JPH06103930A - 陰極線管およびその製造方法 - Google Patents

陰極線管およびその製造方法

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JPH06103930A
JPH06103930A JP24810192A JP24810192A JPH06103930A JP H06103930 A JPH06103930 A JP H06103930A JP 24810192 A JP24810192 A JP 24810192A JP 24810192 A JP24810192 A JP 24810192A JP H06103930 A JPH06103930 A JP H06103930A
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Japan
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ray tube
panel
cathode ray
colored
antireflection film
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JP24810192A
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English (en)
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Katsumi Obara
克美 小原
Hiromitsu Kawamura
啓溢 河村
Takao Kawamura
孝男 河村
Yoshifumi Tomita
好文 富田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射防止性能と高コントラスト化を同時に満
足し、かつ帯電防止性能を併有する新規構成をもつ陰極
線管とその製造方法を提供する。また、高コントラスト
化のための光波長選択吸収膜の耐光性(耐日光性)を改
良し、実用的に充分使用可能な陰極線管を提供する。 【構成】 パネル10,ファンネル20およびネック3
0からなる外囲器を有してなる陰極線管において、前記
パネル10の外面に有機染料を構成材とした光波長選択
吸収性能を有する着色反射防止膜80と透明導電膜90
を設けた。 【効果】 外光の反射を防止し、高コントラスト化と鮮
色性に優れ、さらに帯電防止効果を有する陰極線管およ
びその製造方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管およびその製
造方法にかかり、特に画像表示面における外光の反射防
止と高コントラスト化、および静電誘導による表面帯電
防止などを回避した構造を有する陰極線管およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CDT,CPTとして知られる陰極線管
は、一般にその画像表示面であるパネル表面(外面)が
光沢状態となっているので外光を反射し易くなり、パネ
ル面に表示された画像が読取り難くなるという問題があ
る。特に、最近ではテレビジョン受像機の外に情報機器
の端末として陰極線管を備えたディスプレイ装置が広く
使用され、オペレータの作業環境の問題として取上げら
れている等の事情から陰極線管の反射防止対策が強く要
求されている。
【0003】これと同時に、所謂補強型陰極線管の普及
に伴い、陰極線管のパネル面に保護ガラスが不要となっ
て、パネルが直接外気に露呈されるようになったことか
ら、当該パネルに静電気が帯電し、利用者にショックを
与えたり、大気中の塵埃を吸着して表示画像の視認性を
低下させるという問題もある。上記の問題を解決するた
めの対策として、パネル外面に反射防止膜や透明導電膜
を被着したものが種々提案されている。
【0004】この種の反射防止膜として、特開昭63−
193101号公報に開示された陰極線管では、パネル
を構成するガラス体の表面上に酸化珪素(SiO2 )の
微粒子を添加したSi(OR)4 (Rはアルキル基)の
アルコール溶液を塗布後焼成し、表面に細かく均一な凹
凸を有せしめて、屈折率の連続変化による光の干渉を利
用した反射防止膜を備えている。
【0005】しかし、上記の反射防止膜は光スペクトル
に対して選択吸収性能(光波長選択吸収性能)を有せ
ず、コントラストの向上に対しては特に効果はない。ま
た、特開平1−154445号公報に開示の陰極線管に
おいては、上記反射防止膜に透明導電膜を形成して反射
