JPH06123807A - セルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルム

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JPH06123807A
JPH06123807A JP27300092A JP27300092A JPH06123807A JP H06123807 A JPH06123807 A JP H06123807A JP 27300092 A JP27300092 A JP 27300092A JP 27300092 A JP27300092 A JP 27300092A JP H06123807 A JPH06123807 A JP H06123807A
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ester film
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俊明 渋江
Koichi Nagayasu
浩一 永安
Toshiya Takagi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1)耐摩耗性及び耐薬品の優れた偏光板の保
護フィルム用セルロースフィルムを提供する 2)フィルム支持体と密着性の優れた偏光板の保護フィ
ルム用セルロースエステルフィルムを提供する 3)可とう性の優れた偏光板の保護フィルム用セルロー
スエステルフィルムを提供する 【構成】 セルロースエステルフィルムの少なくとも
片面に、エポキシ基を分子内に2個以上含む化合物と活
性エネルギー線によって活性化されるカチオン重合開始
剤とを含有する紫外線硬化性組成物を塗布した後活性エ
ネルギー線を照射することによって硬化した塗膜を設け
た事を特徴とする偏光板用セルロースエステルフィル
ム。 該セルロースエステルフィルムの反対面に親水性バイ
ンダーからなる易接着処理層を設層することを特徴とす
る前記記載のセルロースエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロースエステルフィ
ルムに関するものである。更に詳しくは、光学的性能を
要求される用途、例えば液晶表示装置の偏光板等に広く
使用されているセルロースエステルフィルムにそれ自体
の耐久性や液晶物質の保護のために耐摩耗性、耐薬品
性、耐防眩性を付与したセルロースエステルフィルムに
関するものである。
【0002】
【発明の背景】セルロースエステルフィルム特にセルロ
ーストリアセテートフィルムは透明性が優れかつ屈折率
の異方性の小さな膜を容易に作成することが出来るので
偏光板等の光学的用途に広く使用されている。
【0003】特に沃素及びもしくは二色性染料系偏光フ
ィルムに貼合する偏光板の保護フィルムとして上記フィ
ルムを改良して使用することにより耐摩耗性、耐薬品
性、防眩性の優れた偏光板を作ろうとする試みが種々な
されてきている。
【0004】このような偏光板を用いて液晶表示体を構
成すると偏光板に対する余計な保護板や保護フィルムが
不要となり軽量で厚みが薄く視認性の高い表示体が得ら
れうる。
【0005】液晶表示体は、電卓、時計、ポケットテレ
ビ、パーソナルコンピューター、車載用計器等の各表示
に広く利用されつつあり、画面の大型化にともない、表
示体の薄膜化、軽量化が高画質化、カラー化とともに開
発の重要目標となっている。
【0006】従来の液晶表示体では、通常の偏光板が耐
摩耗性、耐薬品性に劣るため、表示体画面の最表面に
は、ガラスもしくは透明プラスチック板を設け、偏光板
を保護しなければならなかった。
【0007】このため、成形された偏光板即ち偏光フィ
ルムとセルローストリアセテート等の透明プラスチック
フィルムを接着剤で貼合したものにポリエステルアクリ
レート系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ア
クリルウレタン系樹脂などによる硬化塗膜を設け、耐摩
耗性、耐薬品性を付与する工夫が公開実用新案54-13044
1、特開平1-105738等でなされてきたが、この方法では
保護材料を必要としたり偏光板自体の厚味が厚くなって
しまったり重くなってしまったりする欠点がある。
【0008】また公開実用新案54-130441には、SiO2
蒸着、シリコーン系アプサイト、フェノール樹脂等によ
る耐摩耗性を向上する方法が提案されているが表面硬度
やプラスチック基板の接着性の点でいまだ充分でない。
【0009】特開平1-105738には未ケン化のトリアセテ
ートフィルムの片面に紫外線硬化型エポキシアクリレー
ト系樹脂からなる硬化塗膜を設けて耐摩耗性、耐薬品性
を向上する方法が提案されているが表面硬度を高くする
ために硬化塗膜を厚くするとヒビ割れ等のクラックを生
じやすくなったり、ケン化処理ができないために高温高
湿下の雰囲気中にさらすと偏光板との接着性が劣化する
等の欠点がある。
【0010】また、之ら前記偏光板の用途において、各
種環境下で高い信頼性と耐久性を発揮するために、偏光
膜と保護フィルム間には強固な接着性が要求される。こ
の接着性を向上させる方法として、最も広く保護フィル
ムとして使用されるセルローストリアセテートフィルム
の場合、予めアルカリ液で表面のケン化処理を行い、し
かるのちポリビニルアルコール系接着剤等で積層し偏光
フィルムとしている。しかし、上記アルカリ処理は高濃
度アルカリ液を使用するため、作業安全上、又環境保全
の上で好ましくなく、更にアルカリ処理によって、可塑
剤のブリードアウトや、ヘイズが高くなるなど品質を落
とすおそれがある。
【0011】又、アルカリ処理の前に帯電防止加工や、
ハードコート加工などの機能性付与の加工を行うと、ア
ルカリ処理によってその効果が減殺されるため、保護フ
ィルムの機能性付与はアルカリ処理後に限定される等の
問題がある。
【0012】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、 1)第1に耐摩耗性及び耐薬品性の優れた偏光板の保護
フィルム用セルロースエステルフィルムを提供すること 2)第2にフィルム支持体と密着性の優れた偏光板の保
護フィルム用セルロースエステルフィルムを提供するこ
と 3)第3に可とう性の優れた偏光板の保護フィルム用セ
ルロースエステルフィルムを提供すること 4)第4に偏光膜との接着性が優れ、かつ高温高湿下で
の過酷な条件に長時間曝されてもUV吸収能が劣化した
り、着色したりすることのない偏光板用保護フィルムを
提供すること 5)第5にケン化処理工程を省略してコストを低減した
セルロースエステルフィルムを提供することである。そ
の他の目的は以下の明細から明らかとなる。
【0013】
【発明の構成】本発明の目的は、下記〜のいずれか
の構成により達成されることを見いだした。
【0014】セルロースエステルフィルムの少なくと
も片面に、エポキシ基を分子内に2個以上含む化合物と
活性エネルギー線によって活性化されるカチオン重合開
始剤とを含有する紫外線硬化性組成物を塗布した後活性
エネルギー線を照射することによって硬化した塗膜を設
けた事を特徴とする偏光板用セルロースエステルフィル
ム 該セルロースエステルフィルムの反対面に親水性バイ
ンダーからなる易接着処理層を設層することを特徴とす
る前記記載のセルロースエステルフィルム 該カチオン重合開始剤が芳香族オニウム塩からなるこ
