JPH06121695A - 抗ヒトマンノース結合蛋白モノクローナル抗体およびその利用 - Google Patents

抗ヒトマンノース結合蛋白モノクローナル抗体およびその利用

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JPH06121695A
JPH06121695A JP31389692A JP31389692A JPH06121695A JP H06121695 A JPH06121695 A JP H06121695A JP 31389692 A JP31389692 A JP 31389692A JP 31389692 A JP31389692 A JP 31389692A JP H06121695 A JPH06121695 A JP H06121695A
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mannose
monoclonal antibody
human
human mbp
mbp
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JP31389692A
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English (en)
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Teizo Fujita
禎三 藤田
Itaru Terai
格 寺井
Naoko Sekiguchi
尚子 関口
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Fuji Yakuhin Kogyo KK
Original Assignee
Fuji Yakuhin Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒトマンノース結合蛋白のマンノース結合部
位を認識する新規な抗ヒトマンノース結合蛋白モノクロ
ーナル抗体と、それを用いて血中に存在するヒトマンノ
ース結合蛋白およびその分解産物を酵素免疫測定法によ
り定量することを特徴とする血中ヒトマンノース結合蛋
白およびその分解産物の定量法。 【効果】 ヒトマンノース結合蛋白のマンノース結合部
位を認識する抗ヒトマンノース結合蛋白モノクローナル
抗体を用いて血中のヒトMBPを定量し、その定量値に
より生体侵入異物による補体活性化、感染防御能の指
標、自己免疫による補体活性化に伴う組織障害の活動性
の指標を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、血中に存在するヒトマンノース
結合蛋白およびその分解産物を定量するのに有用なヒト
マンノース結合蛋白のマンノース結合部位を認識する抗
ヒトマンノース結合蛋白モノクローナル抗体ならびにそ
のモノクローナル抗体を用いて血中のヒトマンノース結
合蛋白およびその分解産物を定量する方法に関する。
【0002】
【背景技術】マンノース結合蛋白(以下MBPと記す)
は、ヒト、ウシ、ラット、ウサギなど多くの哺乳類の血
清や肝臓から単離される蛋白質で、分子量は約400K
Da〜700KDaであり、約32KDaのサブユニッ
ト十数個がジスルフィド結合を介して会合した構造を有
するものと言われている。(M.W.Turner,C
linical and Experimental
Immunology,Vol.86,Supplem
ent 1,53−56(1991))。このMBP
は、マンノースやN−アセチルグルコサミンに特異的に
結合する。この結合に際しては、カルシウムイオンが必
要である。
【0003】MBPについては、これまでに種々の実
験、研究がなされており、それらの結果から、MBPの
機能は、生体侵入異物上のマンノースやN−アセチルグ
ルコサミンの糖鎖に結合することにより、種々の免疫機
構と連関して、それら異物を排除することにあると考え
られている。
【0004】さらにまた、ヒトMBPについては、これ
まで大腸菌、サルモネラ菌などのバクテリアやHIV
(Human Immunodeficiency V
irus)などのウイルスに関して種々の実験が行なわ
れ、その結果が報告されている。例えば、大腸菌に関し
ては、ヒトMBPが大腸菌に結合して補体依存性の殺菌
作用を示したとの報告がなされている(N.Kawas
aki et al,J.Biochem,94,93
7−947(1983))。また、サルモネラ菌につい
ては、ヒトMBPが補体第2経路を活性化するとの報告
がなされている(M.Kuhlman et al,
J.Exp.Med.,169,1733−1745
(1989))。さらに、HIVに関しては、ヒトMB
