JPH06116175A - キシレンの異性化方法 - Google Patents

キシレンの異性化方法

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JPH06116175A
JPH06116175A JP29092392A JP29092392A JPH06116175A JP H06116175 A JPH06116175 A JP H06116175A JP 29092392 A JP29092392 A JP 29092392A JP 29092392 A JP29092392 A JP 29092392A JP H06116175 A JPH06116175 A JP H06116175A
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xylene
refractory inorganic
zeolite
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Hiroshi Horiuchi
裕志 堀内
Kimihiko Sato
公彦 佐藤
Koji Sumitani
浩二 隅谷
Akio Namatame
昭夫 生天目
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Teijin Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07C5/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms
    • C07C5/22Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by isomerisation
    • C07C5/27Rearrangement of carbon atoms in the hydrocarbon skeleton
    • C07C5/2702Catalytic processes not covered by C07C5/2732 - C07C5/31; Catalytic processes covered by both C07C5/2732 and C07C5/277 simultaneously
    • C07C5/2724Catalytic processes not covered by C07C5/2732 - C07C5/31; Catalytic processes covered by both C07C5/2732 and C07C5/277 simultaneously with metals

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチルベンゼンの分解能が高く、C9以上の
芳香族炭化水素の生成が抑制できるキシレン異性化触媒
の開発。 【構成】 結晶粒径が5μm以上の、アルカリ土類金属
が担持されたアルミノシリケートゼオライトと白金・錫
を担持した耐火性無機酸化物との触媒A並びリチウムで
占有されたゼオライトと白金・錫を担持した耐火性無機
酸化物との触媒Bの触媒組成物を使用したキシレン異性
体混合物の異性化法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキシレンの異性化方法の
改良に関するものであり、さらに詳しくは、熱力学的平
衡組成に達していないキシレン異性体混合物(キシレン
異性体混合物とは、オルソキシレン、メタキシレン及び
パラキシレンの混合物をいう)及びエチルベンゼンから
主として成る炭化水素供給原料をキシレン異性化反応に
付し、生成する異性化反応混合物から特定のキシレン異
性体、好ましくはパラキシレンを単離し、残りの炭化水
素混合物を上記キシレン異性化反応に再循環することか
らなるキシレンの異性化工程において、特定の触媒上
で、上記炭化水素中のキシレン異性体混合物を熱力学的
平衡組成に到達せしめると同時に、工程中に蓄積して異
性化反応の効率を低下せしめるエチルベンゼンを、触媒
上で工程からの除去を可能にする成分へと効率よく転化
せしめ、その際にキシレン異性体混合物の損失を抑制し
つつ長期にわたる連続的なキシレンの異性化を可能とな
らしめる、工業的に有利なキシレンの異性化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその問題点】キシレン類、殊にパラキシ
