JPH0610681B2 - 染色可能な反射防止性レンズの製造方法 - Google Patents

染色可能な反射防止性レンズの製造方法

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JPH0610681B2
JPH0610681B2 JP1304998A JP30499889A JPH0610681B2 JP H0610681 B2 JPH0610681 B2 JP H0610681B2 JP 1304998 A JP1304998 A JP 1304998A JP 30499889 A JP30499889 A JP 30499889A JP H0610681 B2 JPH0610681 B2 JP H0610681B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は染色可能な反射防止性レンズの製造方法に関す
るものである。
[従来の技術] 眼鏡用レンズにおいては、装着時に光線の反射によっ
て、ゴースト、フレアーなどと呼ばれる反射像を生じて
目に不快感を与えるという問題点がある。これらの改良
法としては従来より、レンズ基材上に反射防止膜を形成
させる方法が行なわれた。また反射防止膜形成方法に関
して種々の提案がされている。(光学技術コンタクトVo
l.9,no.8,17〜23(1971))。
一方、眼鏡レンズにおいては、近年ファッション化が進
み、レンズの着色化、とくにハーフカラーと呼ばれるレ
ンズに濃淡の着色をする(通常は上部が濃い),いわゆ
るぼかし染めに対する要求が高くなっている。
以上のような、反射防止機能とレンズの着色化の両者を
満足させることを目的として、従来より行なわれていた
方法は、レンズ基材をあらかじめ染色あるいはレンズ基
材の原着によって着色したのち、反射防止加工を施すこ
とである。
しかし、この方法により形成された反射防止着色レンズ
には、次のような問題点がある。
(1) 装着法で反射防止膜を形成させる場合、高度の真
空度を要するために処理すべき着色レンズの色の濃さ、
色相などが、反射防止加工前後において変化し、再現性
に乏しい。
(2) 液状物質をコーティング法によって反射防止膜を
形成させる場合、着色レンズを液状物質に浸漬した時に
着色物質の脱落、着色物質の液状物質による化学変化な
どによって、着色レンズの色の濃さ、色相などが反射防
止加工前後で変化が生じる。
(3) 蒸着法、あるいは液状物質コーティング法のいず
れにおいても、反射防止膜の形成を後にするため多様な
彩色に関する要求に簡単に応じられない。
(4) 反射防止加工工程にミスを生じた場合、再生が困
難であり、コストに重大な影響を及ぼす。
また、表面被膜をレンズ表面に構成し、これを染色する
技術が検討されている。
特開昭49−14139号公報では、アクリル基材上に
ケイ素化合物からなる0.3ミクロン以上の単層膜から
なる硬質被膜が提案されている。
また他の公知例として、基材上に少なくとも2層の塗布
層を形成せしめ、活性エネルギー線を照射することによ
って架橋硬化させる技術が提案されている(特開昭50
−145246号公報)。
さらに他の公知例として、基材上に硬質ポリシロキサン
系被膜を一層設け、染色などによって模様入り物品を得
る技術が提案されている(特開昭53−30677号公
報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開昭49−14139号公報の技術
は、染色が困難である上、全光線透過率が94.5%程
度が限度であり好ましい反射防止性は得られないという
問題点を有していた。
また、特開昭50−145246号公報の技術の2層以
上の膜はいずれも光増感剤の濃度を変化させるものであ
り、反射防止を効果的に行うことは困難である。
さらに、特開昭50−145246号公報に記載されて
いる技術は単層による被膜であるので、反射防止効果は
満足されない。すなわち、かかる3つの公知例はいずれ
も反射防止効果を期待することができないものである。
さらに、特開昭57−37301号公報においては、レ
ンズ基材の表面に合成樹脂のハードコート層を設け、こ
のハードコート層上に単層または多層合成樹脂の層から
なる反射防止層を設けた合成樹脂性レンズが記載されて
いる。しかしながら、かかる公知例中には、コロイド状
シリカについての記載はなく、そのため、染色性に劣る
といった問題点を有していた。
本発明は、これらの問題点を解決しようとするものであ
り、高濃度に染色可能であり、かつ、高い反射防止効果
を有する反射防止性レンズの製造方法を提供することを
目的とする。
さらに本発明のポイントとなる技術は前記従来の技術で
はまったく想起できなかった、屈折率の異なる液状コー
ティング材料を用いて多層コーティングし、さらに高い
屈折率を有する層中にコロイド状シリカを含有させるこ
とにより、反射防止機能と染色性を発揮させることにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するため下記の構成を有する。
「 レンズ基材とその表面の反射防止膜からなるレンズ
の製造方法において、染色可能材料からなるレンズ基材
の上に、まず液状物質のコーティング法を用いて金属化
合物を含有する成分からなる相対的に高い屈折率を有す
る層を少なくとも一層設け、かつ該高い屈折率を有する
層の少なくとも相対的に低い屈折率を有する層と接する
層はコロイド状シリカを含有する成分からなるものであ
り、次いで液状物質のコーティング法を用いてコロイド
状シリカを含有してなる相対的に低い屈折率を有する層
を少なくとも一層設けることを特徴とする染色可能な反
射防止性レンズの製造方法。」 ここで染色可能なレンズ基材とは、たとえばジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート重合体、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリスチレンお
よびその共重合体、ポリメチルメタクリレートおよびそ
の共重合体などに代表されるプラスチック材料のほか、
染色可能な処理を施したガラスも含まれる。また、無機