とを特徴とする前記記載のセルロースエステルフィル
ム 該硬化性組成物に紫外線吸収剤及び酸化防止剤から選
ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記
、、または記載のセルロースエステルフィルム 硬化塗膜に無定型シリカを含む組成物からなることを
特徴とする前記、または記載のセルロースエステ
ルフィルム 該セルロースエステルフィルムが偏光板の保護フィル
ムとして製造されることを特徴とする前記、または
記載のセルロースエステルフィルム。
【0015】以下本発明を更に詳しく説明する。
【0016】本発明において用いるエネルギー線硬化性
組成物の構成要素となるエポキシ基を少なくとも2つ分
子内に含む化合物とは、特開平1-105738に記載の分子内
にアクリル2重結合を有するエポキシアクリレートとは
異なり活性エネルギー線によって活性化されるカチオン
重合開始剤の存在下、エネルギー線照射により高分子化
または架橋反応するエポキシ樹脂である。このようなも
のとしては、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、
脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂を挙げること
ができ、好ましくは脂環族エポキシ樹脂が硬化性の点で
好ましい。これらは必要な性能を得るために組み合わせ
て使用できる。本発明の好ましい態様にあっては、脂環
族エポキシ樹脂を20〜80重量部好ましくは40〜60重量
部、芳香族エポキシ樹脂と脂肪族エポキシ樹脂のいずれ
か1種以上を80〜20重量部好ましくは60〜40重量部併用
するのが好ましい。
【0017】ここで芳香族エポキシ樹脂として好ましい
ものとしては、多価フェノールまたはそのアルキレンオ
キサイド付加体のポリグリシジルエーテルであって、例
えばビスフェノールまたはアルキレンオキサイド付加体
とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリ
シジルエーテル、エポキシノボラック樹脂が挙げられ
る。
【0018】また脂環族エポキシ樹脂として好ましいも
のとしては、少なくとも2個の脂肪族環を有する多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセ
ンまたはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過
酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得ら
れるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオ
キサイド含有化合物が挙げられる。
【0019】脂環族エポキシ樹脂の代表例としては、水
素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4-エ
ポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクヘキサ
ンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル
-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタ-ジオ
キサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス
(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジ
ペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-3,4-エ
ポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メ
チレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)ジシクロペ
ンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ
(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチ
レンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト)、ジシクロペンタジエンジエポキサイドなどが挙げ
られる。
【0020】さらに脂肪族エポキシ樹脂として好ましい
ものは、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオ
キサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖
多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリ
レートやグリシジルメタクリレートのホモポリマー、コ
ーポリマーなどがあり、その代表例としては1,4-ブタン
ジオールのグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオール
のジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエ
ーテル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールのジクリシジルエーテル、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪
族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオ
キサイドを付加することにより得られるポリエーテルポ
リオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基
酸のジグリシジルエステル、エポキシ化ポリブタジエン
が挙げられる。
【0021】本発明において用いるエネルギー線硬化性
組成物の構成要素となるエポキシ基を少なくとも2つ分
子内に含む化合物には、モノエポキサイドや、エポキシ
樹脂以外のカチオン重合性有機物質を所望の性能に応じ
て配合して使用することができる。
【0022】例えば、配合することができるモノエポキ
サイドとして脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエ
ーテルや、フェノール、クレゾール、ブチルフェノー
ル、またはこれらにアルキレンオキサイドを付加するこ
とにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシ
ジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポ
キシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ
ステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油等が挙げら
れる。
【0023】配合することができるカチオン重合性有機
物質の例としては、トリメチレンオキサイド、3,3-ジメ
チルオキセタン、3,3-ジクロロメチルオキセタンなどの
オキセタン化合物;テトラヒドロフラン、2,3-ジメチル
