JPH0611958B2 - 不燃性乃至難燃性ペーパー - Google Patents

不燃性乃至難燃性ペーパー

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JPH0611958B2
JPH0611958B2 JP19805081A JP19805081A JPH0611958B2 JP H0611958 B2 JPH0611958 B2 JP H0611958B2 JP 19805081 A JP19805081 A JP 19805081A JP 19805081 A JP19805081 A JP 19805081A JP H0611958 B2 JPH0611958 B2 JP H0611958B2
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Description

【発明の詳細な説明】本発明は、不燃性乃至難燃性ペー
パー並びにその製造方法に関する。
紙は、現在各分野にわたり広い範囲で使用されている
が、その難点は燃え易いということである。紙に不燃性
乃至難燃性を付与できれば、さらに新しい分野が開拓さ
れるばかりでなく、現在の使用分野でも極めて有利とな
る。このため紙として要求される諸要素を維持したまま
で不燃性乃至難燃性を付与することが強く要望されてい
る。
本発明の目的は、上記要望にこたえることであって、本
発明のこの目的は(イ)炭酸カルシウムとシリとからな
る複合一次粒子が多数絡合して形成された複合二次粒子
が多数繊維質物質とからまり合いながら圧縮変形された
状態で連結して形成された紙葉体であって、且つ繊維質
物質の含量が固形分重量50重量%以下であり、(ロ)
上記連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場合にそ
の表面に割れを生ぜず、且つ(ハ)上記複合二次粒子
は、ワラストナイト族、トベルモライト族、トリカルシ
ウムシリケート水和物およびα−ダイカルシウムシリケ
ート水和物の群から選ばれた珪酸カルシウムの一次粒子
が多数絡合して形成された珪酸カルシウムの二次粒子を
水の存在下で炭酸ガスと接触せしめて珪酸カルシウム二
次粒子を炭酸カルシウムとシリカとの複合二次粒子に変
換させたものであることを特徴とする不燃性乃至難燃性
ペーパーを提供することによって達成される。
本発明のペーパーは、次の各点で特徴づけられる。
まず、炭酸カルシウムとシリとからなる複合一次粒子が
多数絡合してなる複合二次粒子が多数繊維質物質とから
まり合いながら圧縮変形された状態で連結して形成され
て紙葉体を構成しているという点である。この圧縮変形
された状態としては、上記複合二次粒子の形態がかなり
はっきりと残存している程度から該複合二次粒子が著し
く圧縮変形されてほとんど偏平化し、もとの複合二次粒
子の形をほとんど残さない程度にまで変形された状態ま
でが包含される。このように本発明のペーパーにおいて
は、いまだ複合二次粒子の形が残存した程度の変形から
ほとんど複合二次粒子の形が残らない程度まで著しく圧
縮変形されたものまで広い範囲でその変形状態が含まれ
る。
ついで、本発明のペーパーの第2の特徴としては、繊維
質物質の含量が50重量%以下であるという点である。
本発明のパーペーは、炭酸カルシウムとシリカからなる
複合二次粒子が主原料であって、ペーパーの填料として
使用されているものではなく、繊維質物質はあくまでも
副原料である。
本発明者の研究したところによると、繊維質物質の含量
が40重量%以下、特に30重量%以下になると炭酸カ
ルシウムとシリカからなる複合二次粒子を製造する際に
その原料として使用する珪酸カルシウムの種類によっ
て、得られる紙の強度に差が生ずることが判明した。特
に珪酸カルシウムがジャイロライトの場合には、得られ
る紙の強度が大きく低下するので、本発明ではジャイロ
