JPH06122817A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH06122817A
JPH06122817A JP29654692A JP29654692A JPH06122817A JP H06122817 A JPH06122817 A JP H06122817A JP 29654692 A JP29654692 A JP 29654692A JP 29654692 A JP29654692 A JP 29654692A JP H06122817 A JPH06122817 A JP H06122817A
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acid
polyamide resin
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polyether ester
ester amide
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JP29654692A
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English (en)
Inventor
Ikuo Narisawa
郁夫 成澤
茂盛 ▲せん▼
Shigemori Sen
Motohiro Fujimoto
元弘 藤本
Kijuro Tashiro
喜十郎 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Kasei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kasei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、耐熱性及び剛性に優れ、かつ外観
の良好な成形品を与えうるポリアミド樹脂組成物を提供
する。 【構成】 (A)ポリアミド樹脂60〜95重量%及び
(B)(a)重合脂肪酸、(b)アゼライン酸及び/ま
たはセバシン酸、(c)ジアミン、(d)ポリオキシア
ルキレングリコール、(e)ジカルボン酸とから誘導さ
れるポリエーテルエステルアミド40〜5重量%からな
るポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリアミド樹脂組
成物に関するものである。さらにに詳しくは自動車、電
気・電子、機械、OA機器などの分野における材料とし
て好適な、耐衝撃性、耐熱性及び剛性に優れ、かつ外観
の良好な成形品を与えうるポリアミド樹脂組成物であ
る。
【0002】
【従来の技術及び課題】ポリアミド樹脂は優れた機械的
性質、耐薬品性、耐油性、耐熱性、耐摩耗性などの特性
を有するため、エンジニアリング樹脂として、種々の分
野において広く用いられている。しかしながら、ポリア
ミド樹脂は耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性が劣っ
ており、このことが大きな欠点となっている。
【0003】このため可塑剤や各種の軟質ポリマーをポ
リアミド樹脂に配合することが行われている。可塑剤を
使用した場合は、可塑剤のブリードや高温での可塑剤の
揮散が大きな問題となっている。また、ポリアミド樹脂
と水素化スチレンーブタジエンブロック共重合体から成
る組成物が特公昭60−11941号公報で提案されて
いる。この組成物は、耐衝撃性の向上が期待したほどで
ないうえに、耐熱性や弾性率の低下をもたらす欠点があ
る。
【0004】ポリアミド樹脂とポリエーテルエステルア
ミドから成るポリアミド樹脂組成物も特開昭61−64
752号、特開昭62−143968号、特開昭63−
278965号公報で提案されている。これらはいずれ
も耐衝撃性は改良されてはいるが、なお十分ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂60〜95重量%
に、重合脂肪酸、アゼライン酸及び/またはセバシン
酸、ジアミン、ポリオキシアルキレングリコール及びジ
カルボン酸とから誘導されるポリエーテルエステルアミ
ドを40〜5重量%の割合で配合することによって、耐
衝撃性、耐熱性及び剛性に優れ、かつ外観の良好な成形
品を与えることのできるポリアミド樹脂組成物が得られ
ることを見いだし、この知見に基づき本発明をなすに至
った。すなわち、本発明は耐衝撃性、耐熱性及び剛性に
優れ、かつ外観の良好な成形品を与えることのできるポ
リアミド樹脂組成物を得ることを目的とするものであ
り、その目的は、(A)ポリアミド樹脂60〜95重量
%に対し、(B)(a)炭素数が20〜48の重合脂肪
酸、(b)アゼライン酸及び/またはセバシン酸、
(c)炭素数が2〜20のジアミン、(d)数平均分子
量が200〜3,000のポリオキシアルキレングリコ
ール及び(e)炭素数が6〜20のジカルボン酸から誘
導される共重合体であって、上記(b)に対する(a)
の重量比(a)/(b)が0.3〜5.0で、かつ
[(a)+(b)+(c)]/[(d)+(e)]が重
量比で95/5〜20/80の範囲にある、透明で柔軟
性及び弾性回復率に優れるポリエーテルエステルアミド
を40〜5重量%の割合で配合することによって達成さ