ガラスに代表される基材のように染色できないものにお
いては、基材上に染色可能な被覆材によって被覆された
ものも本発明の染色可能レンズ基材に含めることができ
る。
染色可能な被覆材としてはたとえば、USP4,22
1,823に記載の可染性高硬度化被膜が好適な例とし
て挙げられる。さらにこれらの可染性高硬度化被膜は、
レンズ基材としてプラスチックを使用する場合には付着
性、硬度、対薬品性、耐久性などの諸物性の向上が期待
される。
本発明で言う染色とは分散染料、塩基性染料、酸性染
料、金属錯塩型染料などの有機染料を使ってレンズ基材
およびまたは反射防止膜全体の染色、段階的に濃淡のあ
るボカシ染色などのほか、転写紙などによる模様染色も
これに含まれる。また染色にあたって使用する染料はあ
らかじめ水、糊剤、染色助剤、界面活性剤、レベリング
剤、pH調整剤等で目的に応じた性状にコントロールさ
れるべきである。一方、染色速度、染色濃度等を増大さ
せる目的でキャリヤーと呼ばれるところの各種有機薬品
を添加し、染色特性を向上させることも容易に可能であ
る。また前記した方法で粘稠なペースト状染料配合液を
調整し、これで直接スクリーン印刷法などにより反射防
止膜上に彩色するか、まず染料ペーストで柄模様を紙、
布、フイルムなどの可とう性のある基材に印刷してお
き、これらを反射防止膜上に貼りつけて染料層と反射防
止膜表面間に密着状態をつくり、それを60〜200℃
の温度で10分〜2時間乾熱もしくは湿熱処理して染料
の塗膜への移行、固着を行なわせる方法によって模様の
染色などが実現される。染色終了後は湯洗もしくは水洗
により余分の染料ペースト、染料支持層を除去すればよ
い。
また染料としては可視領域に吸収をもつ有色染料ばかり
でなく、紫外線によって発色するホトクロミック染料、
あるいは螢光を発する螢光染料などもこれに含まれる。
反射防止膜形成方法としては、簡便であり、また、プラ
スチック基材の場合には線膨張係数の差による染色時に
発生するクラックの防止という点から液状物質のコーテ
ィングによる方法が用いられる。
また液状物質のコーティングによって反射防止性を付与
させる被膜を形成するための液状組成物としては、被膜
形成性物質のみでなる場合の他、必要な塗布作業性を付
与するための各種の揮発性溶媒を含んだものも用いるこ
とができる。
ここで液状組成物とは通常の塗布作業が適用できる範囲
の粘度を有する組成物であって適用温度で10ポイズ以
下、好ましくは1ポイズ以下のものが用いられる。すな
わち、これより高い粘度を有する液状組成物は、均一な
塗膜を得ることが困難となる場合がある。塗布方法とし
ては通常のコーティング作業で用いられる方法が可能で
あるが、薄膜の膜厚コントロールの観点からはカーテン
フロー塗装、浸漬塗装、スピン塗装などが好ましい。
本発明にいう反射防止膜とは、屈折率が相対的に異なる
複数の薄層を形成することによって反射防止効果を透明
基材に対して与えるような被膜であり、相対的に高い屈
折率を有する層として金属化合物を含有する成分からな
る層を少なくとも一層基材上に配置し、さらに、該高い
屈折率を有する層の相対的に低い屈折率を有する層と接
する層は、シリカを含有する成分からなる層であること
が必要である。さらに、表面側にも、シリカを含有して
なる相対的に低い屈折率を有する層を少なくとも一層配
置するものである。好適な具体例としては、チタン、ジ
ルコニウムのアルコキシドあるいはキレート化合物とエ
ポキシ樹脂、コロイド状シリカから得られる高い屈折率
を有する被膜と、コロイド状シリカと一般式 R Si(OR)4-a-bで表わされる有機ケイ素化合
物の加水分解物を主成分とする低い屈折率を有する被膜
との組み合せが挙げられる。この場合、反射防止効果を
最も発現させるためには各々の被膜の厚みおよび屈折率
の選択が重要であることはいうまでもない。
上記の高い屈折率を有する被膜を形成するためのチタ
ン、ジルコニウムのアルコキシドあるいはキレート化合
物の具体例としては、チタンテトラエトキシド、チタン
テトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポ
キシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ
−sec−プトキシド、チタンテトラ−tert−プトキシ
ド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテト
ラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロ
ポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジル
コニウムテトラ−sec−プトキシド、ジルコニウムテト
ラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合物、
さらにはジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチルア
セトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチルアセ
トネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルアセト
ネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、トリ−n
−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテート
などのキレート化合物などを挙げることができる。
また低い屈折率を有する被膜の形成に使用されるところ
の一般式R Si(OR)4-a-bで表わされる有機ケ
イ素化合物において、R、Rは各々アルキル基、ア
ルケニル基、アリル基、またはハロゲン基、エポキシ
基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基ない
しシアノ基を有する炭化水素基を示し、またRは炭素数
が1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル
基であり、aおよびbは0または1である。これらの有
機ケイ素化合物中で本発明の反射防止着色レンズ製造に
あたってはとくにエポキシ基を含む化合物を含有した組
成物が有効である。
これらの有機ケイ素化合物の具体的な代表例としては、
グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシ
メチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルト
リメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラ
ン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシ
ブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルト
リエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチ
ルトリエトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロ
ヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4-エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシ
ラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
プロポキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4-エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β
−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキ
シシラン、γ−(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(3,4-エポキシシクロヘキ
シル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4-エポキ
シシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−
(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシ
ラン,グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グ
リシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシ
ドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキ
シエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエ
チルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチル
メチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポ
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフ
ェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシ
シランなどのエポキシ基含有有機ケイ素化合物およびそ
の加水分解物、メチルシリケート、エチルシリケート、
n−プロピルシリケート、i−プロピルシリケート、n
−ブチルシリケート、sec-ブチルシリケートおよびt−
ブチルシリケートなどのテトラアルコキシシラン類、お
よびその加水分解物さらにはメチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエ
トキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルト
リブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルト
リアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3-トリフロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェ
ノキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロ
ロメチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシ、ト
リアシルオキシまたはトリフェノキシシラン類またはそ
の加水分解物およびジメチルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルアセトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシ
ラン、メチルビニルジエトキシシランなどジアルコキシ
シランまたはジアシルオキシシラン類またはその加水分
解物がその例である。
これらの有機ケイ素化合物は1種または2種以上添加す
ることも可能である。
これらの有機ケイ素化合物はキュア温度を下げ硬化をよ
り進行させるためには加水分解して使用することが好ま
しい。
加水分解は純水または塩酸、酢酸あるいは硫酸などの酸
性水溶液を添加、攪拌することによって製造される。さ
らに純水、あるいは酸性水溶液の添加量を調節すること
によって加水分解の度合をコントロールすることも容易
に可能である。加水分解に際しては、アルコキシ基と当
モル以上、3倍モル以下の純水または酸性水溶液の添加
が硬化促進の点で特に好ましい。
加水分解に際しては、アルコール等が生成してくるので
無溶媒で加水分解することが可能であるが、加水分解を
さらに均一に行なう目的で有機ケイ素化合物と溶媒を混
合した後、加水分解を行なうことも可能である。また目
的に応じて加水分解後のアルコール等を加熱および/ま