テトラヒドロフランのようなオキソラン化合物;トリオ
キサン、1,3-ジオキソラン、1,3,6-トリオキサンシクロ
オクタンのような環状アセタール化合物;β-プロピオ
ラクトン、ε-カプロラクトンのような環状ラクトン化
合物;エチレンスルフィド、1,2-プロピレンスルフィ
ド、チオエピクロロヒドリンのようなチイラン化合物;
1,3-プロピレンスルフィド-3,3-ジメチルエタンのよう
なチエタン化合物;エチレングリコールジビニルエーテ
ル、ポリアルキレングリコールジビニルエーテル、アル
キルビニルエーテル、3,4-ジヒドロピラン-2-メチル
(3,4-ジヒドロピラン-2-カルボキシレート)のような
ビニルエーテル化合物;エポキシ化合物とラクトンとの
反応によって得られるスピロオルソエステル化合物;ビ
ニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエンの
ようなエチレン性不飽和化合物及び上記化合物の誘導体
が挙げられる。
【0024】活性エネルギー線によって活性化される重
合開始剤としては、エネルギー線照射によりカチオン重
合を開始させる物質を放出することが可能な化合物を用
いることができ、特に好ましいのは、照射により重合開
始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩である複塩の
一群のものである。
【0025】かかる化合物の代表的なものは一般式 〔R1 aR2 bR3 cR4 dZ〕+m〔MXn+m-m 〔式中、カチオンはオニウムであり、ZはS,Se,Te,P,A
s,Sb,Bi,O,ハロゲン(例えばI,Br,Cl)、またはN=Nで
あり、R1,R2,R3,R4は同一でも異なっていてもよい有
機の基である。a,b,c,dはそれぞれ0〜3の整数
であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Mはハ
ロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(me
talloid)であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Z
n,,Sc,V,Cr,Mn,Co等である。Xはハロゲンであり、mは
ハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはハロ
ゲン化物錯体イオン中のハロゲン原子の数である。〕で
表される。
【0026】上記一般式の陰イオンMXn+mの具体例とし
ては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオ
ロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネー
ト(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)ヘ
キサクロロアンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられる。
【0027】更に一般式MXn(OH)-の陰イオンも用いる
ことができる。また、その他の陰イオンとしては過塩素
酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン
(CF3SO3 -)フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)トルエ
ンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼスルホン酸陰
イオン等が挙げられる。
【0028】このようなオニウム塩の中でも特に芳香族
オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが特
に有効であり、なかでも特開昭50-151996号、同50-1586
80号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50-151
997号、同52-30899号、同56-55420号、同55-125105号公
報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50-15869
8号公報等に記載のVA芳香族オニウム塩、特開昭56-84
28号、同56-149402号、同57-192429号公報等に記載のオ
キソスルホキソニウム塩、特公昭49-17040号公報等に記
載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明
細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。また、
アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等も挙
げられる。
【0029】本発明に使用する活性エネルギー線硬化性
組成物において、重合開始剤は、一般的にはエネルギー
性硬化性プレポリマー100重量部に対して好ましくは0.1
〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲で含有
するものである。
【0030】本発明において用いることができる活性エ
ネルギー線硬化性組成物はその効果を損わない限り、必
要に応じて、前記記載のエポキシ化合物以外に、顔料、
染料等の着色剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、難燃
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種脂添加剤、充填
剤、改質用樹脂などを適量配合して使用することができ
る。
【0031】本発明において、活性エネルギー線硬化性
組成物として紫外線硬化性組成物を用いる場合、使用す
る紫外線領域の照射光(以下、単に紫外線ともいう)の
光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ等がある。
【0032】また紫外線を照射する際の雰囲気は空気で
あってもよく、または窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガ
スであってもよい。
【0033】本発明で用いることができる紫外線硬化性
組成物への紫外線の照射時間は、上記紫外線領域の照射
光源の種類によっても異なるが、概ね好ましくは0.5秒
〜5分、より好ましくは3秒〜2分である。
【0034】通常、照射時間が短い場合には照射強度の
大きい大型の光源を必要とし、照射時間が長い場合には
照射強度が小さいものも使用できるが、硬化作用時間が
長くなり、製造工程上不利である。しかし本発明によれ
ば、200W以下の紫外線発生ランプを用いて、3秒から
2分の照射で目的を達することができ、有利である。
【0035】このような樹脂組成物は、支持体、例えば
帯状の支持体上の最外層上に、液状樹脂素材として塗布
することができる。層表面に液状樹脂素材を塗布するに
は、該素材液をダブルロールコーター、グラビアオフセ
ットコーター、スリットコーター、エアナイフコータ
ー、ワイヤーパーコーター、スライドホッパー、スプレ
ーコーティング等の通常の方法で塗布する手段を用いる
ことができる。この時の塗布厚みは任意ではあるが、0.
