JPH06126929A - スクリーン印刷方法及びその方法を用いたスクリーン印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷箇所におけるにじみやダレを無くして、
微細な箇所においても安定して鮮明な印刷が可能なスク
リーン印刷方法及びその方法を用いたスクリーン印刷機
を提供する。 【構成】 印刷パターンを描画したスクリーン４を介し
て印刷配線板の被印刷面７ａ上にはんだペースト６を塗
布し転移させて印刷するものであって、スクリーン４に
被印刷面７ａを略直角に接離可能にして印刷配線板７を
解除可能に保持するチャックテーブル３と、このチャッ
クテーブル３を摺動自在に保持しているとともに、この
チャックテーブル３の外側でスクリーン４の裏面に当接
自在にして配設された印刷テーブル１０とを備え、この
印刷テーブルがスクリーン４の裏面に当接されている状
態でチャックテーブル３の移動を介して印刷配線板をス
クリーン４より離すように動作する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板等に使
用されるスクリーン印刷方法及びその方法を使用したス
クリーン印刷機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プリント配線板の回路形成工程における
パターン印刷，ソルダレジスト印刷，ナンバリング印
刷，スルーホール印刷や、実装工程におけるクリームは
んだ印刷、外装（シャーシ，ネームプレート，操作パネ
ル）印刷には、スクリーン印刷等が使用され、このスク
リーン印刷機も数多く提案されている。

【０００３】図６は従来におけるプリント配線基板用の
スクリーン印刷機の一例を概略的に示す断面図である。
図６において、このスクリーン印刷機は、大きくは印刷
を行うためのスキージブロック１０１，スクリーン体１
０２，チャックテーブル１０３で構成されている。

【０００４】さらに詳述すると、スクリーン体１０２
は、印刷パターンが描画されたシート状のスクリーン１
０４と、このスクリーン１０４を張って保持せしめてい
る枠部１０５とで構成されている。なお、スクリーン１
０４において、印刷パターンは上下に貫通した溝状開口
１０４ａで示され、一面（表面）側に塗布されたはんだ
ペースト１０６は、この溝状開口１０４ａを通して他面
（裏面）側に転移可能になっている。

【０００５】チャックテーブル１０３は、印刷物として
の印刷配線板１０７を解除可能に保持し、かつ印刷配線
板１０７の被印刷面１０７ａをスクリーン１０４の裏面
に対して略直角に接離できる状態にして移動可能に配設
されている。

【０００６】スキージブロック１０１は、スクリーン１
０４上にはんだペースト１０６を抽出しながら塗布する
スキージ１０８と、このスキージ１０８を保持したスキ
ージホルダー１０９とを有して構成されている。このう
ち、スキージ１０８は、スクリーン１０４に形成された
左右の画像領域をなぞりながら移動できる幅で形成され
ている。そして、はんだペースト１０６の印刷時には、
スキージ１０８がスキージホルダー１０９と一体にスク
リーン１０４の一側より他側、すなわち前後方向に向か
ってはんだペースト１０６を抽出しながら移動され、こ
のとき溝状開口１０４ａを通して裏面側に転移される。

【０００７】次に、このように構成されたスクリーン印
刷機の動作を説明する。まず、印刷にあたって、印刷配
線板１０７をチャックしたチャックテーブル１０３は、
印刷配線板１０７の被印刷面１０７ａがスクリーン１０
４の裏面に密着して当接するまで上昇され、待機され
る。

【０００８】次いで、スキージ１０８がスクリーン１０
４の表面に当接するまでスキージホルダー１０９と共に
下降し（この状態を図６の一点鎖線で描く）、その後は
んだペースト１０６を掻きながらスキージホルダー１０
９と共に一側から他側に向かって移動され、その他側で
停止し待機する（この状態は図６に実線で示す）。する
と、このスキージ１０８の移動時にスクリーン１０４の
溝状開口１０４ａ内にはんだペースト１０６が充填さ
れ、これが印刷配線板１０７の被印刷面１０７ａに付着
される。

【０００９】その後、チャックテーブル１０３が印刷配
線板１０７と共に所定の速度にて緩やかに下降し、スク
リーン１０４と直角な方向に離れる。また、このとき溝
状開口１０４ａ内に充填されているはんだペースト１０
６が被印刷面に付着した状態で溝状開口１０４ａより抜
き出され、被印刷面に転移し印刷が完了する。一方、ス
キージ１０８はスキージホルダー１０９と共に上昇し、
待機する。また、印刷後はチャックテーブル１０３上の
印刷配線板１０７が交換され、新な印刷配線板１０７が
セットされて同様にしてはんだペースト１０６が印刷さ
れる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来構造のスクリーン印刷機では、はんだペースト１
０６の塗布に先立ってスキージ１０８がスキージホルダ
ー１０９と共に下降してスクリーン１０４の表面に当接
するわけであるが、スクリーン１０４はある張力をもっ
て張られており、また可撓性があるので、スキージ１０
８がスクリーン１０４の表面以下に押し込まれ得る状態
で、スクリーン１０４を介して印刷配線板１０７に当接
されることがある。このような場合、スキージ１０８の
はんだペースト１０６の塗布を伴う移動がが終了し、チ
ャックテーブル１０３が印刷配線板１０７と共に緩やか
に下降するとき、これに伴ってスクリーン１０４の一部
がスキージ１０８によって押され、図７に示すように撓
むことになる。すると、溝状開口１０４ａ内に充填され
ているはんだペースト１０６の分離が不安定となり、図
８に示すように印刷配線板１０７に転移されたはんだペ
ースト１０６にダレやにじみが生じて形状が不安定にな
る。このため、鮮明なパターンが印刷できず、狭ピッチ
で微細化された電子部品に対応するような高品質なはん
だペーストの印刷が得られず品質面で問題点があった。

