JPH0610344B2 - 金属薄膜の製造法 - Google Patents

金属薄膜の製造法

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JPH0610344B2
JPH0610344B2 JP10639788A JP10639788A JPH0610344B2 JP H0610344 B2 JPH0610344 B2 JP H0610344B2 JP 10639788 A JP10639788 A JP 10639788A JP 10639788 A JP10639788 A JP 10639788A JP H0610344 B2 JPH0610344 B2 JP H0610344B2
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秀信 新宅
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、真空蒸着によって金属薄膜を安定に形成する
ための製造法に関するものであり、特に金属薄膜表面に
おける異物と金属薄膜の組成が、その機能に重要な影響
を及ぼす例えば高密度記録特性に優れた垂直磁気記録媒
体等の製造法に関するものである。
従来の技術 一般に真空蒸着法はその高堆積速度の故に大面積,量産
用の薄膜形成法として用いられ、例えば金属薄膜形磁気
記録媒体の製造法としても適している。金属薄膜形の媒
体としてはCo基磁性薄膜媒体、特にCo−Cr媒体が
短波長記録特性の優れた垂直磁化型媒体として最適であ
る事がわかってろる。Co−Cr媒体においては、媒体
膜中におけるるCoとCrのwt%が約80:20であ
る場合にその磁気的特性が優れており、それ故蒸着法に
よって上気媒体を製膜する場合、膜中でこの濃度割合と
なる様に、蒸発るつぼ中でその組成を制御する必要があ
る。一般にCoおよびCr金属は高融点材料であり、蒸
着の場合その溶融蒸発手段としては電子線加熱法を用い
るのが一般的であり、その例を第2図および第3図に示
す。第3図は単一るつぼの蒸発源を用いた方法であり、
あらかじめCo−Crの合金、この場合Co割合の多い
合金をるつぼ1に装填しておき、電子線2により加熱溶
融させるものである。この時、るつぼ1内の合金は、そ
の蒸気圧差が大きいために、蒸気圧の高いCr成分が先
に蒸発し、膜中のCr濃度が第4図に示す如くなり、例
えば初期合金割合をCo93Crとしても蒸着初期では
Cr濃度が高く、蒸着時間の経過と共に膜中のCr濃度
が徐々に減少してゆく。そのため第3図においては、C
r粒3を補給しながらその組成を制御するものである。
また第3図は、CoとCrの2元蒸着源を用いた方法で
の従来例を示した図であり、CoおよびCrを別々のる
つぼ4,5より蒸発させ、キャン6上を走行する高分子
フィルム基板7に堆積させるものである。この時8は防
着板であり、9は巻出しローラ、10は巻取りローラで
ある。第2図においても、第3図と同じく、防着板8,
キャン6,巻出しローラ9,巻取りローラ10を備えて
薄膜を連続的に形成している。
この様な真空蒸着法により製膜する場合、いずれも高分
子フィルム上に磁気記録媒体を構成し、磁気ヘッドと接
触して記録再生するため、媒体の平滑性、特にヘッドと
の間でスペーシング損失となるような異物のない事、あ
るいは磁気的特性が長尺に亘って維持されている事が必
要となり、その長尺の程度は生産的規模に見合う長さで
ある事が必要とされる。しかるに第2図に示す方法では
以下の様な問題点を生じるものであった。すなわち、こ
の方法においては、蒸気圧の高いCrは、Cr濃度の高
い状態では金属状態としてその線材化等が難しく、それ
故金属粒としての補給となる。この時、Cr金属は昇華
性であるために加熱溶融させてるつぼ1に補給する事が
できず、それ故図に示す様な粒状の供給となる。しかし
ながらこの場合、Cr粒は粒状であるために種々の不凝
縮ガスを吸着し易く、その状態で溶湯内に供給されると
所謂突沸現象が発生し、蒸着膜中に比較的径の大きな溶