レンの需要はポリエステル繊維及びフイルムの需要の増
大に比例して増大している。パラキシレンの代表的な製
造法は、C8芳香族炭化水素供給原料を結晶化法又は吸
着法により該炭化水素混合物原料からパラキシレンを分
離する工程、残余の炭化水素混合物をメタキシレン及び
/又はオルソキシレンのパラキシレンへの異性化用の触
媒と接触させて当該残余の炭化水素混合物中のキシレン
類をほぼ熱力学的組成に近いキシレン異性体混合物に変
換する工程、及びその異性体混合物より副生成物を除去
したのちパラキシレン分離工程に再循環せしめる工程よ
り成る。
【0003】上記のパラキシレンの製造法においては、
異性化反応生成物中のキシレン異性体混合物の組成を可
能な限り熱力学的平衡組成に近づけること、キシレン類
の損失を伴う不均化・水添分解等の副反応を抑制するこ
と、及びキシレン類と沸点が近似しているために通常の
蒸留操作では分離が困難なエチルベンゼンを蒸留分離が
容易な軽質成分もしくは重質成分に転換することを要求
されている。これらの要求を満たすことが、異性化反応
の効率を高め、パラキシレン製造プロセスのコストダウ
ンを図る上で工業的に極めて重要なことである。
【0004】上記要求に対して近年提案されている方法
の一つに、エチルベンゼンを水素化、脱アルキル化させ
て主としてベンゼンとエタンに転化させ、同時にキシレ
ン類の組成を熱力学的平衡組成に近づける方法がある。
この方法は、通常エチルベンゼンの転化が高くなり、こ
のためパラキシレン回収工程への循環量が低下し、また
有用な高品質のベンゼンを生成する利点を有する。この
方法においては、キシレン類の損失を可能な限り抑制す
ること、及び価値の低いC9以上の重質芳香族炭化水素
(以後C9+芳香族と称する)の生成を可能な限り抑制
することが十分なコストダウンを図るために重要であ
る。
【0005】かかる観点によるキシレンの異性化方法と
しては、最近では例えば特開昭62―169736号公
報、特開平3―146135号公報などにおいてキシレ
ン類を異性化させると同時にエチルベンゼンを主として
ベンゼンとエタンに転化させる方法が開示されている。
また本発明者らは、前記観点から研究を重ねた結果、特
開平2―91031号公報に記載のごとく、カチオンサ
イトの少なくとも50%がアルカリ土類金属カチオンで
占有されるペンタシル型アルミノシリケートゼオライト
と、白金、錫及び塩酸を担持した耐火性無機酸化物、更
にはインジウム化合物から成る触媒組成物を用いるキシ
レンの異性化方法を発明するに至った。しかしながらこ
れらの開示された方法では依然無視できない程度のキシ
レンの損失及び多量のC9+芳香族炭化水素の生成を伴
っており、満足のいく方法とはいえない。
【0006】
【発明の目的】そこで本発明者らは前記目的、即ちキシ
レンの損失及びC9+芳香族炭化水素の生成を極力抑制
しつつ充分なキシレン異性化平衡到達能力及び高いエチ
ルベンゼン分解能を有する触媒の開発について鋭意検討
を重ねた結果、本発明に至ったものである。
【0007】
【発明の構成】しかして、本発明により、キシレン類及
びエチルベンゼンから主として成る炭化水素供給原料
を、 (a)(1)結晶径が5μmより大であり、かつシリカ
/アルミナ(モル比)が少なくとも10であってカチオ
ンサイトの少なくとも5%がアルカリ土類金属カチカン
で占有されているペンタシル型結晶性アルミノシリケー
トゼオライト及び(2)白金及び錫を担持した耐火性無
機酸化物からなる触媒組成物並びに、 (b)(1)カチオンサイトの少なくとも50%がリチ
ウムカチオンで占有される、シリカ/アルミナ(モル
比)が少なくとも10であるペンタシル型アルミノシリ
ケートゼオライト及び(2)白金及び錫を担持した耐火
性無機酸化物からなる触媒組成物の2種類の触媒組成物
(a)並びに(b)から構成される触媒構成物の存在下
で処理し、前記炭化水素原料中のキシレンを熱力学的平
衡組成に到達せしめると同時にエチルベンゼンを分解せ
しめることを特徴とするキシレンの異性化方法が提供さ
れる。
【0008】本発明の方法に供し得る炭化水素供給原料
は、C8芳香族炭化水素、即ちキシレン類及びエチルベ
ンゼンから主として成る。上記供給源量中には他の炭化
水素を含んでいてもよい。他の炭化水素の例として、ノ
ナンのようなパラフィン類、エチルメチルシクロヘキサ
ンのようなナフテン類、トルエン、トリメチルベンゼン
のようなC8以外の芳香族炭化水素を挙げることができ
