JPH06116215A - 2−アルキル−4−アルコキシ−5−アミノフェノール誘導体又はその塩及びこれを使用する角質繊維染色剤組成物 - Google Patents

2−アルキル−4−アルコキシ−5−アミノフェノール誘導体又はその塩及びこれを使用する角質繊維染色剤組成物

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JPH06116215A
JPH06116215A JP27171092A JP27171092A JPH06116215A JP H06116215 A JPH06116215 A JP H06116215A JP 27171092 A JP27171092 A JP 27171092A JP 27171092 A JP27171092 A JP 27171092A JP H06116215 A JPH06116215 A JP H06116215A
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alkyl
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alkoxy
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Akira Kiyomine
章 清峰
Tadashi Tamura
正 田村
Yoshinori Nishizawa
義則 西澤
Hidetoshi Tagami
英敏 田上
Toru Yoshihara
徹 吉原
Kenichi Matsunaga
賢一 松永
Masahiko Ogawa
真彦 小川
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式(1) 【化1】 で表わされる2−アルキル−4−アルコキシ−5−アミ
ノフェノール誘導体又はその塩、並びにカップリング物
質として該化合物(1)及び顕色物質を含有する角質繊
維染色剤組成物。 【効果】 カップリング物質として本発明化合物(1)
を用いると、彩度、染着力及び堅ろう性に優れ、しかも
保存安定性の良好な角質繊維染色剤組成物を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な2−アルキル−4
−アルコキシ−5−アミノフェノール誘導体又はその
塩、及びこれを含有する、彩度、染着力及び堅ろう性に
優れ、かつ保存安定性の良好な角質繊維染色剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】毛髪等の角質繊維の染色には、従来、顕
色物質とカップリング物質とを組み合わせて用いる、い
わゆる酸化染色剤が広く使用されている。この酸化染色
剤は顕色物質とカップリング物質との酸化カップリング
によって生じる、いわゆる酸化色素が毛髪等を強く染色
することを利用したものである。
【0003】従来、この顕色物質としては、一般にp−
フェニレンジアミン誘導体、p−アミノフェノール誘導
体、ジアミノピリジン誘導体、4−アミノピラゾロン誘
導体、複素環状ヒドラゾン等が、またカップリング物質
としては、α−ナフトール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、2,6−ジメチルフェノール、2,5−ジメチ
ルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−
ジメチルフェノール、ベンズカテキン、ピロガロール、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキ
シナフタレン、5−アミノ−2−メチルフェノール、ヒ
ドロキノン、2,4−ジアミノアニソール、m−トルイ
レンジアミン、o−アミノフェノール、レゾルシン、レ
ゾルシンモノメチルエーテル、m−フェニレンジアミ
ン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
フェニル−3−アミノ−5−ピラゾロン、1−フェニル
−3,5−ジケトピラゾリジン、1−メチル−7−ジメ
チルアミノ−4−ヒドロキシキノロン−2、1−アミノ
−3−アセチルアセトアミノ−4−ニトロベンゾール、
1−アミノ−3−シアンアセチルアミノ−4−ニトロベ
ンゾール、m−アミノフェノール、4−クロロレゾルシ
ン、2−メチルレゾルシン、2,4−ジアミノフェノキ
シエタノール、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジ
アミノトリフルオロメチルベンゼン、2,4−ジアミノ
フルオロベンゼン、3,5−ジアミノフルオロベンゼ
