JPH06116304A - 耐熱性樹脂板の製造方法 - Google Patents

耐熱性樹脂板の製造方法

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JPH06116304A
JPH06116304A JP4267106A JP26710692A JPH06116304A JP H06116304 A JPH06116304 A JP H06116304A JP 4267106 A JP4267106 A JP 4267106A JP 26710692 A JP26710692 A JP 26710692A JP H06116304 A JPH06116304 A JP H06116304A
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polymerization
weight
monomer
resin plate
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JP4267106A
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English (en)
Inventor
Takanori Watase
貴則 渡瀬
Kazuhiko Hashisaka
和彦 橋阪
Tadayoshi Matsunaga
忠與 松永
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い表面精度、厚み精度及び均質性を有する
耐熱性樹脂を得る。 【構成】 ガラス板と軟質塩化ビニル製ガスケットとに
より、2枚のガラス板の間隔が2mmになるようにセル
を形成する。このセル中に、N−イソプロピルマレイミ
ド26.5g、スチレン18.5g、ジビニルベンゼン
5.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.05gを混
合、溶解させたモノマ混合物を注入し、60℃の水浴中
で2時間重合させる(キャスト重合)。その後、180
℃の空気中で2時間重合させ、耐熱温度が130℃以上
の樹脂板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性樹脂板の製造方
法、特に、キャスト重合を含む耐熱温度130℃以上の
樹脂板の製造方法に関する。この方法によって得られる
樹脂板は、例えば、光学フィルタ用基板、液晶表示素子
用基板、オーバーヘッドディスプレイ基板、光ディスク
用基板、光学レンズ等の光学用耐熱性樹脂板、あるいは
従来ガラスが使用されていた光学部品のガラスの代替と
して好適に使用される。
【0002】
【従来の技術及びその課題】一般に樹脂材料は、軽量
で、耐衝撃性、加工性及び大量生産性に優れていること
から、多くの分野において需要が拡大しており、その各
分野に応じた特性が要求されている。耐熱性は、その特
性のなかで最も強く要求されるものの1つである。
【0003】従来耐熱性を要求しなかった分野において
も、樹脂が適用される機器の高性能化に伴い、高度の機
能を付与するため高温での加工処理が必要となる等の理
由から、材料樹脂の耐熱性向上が求められている。一
方、耐熱性樹脂の観点からみれば、単なる耐熱性に止ま
らず従来の耐熱性樹脂では達成し得ない高度の機能が要
求されていることになる。液晶表示素子用基板等の光学
材料用途の樹脂は、その代表例である。
【0004】耐熱性樹脂板の成形法として、射出成形
法、圧縮成形法、押し出し成形法、連続キャスト成形
法、キャスト重合成形法等がある。そのうち、圧縮成形
法、押し出し成形法、連続キャスト成形法は、高い表面
精度及び板厚精度が要求される用途には利用できない。
耐熱性樹脂板の代表的な成形法として射出成形法がある
が、射出成形法では、金属製金型又はそれに準ずる金型
を使用することから、高い表面精度及び板厚精度の実現
において難点がある。また、射出成形法では、低複屈折
性等の光学的特性に適う高機能耐熱性樹脂板の成形は困
難である。これは、光学材料用樹脂には高い表面精度・
板厚精度に加えて光学的均一性も要求されるが、一般に
樹脂の耐熱性を高めると溶融粘度の制御が難しくなるか
らである。現在、射出成形法で成形され得る光学材料用