防止性能と帯電防止性能の両特性を併有させている。
【0006】しかし、この透明導電膜でも上記と同様に
選択吸収性能を有せず、コントラスト向上に対しては大
きな効果がない。さらに、特開昭63−30346号公
報には、陰極線管のパネルを構成するガラス表面に有機
染料とエチルシリケートを含む溶液から着色被膜を形成
する方法が開示されている。
【0007】そして、上記の着色被膜形成方法をベース
にして、帯電防止膜である透明導電膜に有機染料を含ま
せた着色透明導電膜を形成し、画像を高コントラスト化
した陰極線管が特開平3−11532号公報に開示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、近年
の陰極線管は多機能性が要求されており、その中の1つ
として、反射防止性能と高コントラスト化、さらには、
帯電防止性能の全てを保有する陰極線管の要求がある。
前記した従来の技術では、これら要求の全てを満足する
陰極線管、特に反射防止と高コントラスト化の2点を兼
ね備えた陰極線管を提供することは困難である。
【0009】本発明の目的は、反射防止性能と高コント
ラスト化を同時に満足し、かつ帯電防止性能を併有する
新規な構成をもつ陰極線管とその製造方法を提供するこ
とにある。また、本発明の目的は、高コントラスト化の
ための光波長選択吸収膜の耐光性(耐日光性)を改良
し、実用的に充分使用可能な陰極線管を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】反射防止性能は、SiO
2 の微粒子をエチルシリケート、ジンクブトキサイド、
チタンテトラ−イソ−プロポキシドなどのアルコキシド
の中から選ばれる少なくとも1種以上のアルコール溶液
に添加したものをパネル外面に塗布し、必要に応じてそ
れを焼き固めてSiO2 の均一な細かい凹凸を当該パネ
ルの外表面に形成することにより得られる。
【0011】このとき、アルコキシドから分解したSi
2 ,ZnO,TiO2 などがバインダーの役目をして
SiO2 結晶の微粒子を固着させる。次に、陰極線管の
高コントラスト化は、上記の溶液にさらに有機染料を添
加することにより得られる。この有機染料としては、陰
極線管の3色の螢光体の各発光スペクトルのピーク波長
の間の波長の光をカットするような選択吸収性能を有す
る膜を形成できる有機染料を選ぶ。
【0012】有機染料は、その種類や構造により耐光性
(着色寿命)が異なるが、一般に紫外線や日光に対して
褪色や変色する性質がある。これを防止するために、紫
外線を吸収する亜鉛やチタンのアルコキシド(錯塩)や
微粒子を上記の溶液に添加する。さらに、反射防止と高
コントラスト化に加え、帯電防止性能を付与させること
の要求に対しては、次のように対処する。
【0013】すなわち、それ自体が導電性を有する酸化
すず,酸化インジウム,および酸化アンチモンの中から
選ばれる少なくとも1種類と、エチルシリケート,Zn
O,TiO2 のアルコキシドの中から選ばれる少なくと
も1種類を必須成分とし、これに必要に応じて、Zn
O,TiO2 の微粒子の少なくとも1種類をそれぞれ含
有させたアルコール溶液を、上記着色反射防止膜の下地
または上地に塗布,焼成して形成した透明導電膜によ
り、帯電防止性能を付与させることができる。あるい
は、同一層内に着色反射防止膜と透明導電膜の両方を塗
布,焼成してもよい。
【0014】すなわち、本発明による陰極線管は、パネ
ル10,ファンネル20およびネック30からなる外囲
器を有してなる陰極線管において、前記パネル10の外
面に有機染料を構成材とした光波長選択吸収性能を有す
る着色反射防止膜80を設けたことを特徴とする。ま
た、本発明による陰極線管は、パネル10,ファンネル
20およびネック30からなる外囲器を有してなる陰極
線管において、前記パネル10の外面に有機染料を構成
材とした光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜8
0と透明導電膜90とを積層して設けたことを特徴とす
る。
【0015】またさらに、本発明による陰極線管は、前
記着色反射防止膜に紫外線吸収粒子を構成材として有す
ることを特徴とする。そして、本発明による陰極線管の
製造方法は、パネル10,ファンネル20およびネック
30からなる外囲器を有してなる陰極線管の製造方法に
おいて、前記パネル10の外面に、珪素,亜鉛,チタン
の各アルコキシドの中から選ばれた少なくとも1種類の
アルコール溶液中に有機染料とSiO2 の微粒子を混合
した溶液を塗布して前記パネルの外表面に有機染料を構
