JPH06115347A - 空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気吹き出し口と加湿空気吹き出し口を有す
る空気調和装置において、高効率に冷風を人体へ提供す
る、最適な吹き出し部構造を提供する。 【構成】 空気吹き出し口６と、加湿空気を吹き出す噴
霧口７を有する空気調和装置において、前記空気吹き出
し口６の外周部に周設された前記噴霧口７を備え、冷房
時に冷風１２を覆うように加湿された空気である白霧１
３を吹き出す。本構成によれば、白霧１３は高温側の空
気から、蒸発に伴う潜熱を奪うことにより、吹き出し後
における、白霧１３に覆われた冷風１２の温度上昇を抑
えることができ、冷風１２を効率よく人体へ提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加湿機能を備えた空気
調和装置に関するものであり、例えば車両用として好適
なものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の空気調和装置の一例として、特
開昭６２−１５５１２２号公報に開示された技術が知ら
れている。この装置は、インテ−クユニットによって空
気を吸引し、車室内へ空気を導入する過程において、第
１空気通路内で、吸入空気を冷却する熱交換器ないし加
熱する加熱器を介して吸入空気が温度調節される。ま
た、温度調節された空気を車室内に導入する第２空気通
路と、該第２空気通路の外部に加湿器付きの加湿空気通
路とが配設され、さらに該加湿空気通路の吹き出し口側
を前記第２空気通路内に導入して、該第２空気通路の通
路端部に設けられた空気吹き出し口と、前記加湿空気通
路の通路端部に設けられた噴霧口とが、夫々の通路によ
り独立して配設されている。この従来技術によれば、温
度調節された空気を介して、加湿空気を車室内へ効率よ
く拡散させることにより、車室内の温度および湿度の状
態を快適に保つことができる。

【０００３】また、上記装置の冷房時において、前記加
湿空気が白霧（微小な水滴）を含むようにして、冷風と
共に吹き出すようにすることにより、白霧は蒸発し、こ
の蒸発に伴う潜熱が、車室内における高温の空気から奪
われるため、吹き出された冷風の温度上昇が抑制され、
人体への冷風到達性が向上する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年省
エネルギ−化が要求され、空気調和装置において、人体
へより高効率に冷風を提供する装置が望まれていた。

【０００５】そこで本発明は、種々の検討を行い、高効
率に冷風を人体へ到達できる、最適な吹き出し部構造を
提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、室内へ冷却空気を吹き出す
空気吹き出し口と、前記室内へ白霧を含む加湿空気を吹
き出す加湿空気吹き出し口とを有する空気調和装置にお
いて、前記加湿空気吹き出し口を前記空気吹き出し口の
外周部に配設したことを特徴とする空気調和装置を提供
する。

【０００７】

【作用】本発明によれば、冷房時において、加湿空気中
に白霧（微小な水滴）を含むようにして、空気吹き出し
口の外周部に周設された加湿空気吹き出し口より冷風を
覆うように吹き出すことにより、白霧は蒸発し、蒸発に
伴う潜熱を室内における高温の空気から奪うため、空気
吹き出し口より吹き出された冷風は、室内における高温
の空気の影響を受けず、冷風の温度上昇が抑制され、冷
風を高効率に人体へ提供することができる。

【０００８】

【実施例】次に本発明の、空気調和装置を、図に示す一
例に基づき説明する。 〔第１実施例〕図１ないし図２（イ）、（ロ）は、本発
明の第１実施例を示すもので車両用の空気調和装置に関
するものである。図１は空気調和装置の全体を示す構成
図、図２（イ）は吹き出し部１１を正面から見た一部断
面図、図２（ロ）は吹き出し部１１の断面図を示したも
のである。

【０００９】本実施例の空気調和装置は図１に示すよう
に、ファン１、エバポレ−タ（冷却器）２、エアミック
スダンパ４、ヒ−タ（加熱器）３、加湿器５、空気吹き
出し口６、噴霧口７から構成される。前記ファン１、エ
バポレ−タ２、エアミックスダンパ４、ヒ−タ３が第１
空気通路８の中に、空気の流れ方向から順次配設されて
いる。さらに第１空気通路８と後述する空気吹き出し口
６を結ぶ第２空気通路９が、前記第１空気通路８と一体
に形成されている。また、加湿器５と後述する噴霧口６
を結ぶ第１加湿空気通路１０が、前記第２空気通路９と
は夫々の通路により独立させて配設されている。

