JPH06129214A - 内燃機関の動弁機構 - Google Patents

内燃機関の動弁機構

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JPH06129214A
JPH06129214A JP27434192A JP27434192A JPH06129214A JP H06129214 A JPH06129214 A JP H06129214A JP 27434192 A JP27434192 A JP 27434192A JP 27434192 A JP27434192 A JP 27434192A JP H06129214 A JPH06129214 A JP H06129214A
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cam
valve
magnetic
internal combustion
combustion engine
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JP27434192A
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Eiichi Kamiyama
栄一 神山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カム17に対するバルブリフタ3の追従性を高
め、バルブ4のジャンピング等の異常挙動の抑制に貢献
できる内燃機関の動弁機構を提供すること。 【構成】カム軸1に装備された卵形状のカム17は、非
磁性体からなる中間盤18を、強磁性体からなる挟持盤
部19で挟持して構成されている。高速回転領域では、
速度応答機構27の球27aに作用する遠心力がコーン
スプリング27bの付勢力に打ち勝ち、可動軸2が矢印
X2方向に移動し、永久磁石22が中間盤18に対面す
る。この状態では、永久磁石22の磁極からの磁束はカ
ム17の挟持盤部19をその半径方向に通り、バルブリ
フタ3に至る。よってループ状の磁路M3が形成され
る。磁路M3は、カム17のカム面170とバルブリフ
タ3の押圧面30とをつなぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の動弁機構に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の動弁機構は、カム軸の回転駆
動によりカムが回転すると、吸気用及び排気用のバルブ
が作動して内燃機関の燃焼室のポートを開閉するもので
ある。しかし、カムの回転速度がかなり高速になると、
カムに対するバルブの追従性が低下し、バルブが宙に浮
くジャンピング、バルブが跳ねるバウンシング等の異常
挙動が生じ易い。
【0003】特にバルブを閉弁方向に付勢するバルブス
プリングのバネ定数が小さくてその付勢力が弱い場合に
は、内燃機関が高速回転領域となったとき、バルブスプ
リングの付勢力がバルブの慣性力に負け、ジャンピング
等の異常挙動が生じ易い。ジャンピング等の異常挙動を
抑制するには、バルブスプリングのバネ定数を大きくす
れば良いが、カムの摩擦抵抗が増し、カムの円滑作動性
の面で好ましくない。
【0004】またバルブのジャンピング等の異常挙動を
防止する内燃機関の動弁機構として、特開平2−125
904号公報に開示されている様に、バルブが全閉状態
のときにバルブと密着するバルブシートに電磁石を設
け、カムの閉弁区間を検出するセンサを設け、センサの
信号に基づいて電磁石を励磁する方式のものが知られて
いる。このものでは、高速回転域において、電磁石の磁
気吸引作用を生じさせてバルブシートにバルブを吸引さ
せ、これにより高速回転域におけるバルブのジャンピン
グ等の異常挙動を抑制する。
【0005】また磁石を用いた内燃機関の動弁機構とし
て、特開平2−221608号公報に開示されている様
に、バルブを閉弁方向に付勢するコイル状のバルブスプ
リング内に、そのバルブスプリングの軸方向の一端に永
久磁石を、バルブスプリングの軸方向の他端に電磁石を
設けた方式のものが知られている。このものでは、電磁
石及び永久磁石の磁極同士を対面させ、異極対面に基づ