れる。
【0006】以下で本発明の詳細について説明する。本
発明の(A)成分として用いられるポリアミド樹脂とし
ては、例えばジカルボン酸とジアミンとの重縮合物、ア
ミノカルボン酸の重縮合物、環状ラクタムの開環重合物
などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン4
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12、重合脂肪酸含有ナイロン
などの脂肪族ポリアミド、ポリ(ヘキサメチレンテレフ
タルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミ
ド)などの脂肪族ー芳香族ポリアミド及びこれらの共重
合体や混合物を挙げることができる。
【0007】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)を誘導するための(a)成分として用いられる炭
素数が20〜48の重合脂肪酸としては、不飽和脂肪
酸、例えば炭素数が10〜24の二重結合または三重結
合を一個以上有する一塩基性脂肪酸を重合して得た重合
脂肪酸が用いられる。具体例としては、オレイン酸、リ
ノール酸、エルカ酸などの二量体が挙げられる。
【0008】市販されている重合脂肪酸は、通常二量体
化脂肪酸を主成分とし、他に原料の脂肪酸や三量体化脂
肪酸を含有するが、二量体化脂肪酸含量が70%以上、
好ましくは95重量%以上であり、かつ水素添加して不
飽和度を下げたものが望ましい。特に、プリポール10
09、プリポール1004(以上ユニケマ社製)やエン
ポール1010(ヘンケル社製)などの市販品が好まし
い。むろんこれらの混合物も用いられる。
【0009】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)におけるジカルボン酸(b)としては、重合性、
重合脂肪酸との共重合性、得られるポリエーテルエステ
ルアミドの物性及びナイロン6やナイロン66との相溶
性などの点から、アゼライン酸、セバシン酸及びこの両
者の混合物が挙げられる。
【0010】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)における炭素数が2〜20のジアミン(c)とし
ては、具体的には、エチレンジアミン、1,4−ジアミ
ノブタン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、ビスー(4,4´−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、メタキシリレンジアミンなどが挙げられる。
【0011】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)を誘導するためのポリオキシアルキレングリコー
ル(d)としては、具体的には、ポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキ
シテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合
体、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとのブロ
ックまたはランダム共重合体及びこれらの混合物が挙げ
られる。得られるポリエーテルエステルアミドの耐熱
性、耐水性、機械的強度、弾性回復能などからポリオキ
シテトラメチレングリコールが好ましく用いられる。ま
た、本発明に用いられるポリオキシアルキレングリコー
ルの数平均分子量は200〜3000の範囲内にあるこ
とが必要である。この数平均分子量が200より小さい
と、得られるポリエーテルエステルアミドの融点が低く
なったり、優れた物性のものが得られない。一方、3,
000を越えると、ポリオキシアルキレングリコールと
ポリアミドオリゴマーとのブロック共重合工程におい
て、両者間の相容性が低下し、粗大相分離が起こり、均
質な重縮合を行うことができなくなる。その結果、分子
量が大きくならず、得られるポリエーテルエステルアミ
ドの透明性と機械的強度が低下し好ましくない。
【0012】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)を誘導するための炭素数が6〜20のジカルボン
酸(e)としては、具体的にはアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジ酸のごとき脂肪族ジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキシル
−4,4´−ジカルボン酸のごとき脂環族ジカルボン酸
などが挙げられる。特に、アゼライン酸、セバシン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸のようなジカルボン酸が重合性及びポリエ
ーテルエステルアミドの物性の点から好ましい。
【0013】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)は、重合脂肪酸(a)とアゼライン酸及び/また
はセバシン酸(b)及びジアミン(c)とを、(b)に
対する重合脂肪酸(a)の重量比(a)/(b)が0.