ライトから得られた複合二次粒子は使用しない。また。
上記の原料として珪酸カルシウムがワラストナイト族の
場合には、繊維質物質の含量にはほとんど関係なく優れ
た強度を有する紙が得られることも同時に見出した。
第3の本発明ペーパーの特徴として上記複合二次粒子と
繊維質物質との連結状態が次の点で規定されていること
である。つまり、本発明のペーパーを曲率10mmRで捲
回した場合にその表面に割れを生じないということであ
る。このときの割れとは実質的に複合二次粒子の絡合に
よる連結状態が決裂した状態をいう。これは、本発明の
ペーパーの柔軟性乃至しなやかさを表している。
本発明のペーパーとして、さらに次の特徴を有するもの
が好ましい。
即ち、抄紙方向での裂断長が0.1Km以上であるとい
うことである。裂断長は次の式で表される。
このことは、本発明のペーパーがかなりの柔軟性乃至し
なやかさを有する反面、ある程度の引張りに対してもか
なりの抵抗力を有し、少々の引張り力では破けないこと
を示している。
また、本発明のペーパーは次のような性質を有してい
る。
つまり、その厚さは通常1mm以下であり、その坪量は4
00g/m以下である。
本発明のペーパーを調製するに際しては、炭酸カルシウ
ムとシリカからなる複合一次粒子が多数絡合して形成さ
れた複合二次粒子が水に分散した水性スラリーに、固形
分重量に対し50重量%以下の繊維質物質を添加混合
し、ついで抄紙する。
本発明の複合二次粒子が水に分散したスラリー自体は、
本願出願前にすでによく知られていたものであり、例え
ば特公昭55−23790号および特開昭52−135
899号を例示することができる。この複合二次粒子の
スラリーには、炭酸カルシウムとシリカとからなる複合
二次粒子とともに炭酸カルシウムの一次粒子が存在して
いてもよい。また、スラリーの製法自体は特に重要では
なく、むしろこの複合二次粒子のスラリーを製造する際
に使用する珪酸カルシウムの種類が重要である。
本発明者の研究によれば、次のことが明らかになった。
つまり、 (a)複合二次粒子のスラリーを調製する際に使用する
珪酸カルシウムの種類により、得られるペーパーの強度
の中で引張り強度が異なるということ。特にジャイロラ
イトから調製された複合二次粒子のスラリーからペーパ
ーを調製した場合には、その引張り強度はかなり低いの
で、本発明ではジャイロライトは用いないこととした。
(b)得られるペーパーの機械的強度のバラツキ即ち一
枚のペーパーでも場所によって著しく強度の差が生じる
という点についても、複合二次粒子を得る際に原料とし
て用いる珪酸カルシウムの種類によってそれが左右さ
れ、特ににジャイロライトを使用した場合には上記のバ
ラツキが著しいということ。
(c)ペーパーを製造する際の歩留りが、複合二次粒子
を得る際に原料として使用する珪酸カルシウムの種類に
よって異なり、特にジャイロライトを使用した場合に歩
留りが低くなること。
複合二次粒子からなるスラリーの代表的な製造方法は次
の通りである。
珪酸カルシウムの一次粒子が多数絡合して形成された珪
酸カルシウムの二次粒子を水の存在下で、炭酸ガスと接
触させて炭酸カルシウムとシリカの複合二次粒子のスラ
リーを調製する方法である。
珪酸カルシウム二次粒子に水の存在下で炭酸ガスを作用
させると該二次粒子を構成する珪酸カルシウムの一次粒
子は、その形状を残したままでシリカゲルと炭酸カルシ
ウムに変化し、斯くして珪酸カルシウム二次粒子は、崩
壊したり分散したりすることがなく、その形態を残して
シリカと炭酸カルシウムとの複合二次粒子となる。水と
珪酸カルシウムスラリーの固形分重量比は 0.1〜50:1が好ましい。また、炭酸ガスは、常
圧、加圧下のいずれの条件で接触させてもよいが、加圧
下で接触させる場合には、その処理時間が著しく短縮す
ることができる。このときの珪酸カルシウムの二次粒子
からなるスラリー自体も公知のものが使用でき、例えば