ン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、
2,4,6−トリアミノピリミジン、2−アミノ−4,
6−ジヒドロキシピリミジン、4−アミノ−2,6−ジ
ヒドロキシピリミジン、4,6−ジアミノ−2−ヒドロ
キシピリミジン、p−ニトロ−o−フェニレンジアミ
ン、2−アミノ−5−ニトロフェノール、p−ニトロ−
m−フェニレンジアミン、o−ニトロ−p−フェニレン
ジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール等が使用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
酸化染色剤は、彩度、染着力及び堅ろう性において充分
に満足できるものではなかった。そして、かかる諸性質
はカップリング物質の特性によって大きく左右されるこ
とから、カップリング物質として優れた性質を有する物
質を見出すことは、優れた酸化染色剤を得る上で極めて
重要である。そこで、本出願人は、彩度、染着力及び堅
ろう性に優れたカップリング物質を求めるべく検討して
きたところ、次の一般式(2)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R5 は低級アルキル基を示し、R
6 及びR7 は水素原子、ヒドロキシ基が置換していても
よいアルキル基、ハロゲン原子が置換していてもよい低
級アルカノイル基、アリールカルボニル基又は低級アル
キルスルホニル基を示す)で表わされる2−アルキル−
4−メトキシ−5−アミノフェノール誘導体又はその塩
が、カップリング物質として満足すべき性能を有するこ
とを見出し、先に特許出願した(特開平3−58915
号、特開平3−135912号、特開平3−17385
2号)。
【0007】しかし、この2−アルキル−4−メトキシ
−5−アミノフェノール誘導体又はその塩(2)は彩
度、染着力及び堅ろう性に優れた特性を有するものの、
製造後の保存方法によっては、分解が起こって残存率が
減少するため、彩度や染着力が低下する等の問題が生ず
る場合があった。従って、彩度、染着力及び堅ろう性に
優れ、しかも保存安定性の良好なカップリング物質が望
まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で
表わされる新規な2−アルキル−4−アルコキシ−5−
アミノフェノール誘導体及びその塩が、カップリング物
質として優れた特性を有し、しかも保存安定性も良好で
あることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 は低級アルキル基を示し、R
2 及びR3 は同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ
基が置換していてもよいアルキル基、ハロゲン原子が置
換していてもよい低級アルカノイル基、アリールカルボ
ニル基又は低級アルキルスルホニル基を示し、R4 は炭
素数2以上の低級アルキル基を示す。ただし、R2 及び
3 が同時に水素原子である場合を除く)で表わされる
2−アルキル−4−アルコキシ−5−アミノフェノール
誘導体又はその塩を提供するものである。
【0012】また、本発明は、当該化合物(1)をカッ
プリング物質として含有する角質繊維染色剤組成物を提
供するものである。
【0013】本発明において、前記一般式(1)中、R
1 で示される低級アルキル基としては、例えば炭素数1
〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、具体的
にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。ま
た、R2 及びR3 のうち、ヒドロキシ基が置換していて
もよいアルキル基としては、上記R1 で示される低級ア
ルキル基及び当該低級アルキル基に1又は2以上のヒド
ロキシ基が置換した基が挙げられる。低級アルカノイル
基としては、例えば炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のア
ルカノイル基が挙げられ、具体的には、ホルミル基、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、
イソバレリル基等が挙げられる。これらの低級アルカノ
イル基はハロゲン原子が1又は2以上置換していてもよ
く、かかるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等が挙げられる。また、アリールカルボニ
ル基としては、例えばベンゾイル基、ナフトイル基等が