く磁気吸引作用、同極対面に基づく磁気反発作用を生じ
させ、これによりバルブスプリングのバネ定数を調整す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した公報
に係る方式と異なり、カムのカム面と従動体の押圧面と
をつなぐ磁路を形成する方式を採用することにより、カ
ムに対する従動体の追従性を高め、これによりバルブの
ジャンピング等の異常挙動の抑制に貢献できる内燃機関
の動弁機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関の動弁
機構は、燃焼室と燃焼室のポートを開閉する弁を備えた
内燃機関に回転可能に設けられたカム軸と、カム軸に保
持されカム軸の回転に伴い回転するカムと、カムのカム
面で押圧される押圧面をもち、カムの回転に伴い従動し
てバルブを作動させる従動体と、カムのカム面と従動体
の押圧面とをつなぐ磁路を形成し、カムに対する従動体
の追従性を高める磁石とで構成されていることを特徴と
するものである。
【0008】本発明では、従動体は、カムの回転に伴い
従動するものである。磁石は、カムのカム面と従動体の
押圧面とをつなぐ磁路を形成するものであり、永久磁石
あるいは電磁石を採用できる。永久磁石は例えば希土類
系磁石、鋳造磁石、焼結磁石等の公知のものを採用でき
る。本発明では、磁路を形成する形態と磁路を形成しな
い形態とを、内燃機関の回転数に応じて切り換える切換
手段を設けることが好ましい。
【0009】
【作用】カム軸の回転駆動に伴いカムが回転する。これ
により従動体が従動し、バルブが作動し、内燃機関の燃
焼室のポートが開閉される。ここで、磁石により、カム
のカム面と従動体の押圧面とをつなぐ磁路が形成される
ので、カムのカム面と従動体の押圧面との一体作動性が
確保され、これによりカムに対する従動体の追従性は高
まる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図7を参照
して説明する。この例は直打式のOHC方式の内燃機関
に適用した場合である。 (実施例の構成)図1、図3は動弁機構を示す。図2は
図1の主要部を示す。
【0011】図1に示すカム軸1は内燃機関のシリンダ
ヘッドに回転可能に設けられている。カム軸1は、ジャ
ーナル部10及び軸方向に延びる中空室11をもつカム
軸本体12と、カム軸本体12の端部に連設され作動室
13をもつタイミングプーリ14と、作動室13を閉じ
ると共に段部15aをもつ蓋部15とを備えている。カ
ム軸1には多数個の卵形状のカム17が保持されてい
る。カム17は、非磁性体からなる中間盤18と、カム
軸本体12と一体をなしカム軸本体12の半径方向に突
出すると共に中間盤18を挟む挟持盤部19とで形成さ
れている。中間盤18と挟持盤部19との結合形態は適
宜選択できるが、凹凸で機械的係止力を増す手段、中間
盤18を挟持盤部19で鋳ぐるむ手段、溶接する手段等
を採用できる。中間盤18を構成する非磁性体は磁化率
の小さい弱磁性体、常磁性体を含む意味であり、アルミ
ニウム系合金、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁
性金属、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、樹脂等
で形成できる。中間盤18をアルミニウム、セラミック
ス、樹脂で形成した場合には、軽量化も期待できる。中
間盤18を樹脂で形成した場合には、樹脂が制振性の機
能を果たし易く、カム軸1の振動抑制に有利である。な
お、カム軸本体12、挟持盤部19は強磁性体つまり鉄
又は鉄系合金で形成されている。
【0012】カム17の内部において、非磁性体からな
る中間盤18を配置した理由は次の様である。即ち図4
においてU字磁石100を用いて説明すると、U字磁石
100の磁極を磁性体101に吸着させた場合には、U
字磁石100の磁極からの磁束は、強磁性体からなる被
吸引体103にまで到達しにくく、ループ状の磁路M1
は被吸引体103に至らず、被吸引体103を磁気吸引
する吸引力は極めて小さい。これに対して非磁性体10
5を配置した場合には、U字磁石100の磁極からの磁
束は、非磁性体105を避けるので飛び易く、従って、