1μ〜30μ位が適当である。好ましくは0.5μ〜15μであ
る。
【0036】本発明に使用される紫外線吸収剤として
は、サリチル酸誘導体(UV−1)、ベンゾフェノン誘
導体(UV−2)、ベンゾトリアゾール誘導体(UV−
3)、アクリロニトリル誘導体(UV−4)、安息香酸
誘導体(UV−5)、有機金属錯塩(UV−6)等が挙
げられる。ここでサリチル酸誘導体(UV−1)として
は、サリチル酸フェニル、4-tert-ブチルフェニルサリ
チル酸、p-オクチルフェニルサリチル酸等が挙げられ、
ベンゾフェノン誘導体(UV−2)としては、2,4-ジハ
イドロオキシベンゾフェノン、2-ハイドロオキシ-4-メ
トキシベンゾフェノン、2,2′-ジ-ハイドロオキシ-4-メ
トキシベンゾフェノン、2-ハイドロオキシ-4-メトキシ-
2′-カルボキシベンゾフェノン、2-ハイドロオキシ-4-
メトキシ-5-スルホベンゾフェノン3水塩、2-ハイドロ
オキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ハイドロオキ
シ-4-オキシベンジルベンゾフェノン、2-ハイドロオキ
シ-4-ステアリルオキシベンゾフェノン、2,2′-ジハイ
ドロオキシ-4,4′-ジメトキシベンゾフェノン等が挙げ
られる。ベンゾトリアゾール誘導体(UV−3)として
は、2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)-ベンゾ
トリアゾール、2-(2′-ヒドロオキシ-3′,5′-ジ-tert
-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-
(2′-ヒドロオキシ-5-tert-ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(2′-ヒドロオキシ-3′,5′-ジ-tert-
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-ter
t-アシル-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
-(2′-ヒドロオキシ-3′-tert-ブチル-5′-メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2(2′-ヒドロオキシ-3′,
5′-ジイソアミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-
(2′-ヒドロオキシ-4′-オクトオキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール等が挙げられ、アクリロニトリル誘導体
(UV−4)としては、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,
3′-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3′-
ジフェニルアクリレート、メチル-α-シアノ-β-メチル
-β-(p-メトキシフェニル)アクリレート等が挙げら
れ、安息香酸誘導体(UV−5)としては、レゾルシノ
ール-モノベンゾエート、2′,4′-ジ-tert-ブチルフェ
ニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ハイドロオキシベンゾエー
ト等が挙げられ、有機金属錯塩(UV−6)としては、
ニッケルビス-オクチルフェニルサルファミド、[2,2′
-チオビス(4-tert-オクチルフェノレート)]-n-ブチ
ルアミンニッケル、エチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ハイ
ドロオキシベンジルリン酸のニッケル塩等が挙げられ
る。
【0037】これらの紫外線吸収剤は2種以上組合せて
用いることもできる。これらの紫外線吸収剤は本発明の
紫外線硬化組成物全量に対して0.1〜15重量%が好まし
く、より好ましくは0.5〜8重量%である。
【0038】本発明に使用される酸化防止剤としては、
例えばヒンダードフェノール誘導体(AO−1)、チオ
ジプロピオン酸誘導体(AO−2)、ホスファイト誘導
体(AO−3)等が挙げられる。ヒンダート-フェノー
ル誘導体(AO−1)としては、具体的には、4,4′-チ
オビス(6-tert-3-メチルフェノール)、4,4′-ブチリ
デンビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,
4′-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノ
ール)2,2′-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノ
ール)、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4,4′-メチレ
ンビス(6-tert-ブチルフェノール)、4,4′-ビス(2,6
-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4′-メチレンビス(6
-tert-ブチル-o-クレゾール)、4,4′-チオビス(6-ter
t-ブチル-o-クレゾール)、1,1,3-トリス(5-tert-ブチ
ル-4-ハイドロオキシ-2-メチルフェニール)ブタン、2,
4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ハイドロオキシベ
ンジル)メシチレン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチ
ル-4-ハイドロオキシベンジル)イソシアヌレート、1,3
-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ハイドロオキシフェニ
