JPH06127973A - 放射線遮蔽ガラス - Google Patents

放射線遮蔽ガラス

Info

Publication number
JPH06127973A
JPH06127973A JP30305092A JP30305092A JPH06127973A JP H06127973 A JPH06127973 A JP H06127973A JP 30305092 A JP30305092 A JP 30305092A JP 30305092 A JP30305092 A JP 30305092A JP H06127973 A JPH06127973 A JP H06127973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
density
light transmittance
content
ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30305092A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Miwa
義治 三和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP30305092A priority Critical patent/JPH06127973A/ja
Publication of JPH06127973A publication Critical patent/JPH06127973A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本質的に鉛を含有することなく、良好な光透過
率及び優れた非着色性のガラスを提供する。 【構成】重量基準で、SiO240〜60%、Al23
0〜4%、MgO0〜3%、CaO0〜10%、SrO
3〜23%、BaO7〜27%、ZnO0〜20%、Z
rO20〜3%、Na2O1〜12%、K2O1〜12
%、Li2O0〜0.4%、TiO20〜2%、CeO2
0.1〜3%、As230〜0.3%、Sb230〜
0.3%、F20〜0.4%の組成を有し、且つCaO
とSrOとBaOとの合量が31〜50%であって、密
度が3.01g/cm3以上であり、本質的にPbOを
含有しないことを特徴とする放射線遮蔽ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線遮蔽能を有する
放射線遮蔽ガラスに関し、特にγ線に対する遮蔽能及び
非着色性に優れ、誘電破壊を起こし難いガラスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】放射線遮蔽窓は、放射性物質を取り扱う
施設でホットセル内部の観察やマジックハンドによる遠
隔操作のために設けられている。従って、この遮蔽窓に
用いられるガラスに要求される性質は、放射線、特にγ
線に対して遮蔽能力があること、及びセル内部が鮮明に
見える、すなわち光透過率が良いことである。
【0003】また、ガラスに強いγ線が照射されると、
照射時間とともに次第にガラスが褐色に着色して光透過
率の著しい減少が起こったり、ガラス内部に静電気が生
じ、これが蓄積して生じる高電圧の放電により誘電破壊
と呼ばれるガラスの破壊が起こることがあり、放射線遮
蔽窓にあっては、上記性質に加えてそのような着色や誘
電破壊が起こらないことが要求される。
【0004】ところで、γ線のような高エネルギーの放
射線に対する遮蔽能力は密度に比例することが知られて
おり、鉛ガラスのような密度の大きいガラスを使用する
のが有効とされている。また、γ線照射による着色を防
止するには、CeO2を含有させるのがよいことも知ら
れている。
【0005】しかし、酸化鉛を多く含有するガラス(例
えばPbO含有量72重量%、密度5.2g/cm3
ガラス)は、放射線遮蔽能に優れているものの、特にγ
線着色を起こし易く、また誘電破壊も起こりやすい。他
方、酸化鉛を全く含まないか又は含んでも少量のガラス
の場合、γ線着色及び誘電破壊は生じ難いものの、密度
が小さいために遮蔽能力が低く、遮蔽窓のガラスを全部
これにして完全に放射線を遮蔽しようとすると、窓の厚
みが非常に大きくなり、その結果光透過率が著しく低く
なる。
【0006】そこで、現在遮蔽窓を構成するガラスは、
1種類ではなく、組成の異なるガラスを何種類か(通常
3種類以上)組み合わせて使用している。すなわち、最
もセルに近いホットサイド側には、遮蔽能力は小さくて
もよいが、強いγ線に曝されても着色及び誘電破壊が生
じないCeO2を含有する非鉛ガラスが用いられる。他
方、最も観測者に近いコールドサイド側には、かなりγ
線が減衰しているので、γ線による着色や誘電破壊につ
いてさほど考慮する必要はないが、完全にγ線を遮蔽し
なければならないことから、CeO2を含有しない高鉛
ガラスが用いられる。
【0007】そして、前記両ガラスの中間に配置される