成材とした光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜
80を成膜する工程を少なくとも含むことを特徴とす
る。
【0016】そしてまた、本発明による陰極線管の製造
方法は、パネル10,ファンネル20およびネック30
からなる外囲器を有してなる陰極線管の製造方法におい
て、前記パネル10の外面に有機染料を構成材とした光
波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜80を成膜す
る工程と、それ自体が導電性を有する酸化錫,酸化イン
ジウム,および酸化アンチモンの中から選ばれた少なく
とも1種類と、珪素,亜鉛,チタンの各アルコキシドの
中から選ばれた少なくとも1種類のアルコール溶液との
混合溶液を上記着色反射防止膜80の下地,上地あるい
は上地と下地の両方に塗布して透明導電膜90を成膜す
る工程、あるいは同一層内に着色反射防止膜と透明導電
膜の両方を成膜する工程を少なくとも含むことを特徴と
する。
【0017】そしてまた、さらに、本発明による陰極線
管の製造方法は、前記有機染料の耐光性を向上させるた
めに、前記各製造方法において、前記混合アルコール溶
液の中に亜鉛およびチタンの微粒子の中から選ばれた少
なくとも1種類の微粒子を添加してなることを特徴とす
る。
【0018】
【作用】反射防止性能は、アルコキシドが加水分解して
できたSiO2 ,ZnO,TiO2 がバインダーの役目
をして均一に分散したSiO2 の微粒子を固着させてパ
ネル外面に微粒子の凹凸を形成して作られた屈折率の連
続変化層による光の干渉吸収作用を利用することにより
達成される。なお、この原理の詳細については前記特開
昭63−193101号公報に記述があるので、ここで
は説明を省略する。
【0019】また、高コントラスト性能は有機染料の選
択吸収性によって達成され、以下図面を参照して説明す
る。すなわち、図3はカラー陰極線管の蛍光体の発光ス
ペクトルの説明図であって、横軸に波長(nm)を、縦
軸に発光強度(相対%)をとって示す。同図において、
青色,緑色,青色の各発光スペクトルのピーク波長の間
の波長は色の鮮明さを損なう不要な波長の光であり、こ
れを斜線にて示してある。
【0020】この斜線部分で示した不要な波長の光をカ
ットすることで高コントラスト化と、鮮明度の向上を計
ることができる。従って、上記不要な波長の光を選択吸
収するフイルター効果を上記アルコール溶液に有機染料
を添加して光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜
を形成して保有させるのである。
【0021】図4は着色反射防止膜の選択吸収能の説明
図であって、横軸に波長(nm)を、縦軸に透過率
(%)をとって示す。なお、有機染料の耐光性向上につ
いては、ZnO,TiO2 の紫外線の吸収性能を利用し
ている。図5はZnO,TiO2 の紫外線の吸収能の説
明図であって、横軸に波長8nm)を、縦軸に透過率
(%)をとって示す。
【0022】同図の特性から、波長400nm以下の紫
外線を完全に吸収カットしていることが分かる。有機染
料自身に耐光性のあるものはZnO,TiO2 の添加は
不要であるが、場合によりさらに耐光性を向上させる必
要のあるときには、これらZnO,TiO2 の成分を添
加し、有機染料の周囲を包んで紫外線から保護すること
でその目的が達成できる。
【0023】また、 帯電防止性能については、それ自
身が電子導電性を有するSnO2 ,In2 3 およびS
2 3 の中から選ばれる少なくとも1種類を含む成分
が均等かつ密に連結して安定な透明導電性を示して良好
な帯電防止性能を有せしめる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明による陰極線管の1実
施例の構造を説明する断面図であって、(a)は陰極線
管の全体構造の断面図、(b)は(a)のA部分を拡大
して示す要部断面図である。
【0025】同図(a)において、10はパネル、20
はファンネル、30はネック、40はネック30の内部
に収納された電子銃、50はシャドウマスク、60はパ
ネル10の内面に形成された蛍光体層、70はファンネ
ル20とネック30の連接領域に外装された偏向ヨー
ク、80は着色反射防止膜である。なお、パネル10,
ファンネル20およびネック30で陰極線管の外周器を
構成し、B,G,Rはそれぞれ青,緑,青の電子ビーム
を示す。
【0026】同図(b)に拡大して示したように、パネ
ル10の外面に形成した光波長選択吸収性能を有する着
色反射防止膜80により前記不要な波長の光を選択吸収