挙げられ、低級アルキルスルホニル基としては、例えば
メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられ
る。更に、R4 で示される炭素数2以上の低級アルキル
基としては、例えば炭素数2〜5の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基が挙げられ、具体的にはエチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等
が挙げられる。これらのうち、高い彩度等の染色性能と
保存安定性の両方を考慮すると、エチル基が特に好まし
い。
【0014】本発明の2−アルキル−4−アルコキシ−
5−アミノフェノール誘導体(1)は、例えば次の反応
式に従って製造される。
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R1 及びR4 は前記と同じ意味を
有し、R8 及びR9 は低級アルキル基を示し、R10はア
リールカルボニル基又は低級アルキルスルホニル基を示
し、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜4の整数を示
す)
【0017】すなわち、化合物(3)にジアルキル硫酸
(4)又はハロゲン化アルキル(5)を反応させて化合
物(6)となし、これを加水分解して化合物(7)を
得、次いでこれを還元することにより化合物(8)を得
ることができる。この化合物(8)をω−クロロアルキ
ルクロロフォルメート(9)でアシル化して化合物(1
0)となし、更にこれを環化、加水分解することにより
化合物(1a)が得られる。一方、化合物(8)に酸無
水物(11)、酸ハライド(12)等の化合物を反応さ
せることにより、化合物(1b)を得ることができる。
また、化合物(8)に酸ハライド(13)等の化合物を
反応させて化合物(14)を得、更にこれを加水分解す
ることにより、化合物(1c)を得ることができる。
【0018】原料の3−アルキル−4−アルキルスルホ
ニルオキシ−6−ニトロフェノール(3)は、例えば特
開昭62−240960号公報に記載の方法などにより
製造することができる。この化合物(3)と化合物
(4)又は(5)との反応は、例えば炭酸ナトリウム等
の塩基の存在下で昇温することにより行われ、化合物
(6)の加水分解は常法に従い、例えばアルカリの存在
下に行うのが好ましい。
【0019】また、化合物(7)の還元は、通常のニト
ロ基の還元方法によって実施できるが、接触水添又は酢
酸水溶液−鉄による還元方法が簡便かつ効率的である。
接触水添では触媒としてパラジウム、白金、銅、ニッケ
ル等が用いられる。溶媒としてはメタノール、エタノー
ル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド等がよい。また
反応温度は室温から使用する溶媒の沸点の範囲、水素圧
は1〜250kg/cm2の範囲で実施できる。還元終了後
触媒を濾別し、濾液を濃縮後蒸留あるいは再結晶により
極めて容易に精製することができる。鉄−酢酸水溶液に
よる還元方法は、酢酸水溶液と混合可能な触媒、例えば
メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を必要に応じて
加え過剰の鉄の存在下加熱還流することにより実施され
る。
【0020】化合物(8)の化合物(9)、(11)、
(12)又は(13)によるアシル化又はアルキルスル
ホニル化は、通常のアシル化又はアルキルスルホニル化
反応と同様の条件、例えば塩基の存在下に昇温すること
により行われる。また化合物(10)の環化反応及び加
水分解、及び化合物(14)の加水分解は常法に従っ
て、行われる。
【0021】反応後、反応混合物より本発明化合物
(1)を単離するには、通常の方法、例えば再結晶、カ
ラムクロマトグラフィー等を行えばよい。
【0022】かくして得られる本発明の2−アルキル−
4−アルコキシ−5−アミノフェノール誘導体(1)
は、製剤化の取り扱い性向上のため、常法により、例え
ば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ク
エン酸等の無機又は有機酸の塩とすることができる。
【0023】本発明の角質繊維染色剤組成物は、本発明
化合物(1)をカップリング物質とし、これと通常の顕
色物質を含有するものである。本発明において、顕色物
質としては、通常酸化染色剤に一般に使用されているも
のを使用することができ、例えば、p−フェニレンジア
ミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p
