面図である。プレート20の凹所には、斜め
に設置された環状の板ばね21を介してスラスト軸受1
7が設置され、スラスト軸受17は、回転軸13の段差
部14に固定されたシートリング15の溝部に嵌合して
いる。シートリング15は、回転軸13と共に回転する
が、スラスト軸受17は環状の板ばね21に押されて軸
受箱6に接触固定され、給油通路9に油路22を連通さ
せてプレート20に潤滑油を導入している。回転軸13
の段差部14に固定されたシートリング15の側面27
には、軸封部12に収容された従動リング23が、ばね
24に押されて接触している。軸封部12は、収納部材
25と、その内部に収容したばね24,ばね受け28,
シールリング26及び従動リング23とにより構成され
ており、プレート20の中央穴部に配設されている。従
って、プレート20の内室32内に飛散した潤滑油は、
軸封部密封端面29及びシールリング26によって密封
されており、カラー16の外周やコンプレッサ羽根車を
濡らすことはない。
【0013】次に、上記のように構成された本発明のコ
ンプレッサ側軸封装置において、その動作を説明する。
過給機における内部潤滑油の機外流出は、コンプレッサ
羽根車18の外室33部に伝達される負圧によって、内
部潤滑油が吸い出されることである。一般にメカニカル
シールとよばれる軸封装置においては、内室32と外室
33との圧力差(内室の圧力は外室の圧力よりも大)が
大きくなるに従って密封端面29に作用する接面圧力が
上昇する如く各部品の所要寸法が決定されている。本発
明においても、密封端面29を構成する従動リング23
及びシールリング26が配設される各部品の寸法は、前
記従来の方法と同様にして設計される。従って、密封端
面29部の気密性については、なんら従来と異なる点は
ない。しかし、シールリング26と収納部材25の内壁
25aとの間の気密性については、前記圧力差が発生す
ると、シールリング26のリップ部26aが内壁25a
と密着し、従来よりも勝った十分な気密性を得ることが
できる。一般に機械に装着されるメカニカルシールの場
合、使用条件として、機械の回転軸の回転数はほぼ一定
であることが多く、密封端面29に作用する内室32と
外室33との圧力差もほぼ一定(内室の圧力は外室の圧
力よりも大)であり、前記リップ部26aも一つのリッ
プ形状で気密性を十分確保することができる。
【0014】次に、本発明の第二の実施例を説明する。
自動車等の内燃機関用過給機に要求される使用条件のう
ち、回転軸の回転数は停止状態から毎分10万回転以上
の超高速状態までと範囲が広く、密封端面29に作用す
る内室32と外室33との圧力差が大きく変動するとと
もに、前記圧力差と逆方向の圧力差(内室の圧力は外室
の圧力よりも小)に対しても気密性の確保が要求され
る。つまり、過給機の超高速回転時の過給圧力(大気圧
に対して正圧になる)に対しても、密封端面29とシー
ルリング26のリップ部26aとの両方に気密性が要求
される。密封端面29については、上記逆方向の圧力差
に対しても密封端面29の接面圧力が保持される如く円
錐ばね24によってばね力が付加されている。しかし、
シールリング26のリップ部26aについては、前記一
つのリップ形状によって潤滑油の吸い出しは防止できる
が、内燃機関の運転条件によっては前記圧力差の大小が
反転するため、過給圧力の内部吹き込みと呼ばれる下記
の不具合を生じさせてしまう可能性がある。過給機の回
転軸の潤滑油には内燃機関の潤滑油が用いられており、
上記の過給機の超高速回転時の正の過給圧力が、シール
リング26のシール部から洩れると、内燃機関のオイル
パンが膨張したり、内燃機関のクランク室内圧力が上昇
し、例えば、ブリーザパイプからの潤滑油の吹き出しな
どの不具合が生じてしまう。図3は、図1の要部拡大断
面図であり、上記した逆方向の圧力差に対しても気密性
保持が可能なシールリングを提供するものであって、図
1の一つのリップ形状に対して、収納部材の内壁25a
と接触するリップ部を複数個とし、逆Y字形状で接触さ
せる構成としている。その結果、潤滑油の吸い出しが懸
念される内室32と外室33との圧力差(内室の圧力は
外室の圧力よりも大)に対しては、図1に示す本発明の
第一の実施例と同一方向のリップ部26aが気密性を保
持するとともに、過給圧力の吹き込みが懸念される逆方
向の圧力差(内室の圧力は外室の圧力よりも小)に対し
ても、他方のリップ部26bが気密性を保持する。
【0015】次に、本発明の第三の実施例を説明する。
図4は、図3と同様、図1の要部拡大断面図である。シ
ールリング26のリップ部26a,26bの外周部26
cには、シールリング26の材質とは異なる材質の補強
部材41が包含されて一体化されている。その結果、逆
Y字形状に形成され、収納部材内壁25aと接触してい
るリップ部26a,26bは、その付け根部が補強部材
41によって強度上腰が強くなり、組込み時などにリッ
プ部が意図した向きとは反対の向きに折れてしまう折り
返しなどは発生せず、十分な気密性を確保することがで
きる。
【0016】次に、本発明の第四の実施例を説明する。
図5は、図3と同様、図1の要部拡大断面図である。シ
ールリング26の内部に一体に包含されている補強部材
41の一部を外周部51として延長し、これとシールリ
ング26の外周部52とによってばね24を受けるばね
受けを構成する。これによって、従来別体組み込みされ
ていたばね受けが不必要となり、部品点数が少なくな
り、組立て寸法精度を上げることができる。
