JPH0612275Y2

JPH0612275Y2 - Ｈｓｔ式変速装置の固定斜板

Info

Publication number: JPH0612275Y2
Application number: JP1989143670U
Authority: JP
Inventors: 良太大橋; 憲一高田
Original assignee: Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1989-12-13
Filing date: 1989-12-13
Publication date: 1994-03-30
Anticipated expiration: 2004-03-30
Also published as: JPH0385746U; US5074195A

Description

【考案の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本考案はＨＳＴ式変速装置の油圧モーターのピストンと
当接する固定斜板の取付構成に関するものである。

（ロ）従来技術従来のＨＳＴ式変速装置における油圧モーターはバネに
付勢されたピストンがモーター軸の軸回りに数個配設さ
れ、該ピストンの頂部がミッションケースに固定された
固定斜板のベアリングに当接されていたのである。例え
ば、特開平１−１９７１２１号公報の技術である。

（ハ）考案が解決しようとする問題点しかし、モーター軸の回転は油圧ポンプの可動斜板の傾
倒により回転方向と回転数が変更されるのであるが、こ
のＨＳＴ式変速装置を本体に装着した場合、本体の機種
によっては回転方向が合わなくなる場合があるのであ
る。例えばリバースタイプや駆動輪におけるミッション
ケースの前後の取付方向を変えた場合である。このよう
な場合、順方向に駆動する場合と逆方向に駆動する場合
では変速レバーの操作方向は逆向きとなり、これを順方
向に変換するリンク機構を特別に設けなければならない
という不具合があったのである。

（ニ）問題を解決するための手段本考案はこのような点に鑑み、順方向或いは逆方向の駆
動にするかによって、組み立て時において容易に変更で
きるように、次の如く構成したのである。

ミッションケース９内のセンターセクション１上に油圧
ポンプＰと油圧モーターＭを付設し、該油圧ポンプＰか
らの圧油により油圧モーターＭを駆動する構成におい
て、油圧モーターＭのピストンの突出位置を決める固定
斜板１０の外形を上下対称に構成し、鋳抜き成形した固
定斜板１０の外形の上下に突起を突出し、上下半割のケ
ースに該突起の嵌入凹部を設け、該固定斜板１０の上下
反転によりモーター軸６の回転方向を変更可能に構成し
たものである。

（ホ）実施例本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面に示した
実施例の構成を説明すると。

第１図は車軸駆動装置の前面断面図である。上部ケース
９ａと下部ケース９ｂの上下半割に構成したミッション
ケース９内にＨＳＴ式変速装置の油圧ポンプＰと油圧モ
ーターＭが配されており、該油圧ポンプＰと油圧モータ
ーＭはセンターセクション１の上面と側面に装着されて
いる。

該センターセクション１は正面視「Ｌ」字形に構成さ
れ、ボルト２・２・２により上部ケース９ａに固設さ
れ、該センターセクション１上面中央にポンプ軸３が立
設され、該ポンプ軸３は上部ケース９ａを貫通して上方
へ突出し、ミッションケース９外部でプーリーを固設
し、エンジンから動力を得ている。

該センターセクション１上面のポンプ軸３に油圧ポンプ
Ｐが外嵌されており、該油圧ポンプＰと上部ケース９ａ
の間に可動斜板４が介装され、該可動斜板４は外部のレ
バーにより角度変更可能に構成され、油圧ポンプＰから
の圧油の吐出方向と吐出量を変更可能としているのであ
る。

前記センターセクション１の内部は第２図に示すよう
に、油圧ポンプＰと油圧モーターＭの間で作動油の送油
を行い閉回路を構成するための油路１ａ・１ｂが穿設さ
れており、その油路１ａ・１ｂにおける水平に穿設加工
した開口側に、チェックバルブ８・８と押圧杆１４・１
４が設けられ、両チェックバルブ８・８の１次側間から
下方に穿設してミッションケース９内と連通する油路１
ｃ・１ｃが設けられている。

該押圧杆１４・１４の端部はミッションケース９内に設
けた摺動体１５と当接可能であり、該摺動体１５は中央
に長孔１５ａが開口され、該長孔１５ａにピン１６が挿
入され、該ピン１６は上部ケース９ａに垂設した回動軸
１７に固設され、該回動軸１７は外部の中立レバーによ
り回動可能としている。故に、中立レバーを回動すると
摺動体１５が押圧杆１４・１４を押し、更に、チェック
バルブ８・８も押し、吐出側と流入側の作動油が油路１
ｃ・１ｃを介してミッションケース１内と連通され、油
圧モーターＭはフリーに回転できるようになるのであ
る。