3〜5.0で、かつ全カルボキシル基に対し全アミノ基
が実質的に当量になるように三者を十分に窒素で置換し
た反応容器に仕込み、170℃〜230℃で重縮合させ
数平均分子量が500〜5,000のポリアミドオリゴ
マーをつくり、これに数平均分子量が200〜3,00
0のポリオキシアルキレングリコール(d)と炭素数が
6〜20のジカルボン酸(e)とを、全ヒドロキシル基
に対し全カルボキシル基が実質的に当量で、かつ
[(a)+(b)+(c)]/[(d)+(e)]が重
量比で95/5〜20/80になるように加え、少量の
触媒の存在下で200〜280℃に加熱し1〜3時間反
応させた後、1mmHg程度の減圧下で反応させること
により得られる。 本発明の透明で柔軟性かつ弾性回復
能が優れるポリエーテルエステルアミドを得るには、ア
ゼライン酸及び/またはセバシン酸(b)に対する重合
脂肪酸(a)の重量比(a)/(b)が0.3〜5.0
で、ポリアミドオリゴマーの数平均分子量が500〜
5,000の範囲内にあることが必要である。重量比
(a)/(b)が0.3未満であると、得られるポリエ
ーテルエステルアミドの柔軟性や弾性回復能は不十分と
なる。また、ポリアミドオリゴマーとポリオキシアルキ
レングリコールとのブロック共重合工程において、両者
間の相溶性が低下し、粗大相分離が起こり均質な重縮合
ができなくなり、分子量が大きくならず、得られるポリ
エーテルエステルアミドの透明性と機械的強度が低下す
る。(a)/(b)が5.0を越えると、ハードセグメ
ントの凝集力が低下し、ポリエーテルエステルアミドの
機械的強度や融点が低下する。ポリアミドオリゴマーの
数平均分子量が500未満であると、ハードセグメント
の凝集力が低下し、ポリエーテルエステルアミドの機械
的強度と融点が低下する。逆に、5,000より大きく
なると、ポリオキシアルキレングリコールの数平均分子
量が大きすぎる場合や重合脂肪酸含量が少なすぎる場合
と同様に、ポリアミドオリゴマーとポリオキシアルキレ
ングリコールとのブロック共重合工程において、両者間
の相溶性が低下し、粗大相分離が起こり均質な重縮合が
できなくなり分子量が大きくならず、得られるポリエー
テルエステルアミドの透明性と機械的強度が低下する。
【0014】本発明のポリエーテルエステルアミド
(B)の物理的性質は、ポリエーテルエステルアミド
(B)を構成するソフト成分[(d)+(e)]とハー
ド成分[(a)+(b)+(c)]の共重合比によって
も影響される。ソフト成分である[(d)+(e)]が
5〜80重量%であることが好ましい。ソフト成分が5
重量%未満であると、得られるポリエーテルエステルア
ミドの柔軟性や低温特性が不十分となり、逆に、80重
量%を越えると機械的強度や融点が低下し好ましくな
い。 本発明の重合脂肪酸を含有するポリエーテルエス
テルアミド(B)は、柔軟性と弾性回復能が優れ、かつ
ポリアミドとの相溶性が優れているので、ポリエーテル
エステルアミド(B)をポリアミド樹脂(A)と溶融混
練すると、ポリエーテルエステルアミド(B)は容易に
ポリアミド樹脂(A)のマトリックス相中に1μm以下
の微細粒子として分散し、ポリアミド樹脂の耐衝撃性を
大幅に改善する。 本発明の組成物におけるポリアミド
樹脂(A)とポリエーテルエステルアミド(B)の配合
割合としては、ポリアミド樹脂(A)60〜95重量%
に対してポリエーテルエステルアミド(B)を40〜5
重量%の割合にする必要がある。ポリエーテルエステル
アミドの配合比が5重量%未満では、ポリアミド樹脂の
耐衝撃性の改善が不十分である。また、ポリエーテルエ
ステルアミドの配合比が40重量%を越えると、耐熱性
や剛性などが低下しポリアミド樹脂の特性が損なわれて
しまう。
【0015】本発明の樹脂組成物は溶融混練することが
好ましく、その溶融混練の方法としては公知の方法を用
いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴム
ロール機、一軸または二軸の押出機などを用い、通常1
00〜300℃の温度で溶融混練して樹脂組成物とする
ことができる。
【0016】また、本発明の樹脂組成物には、公知の酸
化防止剤、熱分解防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防