る。
【0009】炭化水素供給原料の一つはいわゆるC8芳
香族炭化水素留分であり工業的には、接触改質油、熱分
解油等の原料油から、芳香族炭化水素成分を、スルホラ
ン法、UDEX法、アロソルバン法等の方法で溶剤抽出
により分離した後、その抽出分離液を蒸留することによ
り製造されたものである。この混合物は典型的に、エチ
ルベンゼン15〜25重量部、パラキシレン15〜25
重量部、メタキシレン30〜60重量部及びオルソキシ
レン15〜25重量部なる組成のものである。
【0010】また、近年では石油ナフサの改質において
ベンゼン、トルエン、キシレン類などの芳香族炭化水素
の回収を高める試みが種々なされており、ナフサ改質油
から、前述の如き溶剤抽出工程を用いずに、蒸留処理だ
けで、キシレンの製造に使用できる非芳香族炭化水素の
含有したC8芳香族炭化水素混合物を得る方法が提案さ
れている(特公昭57―47231号公報)。
【0011】このような方法で得られるC8芳香族炭化
水素混合物も本発明で使用される炭化水素供給原料の一
つでありこの中には少量の非芳香族炭化水素が含有され
る。
【0012】本発明においては上記のC8芳香族炭化水
素混合物、及び/又はこの混合物中から特定のキシレン
異性体、特にパラキシレンを単離した後の残余物及び/
又は該残余物をキシレン異性化反応に付した後の反応生
成物が炭化水素供給原料として使用される。炭化水素供
給原料の組成はC8芳香族炭化水素混合物の製造原料の
組成や製造法、特定のキシレン異性体の分離方法、採用
される異性化反応のパーフォーマンス等により異なり厳
密には規定する事ができない。もっとも、この供給原料
中に少量含有されるC8以外の芳香族炭化水素類、及び
非芳香族炭化水素は本発明には何ら影響を与える事はな
い。
【0013】本発明の方法に使用される触媒構成物は2
種類の触媒組成物(a)並びに(b)から構成される。
触媒組成物(a)は選択的に供給原料中のエチルベンゼ
ンの一部をベンゼンとエタンに転化させる。触媒組成物
(b)は供給原料中のキシレン類を熱力学的平衡組成に
到達せしめる。
【0014】上記2つの触媒組成物の各々においては、
シリカアルミナ比が少なくとも10であるペンタシル型
アルミノシリケートゼオライトが使用される。中でも特
公昭46―10064号公報に開示されている、ZSM
―5と称されるゼオライトが好ましい。
【0015】本発明の触媒組成物(a)において使用さ
れるゼオライトは、その結晶径が5μmより大のものが
使用される。このようなゼオライトを使用すると、エチ
ルベンゼンのゼオライト細孔内での拡散には影響がない
が、不均化等によりキシレン類から生成するC9以上の
副成生物の拡散は抑えられる結果、エチルベンゼン分解
活性は保たれつつキシレン類の損失及びC9+芳香族炭
化水素の生成が大きく抑制される。その結晶径が5μm
より大なZSM―5ゼオライトの合成法は公知であっ
て、例えばZeolites,8,77(1988) 記載の方法に従って合
成することができる。
【0016】更に本発明の触媒組成物(a)において使
用されるゼオライトは、そのカチオンサイト(ゼオライ
トの構成成分であるアルミナに基づく酸活性部位)の少
なくとも5%がアルカリ土類金属カチオンで占有され
る。上記アルカリ土類金属カチオンとして、特にストロ
ンチウムのカチオンが好ましい。上記ゼオライトのカチ
オンサイトには、これらアルカリ土類金属カチオンの1
種のみが存在してもよく、又は2種以上が並存してもよ
い。このようにゼオライトのカチオンサイトの少なくと
も5%が上記のごとき金属カチオンで占有されている結
晶径が5μmより大なZSM―5ゼオライトの使用によ
り、充分にエチルベンゼンが分解できる条件での前記炭
化水素供給原料中のキシレン類の不均化反応等による損
失の大幅な抑制が可能となる。ゼオライトのアルカリ土
類金属カチオンで占有されていない残りのカチオンサイ
トには通常プロトンが存在するが、ナトウリムのような
アルカリ土類以外の金属カチオンが残りのカチオンサイ
トの一部又は全部を占有していてもよい。
【0017】このようなカチオンサイトの少なくとも5
%がアルカリ土類金属カチオンで占有されている結晶径
が5μmより大なZSM―5ゼオライトは、例えば、前
述の文献の記載のようにして製造される結晶径が5μm
より大なZSM―5ゼオライトを、それ自体既知の方法
[例えはJ.Cat.,46,100-108(1977) 、J.Cat.,43,292-30