−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、5−ア
ミノサリチル酸、4−アミノ−2−クロロフェノール、
メトキシ−p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノ
ピリジン、p−メチルアミノフェノール、テトラアミノ
ピリミジン、2,4−ジアミノフェノール、o−アミノ
フェノール、o−クロロ−p−フェレンジアミン、4,
4′−ジアミノジフェニルアミン、N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)−p−フェレンジアミン等が挙げら
れる。これらのうち、特にp−アミノフェノール、5−
アミノサリチル酸、4−アミノ−2−クロロフェノール
等のアミノフェノール誘導体が好ましい。
【0024】本発明の染色剤組成物への顕色物質と2−
アルキル−4−アルコキシ−5−アミノフェノール誘導
体又はその塩(1)との配合割合は、一方が他方に比べ
過剰となっても差し支えないが、モル比で1:0.5〜
1:2程度であることが好ましい。また顕色物質及びカ
ップリング物質は、共に単独又は2種以上を組み合わせ
て使用することができる。また、本発明の染色剤組成物
には、所望の色調を得るため必要であれば、公知のカッ
プリング物質、直染性染料等を配合することができる。
【0025】本発明の染色剤組成物は、空気中の酸素に
よっても酸化カップリングを生起し、毛髪等を染色する
が、化学的酸化剤を添加することにより酸化カップリン
グを生起させるのがより好ましい。特に好ましい酸化剤
としては、過酸化水素;過酸化水素が尿素、メラミン又
は硼酸ナトリウムに付加した生成物;このような過酸化
水素付加物と過酸化カリウム−二硫酸との混合物等が挙
げられる。
【0026】本発明の染色剤組成物は通常、クリーム、
エマルジョン、ゲル、溶液等の剤型で提供されるのが好
ましい。このような剤型とするには、前記顕色物質及び
カップリング物質に、通常化粧品分野において用いられ
る湿潤剤(乳化剤)、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、感
触向上剤、整髪基剤、香料等を添加し、常法に従って製
造すればよい。ここで用いられる湿潤剤(乳化剤)とし
ては、例えばアルキルベンゼンスルホネート、脂肪アル
コールサルフェート、アルキルスルホネート、脂肪酸ア
ルカノールアミド、エチレンオキシドと脂肪アルコール
との付加生成物等が挙げられる。また増粘剤としては、
例えばメチルセルロース、デンプン、高級脂肪アルコー
ル、パラフィン油、脂肪酸等が挙げられ、安定化剤とし
ては、例えば亜硫酸塩等の還元剤、ヒドロキノン誘導
体、キレート剤等が挙げられ、感触向上剤、整髪基剤と
しては、例えばシリコーン、高級アルコール、各種非イ
オン界面活性剤等の油剤、各種のカチオンポリマー等が
挙げられる。
【0027】これらの剤型における顕色物質とカップリ
ング物質との配合量は、合計で0.001〜10重量%
(以下、単に%で示す)、特に0.01〜5%が好まし
い。湿潤剤(乳化剤)は通常0.5〜30%、増粘剤は
0.1〜25%配合されるのが好ましい。またこれらの
剤型において、組成物全体のpHは6〜11程度に調整さ
れるのが好ましい。
【0028】本発明の染色剤組成物を用いて角質繊維を
染色するには、例えば本発明染色剤組成物に酸化剤を添
加して酸化カップリングを行って染色液を調製し、この
染色液を角質繊維に適用し、5〜50分、好ましくは2
5〜30分前後の作用時間をおいて角質繊維を洗浄した
後、乾燥すればよい。ここで、染色液の適用は15〜4
0℃で行われる。
【0029】
【発明の効果】叙上の如く、顕色物質とカップリング物
質からなる角質繊維染色剤組成物において、カップリン
グ物質として2−アルキル−4−アルコキシ−5−アミ
ノフェノール誘導体又はその塩(1)を用いると、良好
な染色性、耐変褪色性、耐洗浄性及び耐摩擦性を有する
高彩度の色調を得ることができ、しかもカップリング物
質を長期保存した後に配合しても角質繊維染色剤組成物
の彩度や染着力は低下しない。
【0030】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】実施例1 (1)アセトン500mlに、4−メシルオキシ−5−メ
チル−2−ニトロフェノール200g、ジエチル硫酸7
20g及び炭酸ナトリウム510gを加え、24時間加
熱還流した。冷却後、水2lに注ぎ、クロロホルム2l
で抽出した。飽和食塩水で洗浄、無水芒硝で乾燥した
後、減圧下に溶媒を留去し、褐色結晶を得た。これをヘ
キサン−アセトン(2:1)混合溶媒から再結晶して、
4−エトキシ−2−メチル−5−ニトロフェニルメシレ