止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、滑剤、核剤、
離型剤、接着助剤、粘着剤などを任意に含有せしめるこ
とができる。
【0017】このようにして得られた本発明のポリアミ
ド樹脂組成物は、一般的に熱可塑性樹脂の成形に用いら
れている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、ブロ
ー成形、真空成形などの方法によって成形することがで
きる。
【0018】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は大幅に
改良された耐衝撃性を有し、耐熱性と剛性に優れ、かつ
外観の良好な成形品を提供することができるので、例え
ば自動車、電気・電子、機械、OA機器などの分野にお
ける種々の用途に好適に用いられる。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、これらの例によってなんら限定されるも
のではない。なお、製造例及び実施例中の各性質は以下
の方法によって測定した。
【0020】(1)溶融粘度 島津製作所製フローテスターCFT−500を用いて、
測定温度250℃、ダイ1mm(径)×10mm(長)、荷重10k
gの条件で測定した。
【0021】(2)酸価及びアミン価 酸価は、試料1gをベンジルアルコール50gに溶解
し、1/10NNaOHのメタノール溶液でフェノール
フタレイン指示薬を用い、アミン価は、試料1gをフェ
ノール/メタノール=1/1の混合溶液50gに溶解
し、1/10N塩酸メタノール溶液でブロムフェノール
ブルー指示薬を用いて滴定した。
【0022】(3)融点及び結晶化温度 示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/
minで融点を測定し、10℃/minで降温し、結晶
化温度を測定した。
【0023】(4)引張試験 熱プレスを用いて、ポリエーテルエステルアミドを厚さ
2mmのシート状に成形し、これから打ち抜いたダンベル
2号型試験片を用い、JIS K 6301に準拠して引張試験を
行った。
【0024】(5)永久伸び(PS) JIS K 6301に準拠して、ダンベル2型試験片を引張り伸
び(%)の1/2 に相当する長さに引張り10分間保
持した後、跳ね返させる事なく急に収縮させ、10分後
に標線間距離を測定することにより求めた。 L0 : 標線間距離(mm) l1 : 収縮させ規定時間放置後の標線間の長さ(mm)
【0025】(6)弾性回復率 永久伸びの測定方法に準拠し、次の式より弾性回復率を
求めた。 0 : 標線間距離(mm) L1 : 切断時の標線間の長さ(mm) l1 : 収縮させ規定時間放置後の標線間の長さ(mm)
【0026】(7)曲げ強さ及び弾性率 形状が長さ(L)60mm×高さ(h)10mm×幅
(W)6mmの試験片を用いてスパン間距離40mm、
変位速度10mm/minの条件で、万能試験機DSS
5000(島津製作所製)を用いて三点曲げ試験を行
い、曲げ弾性率Eおよび降伏応力δYを測定した。
【0027】(8)シャルピー衝撃強さ 形状が長さ(L)90mm×厚さ(t)10mm×幅
(b)6mmで先端半径0.5mm、深さ2mmの切欠
きを有する試験片を用い、試験片支持台間の距離58m
mの条件で、シャルピー衝撃試験機(テスター産業製)
を用いて衝撃強さを測定した。
【0028】(9)分散相粒子径の測定 混練サンプルを液体窒素中で破壊させ、破面を金で蒸着
後、走査電子顕微鏡S−450タイプ(日立製作所製)
を用いて観察した。
【0029】 製造例<ポリエーテルエステルアミドの合成> 製造例1 攪拌機、窒素導入口及び溜去管を取り付けた1000mlの4
口フラスコに、得られるポリアミド共重合体の組成が、
重量比でヘキサメチレンジアミン〜重合脂肪酸重縮合物
/ヘキサメチレンジアミン〜アゼライン酸重縮合物=5
0/50になるように水添タイプの重合脂肪酸(炭素数
36、商品名プリポール1009、ユニケマ社製)10
9.4g、アゼライン酸81.4g、ヘキサメチレンジ
アミン72.5gとを5%亜リン酸水溶液0.8gと共
に仕込み、窒素を一定量流しながら昇温したところ15
8℃から重縮合反応により生成した水が溜出して来た。
この時の内容物は均一透明液であった。190℃まで昇