するフイルター効果を持たせている。図2は本発明によ
る陰極線管の他の実施例の構造を説明する断面図であっ
て、(a)は陰極線管の全体構造の断面図、(b)は
(a)のB部分を拡大して示す要部断面図である。
【0027】同図(a)において、10はパネル、20
はファンネル、30はネック、40はネック30の内部
に収納された電子銃、50はシャドウマスク、60はパ
ネル10の内面に形成された蛍光体層、70はファンネ
ル20とネック30の連接領域に外装された偏向ヨーク
80は着色反射防止膜は前記実施例と同様のもので、9
0は透明導電膜である。
【0028】同図(b)に拡大して示したように、パネ
ル10の外面に形成した光波長選択吸収性能を有する着
色反射防止膜80により前記不要な波長の光を選択吸収
するフイルター効果を持たせると共に、この着色反射防
止膜80の上地に積層して形成した透明導電膜90によ
り帯電防止効果を持たせている。なお、図示しないが、
上記図1,図2に示した着色反射防止膜80に耐光性
(耐日光性)を付与するために紫外線吸収粒子を構成材
として有せしめることにより経時変化によるフィルター
効果の劣化を防止することができる。
【0029】このように、上記本発明の実施例によれ
ば、反射防止,高コントラストおよび良好な帯電防止効
果をもつ陰極線管を提供できる。なお、上記での耐日光
性とは、着色反射防止膜の初期の透過率落差を100%
としたとき、それが日光(外光)に被爆されて透過率が
50%に低下するまでの日数で表したものである。
【0030】次に、本発明による陰極線管の製造方法の
実施例について説明する。本発明による陰極線管の製造
に用いる光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜形
成用溶液は、例えば、次のようにして作成する。まず、
Si(OR)4 (Rはアルキル基を表わす)をエタノー
ルに溶かしたエチルシリケートのアルコール溶液を作成
する。この溶液に、10〜500nmの平均粒径を有す
るSiO2 微粒子を0.1〜10wt%の範囲で添加す
る。
【0031】このエチルシリケートに造膜剤あるいは粘
結剤としての性能を付与するために、上記アルコール溶
液に少量のH2 Oを添加し、触媒の存在下で反応させ
て、その性質を得る。アルコールは、エタノール,イソ
プロピルアルコール等を主とする。上記触媒として、硝
酸,塩酸等の酸を加えることにより、反応がゆるやかに
促進すると共に、この酸の添加はシリカゾルの安定剤と
もなる。
【0032】なお、エチルシリケートの代わりに、また
は伴合して後述の有機染料の耐光性を上げるために、ア
ルコキシド、例えばZinc−Di−n−butoxi
de〔Zn(O−n−C4 9 2 〕,TiO2 のアル
コキシド、例えばチタニウムテトライソプロポキシド
〔Ti(O−C3 7 4 〕を使用しても差し支えな
い。
【0033】また、さらに有機染料の耐光性を上げるた
めに、SiO2 微粒子に伴合して、ZnO,TiO2
微粒子を添加しても差し支えない。次に、これらの混合
アルコール溶液に着色のために有機染料を添加する。本
実施例で用いる有機染料には、多くの有機染料を使用で
きる。即ち、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ
イド染料、フタロシアニン染料、カルボニウムイオン染
料、及びその他の染料を、着色物の形、色等の目的に応
じて選べば良く、本発明はかかる染料の使用に何等限定
されない。
【0034】着色溶液に用いる染料の量は、一定の決ま
った量を示すことは困難である。実際には多くない量の
染料で充分満足すべき程度に良好な着色を与えることが
できた。明るい色調はエチルシリケートとの関係におい
て、より少ない量の染料を使用することによって、ある
いは溶液中の反応生成物の濃度をより低めることによっ
て達成することが出来る。また各種の色彩あるいは色合
を得るためには染料を組合せることもできる。
【0035】このようにして作成した光波長選択吸収性
能を有する着色反射防止膜形成用溶液は、室温または6
0℃以下の加熱下で、パネルガラス外面に適用される。
この適用は、吹付,浸漬,回転塗布または均一な塗装に
採用できる好都合なあらゆる方法によって実施すること
ができる。有機シリケートと有機染料との反応生成物
は、ある種のキレート構造が形成されているものと推定
される。また、ガラスへの結合はSi−O−Si結合お
よびSi−OHにより強固に被着しているものと考えら
れる。この溶液をパネルガラス表面に塗布した後に、塗
布被膜を硬化するために、その塗装面を100°C〜2
