JPH0611767Y2 - 印刷及び記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、印刷機能及び記録機能を併せて有する印刷及
び記録装置に関する。

従来技術 サーマルヘツドを用いて感熱性孔版原紙に孔を開け、こ
れを謄写用の原版として用いる印刷方法はすでに提案さ
れている。又、サーマルヘツドによつて感熱紙に記録を
行なう記録方法は、例えばフアクシミリ装置等において
しばしば用いられている。

一般に謄写印刷システムでは、多数枚の印刷を安価に行
なうことができるが、少数枚の印刷に関しては、原紙価
格が一枚当りの印刷価格に対して割り高となる。他方、
感熱紙を用いた記録方法では、少数枚の複製は低価格で
行なうことができるものの多数枚の複製は、謄写印刷シ
ステムに比べて割り高となる。このことから従来は、一
枚の原稿から複製品を得るにあたつて、多数枚の複製品
を要求する場合には謄写印刷システムを利用し、一方少
数枚の複製品を要求する場合には感熱紙を用いた直接記
録方法が採用されており、従つて少なくとも謄写印刷装
置及び記録装置の２つの装置が必要であつた。

単に複製品の枚数の多少に対応させるという理由のみで
２つの装置を用意するということは、極めて不経済であ
る。

目的 本考案は、上記の点に鑑み、複製品の多少にかかわらず
経済的な複製作業を行なうことのできる印刷及び記録装
置を提供することを目的とする。

構成 前記の目的を達成するため、本考案による印刷及び記録
装置は、次のように構成されている。

すなわち、原稿の読み取りを行うセンサと、前記センサ
からの読み取り信号に基づいて発熱する多数の発熱体を
有する単一のサーマルヘツドと、感熱ロール原紙取付装
置と、前記サーマルヘツドによって孔像を担持するに至
った感熱ロール原紙を巻き付ける版胴と、感熱紙の収納
部と、印刷用紙を収納する給紙台と、記録された感熱紙
を受ける受台と、印刷された印刷用紙を受ける排紙台と
を有し、感熱ロール原紙又は感熱紙のいずれかを選択し
て上記サーマルヘツドまで送り、感熱ロール原紙を選択
した場合、感熱ロール原紙は上記サーマルヘツドによっ
て原稿画像の逆像の孔像が形成され、ついで前記版胴に
巻き付けられて前記給紙台より供給される印刷用紙への
印刷に使用され、印刷された印刷用紙は前記排紙台へ案
内され、感熱紙が選択された場合、感熱紙は前記サーマ
ルヘツドによって原稿画像の正像を感熱記録されて前記
受台へ案内されるのである。

以下、本考案をその実施例を示す図面を用いて説明す
る。

第１図は本考案に係る印刷及び記録装置を用いた印刷及
び記録装置の側断面図である。図において、印刷又は記
録すべき原稿１は、装置上部に配置された等倍型読み取
りセンサ２によつて読み取られる。読み取り作業を終え
た原稿１は、受台３へ排出される。読み取りセンサ２か
らの読み取り信号は、適当な信号処理を受けた後、サー
マルヘツド４に送られる。

サーマルヘツド４は、その下面に多数の発熱体（図示せ
ず）を有し、上記のセンサ２から送られた読み取り信号
に基づいてそれらの発熱体を選択的に発熱させる。

サーマルヘツド４の右側には、収納部であるカセツト５
内に収納された感熱紙６が配置されている。感熱紙６は
その最上紙が、一枚毎に左方へ送り出される。他方、サ
ーマルヘツド４の左側には、取付装置である回転軸７に
取り付けられた感熱ロール原紙８が配置されている。こ
の感熱ロール原紙８は右方に送り出される。

感熱紙６及び感熱ロール原紙８はいずれも、送り出され
た後サーマルヘツド４とそのサーマルヘツド４の下方に
配置されたプラテンローラ９との間に送り込まれるよう
になつているが、いずれの紙をサーマルヘツド４に送り
込むかはオペレータの選択によつて決められる。

感熱紙６が、選択されてサーマルヘツド４まで送られる
と、その感熱紙６の上には、センサ２からの読み取り信
号に基づいて発熱する前記の発熱体の作用により原稿１
の画像と対応する像が記録される。記録作業を終えた感
熱紙６は受台３へ排出される。結果的に受台３には、原
稿１及びその原稿の複製品の両方が排出される。

