JPH06123465A - 床下空気取入れ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】床下空気をヒータにより暖めて屋内に送出する
ことにより、冬期における快適性を向上しうる。 【構成】家屋の床体に設けられた開口部と床下空間Ｓと
で開口する空気流路１０に、床下空間Ｓの床下空気を開
口部から送出する送風機４と、ヒータ１２とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に冬期において床下
空気をヒータにより暖めて屋内に取入れることにより、
部屋の換気を便宜に行え、かつ快適性を向上しうる床下
空気取入れ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、外気に比べて夏期は涼しく、冬期
は暖かい床下空気を屋内に導入することにより、部屋の
換気を行う床下空気取入れ装置が提案されている。

【０００３】この床下空気取入れ装置は、従来、玄関の
上り框下方、あるいは家屋の床体に設けられた吹出し口
から、夏期には床下空間の冷気を、又冬期には床下空気
を屋内に給気していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のものにあっては、床下空気の温度は外気に比べ
て幾分かは暖かいものの、特に寒冷地域の冬期において
この床下空気を屋内に取入れると室温が下がる傾向にあ
り、快適性を損なうことがあった。

【０００５】従って、冬期においても床下空気を用いて
部屋の温度を下げることなく換気しうる新規な構造の床
下空気取入れ装置の出現が強く要望されていた。

【０００６】本発明は、床下に設けた開口部と床下空間
とで開口する空気流路に、ヒータを設けることを基本と
して、冬期においても室温を下げることなく床下空気を
用いて部屋を換気でき、快適性を向上しうる床下空気取
入れ装置の提供を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の床下空気取入れ装置は、家屋の床体に設けら
れた開口部と床下空間とで開口する空気流路に、床下空
間の床下空気を開口部から送出する送風機と、ヒータと
を設けている。

【０００８】

【作用】このように床下空気取入れ装置は、床体の開口
部と床下空間内とで開口する空気流路に、送風機とヒー
タとを設けている。従って夏期においては、送風機のみ
を作動させ床下空間の冷気を大量に屋内に送出でき、部
屋の換気を便宜に行いうるとともに、冬期においては、
ヒータで暖められた床下空気を屋内に送出でき、部屋の
温度を下げることなく換気を行え、快適性を向上しう
る。

【０００９】又前記ヒータは、冬期でも比較的暖かい床
下空気を加熱するため、容量が小さくてよく、コストダ
ウンを図りうるとともに、例えば前記開口部に通じる部
分を略垂直に立上がらせ、この立上げ部にヒータを配設
することにより、冬期においてヒータのみを稼働させ暖
められた床下空気の浮力を利用して該床下空気を屋内に
取入れることができ、騒音の無いしかも暖かい床下空気
の導入を可能とし、便利性を高めうる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図１〜４において本発明の床下空気取入れ装置１
は、家屋の床体Ｆに設けられた開口部Ｏと床下空間Ｓと
で開口する空気流路１０に、床下空間Ｓの床下空気を開
口部Ｏから送出する送風機４と、ヒータ１２とを設けて
いる。

【００１１】又床下空気取入れ装置１は、本実施例で
は、前記送風機４を収容する箱状体２と、この箱状体２
の開放部７を開閉する蓋体３とを具える。

【００１２】箱状体２は、鍔部５と容器部６とからなる
とともに、鍔部５は、図１、図３に示すように、矩形の
前記開口部Ｏの周縁かつ床体Ｆ上面にビスなどを用いて
取付けられ開口部Ｏの周縁から内方に小長さで突出する
水平な突出片２０の外周縁に上方に膨出する飾り片２１
を該突出片２０の全長に亘り設けた小厚さの矩形枠状を
なす。

【００１３】前記容器部６は、水平かつ矩形枠状の取付
片２２を前記鍔部５と床体Ｆ上面との間に介在させるこ
とにより該鍔部５の内周縁に固着されるとともに、前記
取付片２２の向き合う側縁からは、前記開口部Ｏを通っ
て床下空間Ｓ内で突出する側片２３…を垂下させてお
り、又この側片２３…下端は、水平かつ矩形の下片２４
の側縁を一体に取付けている。