00°Cで加熱することが望ましい。
【0036】図6は本発明による光波長選択吸収性能を
有する着色反射防止膜の構成とそれを適用した陰極線管
の特性のの各種具体例を示した説明図である。同図にお
いて、具体例1は比較のために上げた本発明以外の例
で、色調は無色であり、効果はみられない。具体例2〜
4は有機染料の種類を変えた例であるが、コントラス
ト、鮮明度において効果がみられる。
【0037】具体例5〜8は、有機染料の混合物を使用
したもので、コントラスト、鮮明度は非常に良くなって
いる。また、具体例7〜8は、有機染料の耐光性を向上
させるために、ZnOとTiO2 の微粒子を添加した例
である。このZnOとTiO2 の微粒子の添加により、
耐光性が非常に良好となることが分かる。
【0038】次に上記着色反射防止膜の上地に透明導電
膜を形成した陰極線管の特性について説明する。図7は
本発明による光波長選択吸収性能を有する着色反射防止
膜の上地に透明導電膜を形成した陰極線管の特性の各種
具体例を示した説明図である。上記光波長選択吸収性能
を有する着色反射防止膜の上地に形成する透明導電膜
は、導電性物質として(SnO2 +Sb2 3 )を用い
た透明導電性膜形成用溶液を上記着色反射防止膜とまっ
たく同一の塗装方法で塗布し、100°C〜200°C
で約30分間焼成した。こうにして形成した前記着色反
射防止膜と透明導電膜の2層膜の特性を図7に示してい
る。
【0039】受像機のスイッチ投入時に陰極線管のパネ
ルに帯電が起こり、それが0KVにまでの時間を同図中
の*帯電の減衰時間として示す。この帯電の減衰時間の
測定は、パネルのフェース面中央から50mm離れた位
置に、シシド静電気製の静電気測定器「スタチロンT
H」を設置し、温度20〜23°C、相対湿度30〜3
5%の環境条件下で測定を行った。
【0040】無処理の陰極線管パネルの表面電位は約1
2KVで、300秒経過後もほとんど変化を示さないの
に対して、本発明の実施例による陰極線管パネルの表面
電位は図7の具体例9、10、11に示したように1秒
以下で1KV以下となり、良好な帯電防止効果を有して
いるのが分かる。具体例2と具体例9、実施例8と実施
例10,11とをそれぞれ比較すると、反射率は0.2
%ほど増加するが、色調,コントラスト,鮮明度などは
まったく変化せず、さらには、耐日光性は帯電防止膜に
より改善される。
【0041】なお、本実施例は上地に透明導電膜,下地
に着色反射防止膜を設けた構成例を示したが、本発明の
趣旨に従って、下地に透明導電膜を、上地に着色反射防
止膜を設けた構成でも、透明導電膜と反射防止膜を同一
層内に形成(同時にスプレー塗布,あるいは同時にスプ
レー塗布して形成)した構成でも差支えない。さらに、
透明導電膜,反射防止膜の両方に着色しても、あるいは
透明導電膜にのみ着色してた構成としてもよいものであ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パネル外面に光波長選択吸収性能を有する着色反射防止
膜、あるいは上記着色反射防止膜と透明導電膜を設けた
陰極線管とすることによって、外光の反射を防止して高
コントラスト化と鮮色性に優れ、さらに帯電防止効果を
有する陰極線管を容易にしかも低コストで提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の1実施例の構造を説明
する断面図であって、(a)は陰極線管の全体構造の断
面図、(b)は(a)のA部分を拡大して示す要部断面
図である。
【図2】本発明による陰極線管の他の実施例の構造を説
明する断面図であって、(a)は陰極線管の全体構造の
断面図、(b)は(a)のB部分を拡大して示す要部断
面図である。
【図3】カラー陰極線管の蛍光体の発光スペクトルの説
明図である。
【図4】光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜の
選択吸収能の説明図である。
【図5】ZnO,TiO2 の紫外線の吸収性能の説明図
である。
【図6】本発明による光波長選択吸収性能を有する着色
反射防止膜の構成とそれを適用した陰極線管の特性の各
種具体例を示した説明図である。
【図7】本発明による光波長選択吸収性能を有する着色
反射防止膜の上地に透明導電膜を形成した陰極線管の特
性の各種具体例を示した説明図である。
【符号の説明】
10 パネル 20 ファンネル 30 ネック 40 ネックの内部に収納された電子銃 50 シャドウマスク 60 パネルの内面に形成された蛍光体層 70 ファンネルとネックの連接領域に外装された偏向