【0017】次に、本発明の第五の実施例を説明する。
図6は、従動リング23の部分拡大断面図、図7はシー
ルリング26の部分拡大断面図である。シールリング2
6の最外周部26dには従動リング23の内周部23a
に対応した位置に凸部26eが形成されている。一方、
従動リング23の内周部23aの同位置には、シールリ
ング26の最外周部26dとは逆の凹部23bが形成さ
れている。従って、これらシールリング26,従動リン
グ23の各々相対する凹凸部が係合してシールリング2
6の弾性を利用したスナップアクションによりシールリ
ング26と従動リング23とが一体化され、シールリン
グ26と従動リング23との間の気密性を保持すること
ができ、フリクションの絶対値及びばらつきを低減でき
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明のごとく本発明によれば、シー
ルリングと従動リングのシール部の気密性を十分確保で
きると共に、回転軸の回転力に対するフリクションの絶
対値及びばらつきを低減でき、過給機の過給圧力過渡応
答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示し、過給機のコンプ
レッサ側軸封装置の要部拡大断面図。
【図2】過給機の断面図。
【図3】本発明の第二の実施例を示し、図1の要部拡大
断面図。
【図4】本発明の第三の実施例を示し、図1の要部拡大
断面図。
【図5】本発明の第四の実施例を示し、図1の要部拡大
断面図。
【図6】本発明の第五の実施例を示し、従動リングの部
分拡大断面図。
【図7】本発明の第五の実施例を示し、シールリングの
部分拡大断面図。
【符号の説明】
5…タービン羽根車、6…軸受箱、7…ラジアル軸受、
9…給油通路、12…軸封部、13…回転軸、14…段
差部、15…シートリング、16…カラー、17…スラ
スト軸受、18…コンプレッサ羽根車、19…コンプレ
ッサハウジング、20…プレート、21…板ばね、22
…油路、23…従動リング、23a…従動リングの内周
部、23b…従動リングの内周の凹部、24…ばね、2
5…収納部材、25a…収納部材の内壁、26…シール
リング、26a,26b…シールリングのリップ部、2
6c…シールリングのリップ部の外周部、26d…シー
ルリングの最外周部、26e…シールリングの最外周部
の凸部、27…シートリングの側面、28…ばね受け、
29…密封端面、32…内室、33…外室、41…補強
部材、51…外周部、52…外周部。
フロントページの続き (72)発明者 宇田川 哲男 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番地 3 日立オートモティブエンジニアリング 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気ガスによって回転駆動され
    るタービン羽根車と一体に構成された軸の他端に配設さ
    れ、吸気管を介して前記内燃機関のシリンダ内へ空気あ
    るいは混合気を圧送するコンプレッサ羽根車と、前記軸
    に対して垂直な側端面を有し前記軸に固定されたシート
    リングと、該シートリングの側端面に側端面を接触させ
    て密封部を形成する従動リングと、前記密封部へ所要の
    接面圧力を付与すると共に前記従動リングを前記シート
    リングに追従させる弾性部材と、これら従動リング側各
    部材を収納する収納部材と、該収納部材の内壁と前記従
    動リングとの気密を保持するシールリングとによって構
    成された過給機の軸封装置において、前記シールリング
    の前記収納部材の内壁との接触部をリップ形状として気
    密保持させることを特徴とする過給機の軸封装置。
  2. 【請求項2】請求項1の記載において、前記シールリン
    グの前記リップ部を複数個設け、前記収納部材の内壁に
    対して逆Y字形状になるように接触させることを特徴と
    する過給機の軸封装置。
  3. 【請求項3】請求項1の記載において、前記シールリン
    グは前記収納部材の内壁と接触する前記リップ部の材質
    とは異なる材質の補強部材を包含してなることを特徴と
    する過給機の軸封装置。
  4. 【請求項4】請求項3の記載において、前記シールリン
    グに包含される前記補強部材の外周部を延長し、前記従
    動リングに所要の接面圧力を付与するためのばねの荷重
    を受けるばね受けを構成したことを特徴とする過給機の
    軸封装置。
  5. 【請求項5】請求項1の記載において、前記シールリン
    グの外周部に凹凸部を設け、前記従動リングの内周部に
    凹凸部を設け、各々相対する該凹凸部が前記シールリン
    グの弾性を利用したスナップアクションによって、前記
    シールリングと前記従動リングとを係合して一体組付け
    してなる過給機の軸封装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015503708A (ja) * 2012-01-17 2015-02-02 ボーグワーナー インコーポレーテッド 排気ターボチャージャ
CN109368178A (zh) * 2018-10-24 2019-02-22 安徽锐视光电技术有限公司 高粉尘环境下的皮带输送机托辊轴承防尘结构及该轴承

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