湯と同一成分の異物が発生し、磁気ヘッドとの接触にお
いて記録抜け等の大きな問題を生じさせるものであっ
た。また、第2図の従来例において、Co材料を供給し
ながら長尺に対応する方法もあるが、基本的に上記問題
点を有しているものである。
一方第3図に示す方法においては、基本的に第2図に示
した様な異物発生に対する問題はないが、次の様な問題
を有しているものである。すなわち、この様な磁気記録
媒体を真空蒸着法によって作製するメリットはその高速
量産性にあり、蒸着速度は数千Å/sec程度である。こ
の様な高蒸着速度の場合、2元蒸着法に於てはその組成
制御がうまくいかず、すなわち両者の蒸発粒子の混合が
不均一となり、フィルム基板の上流側と下流側すなわち
膜厚方向に濃度不均一を生じ特性を確保できないという
問題があった。
発明が解決しようとする課題 このように蒸気圧差の大きい合金薄膜を製膜する場合に
は、蒸発源側で組成を制御する様に、例えば蒸気圧の高
い金属成分を補給したり、2元蒸着源でそれぞれ組成を
制御する方法があるが、補給に際し、突沸現象を生じた
り、長尺に亘っての膜組成が均一でなかったり、膜厚方
向で組成ムラが発生するといった課題がある。
課題を解決するための手段 蒸気圧の低い金属割合を大とし、蒸気圧と高い金属割合
を小とする合金薄膜を真空蒸着法によって形成する際
に、第1の電子線により蒸発るつぼを加熱し、第2の電
子線により所望膜組成での高蒸気圧成分の割合よりも、
その割合が少ない第1の蒸着材料と、第1の蒸着材料よ
りも蒸気圧の高い成分の割合を増やした第2の蒸着材料
とを選択的に加熱溶融させ、前記蒸発るつぼに供給す
る。
作 用 蒸発るつぼからの蒸発組成に応じ、所望膜組成での高蒸
気圧成分の割合よりその割合の少ない蒸着材料と、それ
よりも蒸気圧の高い成分の割合を多くした蒸着材料とを
選択的に加熱溶融させてるつぼ内に供給する事により、
合金薄膜の膜組成を長尺に亘って均一化し、かつ突沸現
象をるつぼへの供給を溶湯状態で供給する事で防ぐ。
実 施 例 第1図は本発明の一実施例の製造法を具体化する真空蒸
着装置の内部構造である。
図において、11は長尺幅広の高分子フィルム基板であ
り、回転する12の円筒状キャン周囲に沿って走行しな
がらその下部で合金薄膜を形成する。13は防着板兼マ
スクであり、前記高分子フィルム基板11への合金薄膜
の付着領域を限定している。この下部には、耐熱性材料
よりなるるつぼ14が設置されており、この時るつぼ1
4は高分子フィルム基板11の幅方向に細長い形状とし
ている。るつぼ14内には蒸気圧の低い金属とそれより
も蒸気圧の高い金属と溶融した状態で存在し、この溶融
金属15は上方の第1の電子線16で加熱されて蒸発し、
前記高分子フィルム11上に堆積する。この時第1の電
子線源16は矢印で示す如く、るつぼ14の長さ方向に
ある周波数でスキャンされているものである。またこの
第1の電子線源16への投入パワーおよびスキャン周波
数は蒸発粒子空間に設けた蒸発速度モニター17により
制御されている。
一方るつぼ14の端部には、所望の合金薄膜を得るため
に、まず所望膜組成中の高蒸気圧成分の割合よりその割
合が少ない第1蒸着材料18と第1蒸着材料よりも、蒸
気圧の高い成分の割合を高めた第2蒸着材料19とが、
ロッド状で設置されており、それぞれは供給装置20,
21を介してるつぼ14上部に進入する如く構成されて
いる。またこの蒸着材料18,19の上部にはこの蒸着
材料18,19を加熱溶融させるための第2の電子線源
22が位置されており、この電子線源22からの電子線
は、蒸着材料18,19にそれぞれ選択的に照射可能な
様に内部磁界により偏向される。更にこの電子線照射の
選択と投入パワーおよび蒸着材料18,19の送り速度
は蒸発粒子空間に設けた蒸発組成モニター23の信号に
より制御されているものである。
この様に構成された実施例での作用様態は次の如くであ
る。すなわち、蒸着を開始するにあたり、まず所望膜組
成例えばCo−Crの垂直媒体でその組成が、Co80
%−Cr20%の膜を得ようとする場合、第2成分である