ヨーク 80 光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜 90 透明導電膜。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】すなわち、それ自体が導電性を有する酸化
,酸化インジウム,および酸化アンチモンの中から選
ばれる少なくとも1種類と、エチルシリケート,Zn
O,TiO2 のアルコキシドの中から選ばれる少なくと
も1種類を必須成分とし、これに必要に応じて、Zn
O,TiO2 の微粒子の少なくとも1種類をそれぞれ含
有させたアルコール溶液を、上記着色反射防止膜の下地
または上地に塗布,焼成して形成した透明導電膜によ
り、帯電防止性能を付与させることができる。あるい
は、同一層内に着色反射防止膜と透明導電膜の両方を塗
布,焼成して得られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】そしてまた、本発明による陰極線管の製造
方法は、パネル10,ファンネル20およびネック30
からなる外囲器を有してなる陰極線管の製造方法におい
て、前記パネル10の外面に有機染料を構成材とした光
波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜80を成膜す
る工程と、それ自体が導電性を有する酸化錫,酸化イン
ジウム,および酸化アンチモンの中から選ばれた少なく
とも1種類と、珪素,亜鉛,チタンの各アルコキシドの
中から選ばれた少なくとも1種類のアルコール溶液との
混合溶液を上記着色反射防止膜80の下地,上地塗布
して透明導電膜90を成膜する工程、あるいは同一層内
に着色反射防止膜と透明導電膜の両方を成膜する工程を
少なくとも含むことを特徴とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 好文 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パネル,ファンネルおよびネックからなる
    外囲器を有してなる陰極線管において、前記パネルの外
    表面に有機染料を構成材とした光波長選択吸収性能を有
    する着色反射防止膜を設けたことを特徴とする陰極線
    管。
  2. 【請求項2】パネル,ファンネルおよびネックからなる
    外囲器を有してなる陰極線管の製造方法において、 前記パネルの外表面に、珪素,亜鉛,チタンの各アルコ
    キシドの中から選ばれた少なくとも1種類のアルコール
    溶液中に有機染料と酸化珪素の微粒子を混合した溶液を
    塗布して前記パネルの外表面に有機染料を構成材とした
    光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜を成膜する
    工程を少なくとも含むことを特徴とする陰極線管の製造
    方法。
  3. 【請求項3】パネル,ファンネルおよびネックからなる
    外囲器を有してなる陰極線管の製造方法において、 前記パネルの外表面に有機染料を構成材とした光波長選
    択吸収性能を有する着色反射防止膜を成膜する工程と、 それ自体が導電性を有する酸化錫,酸化インジウム,お
    よび酸化アンチモンの中から選ばれた少なくとも1種類
    と、珪素,亜鉛,チタンの各アルコキシドの中から選ば
    れた少なくとも1種類のアルコール溶液との混合溶液を
    上記光波長選択吸収性能を有する着色反射防止膜の下
    地,上地に塗布して透明導電膜を成膜する工程あるいは
    同一層内に着色反射防止膜と透明導電膜の両方を成膜す
    る工程を少なくとも含むことを特徴とする陰極線管の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100338034B1 (ko) * 1994-12-26 2002-10-31 삼성에스디아이 주식회사 칼라음극선관의전면판넬구조
KR100410795B1 (ko) * 1998-10-07 2003-12-18 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 표시 장치

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100338034B1 (ko) * 1994-12-26 2002-10-31 삼성에스디아이 주식회사 칼라음극선관의전면판넬구조
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