3(1976) 参照]に従いアルカリ土類金属カチオンを用い
るイオン交換処理に付すことにより容易に製造すること
ができる。
【0018】一方、本発明の触媒組成物(b)において
使用されるゼオライトは、そのカチオンサイトの少なく
とも50%がリチウムカチオンで占有される。このよう
にゼオライトのカチオンサイトの少なくとも50%がリ
チウムカチオンで占有されているゼオライトの使用によ
り、充分なキシレン類の異性化平衡達成能力を保ちつ
つ、前記炭化水素供給原料中のキシレン類の不均化反応
等による損失の大幅な抑制が可能となる。ゼオライトの
リチウムカチオンで占有されていない残りのカチオンサ
イトには通常プロトンが存在するが、ナトリウムのよう
な他の1価の金属カチオンあるいは2価以上の金属カチ
オンが残りのカチオンサイトの一部又は全部を占有して
いてもよい。
【0019】このようなカチオンサイトの少なくとも5
0%がリチウムカチオンで占有されているゼオライト
は、前記記載の方法に従いリチウムカチオンを用いるイ
オン交換処理に付すことにより容易に製造することがで
きる。
【0020】本発明の触媒組成物(a)及び(b)にお
いて上記ゼオライトと組み合わせて使用される白金及び
錫を担持した耐火性無機酸化物において、担体として使
用される耐火性無機酸化物としては特に制限はなく、従
来より触媒用担体として使用されているものが使用可能
であり、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ―アルミ
ナ、カオリン、シリカ―マグネシア、ゼオライト、ジル
コニア、マグネシア等があげられる。中でも比表面積及
び成形時の強度の観点から、γ―アルミナが好適であ
る。
【0021】かかる担体に対する白金の担持量は、炭化
水素供給原料又はキシレン異性体反応混合物中のキシレ
ン類の核水添や環分解反応を可能な限り抑制させつつ、
かつエチルベンゼンの分解を可能な限り促進させる観点
からして、担体の重量基準で、一般に0.005〜5.
0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%の範囲内で
ある。耐火性無機酸化物に担持された白金の機能は、触
媒組成物(a)においては前記ゼオライトとの組合わせ
による協奏効果としてエチルベンゼン類の脱エチル反応
を著しく促進させるものであると推察され、また、触媒
組成物(b)においてはコーク前駆体の水添によるコー
クフォーメイションの抑制であると推察される。
【0022】更に本発明においてゼオライトと組み合わ
せて使用される耐火性無機酸化物には、白金の他に錫が
担持される。担体に担持される錫の機能は、共存する白
金の水素解離吸着能力を適度に抑制し、その結果炭化水
素供給原料中のキシレン類の核水添及び環分解反応を著
しく低下させる一方で、エチルベンゼンのベンゼン及び
エタンへの転化反応を充分進行せしめるものであると考
えられる。上記観点から、錫の担持量は、錫/白金の原
子比に換算して、一般に0.1/1〜10/1、好まし
くは0.5/1〜5/1の範囲内である。
【0023】上記の如き、白金及び錫を担持させた耐火
性無機酸化物の調製にあたっては、既に知られている種
々の担持法のいずれも用いられるが、上記の如き錫の効
果を考慮するならば、白金化合物及び錫化合物を含有す
る均一溶液を耐火性無機酸化物に含浸させた後、溶媒を
除去し乾燥するという同時含浸担持法が好ましい。白金
化合物としては例えば塩化白金酸、白金テトラアミン錯
体等、また錫化合物としては塩化第一錫、硫酸錫、クロ
ロ錫酸テトラアルキルアンモニウム等の可溶性塩が好ま
しく用いられ、これら可溶性塩を溶解する溶媒としては
水、メタノール、塩酸、アセトン等が好ましく使用され
る。
【0024】本発明の方法において使用される触媒組成
物は、上記ゼオライトと耐火性無機酸化物を均一に混合
した後、ペレット、タブレット等の触媒形状に成型した
触媒組成物(a)並びに触媒組成物(b)を組み合わせ
ることによって得られる。触媒組成物(a)並びに触媒
組成物(b)の成型の際の各々の触媒成分の割合は、耐
火性無機酸化物/ゼオライトの重量比にして0.05/
1〜5/1の範囲内にあることが好ましい。触媒組成物
(a)と触媒組成物(b)との組み合わせ方には特に制
限はないが、触媒組成物(a)のみから成る層及び触媒
組成物(b)のみから成る層とを組み合わせて構成する
方法が特に好ましい。触媒組成物(a)並びに触媒組成
物(b)の割合は、重量比にして0.1/1〜1/0.