樹脂には、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、アモルファスポリオレフィン及びポリ
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の透明
性樹脂があるが、いずれも耐熱性において不充分であ
り、表示装置用光学フィルタや液晶表示素子用基板等の
高度な耐熱性を要求されるものには適用しにくい。
【0005】キャスト重合成形法では、ガラス同様に美
麗な表面と正確な板厚を有する樹脂板を得ることがで
き、得られた樹脂板は、その高い表面精度と合成樹脂の
好ましい物性とがあいまって、産業用から家庭用まで広
く使用されている。特に、光学レンズ等の光学材料用樹
脂の成形には、キャスト重合成形法は、高い表面精度及
び厚み精度が得られ最適である。
【0006】ところが、キャスト重合は塊状重合である
ため重合熱を取り除くことが困難であり、重合速度・重
合温度の制御が非常に難しく重合の暴走が起こりやす
い。重合の暴走が起こると、外観・特性共に不均一な
(特に光学材料としては不適当な)樹脂板しか得られな
い。換言すれば、キャスト重合成形法を用いて光学用耐
熱性樹脂を得る場合、光学的均一性を保つために重合速
度・温度の精密な制御が必要である。そのためには、有
効な熱媒を用いて重合熱の蓄積を防ぎ、放散を促す必要
がある。
【0007】外観・特性共に均一な耐熱性樹脂をキャス
ト重合成形法で成形するには、ガラス転移温度以上での
重合・硬化が不可欠である。また、特に重合初期におい
ては、重合熱の速やかな放散のため熱容量の大きい媒体
を用いる必要がある。したがって、重合初期において
は、空気浴を用いることはできない。熱容量の大きな媒
体として水浴及びオイル浴があるが、オイル浴の場合は
重合終了後の重合容器及び成形樹脂板の洗浄が困難であ
る。水浴の場合は100℃以上での重合が行えないとい
う問題がある。たとえば、ガラス転移温度が130℃の
場合には、光学的に均一な耐熱性樹脂板を製造するの
に、重合時の最高温度を130℃以上に設定する必要が
あり、水浴のみを用いた重合はできない。
【0008】本発明の目的は、高い表面精度、厚み精度
及び均質性を有する耐熱性樹脂を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】基本構成 本発明に係る製造方法は、一般式(1)で表される不飽
和単量体の単独重合及び/又は少なくとも2種類以上の
共重合により製造され、耐熱温度が130℃以上である
樹脂板の製造方法であって、 前記不飽和単量体を含むモノマー系を用いて100℃
以下の水又は水蒸気浴中でキャスト重合を行う第1重合
工程、 前記キャスト重合工程で得られた重合系を用いて、
〔前記キャスト重合工程での終了温度−10℃〕以上の
温度で空気中で重合を行う第2重合工程(好ましくは、
その最高温度が130℃以上である)、を含んでいる。
【0010】
【化6】
【0011】一般式(1)中、A及びBは、水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロ
ゲン原子で置換された炭化水素基である。X及びYは、
水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原
子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水
素基、(CH2 n COOR1 、(CH2 n OCOR
1 、(CH2 n CN、(CH2 n CONR1 2
(CH2 n OCOR1、(CH2 n COOZ、(C
2 n OCOZ、(CH2 n OZ、(CH2n
iR1 2 3 、又はXとYとから構成された
【0012】
【化7】
【0013】であり、X及びYのうち少なくとも1つは
水素原子及び炭化水素基から選ばれた基以外の基であ
る。なお、R1 、R2 及びR3 は水素原子又は炭素数1
〜20の炭化水素基、Zは炭化水素基又はハロゲン原子
で置換された炭化水素基、nは0〜10の整数である。
炭化水素基にはベンゼン環を有するものも含まれる。材料の説明 前記モノマー系は、例えば、ジビニルベンゼンを含有し
かつ一般式(2)で表される単量体30〜98重量%
と、一般式(3)で表される単量体0.1〜5.0重量
%と、一般式(4)で表される化合物を0.01〜0.