【００１０】次に、上記吹き出し部１１の構成を示す。
図２（イ）、（ロ）に示すように、吹き出し部１１は、
加湿空気を噴霧する噴霧口７、温度調節された空気を送
り出す空気吹き出し口６、風向を可変させるル−バ−１
４、および噴霧口７へ加湿空気を導く第１加湿空気通路
１０によって構成されている。

【００１１】空気吹き出し口６は円筒形状を有し、空気
流入側端面および空気流出側端面に温度調節された空気
を通過させる通路を穿設した、第２空気通路９に連通す
る中空構造となっている。また、前記空気吹き出し口６
の空気流出側における中空部内に板状部材の組み合わせ
によって構成されるル−バ−１４が備えられている。噴
霧口７は円環形状を有し、前記空気吹き出し口６外周面
から所定の通路幅をもって周設されている。また、第１
加湿空気通路１０と噴霧口７とは、連通する構造となっ
ている。

【００１２】前記ファン１によって吸引された空気は、
エバポレ−タ２、エアミックスダンパ７、およびヒ−タ
３を経て第１空気通路８を通過して温度調節され、その
温度調節された空気が第２空気通路９を通過して空気吹
き出し口６を介して車室内へと導かれる。また超音波式
等の加湿器５によって加湿された空気は、図示しないフ
ァン等により送風され、第１加湿空気通路１０を経て噴
霧口７へ導かれ、温度調節された空気と共に車室内へ送
風される。

【００１３】冷房時において、冷風１２のみを空気吹き
出し口６から吹き出す場合、空気吹き出し口６から送風
された冷風１２は、車室内の高温の空気を巻き込み、空
気吹き出し口６からの距離とともに、冷風１２の温度は
上昇する。しかしながら本構成を用いた場合、前記加湿
空気中に白霧（微小な水滴）１３を含むようにして、空
気吹き出し口６の外周部に周設された噴霧口７より冷風
１２を覆うように吹き出すことにより白霧１３は蒸発
し、蒸発に伴う潜熱を車室内における高温の空気から奪
うため、空気吹き出し口６より吹き出された冷風１２
は、車室内における高温の空気の影響を受けず、冷風１
２の温度上昇が抑制され、人体への冷風到達性が向上す
る。

【００１４】次に本第１実施例の効果を図３および図４
に示す。図３（Ａ）は第１加湿空気通路１０の吹き出し
口側を第２空気通路９に連結し、この通路９内に直接白
霧を導入する、空気吹き出し口６と噴霧口７を同一にす
る下方噴霧法（従来技術）、図３（Ｂ）は第１加湿空気
通路１０の吹き出し口側を前記第２空気通路９内に導入
して、前記第２空気通路９の通路端部に設けられた空気
吹き出し口６と、前記第１加湿空気通路１０の通路端部
の噴霧口７とを夫々の通路により独立させて配設した中
央噴霧法（従来技術）、図３（Ｃ）は加湿空気通路１０
の通路端部に設けられた噴霧口７を第２空気通路の通路
端部に設けられた空気吹き出し口６の外周部に周設し
た、本発明の第１実施例の周囲噴霧法を示すものであ
る。

【００１５】図４は、噴霧が無い場合（Ｄ）を含む、上
記各噴霧法における特性図を示したものであり、この図
４の結果より、周囲噴霧法を用いれば、冷風１２の吹き
出し後の温度上昇が他の従来技術と比較して効率よく抑
制することが可能であり、人体への冷風到達性が飛躍的
に向上できると共に、省エネルギ−化が可能である。

【００１６】〔第２実施例〕次に、図５（イ）、（ロ）
は本発明の第２実施例に係わる、空気調和装置の吹き出
し部１１の構造を示すもので、図５（イ）は吹き出し部
１１を正面から見た一部断面図、図５（ロ）は吹き出し
部１１の断面図を示したものである。

【００１７】図５（イ）、（ロ）に示すよう、本実施例
は加湿空気を噴霧する噴霧口７、温度調節された空気を
送り出す空気吹き出し口６、風向を可変させるル−バ−
１４、および噴霧口７へ加湿空気を導く第２加湿空気通
路１５によって構成される。