ル)-2,2′-ビス(2-ドデシルチオニトキシカルボニー
ル)プロパン、1,6-ビス(3,5-ビ-tert-ブチル-4-ハイ
ドロオキシフェニールアセトオキシ)ヘキサン、6-(4-
ハイドロオキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-2,4-ビ
ス(n-オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン、テトラビス
[β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ハイドロオキシフェニー
ル)プロピオニルオキシメチル]メタン、n-オクタデシ
ル-3-(4′-ハイドロオキシ-3′,5′-ジ-tert-ブチルフ
ェニール)プロピオネート、ジ-オクタデシル-4-ハイド
ロオキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルホスホネート、
ジ-エチル-4-ハイドロオキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベン
ジルホスホネート等が挙げられ、チオジプロピオン酸誘
導体(AO−2)としては、ジラウリル-3,3′-チオ-ジ
-プロピオネート、ジ-ステアリルチオ-ジ-プロピオネー
ト等が挙げられ、ホスファイト誘導体(AO−3)とし
ては、トリ-フェニルホスファイト、トリスノニルフェ
ニルホスファイト、ジ-フェニルデシルホスファイト、
ジ-クレジルホスファイト等が挙げられる。
【0039】これらの酸化防止剤は2種以上組合せて用
いてもよい。これらの酸化防止剤は本発明の紫外線硬化
組成物全量に対して0.1〜15重量%が好ましく、より好
ましくは0.2〜6重量%である。
【0040】本発明の紫外線硬化組成物においては、上
記紫外線吸収剤および酸化防止剤の中から選ばれる少な
くとも1種を含有すれば、紫外線吸収剤のみでも酸化防
止剤のみでも、又は両者を併用してもよい。これらは直
接溶解しても良いし、アセトン,メタノール,酢酸エチ
ル,トルエン等の溶剤に予め溶解してから加えてもよ
い。
【0041】本発明の偏光板用保護膜の構成において
は、セルローストリアセテートフィルムの一方の側に帯
電防止層を設け、その反対側には偏光膜と接着するため
の親水性バインダーが設けられる。
【0042】本発明に係る親水性バインダーとしては例
えば−COOM基含有の酢酸ビニル-マレイン酸共重合体化
合物又は親水性セルロース誘導体(例えばメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキ
ルセルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例え
ば酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体、ポリビニル
アセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルベンザ
ール等)天然高分子化合物(例えばゼラチン、カゼイン
アラビアゴム等)、親水基含有ポリエステル誘導体(例
えばスルホン基含有ポリエステル共重合体)が挙げられ
る。
【0043】本発明の上記目的は以下の構成により構成
される。
【0044】染色一軸延伸されたポリビニルアルコール
から成る偏光膜とそれに隣接して接着された保護フィル
ムから成る偏光フィルムにおいて、該保護フィルムの少
なくとも偏光膜と接着される面に、下記一般式〔I〕又
は一般式〔II〕で表される−COOM基含有共重合体化合物
を、該保護フィルムと親和性を有する溶媒に溶解し、設
層した偏光板用の保護フィルム。
【0045】本発明に使用される特定の−COOM基含有共
重合体化合物は下記一般式で示される。
【0046】
【化1】
【0047】式中、Aはビニル単量体、Bは水素原子、
−CO−OM あるいは−(CO)−R であって、z=0のとき
Bは水素原子、またRがアルキル基のときBは水素原
子、Mは水素あるいはカチオン、Rは−O−R′あるいは
−N(R″)(R′) ここでR′はアルキル基、アラルキル
基、アリール基、異項環残基あるいはR″と共同して異
項環を形成するに必要な非金属原子、R″は水素原子、
低級アルキル基あるいはR′と共同して異項環を形成す
るに必要な非金属原子、R1及びR2は水素原子あるいは
低級アルキル基、Xは−(CO)−O−あるいは−O−(CO)
−、R3はハロゲノアルキルあるいはハロゲノアルキル
オキシアルキル基、m,p,q,r,x,y,zはそれ
ぞれ各単量体のモル%を示す値であって、mは0〜60、
pは0〜100、qは0〜100、rは0〜100、xは0〜60、y
は0〜100、zは0〜100であり、m+p+q+r=100、
x+y+z=100である。
【0048】上記一般式においてビニル単量体としては
例えばスチレン、ニトロ基、弗素、塩素、臭素、クロル
メチル基、低級アルキル基等が置換されたスチレン、ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルク
ロルエチルエーテル、酢酸ビニル、クロル酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸あるい
はイタコン酸等の不飽和酸、炭素数1〜5であって、非
置換あるいは塩素、フェニル基等を置換したアルキルア
クリレートあるいはアルキルメタアクリレート、フェニ
ルアクリレートあるいはフェニルメタアクリレート、ア
クリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、アクリルアミド、炭素数1〜5のアルキル基あるい
は塩素、フェニル基等を置換したアクリルアミド、ビニ
ルアルコール、クリシジルアクリレート、アクロレイン
等があり、好ましくはスチレン、置換基を有するスチレ