【００１１】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は印刷箇所におけるにじみやダレを
無くして、微細な箇所においても安定して鮮明な印刷が
可能なスクリーン印刷方法及びその方法を用いたスクリ
ーン印刷機を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、印刷パターンを描画したスクリーンを介して
印刷物の被印刷面上にペースト状材を塗布し転移させて
印刷するものであって、前記スクリーンに前記被印刷面
を略直角に接離可能にして前記印刷物を解除可能に保持
する第１の機構と、前記第１の機構を摺動自在に保持し
ているとともに、前記第１の機構の外側で前記スクリー
ンの裏面に当接自在にして配設された第２の機構とを備
え、前記第２の機構が前記スクリーンの裏面に当接され
ている状態で前記第１の機構の移動を介して前記印刷物
を前記スクリーンより離すようにしたものである。

【００１３】

【作用】これによれば、第２の機構が前記スクリーンの
裏面に当接されている状態で第１の機構の移動を介して
印刷物をスクリーンより離すので、印刷物がスクリーン
より離れるときにスクリーンが動いて撓んだりすること
が無く、スクリーンからのペースト状材の分離が安定し
て行え、従来問題となっていたようなにじみやダレを無
くし、長時間にわたって大量に連続して鮮明な印刷が可
能になる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図１乃至図５は本発明の一実施例とし
て示すプリント配線基板用のスクリーン印刷機を概略的
に示す断面図である。図１乃至図５において、このスク
リーン印刷機は、大きくは印刷を行うためのスキージブ
ロック１，スクリーン体２，第１の機構としてのチャッ
クテーブル３，第２の機構としての印刷テーブル１０で
構成されている。

【００１５】さらに詳述すると、スクリーン体２は、印
刷パターンが描画されたシート状のスクリーン４と、こ
のスクリーン４を張って保持せしめている枠部５とで構
成されている。なお、スクリーン４において、印刷パタ
ーンは上下に貫通した溝状開口４ａで示され、一面（表
面）側に塗布されたはんだペースト６は、この溝状開口
４ａを通して他面（裏面）側に転移可能な状態になって
いる。

【００１６】チャックテーブル３は、印刷物としての印
刷配線板７を解除可能に保持している。

【００１７】印刷テーブル１０は、チャックテーブル３
に保持された印刷配線板７の被印刷面７ａがスクリーン
４の裏面に対して略直角に接離できる状態にして、チャ
ックテーブル３の外側において移動可能に保持してい
る。そして、チャックテーブル３は、保持している印刷
配線板７の被印刷面７ａが印刷テーブル１０の上面１０
ａと略面一となる印刷位置（図１，２，５参照）と、こ
れよりも下降された位置（図４参照）とに変位可能で、
また印刷テーブル１０自体もチャックテーブル３と一体
に上下方向、すなわちスクリーン４の裏面に対して略直
角に接離できる方向に往復動可能になっている。

【００１８】スキージブロック１は、スクリーン４上に
はんだペースト６を抽出しながら塗布するスキージ８
と、このスキージ８を保持したスキージホルダー９とを
有して構成されている。このうち、スキージ８は、スク
リーン４に形成された左右の画像領域をなぞりながら移
動できる幅で形成されている。そして、はんだペースト
６の印刷時には、スキージ８がスキージホルダー９と一
体にスクリーン４の一側より他側、すなわち前後方向に
向かってはんだペースト６を抽出しながら移動され、こ
のとき溝状開口４ａを通して裏面側に転移される。

【００１９】次に、このように構成されたスクリーン印
刷機の動作を図１から図５まで、順に説明する。まず、
印刷にあたって、印刷配線板７をチャックしたチャック
テーブル３は、印刷テーブル１０内で、印刷配線板７の
被印刷面７ａが印刷テーブル１０の上面１０ａと略面一
となる状態まで移動されて保持される。そして、この状
態において、印刷配線板７の被印刷面７ａ及び印刷テー
ブル１０の上面１０ａがスクリーン４の裏面に密着して
当接するまで印刷テーブル１０が上昇され、待機され
る。

【００２０】次いで、スキージ８がスクリーン４の表面
に当接するまでスキージホルダー９と共に下降し（図１
参照）、その後はんだペースト６を注出しながらスキー
ジホルダー９と共に一側から他側に向かって移動され、
この他側で停止し待機する（図２参照）。すると、この
スキージ８の移動時にスクリーン４の溝状開口４ａ内に
はんだペースト６が充填され、これが印刷配線板７の被
印刷面７ａに付着される。