【００１４】このように容器部６は、上端に矩形の開放
部７を有した上開放の箱状をなすとともに、前記下片２
４には、床下空間Ｓで開口する円形又は角形の孔部９、
９が、本実施例では該下片２４の長手方向に並んで２つ
穿設されている。

【００１５】又本実施例では、図２に示すように、前記
孔部９から垂下する円筒状の筒体３１の下端に、一端が
床下空間Ｓ内で開口するダクト３２の立上げ部３２Ａ上
端を取付けている。

【００１６】従って、前記箱状体２の開放部７とダクト
３２の前記一端とにより、前記開口部Ｏと床下空間Ｓと
で開口する空気流路１０が形成される。

【００１７】さらに本実施例では、前記容器部６に開放
部７を横切る蓋体３保持用の支軸１１を設ける。支軸１
１は、図１、図３に示すように、容器部６の長手方向で
突出する前記取付片２２、２２の上面に設けた凹部２
５、２５に嵌着する水平な嵌着片２６、２６と、この嵌
着片２６、２６の開口部Ｏに突出する突出端から垂下す
る垂下片２７、２７とからなる断面Ｌ字の１対の支持金
具２９、２９の前記垂下片２７、２７に端部が固着され
る水平な棒状体であって、高さを揃えて例えば４本架け
渡されるとともに、２つの前記支持金具２９の嵌着片２
６を夫々向き合う前記取付片２２、２２の凹部２５、２
５に嵌着しかつこの嵌着片２６と前記鍔部５とを取付片
２２を介して床体Ｆにビスなどを用いて取付けることに
より、４本の支軸１１…は、前記開放部７を横切って容
器部６に固定される。

【００１８】前記空気流路１０には、前記箱状体２に収
容される送風機４とヒータ１２とが設けられる。送風機
４は、前記下片２４に設けた前記孔部９、９上に載置台
３０を介して２個設置され、該孔部９から床下空間Ｓの
床下空気を吸出しかつ前記開口部Ｏ内の開放部７から該
床下空気を吹出す。

【００１９】又前記ヒータ１２は、本実施例では、図２
に示すように、前記ダクト３２の水平部３２Ｂ内に取付
けられる。

【００２０】従って、特に寒冷地域の冬期には、床下空
気をヒータ１２により暖めて屋内に送出でき、快適性を
高めうるとともに、外気よりも暖かい床下空気を加熱す
るため、ヒータ１２の容量を小さくすることができ、省
エネルギー、およびコストダウンを図りうる。

【００２１】前記蓋体３は、図１、図２に示すように、
前記鍔部５の突出片２０にヒンジ３３を介して枢着され
る小厚さかつ矩形板状の基体３５を具えるとともに、該
基体３５の周縁は下方に折曲げられており、蓋体３はこ
の折曲げ部３６下端を前記突出片２０上面に当接するこ
とにより前記容器部６の開放部７を閉じることが出来
る。

【００２２】又蓋体３の下面には、該蓋体３を開放状態
で保持する保持金具１３を配設している。

【００２３】保持金具１３は、蓋体３下面かつその略中
央に固着される固定片３７と、この固定片３７の前記支
持金具２９、２９に向く側縁から立下がる１対の立下げ
片３９、３９とからなるコ字状の上金物４０、およびこ
の上金物４０の前記立下げ片３９、３９に架設される軸
体４１に上端部が枢支されかつ前記容器部６内で下方に
のびるとともに支持金具２９の前記垂下片２７と平行な
１対かつ縦長の係合片４２、４２の前記ヒンジ３３に向
く側縁と平行な他方の側縁間を縦長矩形の連結片４３で
連結した係合金物４４からなる。

【００２４】前記係合金物４４の係合片４２、４２に
は、図２、図４に示すように、前記支軸１１に係合しう
る係合部１４…を上下の複数位置に例えば６個を形設さ
れるとともに、上下に隣り合う係合部１４、１４の間は
下に向かって滑らかに湾曲する上辺を有した波形状とし
ている。