【００１８】空気吹き出し口６、噴霧口７、およびル−
バ−１４の各構造については、第１実施例と同様である
が、第２実施例においては、さらに円環形状を備えた第
２加湿空気通路１５が、噴霧口７の外周面から所定の通
路幅をもって、噴霧口７の半円周面を覆うように周設さ
れている。この第２加湿空気通路１５は、第１加湿空気
通路１０と連通する構造となっている。また噴霧口７と
第２加湿空気通路１５とは、対向する位置において２箇
所に連通孔１６が設けられている。

【００１９】上記構成において、前記ファン１によって
吸引された空気は、エバポレ−タ２、エアミックスダン
パ４、およびヒ−タ３を経て空気通路部８を通過する空
気が温度調節され、その温度調節された空気が調和空気
通路部９を通過して吹き出し口６を介して車室内へと導
かれる。また加湿器５によって加湿された空気は、図示
しないファン等により送風され、第１加湿空気通路１０
から第２加湿空気通路１５を通過し、連通孔１６を経て
噴霧口７へ導かれ、温度調節された空気と共に車室内へ
送風される。

【００２０】本第２実施例によれば、噴霧口７の外周部
に周設された第２加湿空気通路１５を備えることによ
り、白霧１３を噴霧口７全体に均一に配分でき、噴霧口
７全周面からの均一な加湿空気の吹き出しが可能とな
り、吹き出された冷気１２の温度上昇を効率よく抑制す
ることができる。

【００２１】尚、第１および第２実施例における吹き出
し部１１の形状は、円形を有しているが、これに限られ
るものではなく、たとえば四角形等の吹き出し部１１の
形状の場合も適応可能である。

【００２２】また第２実施例において、第２加湿空気通
路１５は、噴霧口７の外周面から所定の通路幅をもって
噴霧口７の半円周面を覆うように周設されているが、噴
霧口７の全円周面を覆うように周設しても同様な効果が
得られる。

【００２３】また連通孔１６の個数においても、これに
限られるものではなく、２箇所以上に設けることも可能
である。 〔第３実施例〕次に、図６は本発明の第３実施例に係わ
る、空気調和装置の全体を示す構成図を示したものであ
る。

【００２４】本第３実施例の空気調和装置は、加湿空気
を発生させる加湿器５と、空調ユニット１８がバイパス
路１７を介して連通されている。前記第１ないし第２実
施例においては、加湿器５および空調ユニット１８は独
立して配備されており、加湿器５内で発生させた白霧１
３を、噴霧口７へ導くための図示しないファン等を備え
ることが必要であった。

【００２５】しかしながら、本第３実施例によれば、空
調ユニット１８からバイパス路１７を介して加湿器５内
へ送風することにより、この送風を利用して噴霧口７へ
加湿空気を導入できるため、構造を簡略化することがで
き、製作コストを低減することが可能となる。

【００２６】尚、図７は、上記円形の空気吹き出し口６
および噴霧口７の、車両インパネ部への取り付け状態を
示すものである。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、冷房時において、加湿
空気を空気吹き出し口の外周部に周設された加湿空気吹
き出し口より、冷風を覆うように吹き出すことにより、
空気吹き出し口より吹き出された冷風は、車室内におけ
る高温の空気の影響を受けず、冷風の温度上昇が抑制さ
れ、人体への冷風到達性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】空気調和装置における全体を示す構成図（第１
実施例）

【図２】空気調和装置における吹き出し部の（イ）正面
図、（ロ）断面図

【図３】各噴霧法を示す構成図

【図４】本発明の効果を示すための各噴霧法における、
空気吹き出し部からの距離と到達温度の関係を示した線
図

【図５】空気調和装置における吹き出し部の（イ）正面
図、（ロ）断面図 （第２実施例）

【図６】空気調和装置における全体を示す構成図（第３
実施例）

【図７】吹き出し部の車両インパネ部への取り付け状態
を示す正面図

【符号の説明】

１ ファン ２ エバポレ−タ ５ 加湿器 ６ 空気吹き出し口 ７ 加湿空気吹き出し口をなす噴霧口 １１ 吹き出し部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内へ冷却空気を吹き出す空気吹き出し
   口と、前記室内へ白霧を含む加湿空気を吹き出す加湿空
   気吹き出し口とを有する空気調和装置において、前記加
   湿空気吹き出し口を前記空気吹き出し口の外周部に配設
   したことを特徴とする空気調和装置。