Pは、HIVのヘルパーT細胞への感染を制御したとの
報告がなされている(R.A.B.Ezekowit
z,J.Exp.Med.,169,185−196
(1989))。
【0005】ヒトMBPが、生体侵入異物上のマンノー
スやN−アセチルグルコサミンの糖鎖に結合することに
より、種々の免疫機構と連関して、それら異物を排除す
ること、ある種の大腸菌に結合して補体依存性の殺菌作
用を示すこと、ある種のサルモネラ菌に結合し、食細胞
の貧食能を亢進させること、さらにHIVのヘルパーT
細胞への感染をヒトMBPが抑制したことなどの従来の
報告からみて、血中のヒトMBPを定量できれば、その
定量値により生体侵入異物による補体活性化、すなわち
感染防御能の指標、自己免疫による補体活性化に伴う組
織障害の活動性の指標を得ることができるので、血中の
ヒトMBPの定量について、感度、精度および簡便性に
優れた測定法の開発が、強く望まれている。
【0006】ヒトMBPを定量する方法としては、従
来、固相化マンナンと抗ヒトMBPウサギポリクローナ
ル抗体を用いたエンザイムイムノアッセイ、固相化抗ヒ
トMBPウサギポリクローナル抗体とビオチン化抗ヒト
MBPウサギポリクローナル抗体を用いたエンザイムイ
ムノアッセイ(Super M.,Thiel S.,
Lu J.,Levinsky R.J.and Tu
ner M.W.,THE LANCET,Novem
ber 25,1236−1239(1989))が報
告されているが、いずれもポリクローナル抗体を使用し
ているために、ヒトMBPのみに特異的に反応しないた
め、ヒトMBPの濃度を正確には測定できない。したが
って、いずれの測定系においてもそのような不正確な数
値に基づいている限り、各測定値を疾患群別に分けて判
断するに至らず、バラツキも大きく、感染防御能の程
度、自己免疫による補体活性化に伴う組織障害の活動性
を正確に判断することは不可能である。
【0007】さらに、抗ヒトMBPモノクローナル抗体
を用いての血中ヒトMBPの濃度の定量を行なうとして
も、その抗ヒトMBPモノクローナル抗体が、ヒトMB
Pのマンノース結合部位を認識するものでなければ、血
中ヒトMBPの濃度を正確には測定することはできな
い。すなわち、ヒトMBPは、そのマンノース結合部位
が、生体侵入異物上のマンノースと結合することによ
り、種々の免疫機能を発揮することから、ヒトMBPの
作用は、そのマンノース結合部位の有無により決定され
ると考えられているので、定量目的が上記の作用の大小
を判断することにある限り、上記のマンノース結合部位
を認識する抗ヒトMBPモノクローナル抗体でなけれ
ば、その目的を達成することはできないのである。
【0008】エンザイムイムノアッセイのような免疫学
的測定法においては、用いる抗体の特異性、結合部位、
安定性等によって、その感度や精度が左右される。特に
ヒトMBPの場合には、生体侵入異物による補体活性化
の状態、すなわち感染防御の状態、自己免疫による補体
活性化に伴う組織障害の活動性の状態を判断できるよう
なデータが得られる適切な抗体を得ることは、重要なこ
とである。
【0009】
【発明の開示】本発明は、ヒトMBPのマンノース結合
部位を認識する抗ヒトMBPモノクローナル抗体を提供
するものであり、さらにそのモノクローナル抗体を用い
て、血中ヒトMBP及びその分解産物を定量する方法を
提供するものである。ヒトMBPのマンノース結合部位
を認識する抗ヒトMBPモノクローナル抗体を用いて酵
素免疫測定法を行なうことにより、血中ヒトMBP及び
その分解産物を定量し、その定量値により、生体侵入異
物による補体活性化、すなわち感染防御能の指標、自己
免疫による補体活性化に伴う組織障害の活動性の指標と
し得るレベルの精度および感度に優れた測定値を得るこ
とができる。
【0010】以下に本発明の実施例を揚げ、本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例では、ヒトM
BPのマンノース結合部位を認識する抗ヒトMBPモノ
クローナル抗体とマンナンまたは抗ヒトMBPウサギポ
リクローナル抗体を使用して、サンドイッチ法に基づく
酵素免疫測定法を行なった例が示されているが、これは
例示にすぎず、酵素免疫測定法としては、その他に第一
抗体固相法、二抗体法、エミット法(Enzyme M
ultiplied ImmunoassayTech
que:EMIT),エンザイムチャネリングイムノア
ッセイ法、酵素活性修飾物質標識イムノアッセイ法及び
リポソーム膜−酵素イムノアッセイ法などの競合法や、
サンドイッチ法、イムノエンザイムメトリックアッセイ
法、酵素活性増強イムノアッセイ法およびプロキシマー
ルリンケージイムノアッセイ法などの非競合法など、い