強磁性体からなる被吸引体103に到達し易く、被吸引
体103を貫通するループ状の磁路M2が形成され、こ
れによりU字磁石100が被吸引体103を磁気吸引す
る吸引力は大きくなる。これが、非磁性体からなる中間
盤18を配置した理由である。
【0013】なお、周知の様に、タイミングプーリ14
にはベルトやチェーンが架設されており、クランクシャ
フトの駆動力がタイミングプーリ14に伝達され、カム
軸1が回転する。図1に示す様に、カム軸1の中空室1
1には可動軸2がカム軸1にそってつまり矢印X1、X
2方向に移動可能に嵌装されている。可動軸2は、半径
方向に突出し傾斜面20をもつ大径部21と、軸方向に
並設された多数個の永久磁石22とを備えている。永久
磁石22の磁極であるN極、S極は可動軸2の軸方向に
おいて配置されている。ここで、図1に示す様に、隣設
する永久磁石22のN極同士が対面し、S極同士が対面
する様に設定されている。カム軸1の半径方向に磁束を
飛ばすのに有効だからである。
【0014】可動軸2の外周面とカム軸本体12の内周
面とで油路25が形成されている。油路25には内燃機
関の油が供給され、油により可動軸2の円滑移動性、永
久磁石22の冷却性が確保される。なお、26はカム軸
1のジャーナル部10に形成された給油路であり、ジャ
ーナル部10を保持する軸受に給油する。タイミングプ
ーリ14の作動室13には、切換手段としての速度応答
機構27が配置されている。速度応答機構27は、蓋部
15と大径部21との間に装入された球27aと、大径
部21を矢印X1方向に付勢するコーンスプリング27
bとを備えている。ここで、カム軸1の回転速度が増
し、球27aに作用する遠心力が大きくなると、球27
aが遠心方向に移行して傾斜面20を登り、これにより
コーンスプリング27bの付勢力に抗して可動軸2が矢
印X2方向に移動し、この結果、図1に示す様に、永久
磁石22が中間盤18に対面する。また、カム軸1の回
転速度が減り、球27aに作用する遠心力が小さくなる
と、コーンスプリング27bの付勢力により、図3に示
す様に球27aが向心方向に移行し、これにより可動軸
2は矢印X1方向に戻され、この結果図3に示す様に永
久磁石22が中間盤18から寸法L5ぶん離れる。
【0015】更に、従動体としてのバルブリフタ3が設
けられている。バルブリフタ3はタペットとも呼ばれる
ものであり、円筒形状をなし、カム軸1の回転運動を直
進運動に変換するものである。バルブリフタ3は強磁性
体つまり合金鉄で形成されている。バルブ4は、内燃機
関の燃焼室のポートを閉じるものであり、バルブステム
40とバルブヘッド41とバルブフェース42とを備え
ている。バルブステム40にはシート座4aが装備され
ている。バルブスプリング5は内燃機関のシリンダヘッ
ド6の座部6aとシート座4aとの間に介装されてい
る。バルブスプリング5は、バルブ4を閉弁方向つまり
矢印Y1方向に付勢し、バルブフェース42を燃焼室の
ポートのバルブシートに密着させると共に、バルブリフ
タ3の押圧面30を矢印Y1方向に付勢してカム17の
カム面170に押し付ける機能をもつ。
【0016】さて、図5は一般的な内燃機関の動弁機構
の弁揚程を示す特性図である。図5(A)において 特
性線αはカム17のリフトカーブを示し、特性線βはカ
ム17の加速度変化に基づく慣性力(F=ma)のカー
ブを示し、特性線γはバルブスプリング5のスプリング
荷重を示す。ここで、図5(B)はリフト開始前、つま
り、カム17のカム面170とバルブリフタ3の押圧面
30との間にクリアランスE1が形成されている状態を
示す。なお、クリアランスE1は磁気抵抗の増加に起用
するので、この状態における磁気吸引力は低下する。図
5(C)はカム面170が押圧面30を押圧し始めるリ
フト開始時を示す。図5(D)はカム面170が押圧面
30を更に押した状態を示す。図5(E)はカム面17
0の先端のノーズ部171が押圧面30を押す最大リフ
ト時を示す。
【0017】ところで内燃機関の動弁機構の特性を把握
するにあたり動的効果を考慮しなければならない。特に
内燃機関が高速回転域になると、動的効果を考慮しなけ
ればならない。この場合には、図5(F)に示す様に、
特性線βが特性線β’に、特性線γが特性線γ’とな