ート192gを得た。収率86%。 (2)メタノール1200mlに、4−エトキシ−2−メ
チル−5−ニトロフェニルメシレート141.6g(5
15mmol)、3規定水酸化ナトリウム水溶液200mlを
加え、2時間加熱還流した。冷却後、塩酸で中和し、水
3000mlに注いで結晶を析出させた。これを濾過、水
洗して、4−エトキシ−2−メチル−5−ニトロフェノ
ール(含水)114.1gを得た。これは乾燥せずに次
の反応に用いた。 (3)1200mlオートクレーブに、上記で得られた4
−エトキシ−2−メチル−5−ニトロフェノール(含
水)30g、5%パラジウム炭素3.0g、エタノール
500mlを加え、水素圧50kg/cm-1、50℃で6時間
攪拌した。冷却後、触媒を濾別し、濾液を減圧下に溶媒
留去して、赤褐色結晶を得た。これをシリカゲルカラム
クロマト(Merck Si60、230〜400メッ
シュ、200g、溶出溶媒 酢酸エチル)にかけ、50
0〜200ml溶出分を減圧下に100mlまで濃縮した。
これにヘキサン400mlを加えて析出した結晶を濾過、
乾燥して、5−アミノ−4−エトキシ−2−メチルフェ
ノールの淡赤色結晶を10.5g(62.9mmol)得
た。4−エトキシ−2−メチル−5−ニトロフェニルメ
シレートからの収率47%。
【0032】(4)ジオキサン50mlに、5−アミノ−
4−エトキシ−2−メチルフェノール10.0g(5
9.9mmol)、炭酸カルシウム3.37gを加え、90
℃に昇温した。これにβ−クロロエチルクロロフォルメ
ート9.9gを30分間かけて滴下し、更に1時間90
℃で攪拌した。これを50℃まで冷却し、無機塩を濾別
した。無機塩はジオキサン50mlで洗浄した。濾液及び
洗浄液はあわせて40mlまで濃縮した。これを水150
mlに注ぎ、析出した結晶を濾過、水洗して、N−(2−
エトキシ−4−メチル−5−ヒドロキシフェニル)−2
−クロロエチルカルバメート(含水)17.21gを得
た。これは乾燥せずに次の反応に用いた。 (5)6規定水酸化ナトリウム水溶液100mlに、上記
で得られたN−(2−エトキシ−4−メチル−5−ヒド
ロキシフェニル)−2−クロロエチルカルバメート(含
水)16.69gを加え、窒素を通気しながら4時間加
熱還流した。冷却後、酢酸で中和し、析出した結晶を濾
過、水洗して、赤色結晶を得た。これをシリカゲルカラ
ムクロマト(Merck Si60、230〜400メ
ッシュ、100g、溶出溶媒 酢酸エチル)にかけ、0
〜1000ml溶出分を減圧下に100mlまで濃縮した。
これにヘキサン400mlを加えて析出した結晶を濾過、
乾燥して、4−エトキシ−5−(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ−2−メチルフェノールの淡赤色結晶を7.
50g(33.6mmol)得た。5−アミノ−4−エトキ
シ−2−メチルフェノールからの収率58%。
【0033】融点:115〜116℃.1 H-NMR(200MHz,DMSO-d6)δ ppm:1.27(3H,t,J=7.0Hz),
1.97(3H,s), 2.99(2H,td,J=5.8,5.5Hz),3.57(2H,dt,J=
5.5,5.1Hz), 3.86(2H,q,J=7.0Hz),4.49(1H,t,J=5.8Hz),
4.72(1H,t,J=5.1Hz), 6.07(1H,s),6.49(1H,s), 8.37(1
H,s). IR(KBr)νcm-1:3492, 3328, 2956, 1624, 1426, 1266,
1198, 1116, 1034, 840.
【0034】実施例2 エタノール10mlに、実施例1(3)で得た5−アミノ
−4−エトキシ−2−メチルフェノール1.50g
(9.0mmol)、無水酢酸1.02g(10.0mmol)
を加え、室温で1時間攪拌した。これに水10mlを加
え、結晶を濾過、水洗して、粗結晶を得た。これをアセ
トニトリルから再結晶して、N−(2−エトキシ−5−
ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセトアミドの淡赤
色結晶を1.23g(5.9mmol)得た。収率66%。
【0035】融点:218〜220℃.1 H-NMR(200MHz,DMSO-d6)δ ppm:1.30(3H,t,J=7.0Hz),
2.05(3H,s), 2.05(3H,s),3.94(2H,q,J=7.0Hz), 6.71(1
H,s), 7.53(1H,s), 8.73(1H,s),8.79(1H,s). IR(KBr)νcm-1:3424, 3184, 1654, 1536, 1418, 1262,
1202, 1110, 1032, 880,756.