ずれも任意に選択使用することができる。
【0011】上記の測定法においては、固相担体として
は、抗原や抗体を効率良く吸着するポリスチレン、ポリ
カーボネイト、ポリプロピレンあるいはポリビニールを
材料とすることができ、また、その形状としては、ボー
ル、マイクロプレート、ステイック、試験管などの形状
とすることができる。
【0012】標識用酵素としては、ペルオキシダーゼ、
アルカリフォスファターゼあるいはβ−D−ガラクトシ
ダーゼなどが用いられ、また、それらの酵素活性の測定
方法としては、比色法、蛍光法、生物発光法あるいは、
化学発光法などのほか、使用目的に応じて任意好適な手
段を用いることができる。
【0013】酵素標識を付与する抗体としては、抗体含
有物を硫安分画して得られたIgG画分、その画分をD
EAE−セファセルのごとき陰イオン交換ゲルにより分
類精製した画分、更にはその画分をペプシン消化した
後、還元して得られる特異的結合部分Fab’フラグメ
ントを用いることができる。測定対象試料としては、採
取した血液を、血清あるいは血漿等の状態として用いる
ことが好ましい。
【0014】
【実施例】
実施例1 抗ヒトMBPモノクローナル抗体作製 (a)抗原−ヒトMBPの精製 ヒト血清を酵母マンナン−Sepharoseに添加
後、1M NaCl,50M CaClを含む50m
Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.8)でカラムの非吸着
画分を充分に洗浄した後,10mM EDTAを含む5
0mMトリス・塩酸緩衝液(pH7.8)でヒトMBP
画分を溶出させた。
【0015】次に、このヒトMBP画分を再びマンナン
−Sepharoseカラムに添加した後、50mMト
リス・塩酸緩衝液(1M NaCl,20M CaCl
含有、pH7.8)でそのカラムを洗い、非吸着画分
を除いた後、吸着しているヒトMBPを50mMマンノ
ースを含む50mMトリス・塩酸緩衝液(1M NaC
l,20M CaCl含有、pH7.8)で溶出させ
た。次に,このヒトMBP画分を、NonoQカラム
(Pharmacia−LKB社製)によるイオン交換
クロマトグラフィーを行ない単離した。
【0016】すなわちMonoQカラムを予め、50m
Mトリス・塩酸緩衝液(100mMNaCl含有、pH
8.0)で平衡化しておき、ヒトMBP画分をMano
Qカラムに吸着させた後、0.5M NaClまでの直
線的勾配溶出法を行なうと、ヒトMBPが0.25M
NaCl付近に溶出される。これを免疫源とする。ま
た、これを透折した後、0.1%になるようにBSAを
加え、凍結乾燥したものを精製MBPとする。前記のヒ
トMBP画分については、これを還元して、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を行なうと分子量320
00の蛋白が主たる成分であることが確認された。
【0017】(b)抗体産生細胞の調製 上記(a)で得られた精製ヒトMBP(10μg)をフ
ロイント完全アジュバンドでエマルジョンを作製して、
BALB/Cマウスへ初回免疫した。3週間後、62.
5mM NaClおよび0.031%ルブロール含有1
2.5mMトリス・塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解し
た前記の精製ヒトMBP10μgを追加免疫した。更に
最終免疫として、60日後、腹腔内投与(50μg/4
50μg:100mM NaClおよび0.05%ルブ
ロール含有20mMトリス−塩酸緩衝液、pH7.5に
溶解)により補助免疫し、3日後にマウス脾臓を取りだ
し、脾細胞を調製した。
【0018】(c)細胞融合 (1)以下の材料および方法を用いた。 RPMI 1640培地:RPMI No.1640
(Flow Lab.Inc.)に重炭酸ナトリウム
(24mM),ピルビン酸ナトリウム(1mM),ペニ
シリンGカリウム(50U/ml),硫酸ストレプトマ
イシン(50μg/ml)および硫酸アミカシン(10
0μg/ml)を加え、ドライアイスでpHを7.2に
調製し、0.2μm東洋メンブレンフィルターで除菌濾
過した。
【0019】NS−1培地:上記RPMI培地に、除菌
濾過した子牛胎児血清(M.A.Bioproduct
s)を,15%(v/v)の濃度に加えた。 PEG 4000溶液:RPMI培地のポリエチレング
リコール4000(PEG4000,Merck&C
o,Inc.)50%(w/w)無血清溶液を調製し
た。
【0020】8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞PS
U1との融合は、SelectdMethod in
cellular Immunology(ed.B.