【００２１】その後、印刷テーブル１０はスクリーン４
の裏面に当接したままで動かず、チャックテーブル３だ
けが印刷配線板７と共に所定の速度にて緩やかに印刷テ
ーブル１０内を下降し、スクリーン４と直角な方向に離
れる（図３参照）。また、このとき溝状開口４ａ内に充
填されているはんだペースト６が被印刷面７ａに付着し
た状態で溝状開口４ａより抜き出され、被印刷面７ａに
転移し印刷が完了する（図４参照）。

【００２２】一方、スキージ８はスキージホルダー９と
共に上昇し、かつ初期位置まで戻されて停止し、待機す
る。また、この動作と同時に、印刷テーブル１０はスク
リーン４の裏面より離れたままで動かず、チャックテー
ブル３だけが印刷配線板７と共に印刷テーブル１０内を
上昇し、印刷配線板７が印刷テーブル１０の上面１０ａ
と面一になるまで戻される（図５参照）。その後、この
印刷された印刷配線板１０７が取り除かれ、新な印刷配
線板１０７がセットされて同様な動作が繰り返され、順
次印刷が行われる。

【００２３】したがって、この実施例によれば、印刷テ
ーブル１０がスクリーン４の裏面に当接されている状態
でチャックテーブル３と共に印刷配線板７をスクリーン
４より離すので、印刷配線板７がスクリーン４より離れ
るときにこのスクリーン４が動いて撓んだりすることが
無く、スクリーン４からのペースト状材としてのはんだ
ペースト６の分離が安定して行え、従来問題となってい
たようなにじみやダレを無くし、長時間にわたって大量
に連続して鮮明な印刷が可能になる。

【００２４】なお、上記実施例では、印刷配線板７上に
はんだペースト６を印刷するスクリーン印刷機について
説明したが、印刷配線板に限ることなく他の印刷部へ印
刷する場合にも適用でき、また印刷する物もはんだペー
ストに限ることなく他のインク等のペースト状材であっ
ても差し支えないものである。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
第２の機構が前記スクリーンの裏面に当接されている状
態で第１の機構の移動を介して印刷物をスクリーンより
離すので、印刷物がスクリーンより離れるときにスクリ
ーンが動いて撓んだりすることが無く、スクリーンから
のペースト状材の分離が安定して行え、従来問題となっ
ていたようなにじみやダレを無くし、長時間にわたって
大量に連続して鮮明な印刷が可能になり、印刷品質が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのスクリーン印刷機の
要部を正面方向より見て示す断面図である。

【図２】本実施例として示す同上スクリーン印刷機の要
部動作説明図である。

【図３】本実施例として示す同上スクリーン印刷機の要
部動作説明図である。

【図４】本実施例として示す同上スクリーン印刷機の要
部動作説明図である。

【図５】本実施例として示す同上スクリーン印刷機の要
部動作説明図である。

【図６】従来のスクリーン印刷機の要部を正面方向より
見て示す断面図である。

【図７】従来のスクリーン印刷機の問題点を説明するた
めの断面図である。

【図８】従来のスクリーン印刷機の問題点を説明するた
めの断面図である。

【符号の説明】

１ スキージブロック ２ スクリーン体 ３ チャックテーブル（第１の機構） ４ スクリーン ４ａ 溝状開口 ６ はんだペースト（ペースト状材） ７ 印刷配線板（印刷物） ７ａ 被印刷面 ８ スキージ １０ 印刷テーブル（第２の機構）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷パターンを描画したスクリーンを介
   して印刷物の被印刷面上にペースト状材を塗布し転移さ
   せて印刷するスクリーン印刷方法において、 前記スクリーンに前記被印刷面を略直角に接離可能にし
   て前記印刷物を解除可能に保持する第１の手段と、 前記第１の手段を摺動自在に保持させ、かつこの第１の
   手段の外側で前記スクリーンの裏面に当接自在にして配
   設された第２の手段とを備え、前記第２の手段が前記ス
   クリーンの裏面に当接されている状態で前記第１の手段
   の移動を介して前記印刷物を前記スクリーンより離すよ
   うにしたことを特徴とするスクリーン印刷方法。
2. 【請求項２】 印刷物としてプリント配線板を使用し、
   ペースト状材としてはんだペーストを用いてなる請求項
   １に記載のスクリーン印刷方法。
3. 【請求項３】 印刷パターンを描画したスクリーンを介
   して印刷物の被印刷面上にペースト状材を塗布し転移さ
   せて印刷するスクリーン印刷機において、 前記スクリーンに前記被印刷面を略直角に接離可能にし
   て前記印刷物を解除可能に保持する第１の機構と、 前記第１の機構を摺動自在に保持しているとともに、前
   記第１の機構の外側で前記スクリーンの裏面に当接自在
   にして配設された第２の機構と、を備えたことを特徴と
   するスクリーン印刷機。
4. 【請求項４】 印刷物としてプリント配線板を使用し、
   ペースト状材としてはんだペーストを用いてなる請求項
   ３に記載のスクリーン印刷機。