特公昭52−43494号、特公昭53−12526
号、特公昭53−18533号、特公昭54−4968
号、特公昭55−29952号に開示されたものを挙げ
ることができる。また、撹拌法以外の方法で調製された
二次粒子からなるスラリーも使用でき、例えば原料スラ
リーをオートクレーブ中で撹拌することなく、水熱反応
せしめ、必要に応じて若干粉砕したものなどを挙げるこ
とができる。これら珪酸カルシウムの二次粒子は、珪酸
カルシウムの一次粒子が多数三次元的に絡合してなるも
のである。
また、珪酸カルシウムの二次粒子は、その二次粒子とと
もに該珪酸カルシウム一次粒子が混在していてもよい。
この際に用いる珪酸カルシウムとしては、ワラストナイ
ト族、トベルモライト族、トリカルシウムシリケート水
和物およびα−ダイカルシウムシリケート水和物の群か
ら選ばれた少なくとも1種が使用できる。
ワラストナイト族としては、ゾーノトライト、フオシヤ
ジヤイト、β−ワラストナイトなどが例示でき、トベル
モライト族としては、トベルモライト、CSH(I)な
どが例示できる。尚、トベルモライトゲルは使用しな
い。
上記シリカと炭酸カルシウムとの複合二次粒子と混合し
て用いられる繊維質物質としては、有機質繊維ならびに
無機質繊維の1種または2種以上が使用でき、有機質繊
維としてはセルロース繊維の他にポリアミド、ポリエス
テル、ポリオレフィンのような各種合成繊維が例示で
き、無機質繊維としてはグラスファイバー、岩綿、石
綿、シリカファイバー、セラミックスファイバー、炭素
繊維、無機ウィスカーなどが例示できる。
また、上記繊維質物質の含量は、固形分重量に対し50
重量%以下であり、特に40重量%以下とするのが好ま
しい。繊維質物質含量が50重量%を上回ると難燃性が
実質的に発揮されなくなる。一方、上記含量が少なくな
り過ぎるとペーパーを10mmRで捲回した場合に割れが
生じ易くなる。その下限量は、繊維の種類、複合二次粒
子の種類、ペーパーの製造条件等により定まり特定でき
ないが、得られるペーパーを10mmRで捲回した場合に
割れを生じない範囲にあればよく、一般的には5重量%
以上とするのがよい。
繊維質物質を複合二次粒子スラリーに添加する場合、繊
維質物質を水に懸濁させ、有機質繊維の場合は好ましく
はこれを叩解してフィブリル化した後、複合二次粒子よ
りも含量が少なくなるように添加する。抄紙操作法、操
作条件などは、従来から用いられてきた方法でよく、サ
イズ剤などの添加剤は必要に応じ適宜添加する。上記添
加剤としては、紙力増強剤、撥水剤、耐湿性樹脂、合成
ゴムラテックス、難燃剤などの公知のものが例示でき、
これらは目的とする紙の用途に応じて混合、含浸または
塗工により添加することができる。
また、本発明のペーパーは次のような方法でも製造する
ことができる。
即ち、上記珪酸カルシウム二次粒子のスラリーに上記の
繊維質物質を混合し、常法に従って抄紙して珪酸カルシ
ウム紙を得、これを水の存在下で炭酸ガスと接触させ
て、紙を構成している珪酸カルシウム二次粒子をシリカ
と炭酸カルシウムとの複合二次粒子に接触させる方法で
ある。珪酸カルシウム紙を構成している個々の珪酸カル
シウム二次粒子は上記の反応により、崩壊したり分散し
たりすることなく、その形態を残したまま且つ相互の結
合状態に実質的に変化を伴うことなく、シリカと炭酸カ
ルシウムとの複合二次粒子に変化する。従って、珪酸カ
ルシウム紙は、紙の形状をそのまま保持してシリカと炭
酸カルシウムとの複合二次粒子を構成材料とする紙とな
る。
繊維質物質は、得られる珪酸カルシウム紙中の繊維質物
質の含量が50重量%以下となるように配合する。珪酸
カルシウムは、通常シリカと炭酸カルシウムとの複合二
次粒子に変換されることにより重量が増加するので繊維
質物質の配合量は固定分重量に対し50重量%を超えて
いてもよいことがある。珪酸カルシウム二次粒子を炭酸
カルシウムとシリの複合二次粒子に変換せしめる条件と