B.Mishell and S.M.Shiig
i).W.H.Freemanand Company
(1980),351〜372に記載のOi等の方法を
若干改変して行なった。
【0021】(2)前記(b)で調製した有核脾細胞
(生細胞率100%)とミエローマ細胞(生細胞率10
0%)とを5:1の割合で融合した。脾臓細胞とミエロ
ーマ細胞とを別に前記のRPMI1640培地で洗浄し
た。次に同じ培地に懸濁し、融合させるため上記の割合
で混合した。容量50mlの円錐形スチロール樹脂製試
験管(Iwaki Glass)を用いて、40mlの
RPMI 1640培地中、400xg,10分間遠心
分離し、上清を完全に吸出した。
【0022】沈殿細胞に37℃加温、PEG4000溶
液0.2ml穏やかに撹拌しながら1分間で滴下し、更
に1分間撹拌し、細胞を再懸濁、分散させる。つぎに3
7℃加温RPMI 1640培地2.1mlを1分間で
滴下した。この操作を更に1回繰り返した後、同培地1
4.7mlを2〜3分間で常に撹拌しながら滴下し、細
胞を分散させた。これを、400xg,10分間遠心分
離し、上清を完全に吸引除去した。
【0023】次にこの沈殿細胞に、37℃加温NS−1
培地21mlを、速やかに加え、細胞の大きい塊を10
mlのピペットを用いて注意深くピペッテイングして分
散した。更に同培地42mlを加えて希釈し、ポリスチ
レン製96穴マイクロウエル(Iwaki Glas
s)に、1ウエル当たり6.0×10個/0.1ml
の細胞を加えた。なお、この時使用した96穴マイクロ
ウエルは、前処理として、0.2mlのNS−1培地を
加え、炭酸ガス培養器中(37℃)で一晩保温し、使用
時に培地を吸引除去した。細胞を加えた上記のマイクロ
ウエルを5%炭酸ガス/95%空気中で温度37℃、湿
度100%下に培養に付した。
【0024】(d)選択培地によるハイブリドーマの選
択的増殖 (1)使用した培地は下記の通りである。 HAT培地:前記(c)で述べたNS−1培地に、さら
にヒポキサンチン(100ml),アミノプテリン
(0.4μM)およびチミジン(16μM)を加えた。 HT培地:アミノプテリンを除去した以外は、上記HA
T培地と同一組成のものである。
【0025】(2)前記(c)の培養開始後1日目(翌
日)、細胞にパスツールピペットでHAT培地2滴(約
0.1ml)を加えた。2日目、3日目、5日目、8日
目、11日目にその都度培地の半分(0.1ml)を新
しいHAT培地で置き換え、14日目に培地の半分を新
しいHT培地で置き換えた。以降3〜4日ごとに培地の
半分を新しいHT培地で置き換えた(通常2〜3週間で
十分なハイブリドーマの生育が観察される)。ハイブリ
ドーマ生育ウエルについて、次項(e)に記載のイムノ
ブロット法により陽性ウエルをチエックした。
【0026】(e)イムノブロット法による抗ヒトMB
P抗体産生ハイブリドーマの検索 前記(a)で得られたヒトMBPを、SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動に付したのち、Immobil
on(Millipore社製)に転写した。前記
(d)の(2)における各培地の培養上清をこの転写膜
に反応させた後、ビオチン化抗マウス免疫グロブリン
(DAKO社製)、ペルオキシダーゼ標識アビジン(V
ector社製)を順次反応させた。最後に、ペルオキ
シダーゼの基質であるDAB(3,3’−Diamin
obenzidine)を添加して発色反応を行なっ
た。発色の結果より、ヒトMBPに反応する上記培養上
清をポジテイブとした。
【0027】(f)クローニング 前記(d)の操作後、各ウエル中には2種以上のハイブ
リドーマが生育している可能性があるので、抗体産出の
確認されたウエルのハイブリドーマについてクローニン
グを行なった。96穴培養プレートにHT培地を用いて
ハイブリドーマ2〜200個/100μl/ウエルで培
養を行ない、上清を再びイムノブロット法によるスクリ
ーニングにて抗体産生ウエルを検索して、ヒトMBPに
対するモノクローナル抗体産出のハイブリドーマ1株が
得られた(微工研菌寄第13158号)。
【0028】(g)モノクローナル抗体の生体外増殖お
よび生体内増殖 モノクローナル抗体の増殖は、常法に従った。すなわ
ち、得られた各ハイブリドーマをNS−1培地などの適
当な培養液で培養(生体外増殖)し、その培養上清から
10〜100μg/mlの濃度のモノクローナル抗体を
得ることができた。一方、大量抗体を得るために、1匹
当たり0.5mlの腫瘍形成促進剤プリスタン(2,
6,10,14−テトラメチルペンタデカン,Aldr
ich Chemical)を腹腔内投与した。1〜3
週間後に、各ハイブリドーマ1×10個を同じく腹腔
内投与し、さらにその1〜2週間後に生体内で産生され
た4〜7mg/mlのモノクローナル抗体を含む腹水を
得ることができた。
【0029】(h)モノクローナル抗体のアイソタイプ 前記(g)で得られた培養上清を用いて、オクタロニー
法にてモノクローナル抗体のアイソタイプを決定した。
すなわち、アイソタイプに特異性のあるウサギ抗マウス
IgG抗体(Zymed Lab.Inc.)と培養上
清との沈降反応によって、アイソタイプを決定した。得
られたモノクローナル抗体は、免疫グロブリン鎖γ1/
κであった。
【0030】(i)モノクローナル抗体の精製 前記(g)で得られた各腹水をアフィゲルプロテインA
MAPS−IIキット(Bio−Rad)を用いて精
製した。
【0031】実施例2 マンノースとモノクローナル抗体を用いたELISAに
よるヒトMBPの測定マンナン(Sigma社製)0.