4重量%と、他の不純物飽和化合物とを含有し、かつ前
記一般式(3)で表される単量体と前記一般式(4)で
表される化合物と前記他の飽和化合物との合計重量割合
が0.11〜5.01重量%である組成物からなる。
【0014】
【化8】
【0015】一般式(2)中、R4 及びR5 は、水素、
メチル基及びエチル基から選ばれる置換基である。
4 、R5 については、それぞれが同種であっても異種
であってもよい。R6 は、炭素数1〜20のアルキル
基、アリール基、アラルキル基及びシクロアルキル基か
ら選ばれる置換基である。R6 の具体例としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、オクチル基及びオクタデ
シル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基及びイソペンチル基等
の分岐状アルキル基;シクロヘキサン基及びメチルシク
ロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基及びメ
チルフェニル基等のアリール基;及びベンジル基及びフ
ェネチル基等のアラルキル基等がある。
【0016】さらに、R4 、R5 及びR6 は、フッ素、
塩素及び臭素等のハロゲン基、シアノ基、カルボキシル
基、スルホン酸基、ニトロ基、ヒドロキシ基、及びアル
コキシ基等の各種置換基で置換されたものであってもよ
い。
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】一般式(3),(4)中、R7 、R8 は、
炭素数1〜4のアルキル基、アリール基及びアラルキル
基から選ばれる置換基である。R9 は、水素、炭素数1
〜4のアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選
ばれる置換基である。前記モノマー系は、さらに具体的
には、例えば、イソプロピルマレイミドを30〜60重
量%、シクロヘキシルマレイミドを0〜30重量%、ス
チレンを20〜40重量%、α−メチルスチレンを0〜
15重量%、及びジビニルベンゼンを2〜15重量%を
含有し、かつこれらの合計重量割合が97重量%以上で
ある組成物からなる。前記ジビニルベンゼンはパラ体を
30重量%以上含んでいるのが好ましい。
【0020】また、耐熱性、機械的強度等を向上させる
には、一般式(5)で表されるマレイミド系単量体を2
0〜98%含有する組成物を共重合させることが好まし
い。
【0021】
【化11】
【0022】一般式(5)中、Rは水素及び炭素数1〜
20の炭化水素基から選ばれる置換基を表す。R10、R
11は水素、メチル基及びエチル基から選ばれる置換基を
表す。R10とR11については、それぞれが同種であって
も、異種であってもよい。R12が炭化水素基である場
合、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、オクチル基及びオクタデシル基等の直鎖状アルキル
基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基及びイソペンチル基等の分枝状アルキル基;シク
ロヘキシル基及びメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭
化水素基;フェニル基及びメチルフェニル基等のアリー
ル基;ベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基を
挙げることができる。
【0023】さらに、R10、R11及びR12は、フッ素、
塩素、臭素等のハロゲノ基、シアノ基、アルボキシル
基、スルホン酸基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ等の各種置換基で置換されたものであってもよい。一
般式(5)で示される化合物の具体例としては、N−メ
チルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−
m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニ
ルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−
ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェ
ニルマレイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミ
ド、N−p−メトキシフェニルマレイミド、N−o−ク
ロロフェニルマレイミド、N−m−クロロフェニルマレ
イミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−o−
カルボキシフェニルマレイミド、N−p−カルボキシフ