温した時点で内容物をサンプリングし、酸価、アミン価
を当量関係になるように調整した。最終的には、末端基
濃度41.2mgKOH/g、数平均分子量1362の透明なポ
リアミドオリゴマーが得られた。この温度でアゼライン
酸56.9gを投入し、内容物が透明になったところで
数平均分子量341のポリオキシテトラメチレングリコ
ール206.4g及びN,N′−ヘキサメチレン−ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ桂皮酸アミ
ド)(商品名イルガノックス1098、酸化防止剤)
1.0gとを順次投入し、均一になったところで、三酸
化アンチモン0.1gとモノブチルヒドロキシスズオキ
シド0.1gを添加した。この後、270℃まで反応生
成水を流去させながら昇温し、この温度に30分間保持
した。次に、この温度で25mmHgまで減圧し30分間反
応を続けた後、1mmHgまで減圧しさらに反応を進めたと
ころ、2時間30分後に溶融粘度102.2Pa・s/
250℃、融点157.8℃、結晶化温度137.3℃
でハードセグメント(ポリアミド共重合体)/ソフトセ
グメント(アゼライン酸〜ポリオキシテトラメチレング
リコール)=50/50(重量比)の透明なポリエーテ
ルエステルアミド(TPAE−1)が得られた。
【0030】製造例2 製造例1と同様にポリアミドオリゴマーを合成した後、
ハードセグメント/ソフトセグメント=60/40(重
量比)になるように、製造例1の投入順序に従ってアゼ
ライン酸、数平均分子量341のポリオキシテトラメチ
レングリコール、イルガノックス1098、三酸化アン
チモン、モノブチルヒドロキシスズオキシドを添加し、
製造例1と同様の条件で反応を進めた。2時間30分
後、溶融粘度152.4Pa・s/250℃、融点16
8.6℃、結晶化温度147.3℃の透明なポリエーテ
ルエステルアミド(TPAE−2)が得られた。
【0031】製造例3 製造例1と同様の装置に、得られるポリアミド共重合体
の組成が、重量比でヘキサメチレンジアミン〜重合脂肪
酸重縮合物/ヘキサメチレンジアミン〜アゼライン酸重
縮合物=60/40になるようにプリポール1009,
99.7g、アゼライン酸49.5g、ヘキサメチレン
ジアミン50.8gを仕込み、製造例1と同様の方法で
合成し、末端基濃度40,2mgKOH/g、数平均分子量13
96の透明なポリアミドオリゴマーが得られた。次に、
アゼライン酸64.8gを投入し、内容物が透明になっ
たところで数平均分子量341のポリオキシテトラメチ
レングリコール235.2g及びイルガノックス109
8,1.0gとを順次投入し、均一になったところで、
三酸化アンチモン0.06gとモノブチルヒドロキシス
ズオキシド0.06gを添加した。この後、製造例1と
同様の条件で反応を進めたところ、2時間30分後に溶
融粘度93Pa・s/250℃、融点142.3℃、結
晶化温度125.8℃でハードセグメント/ソフトセグ
メント=40/60(重量比)の透明なポリエーテルエ
ステルアミド(TPAE−3)が得られた。
【0032】比較製造例1 実施例1と同様の装置に、ナイロン12の合成原料であ
る12−アミノドデカン酸272.8gとドデカンジ酸
67.0g、数平均分子量319のポリオキシテトラメ
チレングリコール193.5g、イルガノックス109
8,1.0g、三酸化アンチモン0.08g、モノブチ
ルヒドロキシスズオキシド0.08gとを仕込み、22
0℃まで昇温した。この温度で30分間攪拌して均一溶
液になった後、昇温、減圧プログラムにしたがって約2
時間かけて270℃,1mmHgの重合条件まで到達さ
せた。この条件で2時間30分反応を進めたところ溶融
粘度58.3Pa・s/250℃、融点154.0℃、
結晶化温度113.3℃でハードセグメント(ナイロン
12)/ソフトセグメント(ドデカンジ酸〜ポリオキシ
テトラメチレングリコール縮合物)=50/50(重量
比)の透明なポリエーテルエステルアミド(TPAE−
4)が得られた。
【0033】比較製造例2 実施例1と同様の装置に、12ーアミノドデカン酸15
0.0gとドデカンジ酸88.3g、数平均分子量34
1のポリオキシテトラメチレングリコール261.7
g、イルガノックス1098,1.0g、三酸化アンチ
モン0.1g、モノブチルヒドロキシスズオキシド0.