1の範囲内にあることが好ましい。
【0025】本発明においては、以上に述べた特定の触
媒構成物に、熱力学的平衡組成に達していないキシレン
異性体混合物及びエチルベンゼンから実質的に成る炭化
水素供給原料を接触させることにより、該供給原料中の
エチルベンゼンの一部を分解しかつキシレン異性体混合
物を熱力学的平衡組成に達せしめる。
【0026】この反応は水素の存在下にて気相で実施す
るのが好ましい。この際、反応温度は一般に250〜5
00℃、好ましくは280〜450℃の範囲内である。
原料の供給割合は、一般に1〜500/hr、好ましく
は3〜50/hrの範囲内の単量単位時間空間速度(W
HSV)で供給するのが適当である。
【0027】他方、水素の分圧は緻密に規定されるもの
ではなく、使用する温度やWHSV等に応じて変えるこ
とができるが、一般に10kPa〜2500kPa、好
ましくは80kPa〜1500kPaの範囲内から選ぶ
のが好都合であり、水素の供給割合は、水素/炭化水素
原料のモル比で表して一般に0.1/1〜15/1、好
ましくは1/1〜10/1の範囲内の割合で供給するの
が適当である。
【0028】
【発明の効果】以上述べた本発明の方法によれば、
(a)パラキシレン製造プロセスにおいて本発明の結晶
径の大きい結晶性アルミノシリケート系触媒を使用した
方法を用いた場合、キシレン類の損失が著しく低減でき
る結果、パラキシレンの収率が向上する、更に、(b)
C9+芳香族炭化水素の発生が大きく抑制される結果、
製造されるパラキシレンの品質が向上する等の利点が得
られる。
【0029】
【実施例】次に実施例を掲げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれに何等限定されるものではない。
【0030】
【参考例1】米国特許3,965,207号明細書に開
示されている方法に従ってゼオライトZSM―5を合成
した。合成に際して、シリカ源として水ガラス、アルミ
ナ源として硫酸アルミニウム、有機窒素カチオン源とし
てトリ―n―プロピルアミンとn―プロピルブロマイド
を用い更にメチルエチルケトンを添加して所定条件下、
オートクレーブ中で反応させた。プロダクトを濾過し充
分水洗した後、100℃の電気乾燥機中で終夜乾燥を行
った。X線回折の結果、プロダクトはZSM―5と同定
された。また、化学分析の結果、プロダクトのシリカ/
アルミナ比は70であった。
【0031】次いで、得られたゼオライトのカチオン・
サイトをナトリウムイオンからアンモニウムイオンへ転
換した。即ち、該ゼオライト1g当たり10%の塩化ア
ンモニウム水溶液10mlを用いて、還流下16時間処
理した。この操作を2回繰り返した。しかる後、濾別、
水洗を経て100℃で16時間乾燥を行うことによって
アンモニウム型ゼオライトZSM―5を得た。このゼオ
ライトを走査型電子顕微鏡(日本電子JSM―35C)
により観察したところ、1μm未満の微小な結晶の集合
体であった。(図1参照)。
【0032】
【参考例2】Zeolites,8,77(1988) 記載の方法に従って
大きい結晶径のゼオライトZSM―5を合成した。即
ち、合成に際して、シリカ源としてシリカゾル(Catalo
idS―30L:触媒化成(株)製)、アルミナ源として
水酸化アルミニウム(和光純薬(株)製)、有機窒素カ
チオン源としてテトラn―プロピルアンモニウムブロマ
イドを用い所定条件下、オートクレーブ中で反応させ
た。プロダクトを濾過し充分水洗した後、100℃の電
気乾燥機中で終夜乾燥を行った。X線回折の結果、プロ
ダクトはZSM―5と同定された。また、化学分析の結
果、プロダクトのシリカ/アルミナ比は143であっ
た。このゼオライトを走査型電子顕微鏡により観察した
ところ、15〜20μmの径を持つ結晶であった。電子
顕微鏡写真を図2に示す。
【0033】次いで、得られた大きな結晶のゼオライト
のカチオンサイトをナトリウムイオンからアンモニウム
イオンへ変換した。即ち、ゼオライト1g当たり10%
の塩化アンモニウム水溶液10mlを用いて、還流下1
6時間処理した。この操作を2回繰り返した。しかる
後、濾過、水洗を経て100℃で16時間乾燥を行うこ
とによって大きな結晶のアンモニウム型ゼオライトZS
M―5を得た。
【0034】
【実施例1】硝酸ストロンチウム10gを100mlの
水に溶解した。この水溶液に参考例2で得た大きな結晶
のアンモニウム型ゼオライトZSM―5の10gを加
え、還流下で終夜保った。この操作を6回繰り返した。