5mg/ml(炭酸緩衝液,pH9.6)を96穴プレ
ート1ウエル当たり100μl添加し、4℃で一晩放置
してマンナンをプレートに吸着させた。
【0032】翌日、プレート上のマンナン液を捨て、各
ウエルをPBS−Tween(pH7.3)で洗浄した
後、測定対象試料を100μlずつ各ウエルに入れ、室
温で2時間反応させた。PBS−Tween(pH7.
3)でウエルを洗浄した後、実施例1で作製したモノク
ローナル抗体(1μg/ml PBS−Tween)を
100μlずつ各ウエルに添加して、37℃で1時間反
応させた。
【0033】各ウエルをPBS−Tween(pH7.
3)で洗浄した後、ビオチン化抗マウスIgG(DAK
O社製,1/200)を100μlずつ各ウエルに添加
して、37℃で1時間反応させた。各ウエルをPBS−
Tween(pH7.3)で洗浄した後、ABC法に従
い、アビジン−ビオチン複合体(Vectastain
社製)を反応させた後、パーオキシダーゼ標識ビオチン
により基質であるABTSを反応させて発色を行ない、
波長405nmにて吸光度を測定した。
【0034】予め、実施例1の(a)で得られた精製ヒ
トMBPを用いて、検量線を作成しておき、測定対象試
料についての上記の測定結果から試料中のヒトMBP量
を算出する。
【0035】実施例3 ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を用いたEL
ISAによるMBPの測定 (a)抗ヒトMBPポリクローナル抗体の作製 実施例1(a)で得られたヒトMBPをフロイント完全
アジュバンドと共にウサギに初回免疫する。すなわち
0.55mgのヒトMBPを1mlのアジュバンドとの
混合液として背部2ヵ所に皮下投与する。さらに、2ヵ
月間、2週間ごとに背部皮下に上記の混合液を用いて追
加免疫した。追加免疫ごとに、血液を採取し、得られた
各抗血清について、オクタロニー法を行ないヒトMBP
とのみ反応する抗ヒトMBPモノクローナル抗体を作製
した。その確認は、オクタロニー法とウエスタン ブロ
ット法により行なった。
【0036】(b)抗ヒトMBPモノクローナル抗体の
ビオチン化 実施例1で作製した抗ヒトMBPモノクローナル抗体を
プロテインAカラム−CL4Bで精製、濃縮する。その
溶液を、0.1Mホウ酸緩衝液(pH8.9)で透析
し、抗ヒトMBPモノクローナル抗体10mg/ml
(0.1M ホウ酸緩衝液pH8.9)を調製した。次
に、BNHS(ビオチニル−N−ヒドロキシサクシミ
ド:MW341.41)を、DMSOに溶解して、10
0μg/10μlとなるように調製する。BNHS10
μg/抗ヒトMBPモノクローナル抗体mgとなるよう
に調製し、室温で1晩放置する。その後、PBS(0.