1gとを仕込み、比較製造例1と同様の条件で反応を進
めた。3時間30分後に溶融粘度120.0Pa・s/
250℃、融点136.0℃、結晶化温度76℃でハー
ドセグメント(ナイロン12)/ソフトセグメント(ド
デカンジ酸〜ポリオキシテトラメチレングリコール縮合
物)=30/70(重量比)の半透明なポリエーテルエ
ステルアミド(TPAE−5)が得られた。
【0034】前記製造例及び比較製造例で得られたポリ
エーテルエステルアミドの各物性を表1に示した。 表 1 ショアー 降伏引張 破断引張 永久 弾性 硬度 強さ 伸び 強さ 伸び 伸び 回復率 Kg/cm2 Kg/cm2 製造例1 47 96 61 377 880 188 57 製造例2 50 127 56 415 760 166 56 製造例3 38 71 69 224 1092 198 67 比較製造例1 40 92 47 312 865 359 26 比較製造例2 27 220 925 293 43
【0035】実施例1〜6,比較例1〜3 ポリアミド樹脂としてナイロン6(東レ社製アミランC
M−1017使用)を選び、ナイロン6と前記製造例及
び比較製造例で得られたポリエーテルエステルアミドを
表2に示した割合で配合し、240℃で35mmφのニ
ーダールーダ(笠松化工研究所製)を用いて溶融混合
し、ペレット化した。
【0036】得られたペレットを乾燥した後、熱プレス
成形により所定の試験片を作製した。この試験片を用い
て、曲げ強さ、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強さを測
定した。また同時に、走査電子顕微鏡を用いたポリエー
テルエステルアミドの分散相粒子径の測定とDSCを用
いた融点及び結晶化温度の測定も行った。この結果を表
2にまとめて示した。
【0037】表 2
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド樹脂60〜95重量%
    及び(B)(a)炭素数が20〜48の重合脂肪酸、
    (b)アゼライン酸及び/またはセバシン酸、(c)炭
    素数が2〜20のジアミン、(d)数平均分子量が20
    0〜3,000のポリオキシアルキレングリコール、
    (e)炭素数が6〜20のジカルボン酸から誘導される
    共重合体であって、上記(b)に対する(a)の重量比
    (a)/(b)が0.3〜5.0で、かつ[(a)+
    (b)+(c)]/[(d)+(e)]が重量比で95
    /5〜20/80であるポリエーテルエステルアミド4
    0〜5重量%から成るポリアミド樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004217929A (ja) * 2002-12-27 2004-08-05 Sanyo Chem Ind Ltd 帯電防止性樹脂組成物及びその成形体
JP2005264071A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Dainippon Ink & Chem Inc アクリル系樹脂組成物及びその成形体
JP2007327049A (ja) * 2006-04-21 2007-12-20 Ems-Chemie Ag 透明なポリアミド成型組成物
JP2009540089A (ja) * 2006-06-14 2009-11-19 アルケマ フランス 非晶質から半結晶なアミド単位とエーテル単位とを有するコポリマーをベースにした混合物およびアロイと、光学特性に優れた材料

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