しかる後、濾別し充分水洗を行った。更に100℃の電
気乾燥機中で16時間乾燥を行い、大きな結晶のストロ
ンチウム型ZSM―5ゼオライトを得た。化学分析の結
果、乾燥パウダーは0.25%のストロンチウムを含有
していた。したがってこのものはカチオンサイトの25
%がストロンチウムによって占められている。
【0035】
【実施例2】硫酸リチウム10gを100mlの水に溶
解した。この水溶液に参考例1で得たアンモニウム型ゼ
オライトZSM―5の10gを加え、灌流下で終夜保っ
た。この操作を4回繰り返した。しかる後、濾別し充分
水洗を行った。更に100℃の電気乾燥機中で16時間
乾燥を行い、リチウム型ZSM―5ゼオライトを得た。
化学分析の結果、乾燥パウダーは0.32%のリチウム
を含有していた。したがってこのものはアルミナに基づ
くカチオンサイトの100%がリチウムによって占めら
れている。
【0036】
【実施例3】 (1)Pt―Sn―アルミナの調製(1) 市販の塩化白金酸六水和物1.00gを50mlの水に
溶解した。一方、塩化第一錫二水和物61.8mgを5
0mlのナス型フラスコに精秤し、これを2mlの塩酸
及び20mlの水に溶解し、更に前記塩化白金酸水溶液
の1.38mlを追加した。濃赤橙色の水溶液にγ―ア
ルミナゲル(ACP一1:触媒化成(株)製)5gを添
加し、攪拌しながら50℃で5時間保持した。その後ロ
ータリーエバポレーターを用い、40℃にて減圧下水分
を留去した。続いて100℃で16時間電気乾燥機中で
乾燥することによって0.2%の白金および0.65%
の錫を含有するアルミナを調製した。
【0037】(2)エチルベンゼン分解触媒の調製 (1)で得られたPt―Sn―アルミナに、等重量の実
施例1で得られた大きな結晶のストロンチウム型ZSM
―5ゼオライトを加え、充分混合した後10〜20メッ
シュの大きさに成型した。この組成物を触媒Aとする。
【0038】
【実施例4】 (1)Pt―Sn―アルミナの調製(2) 市販の塩化白金酸六水和物1.00gを50mlの水に
溶解した。一方、塩化第一錫二水和物61.8mgを5
0mlのナス型フラスコに精秤し、これを2mlの塩酸
及び20mlの水に溶解し、更に前記塩化白金酸水溶液
の1.38mlを追加した。濃赤橙色の水溶液にγ―ア
ルミナゲル(ACP一1)5gを添加し、攪拌しながら
50℃で5時間保持した。その後ロータリーエバポレー
ターを用い、40℃にて減圧下水分を留去した。続いて
100℃で16時間電気乾燥機中で乾燥することによっ
て0.4%の白金および0.42%の錫を含有するアル
ミナを調製した。
【0039】(2)キシレン異性化触媒の調製 (1)で得られたPt―Sn―アルミナに、等重量の実
施例2で得られたリチウム型ZSM―5ゼオライトを加
え、充分混合した後10〜20メッシュの大きさに成型
した。この組成物を触媒Bとする。
【0040】
【実施例5】実施例3で調製したペレット状の触媒A
3.0gを450℃にて8時間空気雰囲気下で焼成した
後、流通式の固定床流通反応装置に充填した。次いで実
施例4で調製したペレット状の触媒B3.0gを450
℃にて8時間空気雰囲気下で焼成した後、触媒Aの上部
に充填した。400℃に到達するまで窒素気流下で昇温
した後、水素気流に置換し、そのまま2時間保持するこ
とによって金属の還元を実施した。次いで水素気流下3
80℃まで降温し、該温度で触媒層が安定した後、主に
C8芳香族炭化水素からなる混合物を供給した。反応条
件として圧力:830kPa(120PSIA)、触媒
Aに対する触媒重量基準のWHSV:10/hr、水素
/原料混合物(モル比):2で実施し、エチルベンゼン
分解率が40%前後になるように反応温度を調節して得
られた通油後100〜108時間目のプロダクトを分析
した。結果を表1に掲げた。
【0041】
【比較例1】実施例3で調製したペレット状の触媒Aの
3.0gのみを450℃にて8時間空気雰囲気下で焼成
し、流通式の固定床流通反応装置に充填した後、実施例
5と同様の操作を実施した。結果を表1に示した。
【0042】
【比較例2】特開平2―91031号明細書実施例1に
開示されている触媒について、実施例4と同様の操作を
実施した。結果を表1に示した。
【0043】表1の結果は、本発明の触媒構成物により
キシレンの損失及びC9+芳香族炭化水素の生成をより
抑制しつつエチルベンゼンの分解及びキシレン混合物の
異性化を実施しうる事を示している。
【0044】
【表1】