ガラスには高い光透過率はもとより、γ線に対して高い
遮蔽能力を有すること、γ線照射によって着色しないこ
と、及び誘電破壊を生じないことの全ての特性を具備す
ることが要求されており、例えば特公昭46−2586
号公報、特開平2−21331号公報等において開示さ
れているようなCeO2含有鉛ガラスが用いられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで放射線遮蔽窓
に用いる場合、かかるガラスを厚みが10cm以上のブ
ロック体に成型したものが使用されるが、上記CeO2
含有鉛ガラスは本来光透過率がさほど高くないため、ブ
ロック体にすると十分な光透過率が得られないという欠
点がある。またγ線に対する非着色性も不十分である。
それゆえ更に良好な光透過率を有し、非着色性に優れた
ガラスが望まれている。
【0009】そこで高密度のCeO2含有非鉛ガラスを
使用する試みがなされているが、従来の非鉛ガラスでは
先記した要求特性全てを満たすものが存在しないのが実
情である。例えば特公昭63−44697号公報に開示
のCeO2含有非鉛ガラスは密度が高く、優れたX線遮
蔽能を有するため、テレビジョン映像管のフェースプレ
ート用として好適なものであるが、電気抵抗が高いため
に誘電破壊を起こし易く、先記したような放射線遮蔽窓
の用途には使用することが不可能である。本発明の目的
は、先記要求特性の全てを満足する放射線遮蔽ガラスを
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】その手段は、重量基準
で、SiO240〜60%、Al230〜4%、MgO
0〜3%、CaO0〜10%、SrO3〜23%、Ba
O7〜27%、ZnO0〜20%、ZrO20〜3%、
Na2O1〜12%、K2O1〜12%、Li2O0〜
0.4%、TiO20〜2%、CeO20.1〜3%、A
230〜0.3%、Sb230〜0.3%、F20〜
0.4%の組成を有し、且つCaOとSrOとBaOと
の合量が31〜50%であって、密度が3.01g/c
3以上であり、本質的にPbOを含有しないことを特
徴とする放射線遮蔽ガラスにある。
【0011】
【作用】SiO2は、ガラスの網目構造形成成分として
必須であるが、含有量が40%に満たないと耐候性が悪
くなり、他方60%を越えると密度を高める成分を十分
に含有させることができない。
【0012】Al23は、4%を越えると溶融性が悪く
なるので、それより少ないのがよい。MgOは、3%を
越えると失透しやすくなるので、それより少ないのがよ
い。
【0013】CaOは、ガラスの密度を高める成分であ
るが、含有量が10%を越えると失透しやすくなる。S
rOは、ガラスの密度を高めるための必須成分である
が、含有量が3%に満たないとその作用に乏しく、他方
23%を越えると失透しやすくなる。BaOも同様にガ
ラスの密度を高めるための必須成分であるが、含有量が
7%に満たないとその作用に乏しく、他方27%を越え
ると失透し易くなる。ただし、これらCaOとSrOと
BaOの3成分は、合量で31%以上50%以下である
ことが必要であり、31%に満たないと密度が3.01
g/cm3以上になり難く、50%を越えると失透しや
すくなる。
【0014】ZnOは、ガラスの密度を高める成分であ
るが、含有量が20%を越えると失透し易くなる。Zr
2も同様に密度を高める成分であるが、含有量が3%
を越えると表面失透を起こし易い。
【0015】Na2O、K2O、Li2Oはそれぞれ電気
抵抗を低下させ、またγ線による着色を防止するために
含有する成分である。特にNa2OとK2Oはその効果が
大きいために必須成分として含有するが、これらの含有
量がそれぞれ1%より少ないと効果がなく、12%を越
えると耐候性が悪くなる。またLi2Oの含有量は0.
4%以下であり、これを越えるとかえって電気抵抗が高
くなる。即ち、一般にはアルカリ含有量が多くなると電
気抵抗は低下する傾向があるが、その一方でアルカリ成
分の種類が多くなると逆に電気抵抗が高くなることが知
られており、本発明の場合、Li2Oの含有量が0.4
%より多くなると、前者より後者の作用のほうが大きく
なり電気抵抗が高くなってしまう。
【0016】TiO2は、2%を越えるとγ線着色を起
こしやすくなるので、それより少ないのがよい。CeO
2は、γ線着色を防止する成分であるが、含有量が0.
1%に満たないとその作用に乏しく、3%を越えるとC
eO2自体の光の吸収によってガラスが黄色くなり、光
の透過率が低くなる。
【0017】As23とSb23は、ガラス溶融時に泡
を切る働きをするが、いずれも単独で0.3%を越える
と表面失透しやすくなるので、それより少ないのがよ
い。F2は、0.4%を越えるとガラス製造上、環境面
から問題となるので、それより少ないのがよい。
【0018】また本発明の放射線遮蔽ガラスは本質的に
PbOを含有しないことを特徴とする。PbOは不純物
として原料から微量混入する可能性もあるが、光透過率
の低下とγ線による着色を防止するために極力PbOが