【００２５】蓋体３は、その上面から上方に突出するこ
となく設けられた凹部４６を有する把手４７を手掛かり
として前記ヒンジ３３を中心に引上げ、前記開放部７を
開くことができる。又前記保持金具１３の係合金物４４
の形状を前記した如く下に向く波形としたため、前記係
合部１４が支軸１１に引掛かることなく容易に蓋体３を
開きうる。

【００２６】さらに蓋体３を引上げた後、手を把手４７
から放すと、前記係合部１４が支軸１１に係合し、該蓋
体３は図４に示す開放状態Ｘで保持される。

【００２７】又蓋体３を閉じる時には、例えば蓋体３を
少し持上げ前記係合を手で解除してから該蓋体３を下げ
る。

【００２８】このように蓋体３を閉じると、図１、図２
に示すように、蓋体３上面は床体Ｆ上面とほぼ揃うた
め、歩行などの妨げにならず、便利性を高めうる。

【００２９】なお前記係合部１４は、複数位置に設けて
いるため、支軸１１に係合する係合部１４を選択するこ
とにより蓋体３を複数の角度で開放させておくことがで
き、前記送風機４から吹出される床下空気の吹出し角
度、風速を調整しうる。

【００３０】さらに前記支軸１１を４本設けたため、容
器部６に物品などが落下することを防止しうるととも
に、人が乗って万一蓋体３が破損した時の落下防止用の
安全装置としても働く。なお支軸１１は１本でもよい。

【００３１】又前記送風機４は、壁面に設けた片切スイ
ッチによって作動させてもよく、あるいは、前記蓋体３
の開閉でオンオフするマイクロスイッチを前記箱状体２
に設けることもできる。なお送風機４は、本実施例で
は、２個設置したが、一方のみ作動させるようにしても
よく、又送風機４を１つとしてもよい。

【００３２】図５に本発明の他の実施例を示す。本例に
おいて床下空気取入れ装置１は、家屋の床体Ｆに設けた
円形の開口部Ｏ周縁に上端が取付きかつ床下空間Ｓ内で
開口するダクト５０により、空気流路１０を形成すると
ともに、前記ダクト５０の立上げ部５０Ａ上部にヒータ
１２を設け、又該ヒータ１２よりも下方に位置してダク
ト５０に送風機４を介在させる。なお開口部Ｏに取付く
ダクト５０の上端部にはルーバ５１が配設されている。

【００３３】従って、夏期においては、送風機４のみを
作動させることにより床下空間Ｓの床下空気を屋内に大
量に送出でき、快適性を向上しうるとともに、冬期にお
いては、送風機４を止めヒータ１２のみを使用すること
により、暖められた比較的風量の少ない床下空気が浮力
により開口部Ｏから送出し、低騒音で暖房効果を発揮し
つつ屋内を換気できる。

【００３４】

【発明の効果】叙上の如く本発明の床下空気取入れ装置
は、床体の開口部と床下空間とで開口する空気流路に送
風機とヒータとを設けているため、特に寒冷地域の冬期
においてヒータにより暖められた床下空気を屋内に取入
れ可能とし、この床下空気により部屋を換気でき、快適
性を向上しうるとともに、前記ヒータは床下空気を暖め
るものであるため容量を小さくでき、コストダウンを図
りうる。

【００３５】又例えば前記空気流路の開口部に通じる部
分を立上げ部とし、この立上げ部にヒータを配設するこ
とにより、送風器を作動させないで暖められた床下空気
の浮力によって屋内に該床下空気を取入れ可能とし、無
騒音の換気を達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】その横断面図である。

【図３】その部分分解斜視図である。

【図４】作用を示す横断面図である。

【図５】本発明の他の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

４ 送風機 １０ 空気流路 １２ ヒータ Ｆ 床体 Ｏ 開口部 Ｓ 床下空間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】家屋の床体に設けられた開口部と床下空間
   とで開口する空気流路に、床下空間の床下空気を開口部
   から送出する送風機と、ヒータとを設けてなる床下空気
   取入れ装置。