Crの割合が所望膜組成のCr割合よりも少ない第1蒸
着材料18を供給装置20により供給しながら第2の電
子線源22よりの電子線で選択的に加熱溶融させてるつ
ぼ14内に供給し、第1電子線源16により加熱蒸発させ
る。この時蒸発粒子の組成は第4図に示す如く、供給材
料のCr割合が低いCo93%−Cr7%の場合でも初
期にはおよそ30%のCr組成となり、その後徐々にC
r濃度が減少し、ある所定時間経過後に所望の膜組成で
あるCo80%−Cr20%になる。この状態になった
時点でシャッター24を開放し高分子フィルム基板11
に蒸着させるものである。またこの状態でしばらくする
とCr濃度が減少する。そこでCr割合が高い第2蒸着
材料19に第2電子線源22よりの電子線を照射して加
熱溶融させてるつぼ14に供給する事により蒸発粒子の
組成をCo80%−Cr20%に維持させる事が可能と
なる。またこの時、そのままで第2蒸着材料19のみを
加熱溶融させていると、再びCr割合が高くなるので、
第2電子線源22の照射を第1蒸着材料へ再照射して制
御する。この時るつぼ14内の溶湯量をある程度維持し
て長時間連続蒸着するためには、第1蒸着材料の加熱溶
融量で制御する事が望ましく、更にそのためには、第1
蒸着材料中の蒸気圧の高い成分の割合を極力低く抑えた
材料組成とする方が良く(例えば、Cr濃度2〜3
%)、こうする事によって蒸着の立上げから蒸着開始ま
でのロス時間も少なして済む。
本発明においては、蒸着時の組成制御を所望膜組成中の
高蒸気圧成分の割合よりその割合が少ない蒸着材料と、
それよりも高蒸気圧成分割合を高めた蒸着材料とを選択
的に電子線によって加熱溶融させてるつぼに供給し、更
にるつぼを別の電子線によって加熱する事で、蒸着材料
を直接るつぼ内に供給する場合に発生するような突沸現
象がなく、もし蒸着材料に不純物があったとしても供給
部で発生するだけであり、基板に付着させない構成とす
る事が容易でおあり、結果として膜表面性に優れた媒体
を作製できる。更に、蒸発中の組成制御は、蒸着材料へ
選択的に電子線を照射するだけで可能であり、また量産
時等のかなりの長尺に亘っても、その組成が制御できる
ものである。
また、本実施例では、蒸着材料の供給部としてるつぼの
片端に設けているが、基板が幅広となった場合には、他
端にも設けると基板幅方向での組成均一化が図れる。
発明の効果 本発明によれば、所望膜組成での高蒸気圧成分割合より
も、その成分割合が少ない蒸着材料と、この蒸着材料よ
りも高蒸気圧成分の割合が多い蒸着材料とを選択的に加
磅溶融させてるつぼに供給しながら蒸着する事により、
突沸現象等のない平滑な膜を作製でき、更に長尺に亘っ
て安定に膜組成の均一な垂直磁気媒体を作製する事がで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の金属薄膜製造法を具体化す
る蒸着装置の構成図、第2図および第3図は従来法によ
る金属薄膜製造装置の構成図、第4図はCo−Cr合金
蒸発におけるCr濃度と時間の関係を示す図である。 11……高分子フィルム基板、14……るつぼ、16…
…第1の電子線源、18……第1の蒸着材料、19……
第2の蒸着材料、22……第2の電子線源。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電子線により坩堝内を加熱し、所望
    膜組成中の高蒸気圧成分の割合よりその割合が少ない第
    1蒸着材料と、前記第1蒸着材料よりも高蒸気圧成分の
    割合が多い第2蒸着材料とを第2の電子線により選択的
    に加熱溶融しながら前記坩堝内に供給し、低蒸気圧成分
    割合を大とし、高蒸気圧成分割合を小とする金属薄膜を
    真空蒸着法によって形成することを特徴とする金属薄膜
    の製造法。
  2. 【請求項2】高蒸気圧成分としてはCrであり、低蒸気
    圧成分としてはCoであることを特徴とした請求項1記
    載の金属薄膜の製造法。
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