混入しないように注意を払う必要がある。最後に、密度
が3.01g/cm3より低いとγ線遮蔽能力が十分で
なくなるので、密度が3.01g/cm3以上のものを
選択する。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。まず、表1のNo.1〜7のガラス組成とな
るように調合した原料バッチを酸化物に換算して500
gとなるように秤量した(但し、F2は、CaF2に換
算)。次に原料バッチを振動ミルにて混合した後、石英
坩堝に入れて1350℃で4時間溶融した。均質なガラ
スを得るためにガラス溶融途中、白金攪拌棒で攪拌を行
い、脱泡後、炭素板上に流しだし、徐冷炉に移して冷却
し、切り出すことにより、各試料片を作成した。これら
各試料につき、密度、光透過率、γ線着色度及び電気抵
抗を測定した結果を表1に併せて記載する。各特性値の
測定方法は、次の通りである。
【0020】密度・・・・・大きさ1×1×2(cm)
の試料を水中に浸し、アルキメデス法により求めた。表
中の数値の単位は、g/cm3である。
【0021】光透過率・・・大きさ3×3×1(cm)
の試料の両面を光学研磨し、波長590nmにおける光
透過率(%)を測定し、さらにこの値を10cm厚に換
算したものである。
【0022】γ線着色度・・光透過率測定後の試料にC
60γ線5×106R/hを20時間照射し、次に光透
過率を測定してγ線照射前の光透過率に対して低下した
割合(%)を算出したものである。
【0023】電気抵抗・・・大きさ5×5×0.3(c
m)の試料の両面にAgペーストを塗布し、これを電極
として100ボルトの直流電圧を印加して流れる電流値
より求めた。表中の数値は250℃での値であり、その
単位は、Ω−cmである。
【0024】
【表1】 表中、No.1〜5は、本発明実施例で、No.6は、
前述の特開平2−212331号公報に記載された実施
例No.3に相当するものである。No.7は特公昭6
3−44697号公報に記載された実施例No.5に相
当するものである。
【0025】表1から判るように、本発明実施例No.
1〜5は、いずれも密度が3.01g/cm3以上、透
過率が85.8%以上、γ線着色度が4.0%以下、電
気抵抗が9.3Ω−cm以下であった。すなわち、密度
が高いのでγ線遮蔽能力に優れており、光透過率がよく
且つγ線着色度が少ないのでセル内部の観察をしやす
く、電気抵抗が低いので誘電破壊を起こしにくいもので
あった。
【0026】これに対して、比較例のNo.6は、密度
及び電気抵抗が良好であったものの、PbOを含有する
ためにCeO2の含有量を同じくするNo.1よりも光
透過率及びγ線着色度に劣っていた。また、比較例のN
o.7は、Na2O,K2OとともにLi2Oを多量に含
有するため、電気抵抗が10.6Ω−cmと高く、誘電
破壊を起こし易いものであった。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明ガラスは、密度が
高いのでγ線遮蔽能力に優れており、光透過率がよく且
つγ線着色度が少ないのでセル内部の観察をしやすく、
電気抵抗が低いので誘電破壊を起こしにくいものである
から、放射線遮蔽窓用ガラスとして好適に利用され得
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量基準で、SiO240〜60%、A
    230〜4%、MgO0〜3%、CaO0〜10%、
    SrO3〜23%、BaO7〜27%、ZnO0〜20
    %、ZrO20〜3%、Na2O1〜12%、K2O1〜
    12%、Li2O0〜0.4%、TiO20〜2%、Ce
    20.1〜3%、As230〜0.3%、Sb23
    〜0.3%、F20〜0.4%の組成を有し、且つCa
    OとSrOとBaOとの合量が31〜50%であって、
    密度が3.01g/cm3以上であり、本質的にPbO
    を含有しないことを特徴とする放射線遮蔽ガラス。
JP30305092A 1992-10-14 1992-10-14 放射線遮蔽ガラス Pending JPH06127973A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30305092A JPH06127973A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 放射線遮蔽ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30305092A JPH06127973A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 放射線遮蔽ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06127973A true JPH06127973A (ja) 1994-05-10