【0045】
【数1】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られた微小な結晶のゼオライトZ
SM―5の電子顕微鏡写真である。
【図2】参考例2で得られた大きな結晶のゼオライトZ
SM―5の電子顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】参考例1で得られた微小な結晶のゼオライトZ
SM―5の電子顕微鏡による粒子構造の写真である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】参考例2で得られた大きな結晶のゼオライトZ
SM―5の電子顕微鏡による粒子構造の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生天目 昭夫 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キシレン異性体混合物およびエチルベン
    ゼンから主として成る炭化水素供給原料をキシレン異性
    化反応に付し、生成する異性化反応混合物から特定のキ
    シレン異性体を単離し、残りの炭化水素混合物を上記キ
    シレン異性化反応に再循環することからなるキシレンの
    連続的異性化方法において、上記炭化水素供給原料を、 (a)(1)結晶径が5μmより大であり、かつシリカ
    /アルミナ(モル比)が少なくとも10であってカチオ
    ンサイトの少なくとも5%がアルカリ土類金属カチカン
    で占有されているペンタシル型結晶性アルミノシリケー
    トゼオライト及び(2)白金及び錫を担持した耐火性無
    機酸化物からなる触媒組成物並びに、 (b)(1)カチオンサイトの少なくとも50%がリチ
    ウムカチオンで占有される、シリカ/アルミナ(モル
    比)が少なくとも10であるペンタシル型アルミノシリ
    ケートゼオライト及び(2)白金及び錫を担持した耐火
    性無機酸化物からなる触媒組成物の2種類の触媒組成物
    (a)並びに(b)から構成される触媒構成物の存在下
    で処理し、前記炭化水素原料中のキシレンを熱力学的平
    衡組成に到達せしめると同時にエチルベンゼンを分解せ
    しめることを特徴とするキシレンの異性化方法。
  2. 【請求項2】 (a)の結晶性アルミノシリケートゼ
    オライトがZSM―5である請求項1に記載の異性化方
    法。
  3. 【請求項3】 (a)のアルカリ土類金属カチオンがス
    トロンチウムである請求項1に記載の異性化方法。
  4. 【請求項4】 (a)の耐火性無機酸化物がγ―アルミ
    ナである請求項1に記載の異性化方法。
  5. 【請求項5】 (a)の耐火性無機酸化物に、該無機酸
    化物の重量を基準として、0.005〜5重量%の白金
    が担持されている請求項1に記載の異性化方法。
  6. 【請求項6】 (a)の耐火性無機酸化物に、錫/白金
    の原子比に換算して0.1/1〜10/1の錫が担持さ
    れている請求項1に記載の異性化方法。
  7. 【請求項7】 (a)の耐火性無機酸化物/ゼオライト
    の重量比が0.05/1〜5/1の範囲内にある請求項
    1に記載の異性化方法。
  8. 【請求項8】 (a)の結晶性アルミノシリケートゼオ
    ライトがZSM―5である請求項1に記載の異性化方
    法。
  9. 【請求項9】 (b)の耐火性無機酸化物がγ―アルミ
    ナである請求項1に記載の異性化方法。
  10. 【請求項10】 (b)の耐火性無機酸化物に、該無機
    酸化物の重量を基準として、0.005〜5重量%の白
    金が担持されている請求項1に記載の異性化方法。
  11. 【請求項11】 (b)の耐火性無機酸化物に、錫/白
    金の原子比に換算して0.1/1〜10/1の錫が担持
    されている請求項1に記載の異性化方法。
  12. 【請求項12】 (b)の耐火性無機酸化物/ゼオライ
    トの重量比が0.05/1〜5/1の範囲内にある請求
    項1に記載の異性化方法。
  13. 【請求項13】 触媒組成物(a)と触媒組成物(b)
    との重量比が0.1/1〜1/0.1の範囲内にある請
    求項1に記載の異性化方法。
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