り、乱れ易い。この結果、図5(F)において領域Gに
示す様にβ’がγ’を越え、即ち、バルブ慣性力がバル
ブスプリング5のスブリング荷重を上回り、これが要因
となり、バルブ4のジャンピングが生じることがある。
バルブ4のジャンピングは図5(D)に示す状態、即
ち、リフト開始時と最大リフト時との間の領域で発生し
易いと、一般には言われている。
【0018】(実施例の作用)本実施例では従来と同様
に、クランクシャフトによりカム軸1が回転駆動され
る。そして、カム軸1の回転駆動に伴いカム17が回転
すると、カム面170でバルブリフタ3の押圧面30が
押圧されてリフトされ、これによりバルブ4が開弁方向
に作動し、内燃機関の燃焼室のポートが開放される。そ
の後、カム17のリフト量の減少に伴い、バルブスプリ
ング5によりバルブ4が閉弁される。この開弁、閉弁が
繰り返される。
【0019】さて、内燃機関が高速回転する領域では、
前述した様に、速度応答機構27の球27aに作用する
遠心力が大きくなり、遠心力がコーンスプリング27b
の付勢力に打ち勝ち、可動軸2が矢印X2方向に自動的
に移動する。従って、図1に示す様に、自動的に永久磁
石22が中間盤18に対面する。この状態では、図1、
図2に示す様に、永久磁石22の磁極からの磁束はカム
17の挟持盤部19を通り、バルブリフタ3に至り、こ
れによりループ状の磁路M3が形成される。磁路M3
は、カム17のカム面170とバルブリフタ3の押圧面
30とをつなぐ。そのため、カム17の回転時におい
て、カム面170がバルブリフタ3の押圧面30を磁気
吸引する。
【0020】一方、内燃機関の回転数が低下した状態で
は、カム軸1の回転速度が減り、球27aに作用する遠
心力が小さくなり、遠心力がコーンスプリング27bの
付勢力に負け、図3に示す様に球27aが向心方向に移
行し、これにより可動軸2は矢印X1方向に戻され、永
久磁石22が中間盤18から寸法L5ぶん退避する。こ
の状態では、永久磁石22の磁力はバルブリフタ3の押
圧面30に及び難い。
【0021】(実施例の効果)以上説明した様に本実施
例では、内燃機関が高速回転する領域では、図1に示す
様に、自動的に永久磁石22が中間盤18に対面し、永
久磁石22により、カム17のカム面170とバルブリ
フタ3の押圧面30とをつなぐ磁路M3が形成される。
そのため、カム17のカム面170がバルブリフタ3の
押圧面30を磁気吸引し易くなり、カム17の回転時に
おけるカム面170と押圧面30との一体作動性が確保
される。これにより高速回転領域におけるカム面170
に対するバルブリフタ3の追従性は高まる。よって高速
回転領域におけるバルブ4のジャンピング等の異常挙動
を防止するのに有利である。
【0022】従って本実施例では、カム17のカム面1
70のプロフィールの設計にあたり、ジャンピングを考
慮しなくても良いか、あるいは、考慮するとしてもその
割合を小さくできるので、カム面170のプロフィール
の設計の自由度が増す利点も得られ、カム17の面積係
数の向上が図られる。よって、燃焼室の充填効率が向上
し、出力の増加に有利であり、また、カム17も小作用
角にでき、所謂バルブオーバラップも小さくでき、アイ
ドル回転領域における安定性を図り得る利点も得られ
る。
【0023】上記した様に本実施例ではバルブスプリン
グ5の付勢力を過剰に強くせずとも、高速回転領域にお
けるバルブ4のジャンピング等の異常挙動を防止できる
ので、バネ定数が小さくて付勢力の弱いバルブスプリン
グ5を採用できる。従って、低速回転領域においてカム
面170と押圧面30との摩擦抵抗を小さくできる利点
が得られ、カム17の駆動の円滑化が図られ、アイドル
回転域、モード走行域における燃費向上にも有利であ
る。
【0024】また本実施例では、非磁性体からなる中間
盤18を、強磁性体からなる挟持盤部19で挟持して、
カム17は構成されているが、カム17の径はカム軸1
の径に比較して大きいため、接合面積も確保され、中間
盤18と挟持盤部19との接合強度の確保にも有利であ
る。また本実施例では、カム17の内部に、非磁性体か
らなる中間盤18を設けているので、永久磁石22から
発した磁束をカム軸1の半径方向において遠くに、つま
りバルブリフタ3の押圧面30側に飛ばすことができ