しては、水と珪酸カルシウム紙の重量比が 0.1〜50:1好ましくは1〜3:1であり、炭酸ガ
スは常圧、加圧のいずれでも接触できるが、加圧下の場
合はその処理時間を短縮することができる。珪酸カルシ
ウム紙より上記方法で製造されたペーパーは、複合二次
粒子スラリーより調製されたペーパーに比べ機械的強度
が優れている。
また、本発明の不燃性乃至難燃性ペーパーは、珪酸カル
シウム紙に比し耐酸性並びに吸湿性にも優れているとい
う特徴がある。
本発明の製造方法において、いずれの方法にしても上記
複合二次粒子を原料として使用するので、この粒子の大
きな表面積による広い接触面積が、繊維質物質の混抄を
極めて容易にし、該粒子が繊維質物質と分離して沈殿す
ることもなく、その結果得られた紙の地合が均一となる
利点がある。また、本発明方法において、抄紙後にカレ
ンダー処理を行なうことにより平滑で緻密な紙となり、
さらにスーパーカレンダー掛けを行なうことにより表面
に光沢を付与でき、美しい紙とすることができる。
本発明のペーパーは、不燃性乃至難燃性並びに防炎性に
優れているだけではなく、吸着性、吸脱湿性、断熱性、
電気絶縁性、加工性にも優れているので、従来から使用
されている難燃防炎壁材、天井材、ハニカムコア材、ク
ッションフロア材、工業用断熱材、パッキング材、電気
絶縁材、空調熱交換器用エレメント、ガス吸着シートな
どの用途にも有効に使用することができる。
また、本発明のペーパーは、これに有機質繊維、バイン
ダー、難燃剤などを添加した場合、燃焼時に有毒ガスな
どを発生したとしても、これらのガスは紙自体に吸着さ
れる。即ち、本発明のペーパーは、これらのガスの吸着
能を有し、例えばポリ塩化ビニルの場合、燃焼時に発生
する HClが吸着されることにより、全くまたは著しく低減
されたガスしか発生しない。
実施例1 生石灰47.4重量部、シリカフラワー52.6重量部
を水2400重量部と混合した後、オートクレーブ中に
装入し、温度200℃、圧力15Kg/cm2の飽和水蒸気
圧下で撹拌しながら5時間水熱反応せしめ、珪酸カルシ
ウム結晶のスラリーを得た。精製した珪酸カルシウム結
晶は第1図に示すX先回折分析結果からゾーノトライト
結晶であることが認められた。上記で得られたスラリー
を光学顕微鏡下で観察した。第2図は、その結果を示す
光学顕微鏡写真(200倍)である。第2図から明らか
なようにゾーノトライト結晶は直径が約10〜60μm
で鞠藻状のぼぼ球状の二次粒子を形成していることが認
められた。上記ゾーノトライト結晶の二次粒子を超音波
分散させ、電子顕微鏡下で観察した。第3図は、その結
果を示す電子顕微鏡写真(1万倍)である。第3図から
明らかなように上記二次粒子は、幅約0.03〜0.3
μm、長さ約1〜20μmの多数のゾーノトライト結晶
から構成されていることが認められた。
次いで、該スラリーを水対スラリーの固形分重量比が5
/1になるように調製し、容器に入れ20℃、常圧下で
炭酸ガスを1/分の割合で4時間流入し、炭酸化せし
め、スラリーを得た。生成物のX線回折分析結果は、第
4図に示す通りであり、炭酸化前のゾーノトライト結晶
に基くピークは消滅し、炭酸カルシウムのピークが認め
られた。
上記スラリーを光学顕微鏡下で観察した結果は第5図の
通りであり、ゾーノトライト結晶二次粒子はその形状を
残したまま直径が約10〜60μmで鞠藻状のほぼ球状
のシリカと炭酸カルシウムからなる複合二次粒子に変換
していることが認められた。第5図において、球状の複
合二次粒子上で濃く見えるのは炭酸カルシウム結晶の一
次粒子であり、炭酸カルシウム結晶の一次粒子は球状の
複合二次粒子の外に細かく点在している。これより出発
原料とするゾーノトライト二次粒子の形状は、炭酸化に
よってもそのまま保持されていることがわかる。上記複
合二次粒子はこれを超音波分散させて電子顕微鏡下で観
察した第6図から明らかなように、幅約0.03〜0.