たは減圧下に適当量除去して使用することも可能である
し、その後に適当な溶媒を添加することも可能である。
これらの溶媒としてはアルコール、エステル、エーテ
ル、ケトン、ハロゲン化炭化水素あるいはトルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素などの溶媒が挙げられる。
またこれらの溶媒は必要に応じて2種以上の混合溶媒と
して使用することも可能である。また、目的に応じて加
水分解反応を促進し、さらに予備縮合等の反応を進める
ために室温以上に加熱することも可能であるし、予備縮
合を抑えるために加水分解温度を室温以下に下げて行な
うことも可能であることは言うまでもない。
本発明において、レンズ基材の上に反射防止層を設けた
レンズは、全体として全光線透過率が94.8%以上で
あることが必要である。94.8%未満の場合にはゴー
スト、フレアーなどが発生し、実質的に反射防止機能を
有しない。さらには高い透明性を確保し、以後の段階で
染色されても透明性を保たせるためである。
本発明の製造方法により得られる反射防止性を有する着
色レンズは、従来のものに比較して再現性が向上するの
みならず顧客の多様な要求に対しても迅速に対応できる
などの効果がある。このことは、たとえばあらかじめ反
射防止加工したレンズなどを眼鏡店の店頭で顧客の好み
に応じて染色することが可能になるということである。
本発明で言うレンズとはサングラス用、ファッショング
ラス用、安全眼鏡用、矯正用などの眼鏡用レンズばかり
でなく、スキー用ゴーグルなどもこれに含まれる。
[実施例] 以下実施例により本発明の内容を説明するがこれに限定
されるものでない。
実施例1 (1) 第1層コーティング組成物の調整 アセチルアセトン168.6gに攪拌下でシリコーン系
界面活性剤0.10gおよびメタノール分散コロイド状
シリカ(平均粒子径12±1mμ、固形分30%)1
8.0gを添加する。充分攪拌したのち、さらにテトラ
−n−ブチルチタネート15.5gを添加し、充分攪拌
を行なってコーティング組成物とした。
(2) 第2層コーティング組成物の調整 (a) シラン加水分解物の調整 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン56.5
g、ビニルトリエトキシシラン24.0gに0.05規
定塩酸水溶液19.8gを10℃にコントロールしなが
ら攪拌下で滴下混合した。滴下終了後は室温でさらに1
時間攪拌を行ない、シラン加水分解物を得た。
(b) コーティング組成物の調整 前記シラン加水分解物39.3g中に攪拌しながらn−
プロパノール150.5g、水71.2g、エチルセロ
ソルブ23.9g、実施例1で使用したと同じメタノー
ル分散コロイド状シリカ32.5g、シリコーン系界面
活性剤0.22gとアルミニウムアセチルアセトネート
0.98gを添加し、充分攪拌混合を行なって、コーテ
ィング組成物を得た。
(3) 塗布およびキュア まず前項(1)で調製した塗料を用いて、カセイソーダ水
溶液に浸漬後、洗浄したジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート重合体レンズ(直径75mm、厚み2.1
mm、CR−39プラノレンズ)に下記の条件でスピンコ
ートした。コートしたレンズは90℃で1時間加熱乾燥
を行なった。
スピンコート条件 回転数:3500rpm 回転時間:60秒 加熱乾燥後、40℃の熱水に1時間浸漬し、さらに11
0℃で1時間加熱乾燥した。
得られた第1層上さらに上記(2)、(b)で調製した第2層
コーティング組成物を第1層と同じ条件でスピンコート
し、コート後は93℃の熱風乾燥機で2時間加熱硬化を
行なった。
(4) 試験結果 得たれたレンズの全光線透過率は96.7%であり、赤
紫色の反射光色を有する反射防止レンズであった。なお
反射防止加工前レンズの全光線透過率は92.6%であ
った。またこの反射防止レンズを赤、青、黄の3色を混
合した分散染料を水に分散溶解させた染色浴を用い、9
0℃、30分間染色した。このレンズは全光線透過率が
40.6%まで染色されていた。また染色後も反射防止
効果は全く低下していなかった。
実施例2 (1) アンダーコーティング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン10
6.8gを10℃に冷却し、攪拌しながら0.05規定
塩酸水溶液15.5gを徐々に滴下し、滴下終了後、室
温にてさらに1時間攪拌をつづけてシラン加水分解物を
得た。
(b) コーティング組成物の調整 前記シラン加水分解物に、エポキシ樹脂(“エピコート
827”,シェル化学株式会社製品)25g、エポキシ
樹脂(“エポライト3002”,共栄社油脂化学工業株
式会社製品)25g、ジアセトンアルコール58.9
g、ベンジルアルコール29.5g、メタノール310
g、シリコーン系界面活性剤1.5gを添加混合し、さ
らに実施例1で使用したメタノール分散コロイド状シリ
カ416.7gとアルミニウムアセチルアセトネート1
2.5gを添加し、充分攪拌した後、コーティング組成
物とした。
(2) アンダーコートの塗布、キュアおよび前処理 前項コーーティング組成物を使って、実施例1で使用し
たジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体
レンズに浸漬法で塗布し、93℃で4時間加熱した。キ
ュアされたレンズは前処理として表面処理用プラズマ装
置(PR 501Aヤマト科学株式会社製)を用い、酸
素流量100ml/分、出力50wで2.5時間処理を行
なった。
(3) 反射防止膜の製造および試験結果 前記アンダーコートレンズを使用する以外はすべて実施
例1と同様に行なった。
得られたレンズの全光線透過率は96.2%であり、反
射光色は赤紫色がかった色を呈した。また得られたレン
ズを#0000のスチールウールにて耐摩耗性を調べた
ところ、摩耗後もほとんど傷発生は認められなかった。
またこの反射防止レンズを赤、青、黄の3色を混合した
分散染料を水に分散溶解させた染色浴を用い、90℃、
30分間染色した。このレンズは全光線透過率が54.