る。これによりカム17のカム面170とバルブリフタ
3の押圧面30とをつなぐ磁路M3(模式図)が形成さ
れ易く、カム面170はバルブリフタ3の押圧面30を
磁気吸引し易い利点が得られる。
【0025】また、前述した様に内燃機関ではバルブ4
のジャンピングはリフト開始時と最大リフト時との間の
領域で発生し易いと、一般に言われている。この点本実
施例では、図6から理解できる様に、リフト開始時と最
大リフト時との間の領域では、第1に、バルブリフタ3
の押圧面30に対面するカム面170の有効半径r1が
小さいため、磁石22とバルブリフタ3の押圧面30と
を結ぶ磁路部分の長さがL1と短縮化されており、磁気
抵抗が減少する。第2に、バルブリフタ3の押圧面30
に接触するカム面170の横側面170aが緩やかな円
弧つまり小さな曲率とされているので、カム面170と
押圧面30との接触面積あるいは接近面積が増し、かか
る意味でも、磁気抵抗が減少する。よって、カム面17
0が押圧面30を磁気吸引する吸引力が確保される。従
って、カム17に対するバルブリフタ3の追従性が確保
され、バルプ4のジャンピングの抑制に有利である。
【0026】換言すれば本実施例では、ジャンピングが
発生し易い図6に示す状態で、磁気吸引力が増加する利
点が得られる。一方、図7に示す様にカム面170のノ
ーズ部171が押圧面30を押圧する最大リフト時で
は、ノーズ部171が他のカム面170に比較して尖っ
て曲率が大きいため、面圧が増加し、そのため、カム1
7の回転時においてカム面170と押圧面30との間の
摩擦抵抗の増加、焼付きの発生等といったの不具合が生
じ易い。この点本実施例では、カム17のノーズ部17
1が押圧面30を押圧する最大リフト時では、第1に、
ノーズ部171が尖って曲率が大きいため、ノーズ部1
71と押圧面30との接触面積が小さく、磁気抵抗が大
きくなる。第2に、図7に示す様に、磁石22と押圧面
30とを結ぶ磁路部分の長さはL2と長くなり、かかる
意味でも磁気抵抗が大きくなる。よって、カム面170
が押圧面30を磁気吸引する吸引力が弱まり、摩擦抵
抗、焼き付き等を抑制するのに有利である。
【0027】換言すれば、本実施例ではカム17のカム
面170の有効半径と曲率とが瞬間瞬間で変わること
を、磁気吸引力の調整に利用しているものである。とこ
ろで、内燃機関が低速回転する領域では、バルブ4に作
用する慣性力は小さいため、磁気吸引は基本的には必要
とされない。この点本実施例では、内燃機関が低速回転
する領域では、速度応答機構27により可動軸2が矢印
X1方向に自動的に移動し、図3に示す様に、自動的に
永久磁石22が中間盤18から離れるため、永久磁石2
2からの磁力の影響を断つことができる。
【0028】更に本実施例では、永久磁石22による磁
気吸引を行う形態と、磁気吸引を行なわない形態とを、
簡便な速度応答機構27で自動的に切り換えることがで
きるので、複雑な機構を要せず、価格の抑制にも有利で
ある。加えて本実施例では、カム軸本体12内の油路2
5には内燃機関の油が供給されるので、可動軸2の移動
の円滑化を図り得る。更に、可動軸2の永久磁石22の
冷却にも有利であり、強磁性体から常磁性体へと移るキ
ュリー点の低い材質からなる永久磁石22を用いること
もでき、また、永久磁石22を油路25の油で覆うの
で、永久磁石22の錆防止にも有利である。従って永久
磁石22の材質の選択の自由度が増す利点が得られる。
【0029】(他の例)本発明の他の例を図8〜図13
に示す。図8に示す例では、バルブリフタ3に雌螺子部
3hを形成し、バルブ4のバルブステム40の端部に雄
螺子部4hを形成し、両者を螺合してバルブリフタ3と
バルブ4とを連結している。この様にすれば、バルブ4
はバルブリフタ3の動きに確実に追従するので、バルブ
4のジャンピング等の異常挙動の防止に一層有利であ
り、耐ジャンプ回転数の向上に貢献できる。
【0030】また、バルブ特に排気バルブは耐熱性確保
のため、一般に、高合金材料で形成されており、そのた
めオーステナイト系耐熱鋼の様に非磁性体となる場合が
ある。この点図9に示す例では、バルブ4のバルブステ
ム40の上部分40aを強磁性体鋼で形成し、バルブ4
のバルブヘッド41及びバルブステム40の下部分40