ン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、アルキルアク
リレート、アクリロニトリル等である。
【0049】また、上記式中のR′のアルキル基として
は、炭素数1〜24のものが好ましく、直鎖アルキル基、
分岐アルキル基、シクロアルキル基等のアルキル基のい
ずれでもよく、また該アルキル基は置換基を有していて
もよく、この置換基としてはヒドロキシ基、ヒドロキシ
カルボニル基、カチオンのオキシカルボニル基等で、特
に弗素のごときハロゲンが置換されたハロゲノアルキル
基またはハロゲノアルキルオキシアルキル基は望ましい
結果が得られ、このとき炭素数2〜18のハロゲノアルキ
ル基、ハロゲノアルキルオキシアルキル基またはハロゲ
ノシクロアルキル基であって、ハロゲン数は望ましくは
1〜37である。このハロゲノアルキル基及びハロゲノア
ルキルオキシアルキル基及び前記式中のR3のハロゲノ
アルキル基及びハロゲノアルキルオキシアルキル基は、
好ましくは下記一般式〔A〕で示される。
【0050】
【化2】
【0051】(式中、R4,R5,R6,R7,R8 は水素
あるいは弗素で、n2は0または1であり、n2が0のと
きにはn1は0、n2が1のときにはn1は2または3で
あって、n3は1〜17の整数、 但しn1+n3は1〜17であ
る。但しR4が構造式中で2個以上ある場合には1個が
水素で他が弗素であるように異なる基であってもよく、
同様にR5,R6,R7がそれぞれ構造式中に複数個ある
ときには、異なる基であってもよい。)また、前記一般
式〔I〕及び一般式〔II〕中のR′が前述のようなハロ
ゲノアルキル基、あるいはハロゲノアルキルオキシアル
キル基のときには、好ましくは前記一般式〔I〕及び一
般式〔II〕中のRは−O−R′である。また、R′のフェ
ニル基のごときアリール基、あるいはベンジル基のごと
きアラルキル基は置換基を有していても よく、この置
換基としては、弗素・塩素・臭素等のハロゲン低級アル
キル基・ヒドロキシ基・ヒドロキシカルボニル基・カチ
オンのオキシカルボニル基・ニトリル基・ニトロ基等が
挙げられる。 また、式中のR′の異項環またはR′と
R″とで形成する異項環は、酸素、イオウ、または窒素
を含む飽和あるいは不飽和の異項環であって、例えばア
ジリジン・ピロール・ピロリジン・ピラゾール・イミダ
ゾール・イミダゾリン・トリアゾール・ピペリジン・ピ
ペラジン・オキサジン・モルホリン・チアジン等の異項
環から選択される異項環である。また式中Mのカチオン
としては、例えばアンモニウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、リチウムイオン等のカチオンであ
る。
【0052】そして上記一般式で示される−COOM基含有
共重合体化合物は単独あるいは2種以上併用して用いら
れ、好ましくは平均分子量約500〜500,000(重量平均)
程度のものが用いられる。
【0053】このような本発明に使用する上記共重合体
化合物の代表的なものとしては、下記のものを挙げるこ
とができる。しかし本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0054】
【化3】
【0055】本発明に使用される前記一般式で表される
−COOM基含有共重合体化合物は、公知の方法で合成され
る。即ち、無水マレイン酸共重合物は極く一般的な重合
物であることは周知の通りであり、これらの誘導体もそ
れらに適合するアルコールあるいはアミン類を無水マレ
イン酸共重合物に反応させれば簡単に得られ、また無水
マレイン酸単量体ニ適合するアルコールあるいはアミン
類を反応し精製したものを他のビニル単量体と共重合さ
せても得られる。また、ハロゲノアルキル・ハロゲノア
ルキルオキシアルキル等のアクリレート類は、ジャーナ
ル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer
Science.15 515〜574(1955)あるいは英国特許1,121,
357号明細書に記載されている単量体及び重合体の合成
法によって容易に合成される。 本発明にかかる、前記共重合体化合物の使用量は、10〜
1000mg/m2であることが好ましく、更には20〜300mg/m2
であることが特にこのましい。
【0056】本発明において使用される保護フィルム
は、セルローストリアセテートが主であるが、セルロー
スジアセテート,セルロースアセテートブチレート,セ
ルロースプロピオネートなどのセルロースエステル,ポ
リカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリア
クリレートなども適用できる。特にセルローストリアセ
テートでは、トリフェニルフォスフェート、ビフェニル
ジフェニルフォスフェート、ジメチルエチルフォスフェ
ート等の可塑剤含有物が通常である。
【0057】これら支持体はポリマー種によって異なる
が厚みは1mm程度のシートから20μm程度の薄膜フィル
ム迄、用途によって使い分けられるが常用されるのは30
〜150μmの厚み範囲である。保護フィルムには所望によ
り紫外線吸収剤、可塑剤、滑り剤、マット剤等を含有さ
せてもよい。
【0058】又、本発明に係るポリマー溶液はグラビア
コーター、ディプコーター、リバースロールコーター、
押し出しコーターなど公知の方法で塗布できる。本発明
に係るポリマーの付量は10〜1000mg/m2の範囲であり、
特に安定な接着力、塗布後の仕上り性からみると20〜30
0mg/m2が好ましい。該塗布液を塗布した後乾燥する方法
としては特に制限はないが乾燥後の残留溶媒量は5wt%
以下とするのが好ましい。残留溶媒量が多いと、偏光膜
と積層された後の乾燥過程で接着界面に気泡を生じる場
合があり好ましくない。
【0059】本発明に係るポリマー溶液には所望により
紫外線吸収剤、滑り剤、マット剤、帯電防止剤、架橋
剤、及び活性剤などを添加してもよい。