02MPB pH7.0,0.15M NaCl)で透
析し、ビオチン化抗ヒトMBPモノクローナル抗体10
mg/0.9ml PBSを調製した。
【0037】(c)マイクロタイタープレートに前記実
施例3の(a)で得られたウサギ抗ヒトMBPポリクロ
ーナル抗体20μg/ml(PBS:0.02M P
B,pH7.0,0.15M NaCl)を100μl
ずつ各ウエルに添加し、室温で2時間、その後4℃で4
日間静置後、吸引、洗浄した。1% BSA含有PBS
を250μlずつ各ウエルに添加してブロッキング後、
吸引、洗浄した。0.1%BSA,0.1% Twee
n20,0.01%チメロサールを含むPBSで測定対
象試料を200倍希釈して被検体とし、それを100μ
lずつ各ウエルに添加し、室温で2時間反応させた後、
吸引、洗浄した。
【0038】その後、ビオチン結合マウス抗ヒトMBP
モノクローナル抗体を100μlずつ各ウエルに添加
し、4℃で1晩反応させた後、吸引、洗浄した。さら
に、ストレプトアビジン結合HRP(ニチレイ製)溶液
(100培希釈)を添加し、室温で90分間反応させた
後、吸引、洗浄し、O−フェニレンジアミン3mg/m
l(基質緩衝液:0.1Mクエン酸、0.2M Na
HPO,pH5.5,0.02%H,0.01
%チメロサール)を100μlずつ各ウエルに添加し
た。室温で30分間反応させた後、2N HClを10
0μlずつ各ウエルに添加し、波長492nmで吸光度
を測定した。実施例2と同様に、検量線により測定対象
試料中のヒトMBPを算出する。
【0039】実施例4 実施例1で作製したモノクローナル抗体のヒトMBPに
よる補体第1経路活性化におよぼす効果の検討 Ikedaらの方法(J.Biol.chem.266
7451−7454,1987)に従って調製した10
0μlの酵母マンノース感作ヒツジ赤血球(以下Ema
nnanと記す,1×10/ml GVB:ゼラチン
−ベロナール緩衝液)と同量のヒトMBPの溶液を37
℃,30分間反応させた。
【0040】次に、未反応のヒトMBPをGVBで洗
浄、除去し、得られたヒトMBP感作Emannanを
100μlのGVBに懸濁した後、前記実施例1で作製
したモノクローナル抗体の溶液100μlを加えて37
℃,30分間反応させた。次に反応物をGVBで洗浄し
た後、100μlのGVBに懸濁して、100μlのモ
ルモット血清と37℃,60分間反応させた。反応混合
液に1mlのEDTA−GVBを加えて反応を停止させ
遠心した後、上清について414nmの吸光度測定を行
なった。
【0041】得られた値を溶血率(y)として、yより
赤血球当たりの平均溶血サイト(z)を、式z=−ln
(1−y)に従って算出した。このzに基づき、次式よ
り前記モノクローナル抗体の溶血におよぼす阻止効果を
阻止率(%)として算出した。 阻止率(%)=(対照(Z)−被検体(Z)/対照
(Z))×100
【0042】ここで、対照(Z)とは、前記モノクロー
ナル抗体の非存在下での溶血率(y)より算出した場合
のZ値、被検体(Z)とは、前記モノクローナル抗体の
存在下での溶血率(y)より算出した場合のZ値であ
る。
【0043】添付図1に示されているとおり、前記モノ
クローナル抗体は、濃度依存的にヒトMBP感作Ema
nnanのモルモット補体による溶血反応を阻止した。
【0044】本発明に係るヒトマンノース結合蛋白のマ
ンノース結合部位を認識する抗ヒトマンノース結合蛋白
モノクローナル抗体は、ヒトMBPによる補体第1経路
活性化反応において、ヒトMBPの活性化部位又は、そ
の近傍に結合するものであり、ヒトMBPのマンノース
結合部位を認識するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒトMBPのマンノース結合部位を認
識するモノクローナル抗体が溶血作用を阻止する効果を
算出した結果をグラフに示したものであって、縦軸に阻
止率を、横軸に使用したモノクローナル抗体の濃度が示
されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/08 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトマンノース結合蛋白のマンノース結
    合部位を認識する抗ヒトマンノース結合蛋白モノクロー
    ナル抗体。
  2. 【請求項2】 ヒトマンノース結合蛋白のマンノース結
    合部位を認識する抗ヒトマンノース結合蛋白モノクロー
    ナル抗体を用いて血中に存在するヒトマンノース結合蛋
    白およびその分解産物を酵素免疫測定法により定量する
    ことを特徴とする血中ヒトマンノース結合蛋白およびそ
    の分解産物の定量法。
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