感熱ロール原紙８は、第２図に示すように、感熱フイル
ム層１２とベース層１３とを接着剤１４で貼り合わせた
構造から成つており、感熱ロール原紙８が選択されてサ
ーマルヘツド４まで送られた場合には、サーマルヘツド
４の発熱体１５が直接に感熱フイルム層１２に接触す
る。感熱ロール原紙８は感熱紙６の送り方向と逆方向か
ら送り込まれ、しかもサーマルヘツド４の走査態様自体
は上記した感熱紙６の場合と変わりがないから、発熱体
１５の発熱により感熱フイルム層１２に開けられる孔
は、原稿１の画像の逆像を形成する。

こうして原稿１の画像の逆像に対応する孔像を担持する
に至つた感熱ロール原紙８は、それ以後、印刷のための
謄写原紙として用いられることになり、まず版胴１６に
巻き付けられる。巻き付けられた謄写原紙としての感熱
ロール原紙８は、第３図において、原紙のベース層１３
（第２図）がシルクスクリーン１７の側（インキ供給
側）になつている。

原紙８が版胴１６に巻き付けられると、装置の右下部に
配置された給紙台１８から印刷用紙１９が送り出され、
圧ローラ２１によつて原紙８に押し付けられ、そして印
刷作業を受ける。この印刷作業中、原紙８の孔像（逆
像）は印刷用紙１９の上に正像となつて現われる。印刷
を受けた用紙は排紙台２２に排出される。

尚、符号２３は版胴１６から原紙を取り外すための排版
装置である。

以上のようにこの装置では、１つのサーマルヘツド４を
用いて感熱紙６又は感熱ロール原紙８のいずれか一方に
書き込みを行なうことができ、感熱紙６に書き込みを行
なつたときには通常の記録作業が行なわれ、一方感熱ロ
ール原紙８に書き込みを行なつたときには印刷作業が行
なわれる。従つて、多くの複製品を得ようとする場合に
は、感熱ロール原紙８をサーマルヘツド４へ送るように
して印刷作業を選択し、少ない複製品で足りるときには
感熱紙６に記録を行なう記録作業を選択すれば、経費が
安く済む。

又、この装置では、感熱紙６と感熱ロール原紙８の送り
方向を互いに逆方向とすることにより、１つのサーマル
ヘツド４で感熱ロール原紙８に逆像を得るようにしてい
るので、その他に画像反転のための機構あるいは電気回
路を必要とせず、故に装置全体を極めて安価に製作する
ことができる。

効果 以上のように本考案によれば、１つのサーマルヘツドを
用いて感熱性ロール孔版原紙から謄写用原紙を作ること
又は感熱紙に直接記録をすることができるので、記録作
業又は印刷作業を自由に選択することができる。従つ
て、要求する複製品の数の多少にかかわらず常に複製作
業を安価に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す印刷及び記録装置の全
体側断面図、第２図は第１図における感熱ロール原紙８
の説明図、第３図は感熱ロール原紙８の版胴１６への装
着状態を示す図である。 ４……サーマルヘツド ８……感熱ロール原紙（感熱性ロール孔版原紙） ６……感熱紙

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷機能及び記録機能を併せ有する印刷及
   び記録装置であって、原稿の読み取りを行うセンサと、
   前記センサからの読み取り信号に基づいて発熱する多数
   の発熱体を有する単一のサーマルヘツドと、感熱ロール
   原紙取付装置と、前記サーマルヘツドによって孔像を担
   持するに至った感熱ロール原紙を巻き付ける版胴と、感
   熱紙の収納部と、印刷用紙を収納する給紙台と、記録さ
   れた感熱紙を受ける受台と、印刷された印刷用紙を受け
   る排紙台とを有し、感熱ロール原紙又は感熱紙のいずれ
   かを選択して上記サーマルヘツドまで送り、感熱ロール
   原紙を選択した場合、感熱ロール原紙は上記サーマルヘ
   ツドによって原稿画像の逆像の孔像が形成され、ついで
   前記版胴に巻き付けられて前記給紙台より供給される印
   刷用紙への印刷に使用され、印刷された印刷用紙は前記
   排紙台へ案内され、感熱紙が選択された場合、感熱紙は
   前記サーマルヘツドによって原稿画像の正像を感熱記録
   されて前記受台へ案内されることを特徴とする印刷及び
   記録装置。
2. 【請求項２】サーマルヘツドを固定して配置し、感熱ロ
   ール原紙の送り方向と感熱紙の送り方向とを互いに逆方
   向としたことを特徴とする、実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載の印刷及び記録装置。