【0060】特に架橋剤は偏光膜のポリビニルアルコー
ルフィルムとの接着を促進する上で好ましい。この様な
架橋剤としては、例えば多価のエポキシ化合物、アジリ
ジン化合物、イソシアネート化合物や、明バン、ホウ素
化合物などがあげられる。
【0061】本発明に係る保護フィルムの処理面と、偏
光膜を貼り合わせるのに使用される接着剤としては例え
ばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどの
ポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート
などビニル系ラテックス等があげられる。
【0062】本発明の硬化層には防眩処理を向上する目
的でSiO2、TiO2等のマット剤を入れることができる。
【0063】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0064】実施例1 膜厚70μmセルローストリアセテートフィルムの片面に
下記に示す本発明に係る塗布組成物を塗布厚10μmとな
るように塗布し、60w/cm2の高圧水銀灯下10cmの距離か
ら4秒間、組成物を硬化させるようにした。
【0065】 塗布用組成物1 3,4-エポキシシクロヘキシルメチル- 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 65重量部 ビスフェノールAジグリシジルエーテル 20重量部 トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル 15重量部 芳香族スルホニウム塩系UV開始剤 6重量部 2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール 1重量部 上記硬化塗膜を設けたトリアセテートフィルムの反対面
側に、親水性バインダーを含む下記組成物を25ml/m2
なるように塗布し、更に90℃で10min間乾燥して接着層
を設けた。
【0066】 液組成 例示化合物(1) 10重量部 水 20重量部 メタノール 400ml アセトン 600ml 実施例2 塗布用組成物2 3,4-エポキシシクロヘキシルメチル- 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 35重量部 ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート 20重量部 水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル 30重量部 ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル 15重量部 シリコーン系界面活性剤 3重量部 芳香族スルホニウム塩系UV開始剤 5重量部 2-ハイドロオキシ-4-メトキシベンゾフェノン 1.2重量部 4,4′メチレンビス(6-tert-ブチルフェノール) 0.8重量部 上記塗布用組成物を実施例1と同様の方法で硬化塗膜を
形成し、更に硬化塗膜を設けたトリアセテートフィルム
の反対面側に親水性バインダーを含む下記組成物を25ml
/m2になるように塗布し、更に90℃で10min間乾燥して
接着層を設けた。
【0067】 液組成 例示化合物(3) 5重量部 酢酸エチル 500ml アセトン 500ml 実施例3 酸化珪素(富士デヴィソン化学社製サイロイド244) 75重量部 3,4-エポキシシクロヘキシルメチル- 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 50重量部 トルエン 50重量部 上記組成物をサンドグラインダーでガラスビーズをメデ
ィアにして5時間分散した。
【0068】得られた上記分散組成物を実施例2の塗布
組成物と2:98の重量比で混合し実施例1と同様の方法
で塗布し、硬化した。
【0069】比較例1 下記組成物を実施例1と同様の方法で硬化塗膜を有する
サンプルを作成した。
【0070】 比較組成物1 エポキシアクリレート 60重量部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 40重量部 ベンゾインエチルエーテル 5重量部 更に上記フィルムを温度が70℃で濃度が15wt%の水酸化
カリウム水溶液に90秒間浸漬し水洗してケン化処理層を
形成した。
【0071】比較例2 エポキシアクリレート 60重量部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 40重量部 芳香族スルホニウム塩系UV開始剤 5重量部 比較例1の開始剤に替えて、本発明の開始剤を用いて実
施例1と同様の方法で硬化したが硬化せず表面にベトツ
キがあった。
【0072】また上記セルロースアセテートフィルムを
保護膜とし、次の方法で作った偏光フィルムの両面にア
クリル系粘着剤で接着させ偏光板を作った。
【0073】偏光板フィルムの作り方 厚さ120μmのフィルムのポリビニルアルコールフィル
ムをよう素1重量部よう化カリウム2重量部、ホウ酸4
重量部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光フ
ィルムを得た。
【0074】各々20cm平方の大きさに切りとった上記偏
光板を80℃×90%RHの高温高湿雰囲気下に1000時間放置
しその分光吸収特性の変化度並びに偏光フィルムとセル
ローストリアセテート保護フィルムの間の剥離の有無を
評価した。
【0075】1.耐摩耗性 硬化塗膜上をナイロンタワシ(住友スリーエム社製、ス
コッチブライト)を使用し押圧1kg/25cm2で50回こすり
表面についた傷の状態を評価した。
【0076】○・・・擦り傷の発生がなく耐擦傷性良好 △・・・擦り傷の発生が若干認められるが実用上使用可 ×・・・擦り傷の発生が多く認められ、実用上使用不可
能。
【0077】2.セルローストリアセテートフィルム支