bを、非磁性体または磁化され難い材質で形成し、上部
分40aと下部分40bとを摩擦溶接、レーザ溶接等の
接合手段で接合している。この例では、上部分40aは
強磁性体鋼製のためバルブリフタ3で磁気吸引され易
く、従ってバルブ4はバルブリフタ3に追従し易い利点
が得られる。また図9に示す様に、バルブリフタ3に非
磁性体部3iを設ければ、磁石22の磁束がバルブ4に
届く磁路M4(模式図)を形成し易くなり、バルブ4の
追従性確保に一層有利である。
【0031】また図10に示す例では、最大リフト時の
手前の状態、即ち、バルブ4のジャンピング等の異常挙
動が発生し易い状態において、カム面170の横側面1
70aの円弧に沿う傾斜面30eがバルブリフタ3の押
圧面30に形成されている。従って、カム面170と押
圧面30との接触面積が増し、カム面170と押圧面3
0との境界域における磁気抵抗が減少し、結果として、
カム面170が押圧面30を磁気吸引する吸引力が増加
する利点が得られる。なお傾斜面30eの傾斜の程度
は、接触面積の確保、カム17の円滑な作動性を考慮し
て適宜選択する。
【0032】また前述した様にカム17のノーズ部17
1がバルブリフタ3の押圧面30を押圧する最大リフト
時では、摩擦抵抗、焼付き等の軽減の関係で、カム面1
70が押圧面30を磁気吸引する吸引力を弱めたいもの
である。この点、図11に示す例では、ノーズ部171
付近には挟持盤部19の一部を構成する強磁性体部19
iが形成されているので、磁束が強磁性体部19iを通
過する磁路が形成され、カム面170が押圧面30を磁
気吸引する吸引力を弱めるのに有利である。
【0033】また図12(A)〜(D)に示す例は、永
久磁石22の半径方向のがたつきを抑止するものであ
る。即ち、図12(A)に示す例では、カム軸1のカム
軸本体12の内周面に、求心方向に向く突部12kを複
数個形成している。図12(B)に示す例では、カム軸
1のカム軸本体12と永久磁石22との間に、軸受とし
て機能する転動体12pを介装している。図12(C)
に示す例では、カム軸1のカム軸本体12の内径と永久
磁石22の外径とを略同径とし、永久磁石22にこれを
冷却する油路25を形成している。図12(D)に示す
例では、油路25をもつリング状の軸受12rを、カム
軸1のカム軸本体12と永久磁石22との間に介装して
いる。なお、突部12k、転動体12p、軸受12rを
強磁性体で形成し、磁気抵抗の少ない磁路部分として利
用しても良い。
【0034】また図13(A)に示す例では、カム17
の構成要素である非磁性体からなる中間盤18に貫通状
の係止孔18t、あるいは未貫通状態の係止孔18sを
形成し、挟持盤部19の一部を係止孔18t、係止孔1
8sに充填し、両者の結合性を高めている。また図13
(B)に示す例では、カム17の構成要素である非磁性
体からなる中間盤18に係止凸部18n、18mを形成
し、挟持盤部19を係止凸部18n、18mに係止さ
せ、両者の結合性を高めている。
【0035】また前述した図1に示す実施例では、速度
応答機構27により可動軸2を矢印X1、X2方向に移
動させる構成であるが、これに限らず、内燃機関の回転
数に応じて、可動軸2を磁気吸引あるいは磁気反発で矢
印X1、X2方向に移動させる電磁石を設けてもよく、
あるいは、可動軸2を矢印X1、X2方向に移動させる
油圧を発生させる油室を設けてもよい。
【0036】また前述した図1に示す例では、バルブリ
フタ3全体は強磁性体で形成されているが、これに限ら
ず、磁気吸引で必要とする部位のみ強磁性体で形成し、
他の部分は慣性質量の軽減等のためアルミニウム系合金
で形成してもよい。また図1に示す実施例ではカム17
でバルブリフタ3を直接叩くマルチバルブ直打式動弁機
構に適用しているが、これに限定されるものではなく、
他の方式の動弁機構にも適用できるものであり、したが
って従動体はバルブリフタ3に限定されるものではな
く、従動体はロッカーアームでもよく、この場合には磁
路形成によりカムに対するロッカーアームの追従性が確
保される。
【0037】その他、本発明は上記しかつ図面に示した
実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しな