ェニルマレイミド、N−p−ニトロフェニルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−イソプロピルマレイミド等が挙げられる。
【0024】これらのマレイミド系単量体は、1種ある
いは2種以上の混合物であってもよい。また、かかるマ
レイミド化合物の中でも、黄変度及び耐候性の点から
は、特に、アルキルマレイミド及びシクロアルキルマレ
イミドが好ましく、N−イソプロピルマレイミド及びN
−シクロフキシルマレイミドがさらに好ましい。さらに
は、キャスト重合時のモノマ溶液の調製の容易さ及び前
記特性を満足させ得るという点から、N−イソプロピル
マレイミドとN−シクロヘキシルマレイミド等のN−ア
ルキルマレイミドとN−脂環式アルキルマレイミドとの
併用が最も好ましい。併用時のN−アルキルマレイミド
とN−脂環式アルキルマレイミとの比率は、実験的に定
められるべきものであるが、併用の効果を十分に発現さ
せるためには、N−アルキルマレイミド100重量部に
対して、N−脂環式アルキルマレイミド10重量部〜5
00重量部が好ましい。
【0025】本発明において使用され得る重合開始剤と
しては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパ
ーオキシド、ラウロイルパーオキシド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルパーオキシド、イソプロピルパーオキシジ
カーボネート、イソブチルパーオキシジカーボネート、
イソブチルパーオキシド、アセチルシクロヘキシルスル
ホニルパーオキシド等のラジカル開始剤を使用すること
ができる。また、酸化還元系の重合開始剤(たとえばパ
ーオキシドとアミン類の組合せ)を使用することもでき
る。これらの重合開始剤は、2種以上を混合しても使用
できる。
【0026】また、硬化剤、硬化促進剤、ラジカル発生
性開始剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染
料、耐候性安定剤、香料、可塑剤等が添加されていても
よい。使用できるモノマー系は、単独の単量体であって
も、何種かの単量体の混合物であっても、重合体と単量
体の混合物であってもよい。単量体の具体的な例として
は、芳香族ビニル系単量体、オレフィン系ビニル単量
体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系
単量体、フマレート系単量体、マレイミド系単量体、エ
ポキシ系化合物、ウレタン系化合物等が挙げられる。さ
らに具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸又はメタクリル酸と脂肪族、芳香族又は脂環族アルコ
ールとのエステル類、ヒドロキシアルキルエステル類等
のアクリル系モノマ;スチレン、α−メチルスチレン、
クロロスチレン等のスチレン系モノマ;及び無水マレイ
ン酸、フマール酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カル
ボン酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の不飽和モノ
マ等が挙げられる。その他、不飽和ポリエステル、エポ
キシ樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト等でもよい。光学特性及び耐熱性が必要な用途には、
マレイミド系単量体とメタクリル系単量体あるいはスチ
レン系単量体との混合物が好ましく用いられる。たとえ
ば、液晶表示素子用基板向けの光学用板状物の場合、多
官能単量体で3次元架橋されたものが好ましい。多官能
単量体としては、多官能マレイミド、芳香族多官能単量
体、多価アルコールのジ−、トリ−、テトラ−(メタ)
アクリレート酸、ジアリル化合物、ジエン類、ホスファ
ゼン骨格を有する多官能単量体、異原子環状骨格を有す
る多官能単量体等が挙げられる。また、より具体的に
は、ジビニルベンゼン及びエチレングリコールジメタク
リレートが挙げられる。
【0027】モノマー系の選択にあたっては、得られる
耐熱性樹脂板のガラス転移温度が180℃以上となるよ
うにするのが好ましい。ただし、得られる樹脂板は、熱
可塑性でも熱硬化性でもよい。方法の説明 キャスト重合による耐熱性樹脂板の製造方法について、
詳細に説明する。なお、ここでは、重合初期に集中して
重合熱が多量に発生することに着目し、重合初期におい
て水浴あるは水蒸気浴を用い、ある程度樹脂の硬化が進
んだ後に空気浴中に重合系を移して重合反応を継続させ
る。これにより、重合熱の蓄積を防ぎ、重合の暴走を抑
えることができ、外観・特性共に均一な樹脂板を製造す
ることができる。
【0028】まず、重合可能な不飽和単量体等に重合開
始剤を均一に溶解させる。そして、美麗な表面を有する