9%まで染色されていた。また染色後においても反射防
止効果はまったく低下されていなかった。なお、アンダ
ーコート処理のみからなるレンズの全光線透過率は9
2.78%であった。
比較例1 前記実施例2において、アンダーコート処理レンズをあ
らかじめ赤色染料で染色した後、実施例2とまったく同
様に反射防止膜を製造したところ第1層コーティング組
成物中に染料の溶出が認められ、溶液が赤く変質した。
実施例3 使用レンズをレンズ度数が−4.00ジオプターのジエ
チレングリコールビスアリルカーボネート重合体レンズ
に変える以外はすべて実施例2と同様に行なった。
得られたレンズは実施例2とまったく同様の性能を有す
るものであった。
実施例4 使用レンズをレンズ度数が+2.00 ジオプターのジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート重合体レン
ズに変える以外はすべて実施例2と同様に行なった。得
られたレンズは実施例2とまったく同様の性能を有する
ものであった。
実施例5 使用レンズを無機ガラスレンズ(直径65mm、厚み2.
0mm)を使用する以外はすべて実施例2に準じて行なっ
た。
得られたレンズの全光線透過率は94.8%であり染色
時間を3時間にして染色したところ、70.0%まで染
色された。なお未処理のレンズの全光線透過率は91.
9%であった。
比較例2 特開昭49−14139号公報の実施例2に準じて塗料
を調製した。すなわちビニルトリエトキシシラン190
重量部と、メチルトリメトキシシラン136重量部およ
び氷酢酸40重量部の溶液を0.02規定の塩酸水溶液
で加水分解した後、この液にn−ブチルシリケート10
8重量部、エチルアルコール40重量部を加水分解した
液を混合し、さらに酢酸ナトリウム2.0重量部、ベン
ジルアルコール20重量部を加え、完全に溶解して塗料
とした。この塗料を用いて実施例1の第1層と同じ条件
で“CR−39”のレンズに塗布し加熱硬化させた。得
られたレンズの、硬度、耐擦傷性、耐溶剤性は好ましか
ったが、全光線透過率は94.5%で実施例1〜5のも
のに比べて劣っていたうえ、この塗膜は染料透過性、染
色性がほとんど無く、染色することはできなかった。
比較例3 実施例1において、第1層および第2層いずれの層にも
含まれるコロイド状シリカを除いて、それぞれの層膜厚
を最大透過率が得られる条件に最適化して行う以外は、
すべて実施例1と同様に行った。その結果、得られたレ
ンズの全光線透過率は、97.3%であったが、染色後
の全光線透過率は93.0%であり、染色レンズとして
は全く実用性のないものであった。
[発明の効果] 本発明は、少なくとも低屈折率層と接する層がシリカを
含有してなる層である、金属化合物を含有してなる高屈
折率層と、シリカを含有する組成物からなる低屈折率層
とからなる複数層の反射防止被膜を液状物質のコーティ
ングによって形成するため、一定の品質のレンズを、簡
便に、効率よく製造することができ、さらに得られたレ
ンズは反射防止性に優れ、かつ高濃度に染色可能なもの
とすることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レンズ基材とその表面の反射防止膜からな
    るレンズの製造方法において、染色可能材料からなるレ
    ンズ基材の上に、まず液状物質のコーティング法を用い
    て金属化合物を含有する成分からなる相対的に高い屈折
    率を有する層を少なくとも一層設け、かつ該高い屈折率
    を有する層の少なくとも相対的に低い屈折率を有する層
    と接する層はコロイド状シリカを含有する成分からなる
    ものであり、次いで液状物質のコーティング法を用いて
    コロイド状シリカを含有してなる相対的に低い屈折率を
    有する層を少なくとも一層設けることを特徴とする染色
    可能な反射防止性レンズの製造方法。
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