3μm、長さ約1〜20μmのゾーノトライト結晶の晶
癖を残したままのシリカゲルと板状の炭酸カルシウムの
複合体からなることが認められた。
次いで、上記で得られたスラリーと叩解度SR26゜の
セルロース繊維(パルプ)を固形分重量比で4/1とな
るように調整したもの(No1)と同じく3/2に調整
したもの(No2)を水に均一に分散させ、これをタッ
ピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄紙
し、これをプレス後乾燥させ、厚さ0.35mm(N
o.1及びNo.2)のペーパーをそれぞれ得た。この
ときの歩留りはNo1は93%、No2は96%であっ
た。
得られたペーパー特性は、第1表の通りである。
尚、得られたペーパーの繊維質物質の含量の測定方法
は、該ペーパーを酸処理後、水洗してカルシウム分を除
去し、さらに水酸化ナトリウムで珪酸分を溶解除去し、
残った繊維質物質の重量(%)を測定することにより行
なった。また、難燃性試験方法は、JISA1322の
メッケルバーナー法に準拠し、加熱時間を3分間として
炭化長、残炎、残塵を測定し、その合否を測定した。ま
た、pHは、JISP8133の紙および板紙のpH試
験方法にしたがって測定した。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
尚、本発明における捲回試験方法は、得られたペーパー
を曲率10mmRの円柱状の棒に1回巻き付け、そのとき
のペーパーの表面の割れの有無を調べることにより行な
った。
実施例2 生石灰47重量部と珪石粉53重量部を水2400重量
部と混合した後、オートクレーブに装入し、温度200
℃、圧力15Kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌しながら
5時間水熱反応せしめ、ゾーノトライト結晶よりなるス
ラリーを得た。
上記で得られたスラリーを光学顕微鏡下で観察すると、
直径が約10〜60μmで鞠藻状のほぼ球状の二次粒子
がみられ、該スラリーを超音波分散させて電子顕微鏡下
で観察したところ幅約0.03〜0.3μm、長さ約1
〜20μmの多数のゾーノトライト針状結晶がみられ
た。
ついで、上記で得られたゾーノトライト二次粒子よりな
るスラリーと叩解度SR26゜のセルロース繊維(パル
プ)を固形分重量比で4/1となるように調整したもの
を水に均一に分散させ、これをタッピースタンダードマ
シン(目数100メッシュ)で抄紙し、これをプレス後
乾燥させた。これにより得られた珪酸カルシウム紙の特
性は下記の通りであり、また曲率10mmRで捲回して
もその表面に割れを生じないものであった。
・繊維質物質含有量 20% ・坪 量 195g/m ・密 度 0.50g/cm ついで上記で得られた珪酸カルシウム紙を水対紙の固形
分重量比が0.3/1になるように調整した後、容器に
入れ20℃、常圧下で炭酸ガスを1/分の割合で10
時間流入し、炭酸化せしめ、ついで乾燥させ、厚さ0.
39mmのペーパーを得た。
これをX線回折分析したところ、炭酸化前のゾーノトラ
イト結晶に基くピークは消失しており、炭酸カルシウム
結晶のピークとパルプのピークが認められた。
得られたペーパーの特性は第2表の通りである。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
実施例3 実施例2と同様にして珪酸カルシウム紙を得た。この珪
酸カルシウム紙の特性は下記の通りであり、また曲率1
0mmRで捲回してもその表面に割れを生じないもので
あった。
・繊維質物質含有量 20% ・坪 量 187g/m ・密度 0.53g/cm 次いで、上記珪酸カルシウム紙を水対紙の固形分重量比
が2/1になるように調製した後、容器に入れ20℃、
常圧下で炭酸ガスを1/分の割合で5時間流入し、炭
酸化せしめ、ついで乾燥させ、厚さ0.35mmのペー
パーを得た。
これをX線回折分析したところ、炭酸化前のゾーノトラ
イト結晶に基くピークは消失しており、炭酸化カルシウ
ム結晶のピークとパルプのピークが認められた。
得られたペーパーの特性は第3表の通りである。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
実施例4 実施例2と同様にして珪酸カルシウム紙を得た。この珪
酸カルシウム紙の特性は下記の通りであり、また曲率1
0mmRで捲回してもその表面に割れを生じないもので
あった。