い範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の動弁機構によれ
ば、磁石により、カムのカム面と従動体の押圧面とをつ
なぐ磁路が形成されるので、カムが従動体を磁気吸引し
易くなり、カム面と押圧面との一体作動性が確保され、
これによりカムに対する従動体の追従性は高まる。よっ
てバルブのジャンピング等の異常挙動を防止するのに有
利である。
【0039】しかもカムの内部に非磁性性体を埋設して
いる場合には、磁石から発した磁束を従動体の押圧面に
飛ばし易く、これによりカムのカム面と従動体の押圧面
とをつなぐ磁路が形成され易くなり、カムに対する従動
体の追従性は一層確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】高速領域における動弁機構の要部の断面図であ
る。
【図2】図1に示す主要部の拡大断面図である。
【図3】低速領域における動弁機構の要部の断面図であ
る。
【図4】実施例の原理を示す構成図である。
【図5】(A)は内燃機関の弁揚程特性を示す図であ
り、(B)〜(E)はカムの作動形態を示す構成図であ
り、(F)は動的効果を考慮した内燃機関の弁揚程特性
を示す図である。
【図6】ジャンピングを起こし易い状態を示し、カムの
作動形態を示す構成図である。
【図7】カムのノーズ部がバルブリフタの押圧面を押圧
している最大リフト時を示す構成図である。
【図8】他の例に係る主要部の断面図である。
【図9】他の例に係る主要部の断面図である。
【図10】カムのカム面とバルブリフタの押圧面との接
触面積を増加させた他の例に係る主要部の構成図であ
る。
【図11】カムのノーズ部に強磁性体部を設けた他の例
に係る要部の断面図である。
【図12】(A)〜(D)は永久磁石の支持形態を示す
各例に係る横断面図である。
【図13】(A)(B)は中間盤部と挟持盤部との接合
形態を示す他の例に係る要部の断面図である。
【符号の説明】
図中、1はカム軸、11は中空室、17はカム、170
はカム面、18は中間盤、19は挟持盤部、2は可動
軸、22は永久磁石、25は油路、27は速度応答機
構、3はバルブリフタ(従動体)、30は押圧面、4は
バルブ、5はバルブスプリングを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室と該燃焼室のポートを開閉するバル
    ブを備えた内燃機関に回転可能に設けられたカム軸と、 該カム軸に保持され該カム軸の回転に伴い回転するカム
    と、 該カムのカム面で押圧される押圧面をもち、該カムの回
    転に伴い従動して該バルブを作動させる従動体と、 該カムのカム面と該従動体の押圧面とをつなぐ磁路を形
    成し、該カムに対する該従動体の追従性を高める磁石と
    で構成されていることを特徴とする内燃機関の動弁機
    構。
JP27434192A 1992-10-13 1992-10-13 内燃機関の動弁機構 Pending JPH06129214A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7059848B2 (en) 2004-10-18 2006-06-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of and auxiliary cleaner for use in cleaning a diffusion furnace of semiconductor manufacturing equipment

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7059848B2 (en) 2004-10-18 2006-06-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of and auxiliary cleaner for use in cleaning a diffusion furnace of semiconductor manufacturing equipment

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