【0036】実施例3 (1)実施例1(3)で得た5−アミノ−4−エトキシ
−2−メチルフェノール3g(20mmol)をピリジン3
0mlに溶解させ、氷冷下、塩化ベンゾイル4.6ml(4
0mmol)を5分間で滴下した。そのまま1時間攪拌し、
次いで室温で一晩放置後、反応混合物を水で希釈して析
出固体を濾取した。これを水洗し、エタノールで共沸乾
燥後、トルエンで再結晶して5−ベンズアミド−4−エ
トキシ−2−メチルフェニル安息香酸エステルの無色針
状晶を5.2g(14mmol)得た。5−アミノ−4−エ
トキシ−2−メチルフェノールからの収率73%。
【0037】(2)上記で得られた5−ベンズアミド−
4−エトキシ−2−メチルフェニル安息香酸エステル3
g(8.3mmol)を0.4N水酸化ナトリウム水溶液5
4ml(21mmol)及びエタノール10mlの混合溶媒に加
え、100℃の油浴中で3時間加熱攪拌した。冷却後、
2N塩酸15mlを加え、酢酸エチルで抽出した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥濃縮した後、得られた固体をエタノ
ール−水で再結晶することにより、5−ベンズアミド−
4−エトキシ−2−メチルフェノールの黄色針状晶を
1.8g(6.6mmol)得た。5−ベンズアミド−4−
エトキシ−2−メチルフェニル安息香酸エステルからの
収率80%。
【0038】融点:177.0〜178.2℃1 H-NMR(200MHz,DMSO-d6)δ ppm:1.31(3H,t,J=6.9Hz),
2.11(3H,s), 3.99(2H,q,J=6.9Hz),6.81(1H,s), 7.4-7.7
(2H+1H+1H,m), 7.92(2H,d,J=6.2Hz),8.94(1H,s), 9.14
(1H,s) IR(KBr)νcm-1:3424, 3324, 3164, 1642, 1488, 1434,
1376, 1270, 1192,1110, 1028, 870, 684, 614
【0039】実施例4 (1)実施例1(3)で得た5−アミノ−4−エトキシ
−2−メチルフェノール3g(20mmol)をピリジン3
0mlに溶解させ、氷冷下、塩化メタンスルホニル3.1
ml(40mmol)を5分間で滴下した。そのまま1時間攪
拌し、次いで室温で一晩放置後、反応混合物を水で希釈
して析出固体を濾取した。これを水洗し、アセトニトリ
ルから再結晶することにより、4−エトキシ−5−メタ
ンスルホンアミド−2−メチルフェニルメシレートの無
色板状晶を5.1g(16mmol)得た。5−アミノ−4
−エトキシ−2−メチルフェノールからの収率80%。
【0040】(2)上記で得られた4−エトキシ−5−
メタンスルホンアミド−2−メチルフェニルメシレート
3g(9.3mmol)を1.6N水酸化ナトリウム水溶液
100ml(0.16mol )に加え、1時間加熱還流した
(油浴温度140℃)。氷冷下、濃塩酸16ccを滴下し
て中和した後、酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧濃縮後、得られた固体を酢酸エチル−
ヘキサンで再結晶し、4−エトキシ−5−メタンスルホ
ンアミド−2−メチルフェノールの無色板状晶を1.8
g(4.4mmol)得た。4−エトキシ−5−メタンスル
ホンアミド−2−メチルフェニルメシレートからの収率
48%。
【0041】融点:146.5〜149.0℃1 H-NMR(200MHz,DMSO-d6)δ ppm:1.32(3H,t,J=6.9Hz),
2.09(3H,s), 2.89(3H,s),3.96(2H,q,J=6.9Hz),6.77(1H,
s), 6.78(1H,s), 8.57(1H,s), 8.94(1H,s) IR(KBr)νcm-1:3472, 3264, 2984, 2924, 2880, 1500,
1482, 1442, 1382, 1338,1292, 1204, 1124, 1104, 97
2, 898, 854, 756, 564, 504
【0042】試験例1 10mlの透明なサンプルビンに、下記に示すカップリン
グ物質1.0gをとり、60℃で5日間保存した。保存
前及び保存後の各試料について、液体クロマトグラフィ
ーを下記に示す条件で実施し、得られるピークの面積か
ら各カップリング物質の残存率を計算した。結果を表1
に示す。 (カップリング物質) C1 :4−エトキシ−5−(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ−2−メチルフェノール(本発明品) C2 :5−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4−メト
キシ−2−メチルフェノール(比較品) (液体クロマトグラフィーの分析条件)試料50.0mg
にエタノールを加えて溶かし、50mlとした。この試料
溶液20μl をとり、次の条件により分析を行った。 検出器;紫外部吸光光度計(測定波長254nm) カラム;内径4.0mm、長さ125mmのステンレス管に
平均粒径4μm のMerck Supersphere
PR−18(e)を充填した。 カラム温度;室温 移動相;1%(w/w)過塩素酸ナトリウム水溶液−ア
セトニトリル(3:1,v/v) 流速;毎分0.5ml
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、本発明のカップ