持体の接着性 (1)硬化した塗膜の表面にセロテープ(ニチバン社
製)を強く貼り付け急速に表面からセロテープを剥離し
た後、剥離状態を観察した。
【0078】(2)カッターで90°の角度で硬化塗膜表
面に傷をつけ、その箇所に接着性を(1)と同様の方法
で観察した。
【0079】(3)硬化塗膜を設けたセルローストリア
セテートフィルムを80℃、95%RHの雰囲気下に500時間
放置した後、カッターで90゜の角度で硬化塗膜表面に傷
をつけ、その箇所の接着性を(1)と同様の方法で観察
した。
【0080】○・・・全く剥がれなし △・・・接着したセロテープの面積の1/3が剥がれた
(硬化塗膜とセルローストリアセテートフィルムの間で
剥がれた) ×・・・接着したセロテープの面積の半分以上が剥がれ
た(硬化塗膜とセルローストリアセテートフィルムの間
で剥がれた) 3.耐薬品性 各溶剤をガーゼに浸し、そのガーゼで硬化塗膜表面上を
10回拭き常温で乾燥後、塗膜の表面の状態を観察した。
【0081】○・・・異常なし ×・・・硬化塗膜表面が白化し、実用上使用不可能。
【0082】4.可とう性 硬化塗膜を被覆したセルローストリアセテートフィルム
を、被覆が外側になるように直径10mmの心棒の回りに添
って180°折り曲げクラックの発生を調べた。
【0083】○・・・クラック発生なし △・・・クラック発生 ×・・・パリッという音が発生してクラック発生。
【0084】5.偏光板の耐湿熱試験 各実施例及び比較例で得られた保護フィルムを用いて下
記の方法で偏光板を作成し、各偏光板を各々5cm×7cm
のサイズに切断した。得られた切断片を各々6cm×8cm
のガラス板の中央部にアクリル系粘着剤で仮粘着し、次
いでこれらを押圧して各片とガラス板の間の気泡を完全
に除去するようにして各切断をガラス板に貼着した。
【0085】こうして作成した試験片を80℃、95%RHに
セットした恒温恒湿オーブン内に互いに重ならないよう
に垂直に配して支持枠に1000時間固定した後、各片につ
いて(A)偏光板の変色、(B)偏光膜と保護フィルム
の接着性、(C)偏光度の測定を行った。
【0086】(A)偏光板の変色の評価:色差計(スガ
試験機社製で測定し色差変化△Eの値(NBS単位)で評
価した。
【0087】○・・・2以下 △・・・2〜5 ×・・・5以上 (B)偏光膜と保護フィルムの接着性の評価:高温高湿
処理後目視により観察を行い偏光膜と保護フィルムの間
の剥離状態を評価した。
【0088】○・・・膜の浮き上がりの部分が周辺1mm
以下 △・・・膜の浮き上がりの部分が周辺1〜5の範囲 ×・・・膜の浮き上がりの部分が周辺5mm以上 (C)透過率及び偏光度の評価:400〜700の領域におけ
る値を、平行時と直行時との透過の平均値から下記式に
基づき算出した。ただし透過率は43%に補正した。
【0089】P=〔(HO−H90)/(HO+H90)〕×100 (式中Pは偏光度、HOは平均平行透過率、H90は平均
直行透過散率を示す。) ○・・・原片の測定値(43%)との差±2%以内 △・・・原片の測定値(43%)との差±2%〜±5% ×・・・原片の測定値(43%)との差±5%以上 結果を表1、表2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】表1,表2の結果から、保護フィルム自体
としても、硬化塗膜の接着性・可とう性が特に改良さ
れ、もちろん耐摩耗性、耐薬品性にも秀れており、更に
偏光板に組み上げた場合にも、偏光膜との(保護フィル
ムとしての)接着性(はがれにくさ)、変色、偏光度の
変化等の耐久性で特に改良されていることがわかる。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば 1)第1に耐摩耗性及び耐薬品性の優れた偏光板の保護
フィルム用セルロースエステルフィルム 2)第2にフィルム支持体と密着性の優れた偏光板の保
護フィルム用セルロースエステルフィルム 3)第3に可とう性の優れた偏光板の保護フィルム用セ
ルロースエステルフィルム を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースエステルフィルムの少なくと
    も片面に、エポキシ基を分子内に2個以上含む化合物と
    活性エネルギー線によって活性化されるカチオン重合開
    始剤とを含有する紫外線硬化性組成物を塗布した後活性
    エネルギー線を照射することによって硬化した塗膜を設
    けた事を特徴とするセルロースエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 該セルロースエステルフィルムの反対面
    に親水性バインダーからなる易接着処理層を設層するこ
    とを特徴とする請求項1記載のセルロースエステルフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 該カチオン重合開始剤が芳香族オニウム
    塩からなることを特徴とする請求項1記載のセルロース
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】 該硬化性組成物に紫外線吸収剤及び酸化
    防止剤から選ばれる少なくとも1種を含有することを特
    徴とする請求項1、2、または3記載のセルロースエス
    テルフィルム。
  5. 【請求項5】 硬化塗膜に無定型シリカを含む組成物か
    らなることを特徴とする請求項1、2または3記載のセ
    ルロースエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 該セルロースエステルフィルムが偏光板
    の保護フィルムとして製造されることを特徴とする請求
    項1、2または3記載のセルロースエステルフィルム。
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