モールド(好ましくは、美麗な表面を有する2枚のガラ
ス板の間に、樹脂製チューブ及び線状物からなり内部の
線状物の径を変化させるだけで容易に樹脂板の板厚を変
化させることを可能とした樹脂板製造用ガスケットを挟
んだモールド)に、前記重合開始剤を均一に溶解させた
不飽和単量体等を充填しシールする。ここで用いるガス
ケットは、樹脂製チューブと線状物からなるものが好ま
しく使用できる。そのため、たとえば締め具の力や熱等
で樹脂製チューブが変形しても、内部の線状物は形態を
保持するため、板厚精度の優れた樹脂板を製造できる。
また、内部の線状物の径を変化させるだけで、容易に製
造する樹脂板の板厚を変化させることができる。さら
に、樹脂製チューブが変形することにより、線状物単独
では得ることができないモノマのシール性を得ることが
できる。なお、前記モールドから製造され得る樹脂板の
厚さは、0.1〜5mm、好ましくは0.5〜3mmで
ある。
【0029】充填、シールした前記モールドを、25〜
90℃(好ましくは30〜80℃)の水浴もしくは水蒸
気浴(湿度95〜100%RH)に没し、充填した不飽
和単量体がほぼ硬化し終わるまで放置する。そのときの
重合率は、溶媒抽出法による測定で、40%以上(好ま
しくは60%以上)である。放置時間は、不飽和単量体
の種類及び種類数、重合開始剤の種類及び濃度による
が、0.1〜48時間、好ましくは0.5〜3時間、さ
らに好ましくは1〜2時間である。放置中、浴中の温度
は一定であることが望ましいが、±10℃の範囲で上下
することは差し支えない。また、放置中任意の昇温速度
を与え温度勾配をかけても良い。
【0030】単量体がある程度硬化し重合系がゲル化し
た後、モールドを水浴もしくは水蒸気浴から室温・空気
中に引き上げ、30〜250℃、好ましくは(水浴もし
くは水蒸気浴の最終温度−10℃)の温度〜250℃で
ある空気浴中での重合・硬化を引き続き行う。重合時間
及び空気浴内温度の昇温温度・降温速度は、特に限定さ
れるものではないが、空気浴内での重合開始温度から重
合最高温度までの昇温時間は0.5〜2時間、重合最高
温度以降の降温時間は0.5〜2時間が好ましい。ま
た、重合最高温度及びその保持時間に関しては、130
〜250℃の範囲で一定温度(誤差は、±10℃以下が
望ましい)保持時間が、少なくとも0.1時間以上(好
ましくは0.5〜2時間)である。
【0031】重合系の温度が60〜120℃(好ましく
は70〜90℃)になった後、モールドから樹脂板を離
形する。離形する際の雰囲気媒体は、特に限定されない
が、離形後の樹脂板の洗浄の容易さのため、空気又は水
が好ましい。また、離形時の媒体の温度は、空気の場合
は室温で良い。また、水浴の場合は、モールドの材質に
もよるが、ガラスモールドの場合はモールド表面温度よ
り10〜50℃(望ましくは20〜30℃)低い温度が
好適に使用される。
【0032】なお、本発明に用いられる反応装置(重合
槽、離形槽等)は、本発明の目的を阻害しないものであ
れば特に限定されない。本発明に係る耐熱性樹脂板の製
造方法は、電気・電子、航空機、自動車及び光学材料等
の分野で用いられる耐熱性樹脂板の製造方法として好適
に用いられる。そのうち、光学材料用樹脂板の製造に関
しては、高い表面精度及び厚み精度が得られ最適であ
る。特に、表示装置用光学フィルタや液晶表示用基板、
光ディスク基板等の用途に適した透明性及び耐熱性を兼
ね備えた樹脂板を得ることができる。
【0033】
【実施例】実施例において使用される板厚は、JIS
K6911に規定された方法に基づいて、(株)ミツト
ヨ製接触式ダイヤルゲージIDA−112Mにより測定
した。ガラス転移温度は、JIS K−7121に規定
された方法に基づいて、Metller社製DSC30
により測定した。軟化温度は、(株)島津製作所製TM
A30を使用し、針進入モードにより測定した。なお、
変位曲線の変曲点をもって軟化温度とした。全光線透過
率及びYI値(黄変度)は、スガ試験機(株)製SMカ
ラーコンピュータにより測定した。空気中170℃で加
熱処理を2時間行い、そのYI値と加熱処理前のYI値
の差をΔYIとした。
【0034】実施例1 大きさ300mm×300mmかつ厚さ5mmのガラス
板と軟質塩化ビニル製ガスケットとにより、2枚のガラ
ス板の間隔が2mmになるようにセルを形成した。この
セル中に、N−イソプロピルマレイミド106.0g、
スチレン74.0g、ジビニルベンゼン20.0g、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2gを混合、溶解させた
モノマ混合物を注入し、60℃の水浴中で2時間重合さ
せた。その後、180℃の空気中で2時間重合させ、樹
脂板を得た。得られた樹脂板の特性値を表1に示す。
【0035】得られた樹脂板は透明で、表面が美麗なも
のであった。また、均質性にも優れていた。実施例2 実施例1において、N−イソプロピルマレイミド94.