そして、前記センターセクション１と下部ケース９ｂの
間には環状のフィルター５が介装され、その中央には第
３図に示すように、プラグ１９・１９が設けられ、該プ
ラグ１９・１９は下部ケース９ｂを貫通して外部と油路
１ａ・１ｂをそれぞれ連通し、組み立てが完了して潤滑
油をミッションケース１内に注入した時に、このプラグ
１９・１９より作動油をＨＳＴ式変速装置の閉回路内に
高圧をかけて注入して、閉回路内の空気を抜き、駆動時
に空気が混じってキャビテーション摩耗等が生じないよ
うにし、注入が終われば栓２０をしてＨＳＴ式変速装置
を作動可能状態とするのである。

前記センターセクション１側面にはモーター軸６が上部
ケース９ａと下部ケース９ｂの合わせ面との間に横架さ
れ、該モーター軸６上に油圧モーターＭが配設されてい
るのである。

該油圧モーターＭはモーター軸６の軸周囲にバネ１２・
１２・・・により付勢されたピストン１３・１３・・・
が配設され、該バネ１２とピストン１３はシリンダー１
１内に内装されている。該ピストン１３の頂部はベアリ
ング２１に当接され、該ベアリング２１は本考案の固定
斜板１０に嵌合されるのである。

該固定斜板１０は第４図、第５図に示すように、無加工
で鋳抜き成形されており、外形が上下対称となるように
構成され、上端と下端に同形の突起１０ａ・１０ａが設
けられ、中央にモーター軸６を挿入する軸孔１０ｂが開
口され、該挿入孔１０ｂの周囲に傾斜させてベアリング
２１を挿入するための凹部１０ｃが穿設されている。他
方、上部ケース９ａ及び下部ケース９ｂには固定斜板１
０を嵌合するための嵌合部が設けられ、該嵌合部には、
固定斜板１０の突起１０ａ・１０ａが嵌合して位置ズレ
が生じないように嵌合凹部９ｃ・９ｃが設けられてい
る。

このような構成において、第１図、第５図のように、ベ
アリング２１を凹部１０ｃに嵌合して上部ケース９ａと
下部ケース９ｂの間に固定斜板１０を組み付けるとモー
ター軸６は順方向に回動され、第６図のように上下逆に
組み付けると、モーター軸６は逆方向に回転するのであ
る。

そして、モーター軸６の中途部に刻設した歯車６ａから
減速歯車等を介してデフ装置に動力が伝えられ、車軸等
が駆動されるのである。

（ヘ）考案の効果以上のような構成により、本考案は次のような効果が得
られるのである。

第１に、固定斜板を上下逆に反転して付け替えるだけで
モーター軸の回転方向を変更することができるようにな
り、ＨＳＴ式変速装置を装着する本体の駆動方向に容易
に合わせることができるようになったのである。

第２に、ＨＳＴ式変速装置を装着する本体の駆動方向は
固定斜板の上下方向の変更だけで変更できるので、駆動
方向に合わせて変速装置を変更する必要がなく、また、
その変更手段が簡単で、固定斜板も順方向及び逆方向共
に共用できるので、部品点数の増加がなくコスト低減化
も図ることができたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車軸駆動装置の前面断面図、第２図はセンター
セクション平面断面図、第３図はチェックバルブ部前面
断面図、第４図は固定斜板正面図、第５図は固定斜板組
み立て斜視図、第６図は固定斜板上下逆に組み付けた状
態の一部前面断面図である。Ｐ…油圧ポンプＭ…油圧モーター１…センターセクション６…モーター軸９…ミッションケース１０…固定斜板１３…ピストン

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ミッションケース９内のセンターセクショ
ン１上に油圧ポンプＰと油圧モーターＭを付設し、該油
圧ポンプＰからの圧油により油圧モーターＭを駆動する
構成において、油圧モーターＭのピストンの突出位置を
決める固定斜板１０の外形を上下対称に構成し、鋳抜き
成形した固定斜板１０の外形の上下に突起を突出し、上
下半割のケースに該突起の嵌合凹部を設け、該固定斜板
１０の上下反転によりモーター軸６の回転方向を変更可
能に構成したことを特徴とするＨＳＴ式変速装置の固定
斜板。