Family

ID=17916317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30305092A Pending JPH06127973A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 放射線遮蔽ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06127973A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1035550C (zh) * 1993-04-23 1997-08-06 中国核动力研究设计院 医用磷32系列玻璃微球及其制备工艺
WO2007077680A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Ohara Inc. ガラス組成物
JP2012254920A (ja) * 2011-05-18 2012-12-27 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス
CN103663962A (zh) * 2012-09-04 2014-03-26 成都光明光电股份有限公司 玻璃组合物
RU2609498C1 (ru) * 2015-12-07 2017-02-02 Юлия Алексеевна Щепочкина Хрустальное стекло
JP2017193464A (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 株式会社オハラ 光学ガラス
WO2021065456A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 株式会社住田光学ガラス X線遮蔽ガラス及びガラス部品

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1035550C (zh) * 1993-04-23 1997-08-06 中国核动力研究设计院 医用磷32系列玻璃微球及其制备工艺
WO2007077680A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Ohara Inc. ガラス組成物
JP2012254920A (ja) * 2011-05-18 2012-12-27 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス
CN103663962A (zh) * 2012-09-04 2014-03-26 成都光明光电股份有限公司 玻璃组合物
CN103663962B (zh) * 2012-09-04 2016-04-20 成都光明光电股份有限公司 玻璃组合物
RU2609498C1 (ru) * 2015-12-07 2017-02-02 Юлия Алексеевна Щепочкина Хрустальное стекло
JP2017193464A (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 株式会社オハラ 光学ガラス
WO2021065456A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 株式会社住田光学ガラス X線遮蔽ガラス及びガラス部品
KR20220075308A (ko) 2019-09-30 2022-06-08 가부시키가이샤 스미타코가쿠가라스 X선 차폐유리 및 유리부품

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0149740B1 (en) Cladding glass for optical fiber
JPH0867529A (ja) ホウ酸低含有ホウケイ酸ガラス及びその応用
JPH048384B2 (ja)
JPWO2007043280A1 (ja) 放射線遮蔽ガラス
US3529980A (en) Borosilicate optical crown glass with anomalous partial dispersions with negative deltave dispersion values
CA2163497A1 (en) Colorless ophthalmic glasses
JPH0427179B2 (ja)
JPH0530776B2 (ja)
JP2007290899A (ja) ガラス組成物
JPS6325245A (ja) 近赤外カツトフイルタガラス
JP6829548B2 (ja) 光学ガラス
JPH06127973A (ja) 放射線遮蔽ガラス
DE68920937T2 (de) Glas für Farbkathodenstrahlröhrenschirmplatten.
JP2009007194A (ja) ガラス組成物
Bishay Gamma irradiation studies of some borate glasses
JPH02212331A (ja) 放射線遮蔽ガラス
DE4309701C1 (de) Bleifreies Kristallglas mit hoher Lichttransmission
JPS63215533A (ja) 陰極線管パネルガラス
JPS6046945A (ja) 光学ガラス
JPS62288134A (ja) 陰極線管パネルガラス
JP3109795B2 (ja) 中性子遮蔽ガラス
WO2007077680A1 (ja) ガラス組成物
JP2008088021A (ja) ガラス組成物
JPS6344699B2 (ja)
DE4303474A1 (de) Blei- und bariumfreies Kristallglas mit hoher Lichttransmission