0g、N−シクロヘキシルマレイミド20.0g、スチ
レン74.0g、ジビニルベンゼン12.0g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.2gを混合、溶解させたモノ
マ混合物を注入したこと以外は実施例1と同様にして、
樹脂板を得た。得られた樹脂板の特性値を表1に示す。
【0036】得られた樹脂板は透明で、表面が美麗なも
のであった。また、均質性にも優れていた。実施例3 実施例1において60℃の水浴中で重合させた代わり
に、60℃の水蒸気浴中で重合させたこと以外は実施例
1と同様にして、樹脂板を得た。得られた樹脂板の特性
値を表1に示す。
【0037】得られた樹脂板は透明で、表面が美麗なも
のであった。また、均質性にも優れていた。比較例1 実施例1において60℃の水浴中で重合させた代わりに
60℃の空気中で重合させたこと以外は実施例1と同様
にして、樹脂板を得た。
【0038】得られた樹脂板は、表面に凹凸があり、ま
た非常に脆いものであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、100℃以下の水又は
水蒸気浴中でキャスト重合を行い、その後に、(前記キ
ャスト重合での終了温度−10℃)以上の温度で空気中
で重合を行うので、高い表面精度、厚み精度及び均質性
を有する耐熱性樹脂を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/02 MLY 7242−4J 220/52 MNC 7242−4J 222/40 MNC 7242−4J 230/08 MNU 7242−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される不飽和単量体の単
    独重合及び/又は少なくとも2種類以上の共重合により
    製造され、耐熱温度が130℃以上である樹脂板の製造
    方法であって、 前記不飽和単量体を含むモノマー系を用いて100℃以
    下の水又は水蒸気浴中でキャスト重合を行う第1重合工
    程と、 前記キャスト重合工程で得られた重合系を用いて、(前
    記キャスト重合工程での終了温度−10℃)以上の温度
    で空気中で重合を行う第2重合工程と、を含む耐熱性樹
    脂板の製造方法。 【化1】 〔式中:A及びBは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
    1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子で置換された
    炭化水素基である。X及びYは、水素原子、炭素数1〜
    20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換
    された炭素数1〜20の炭化水素基、(CH2 n CO
    OR1 、(CH2 n OCOR1 、(CH 2 n CN、
    (CH2 n CONR1 2 、(CH2 n OCO
    1 、(CH2n COOZ、(CH2 n OCOZ、
    (CH2 n OZ、(CH2 n SiR 1 2 3 、又
    はXとYとから構成された 【化2】 であり、X及びYのうち少なくとも1つは水素原子及び
    炭化水素基から選ばれた基以外の基である。なお、
    1 、R2 及びR3 は水素原子又は炭素数1〜20の炭
    化水素基、Zは炭化水素基又はハロゲン原子で置換され
    た炭化水素基、nは0〜10の整数である。〕
  2. 【請求項2】前記第2重合工程はその最高温度が130
    ℃以上である、請求項1に記載の耐熱性樹脂板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記モノマー系は、ジビニルベンゼンを含
    有しかつ一般式(2)で表される単量体30〜98重量
    %と、一般式(3)で表される単量体0.1〜5.0重
    量%と、一般式(4)で表される化合物を0.01〜
    0.4重量%と、他の不純物飽和化合物とを含有し、か
    つ前記一般式(3)で表される単量体と前記一般式
    (4)で表される化合物と前記他の飽和化合物との合計
    重量割合が0.11〜5.01重量%である組成物から
    なる、請求項1に記載の耐熱性樹脂板の製造方法。 【化3】 〔式中:R4 及びR5 は、水素、メチル基及びエチル基
    から選ばれる置換基である。R6 は、炭素数1〜20の
    アルキル基、アリール基、アラルキル基及びシクロアル
    キル基から選ばれる置換基である。〕 【化4】 【化5】 〔式中:R7 、R8 は、炭素数1〜4のアルキル基、ア
    リール基及びアラルキル基から選ばれる置換基である。
    9 は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基
    及びアラルキル基から選ばれる置換基である。〕
  4. 【請求項4】前記モノマー系は、イソプロピルマレイミ
    ドを30〜60重量%、シクロヘキシルマレイミドを0
    〜30重量%、スチレンを20〜40重量%、α−メチ
    ルスチレンを0〜15重量%、及びジビニルベンゼンを
    2〜15重量%を含有し、かつこれらの合計重量割合が
    97重量%以上である組成物からなる、請求項3に記載
    の耐熱性樹脂板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ジビニルベンゼンはパラ体を30重量
    %以上含んでいる、請求項4に記載の耐熱性樹脂板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】ガラス転移温度が180℃以上である、請
    求項1ないし5のいずれかに記載の耐熱性樹脂板の製造
    方法。
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