リング物質は、比較品に比べて優れた保存安定性を示し
た。
【0045】
【表2】 実施例5 ベース組成: (%) オレイン酸 10 オレイン酸ジエタノールアミド 8 オレイルアルコール 2 ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル (平均E.O.20モル付加) 10 エタノール 15 プロピレングリコール 10 塩化アンモニウム 3 25%アンモニア 7 水 35 合計 100
【0046】上記組成からなるベース100g中に、顕
色物質としてp−アミノフェノール0.01モル及びカ
ップリング物質として4−エトキシ−5−(2−ヒドロ
キシエチル)アミノ−2−メチルフェノール0.01モ
ルを混入した。次いで組成物のpHをアンモニアにて9.
5に調整することにより、本発明染色組成物を製造し
た。
【0047】得られた本発明の染色組成物100gに対
し、等重量の6%過酸化水素水溶液を加えて染色液を調
製した。この染色液を白髪混じりの人毛に塗布し、30
℃で30分間放置した。次いで毛髪を通常のシャンプー
で洗浄し、乾燥した。その結果、良好な染色性、耐変褪
色性、耐洗浄性及び耐摩擦性を有する高彩度の赤色系の
色調を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田上 英敏 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社東京研究所内 (72)発明者 吉原 徹 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社東京研究所内 (72)発明者 松永 賢一 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社東京研究所内 (72)発明者 小川 真彦 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社東京研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基を示し、R2 及びR3
    同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基が置換して
    いてもよいアルキル基、ハロゲン原子が置換していても
    よい低級アルカノイル基、アリールカルボニル基又は低
    級アルキルスルホニル基を示し、R4 は炭素数2以上の
    低級アルキル基を示す。ただし、R2 及びR3 が同時に
    水素原子である場合を除く)で表わされる2−アルキル
    −4−アルコキシ−5−アミノフェノール誘導体又はそ
    の塩。
  2. 【請求項2】 カップリング物質として請求項1記載の
    2−アルキル−4−アルコキシ−5−アミノフェノール
    誘導体又はその塩及び顕色物質を含有することを特徴と
    する角質繊維染色剤組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1093791A1 (fr) * 1999-10-21 2001-04-25 L'oreal Composition de teinture d'oxydation des fibres kératiniques et procédé de teinture mettant en oeuvre cette composition
EP1093793A2 (fr) * 1999-10-21 2001-04-25 L'oreal Composition de teinture d'oxydation des fibres kératiniques et procédé de teinture mettant en oeuvre cette composition
EP1159254A4 (en) * 1999-03-05 2002-10-30 Milliken & Co AMINOPHENOL INTERMEDIATE WITH OXYALKYLENE SUBSTITUTION

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FR2799962A1 (fr) * 1999-10-21 2001-04-27 Oreal Compostion de teinture d'oxydation des fibres keratiniques et procede de teinture mettant en oeuvre cette composition
FR2799960A1 (fr) * 1999-10-21 2001-04-27 Oreal Composition de teinture d'oxydation des fibres keratiniques et procede de teinture mettant en oeuvre cette composition
EP1093793A3 (fr) * 1999-10-21 2001-06-20 L'oreal Composition de teinture d'oxydation des fibres kératiniques et procédé de teinture mettant en oeuvre cette composition

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