・繊維質物質含有量 20% ・坪 量 202g/m ・密 度 0.48g/cm 次いで、上記珪酸カルシウム紙を水対紙の固形分重量比
が0.3/1になるように調製した後、圧力容器に入れ
20℃、3圧力、Kg/cm2で炭酸ガスを1.5時間流入
し、炭酸化せしめ、ついで乾燥させ、厚さ0.42mm
のペーパーを得た。
これをX線回折分析したところ、炭酸化前のゾーノトラ
イト結晶に基くピークは消失しており、炭酸化カルシウ
ム結晶のピークとパルプのピークが認められた。
得られたペーパーの特性は第4表の通りである。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
実施例5 沈降容積48mlに調製した石灰乳(生石灰として47重
量部)と珪石粉53重量部と水を混合して、水対固形分
重量比を24:1に調製した後、オートクレーブに装入
し、温度200℃、圧力15Kg/cm2の飽和水蒸気圧下
で撹拌しながら、4時間水熱反応せしめ、ゾーノトライ
ト結晶よりなるスラリーを得た。
ついで、上記スラリーを実施例1と同様に炭酸化せしめ
て得たスラリーと叩解度SR26゜のセルロース繊維
(パルプ)を固形分重量比で3/2となるように調整し
たものを水に均一に分散させ、これをタッピースタンダ
ードマシンで抄紙し、これをプレス後乾燥させ、厚さ
0.38mmのペーパーを得た。
この時の歩留りは、93%であった。
尚、沈降容積の測定方法は米国特許第4162924号
に記載された方法に従い、水対石灰の固形分重量比が2
4倍の石灰乳50mlを直径が1.3cm、容積が50ml以
上の円柱状容器中で20分間静置した後、石灰粒子が沈
降した容積(ml)を測定することにより行なった。
得られたペーパーの特性は第5表の通りである。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
実施例6 生石灰74.4重量部と珪石粉100.6重量部を水2
100重量部と混合した後、これを内容積3の撹拌機
つきオートクレーブに入れ、密閉後加熱し、温度191
℃、圧力12Kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌しながら
5時間水熱反応させめた。
反応終了後、徐冷して常圧に戻し、オートクレーブから
スラリー状の反応生成物を取り出した。
これをX線回折分析を行なった結果、この反応生成物
は、トベルモライトを主体とするスラリーであることが
判明した。
上記で得られたスラリーを光学顕微鏡下で観察すると、
直径が約10〜100μmでほぼ球状の二次粒子がみら
れた。
次いで、上記スラリーを実施例1と同様の方法で炭酸化
せしめて得たスラリーと叩解度SR30゜のパルプを固
形分重量比で4/1となるように調製したものを水に均
一に分散させ、これをタッピースタンダードマシン(目
数100メッシュ)で抄紙し、これをプレス後乾燥さ
せ、厚さ0.32mmのペーパーを得た。
この時の歩留りは、93%であった。
得られたペーパーの特性は第6表の通りである。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
実施例7 生石灰81.2重量部とシリカフラワー68.8重量部
を水2100重量部と混合した後、これを内容席3の
撹拌機つきオートクレーブに入れ、密閉後加熱し、温度
200℃、圧力15Kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌し
ながら25時間水熱反応させた。
反応終了後、徐冷して常圧に戻し、オートクレーブから
スラリー状の反応生成物を取り出した。
これをX線回折分析を行なった結果、この反応生成物
は、フオシヤジヤイトを主体とするスラリーであること
が判明した。
上記で得られたスラリーを光学顕微鏡下で観察すると、
直径が約10〜50μmでほぼ球状の二次粒子がみられ
た。
次いで、上記で得られたスラリーを実施例1と同様に炭
酸化せしめたスラリーと、叩解度SR30゜のパルプと
を固形分重量比で4/1となるように調整したものを水
に均一に分散させ、これをタッピースタンダードマシン
(目数100メッシュ)で抄造した後、これをプレス後
乾燥させ、厚さ0.34mmのペーパーを得た。
得られたペーパーの特性は第7表の通りである。
また、上記で得たペーパーを曲率10mmRで捲回したと
ころ、その表面に割れを生じなかった。
比較例1 5%のホワイトカーボンスラリー(SiOとして7
1.60g)と水酸化カルシウムスラリー(CaOとし
て33.40g)を大気圧下、25℃で1時間混合した
後、オートクレーブに入れ、温度200℃、圧力15Kg
/cm2の飽和水蒸気圧下で撹拌しながら15時間水熱反
応させた。
反応終了後、X線回折分析を行なった結果、この反応生
成物は、ジヤイロライト型珪酸カルシウムであることが
判明した。
ついで、上記で得られたスラリーを実施例1と同様に炭
酸化せしめたスラリーと叩解度SR30゜のパルプを固
形分重量比で4/1となるように調整したものを水に均
一に分散させ、これをタッピースタンダードマシン(目
数100メッシュ)で抄造した後、これをプレス後乾燥
させ、厚さ0.31mmのペーパーを得た。
この時の歩留りは、60%であった。
得られた紙の特性は第8表の通りである。
【図面の簡単な説明】第1図は、実施例1で得られた珪
酸カルシウム結晶のX線回折分析の結果である。 第2図は、実施例1で得られたゾーノトライト二次粒子
の光学顕微鏡写真(200倍)である。 第3図は、第2図で示したゾーノトライト二次粒子を構
成するゾーノトライト一次粒子の電子顕微鏡写真(1万
倍)である。 第4図は、実施例1においてゾーノトライト結晶のスラ
リーを炭酸化処理して得られた生成物のX線回折分析の
結果である。 第5図は、第2図に示したゾーノトライト二次粒子を炭
酸化して得られる炭酸カルシウムとシリカゲルの複合二
次粒子の光学顕微鏡写真(200倍)である。 第6図は、第5図に示した複合二次粒子を構成する炭酸
カルシウムとシリカからなる複合一次粒子の電子顕微鏡
写真(1万倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/52 9059−5G

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)炭酸カルシウムとシリカとからなる
    複合一次粒子が多数絡合して形成された複合二次粒子が
    多数繊維質物質とからまり合いながら圧縮変形された状
    態で連結して形成された紙葉体であって、且つ繊維質物
    質の含量が50重量%以下であり、 (ロ)上記連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場
    合に、その表面に割れを生ぜず、且つ (ハ)上記複合二次粒子は、ワラストナイト族、トベル
    モライト族、トリカルシウムシリケート水和物およびα
    −ダイカルシウムシリケート水和物の群から選ばれた珪
    酸カルシウムの一次粒子が多数絡合して形成された珪酸
    カルシウム二次粒子を水の存在下で炭酸ガスと接触せし
    めて、珪酸カルシウム二次粒子を炭酸カルシウムとシリ
    カとの複合二次粒子に変換させたものであること を特徴とする不燃性乃至難燃性ペーパー。
  2. 【請求項2】炭酸カルシウムとシリカとからなる複合一
    次粒子が多数絡合して形成された複合二次粒子と固形分
    重量に対し50重量%以下の繊維質物質との混合物の水
    性スラリーを抄造することを特徴とする不燃性乃至難燃
    性ペーパーの製造方法。
  3. 【請求項3】(イ)ワラストナイト族、トベルモライト
    族、トリカルシウムシリケート水和物およびα−ダイカ
    ルシウムシリケート水和物の群から選ばれた珪酸カルシ
    ウムの二次粒子が多数繊維質物質とからまり合いながら
    圧縮変形された状態で連結して形成された紙葉体であっ
    て、且つ繊維質物質の含量が50重量%以下であり、 (ロ)上記連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場
    合に、その表面に割れを生じない珪酸カルシウム紙を水
    の存在下で炭酸ガスと接触せしめて、珪酸カルシウム二
    次粒子を炭酸カルシウムとシリカとの複合二次粒子に変
    換せしめることを特徴とする不燃性乃至難燃性ペーパー
    の製造方法。
  4. 【請求項4】繊維質物質の含量が40重量%以下である
    特許請求の範囲第1項記載の不燃性乃至難燃性ペーパ
    ー。
  5. 【請求項5】珪酸カルシウムが、ワラストナイト族珪酸
    カルシウムである特許請求の範囲第1項記載の不燃性乃
    至難燃性ペーパー。
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