JPH0610087A - 耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金及びその製造方法 - Google Patents
耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金及びその製造方法Info
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- JPH0610087A JPH0610087A JP19476392A JP19476392A JPH0610087A JP H0610087 A JPH0610087 A JP H0610087A JP 19476392 A JP19476392 A JP 19476392A JP 19476392 A JP19476392 A JP 19476392A JP H0610087 A JPH0610087 A JP H0610087A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合
金を提供する。 【構成】 Zn:3〜8%、Mg:1〜3%及びCu:1〜3
%以下を必須元素として含有し、更にMn:0.05〜1.
0%、Cr:0.05〜0.5%、Zr:0.05〜0.5%及
びTi:0.10%以下の中から選んだ1種又は2種以上
を含有し、残部Al及び不純物からなる組成で結晶粒径
が25μm以下のアルミニウム合金を芯材とし、Zn:0.
8〜1.3%を必須元素として含有し、残部Al及び不純
物からなる組成のアルミニウム合金の皮材をクラッド率
が片面で2〜4%にて合わせ板としたことを特徴とする
耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金。
金を提供する。 【構成】 Zn:3〜8%、Mg:1〜3%及びCu:1〜3
%以下を必須元素として含有し、更にMn:0.05〜1.
0%、Cr:0.05〜0.5%、Zr:0.05〜0.5%及
びTi:0.10%以下の中から選んだ1種又は2種以上
を含有し、残部Al及び不純物からなる組成で結晶粒径
が25μm以下のアルミニウム合金を芯材とし、Zn:0.
8〜1.3%を必須元素として含有し、残部Al及び不純
物からなる組成のアルミニウム合金の皮材をクラッド率
が片面で2〜4%にて合わせ板としたことを特徴とする
耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超塑性アルミニウム合金
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、耐食性に優れ
た高強度超塑性アルミニウム合金合わせて板及びその製
造方法に関する。
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、耐食性に優れ
た高強度超塑性アルミニウム合金合わせて板及びその製
造方法に関する。
【0002】本発明において、超塑性とは、適当な温度
と変形条件のもとで材料がくびれや破断なしに数100
%以上の大きい伸びを示す現象を云う。
と変形条件のもとで材料がくびれや破断なしに数100
%以上の大きい伸びを示す現象を云う。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、微細結晶粒超塑性を起こさせるためには、結晶粒を
例えば25μm以下等に微細にすることが必要である。
本発明者らは、航空機に主として採用されている超々ジ
ュラルミン(7075アルミニウム合金)をもとに鋭意研
究を重ねた結果、特許第1,388,413号(特公昭6
1−57383号)『超塑性アルミニウム合金の製造方
法』に示す方法で、500%もの伸びを有する超塑性材
を開発し提案した。
に、微細結晶粒超塑性を起こさせるためには、結晶粒を
例えば25μm以下等に微細にすることが必要である。
本発明者らは、航空機に主として採用されている超々ジ
ュラルミン(7075アルミニウム合金)をもとに鋭意研
究を重ねた結果、特許第1,388,413号(特公昭6
1−57383号)『超塑性アルミニウム合金の製造方
法』に示す方法で、500%もの伸びを有する超塑性材
を開発し提案した。
【0004】しかし、この材料では、超塑性加工後、材
料は475℃で溶体化処理後、通常は最高強度約570
〜580N/mm2を得るためにT6時効されるが、耐食
性を付与するために過時効処理(T76或いはT73)を
行うと、強度は約500〜510N/mm2へと10〜1
5%低下してしまうという欠点があった。
料は475℃で溶体化処理後、通常は最高強度約570
〜580N/mm2を得るためにT6時効されるが、耐食
性を付与するために過時効処理(T76或いはT73)を
行うと、強度は約500〜510N/mm2へと10〜1
5%低下してしまうという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における欠点を解消して、耐食性に優れた高強度微細
粒超塑性アルミニウム合金及びその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
術における欠点を解消して、耐食性に優れた高強度微細
粒超塑性アルミニウム合金及びその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために新たな方策について鋭意研究を重ねた
結果、従来から、航空機用アルミニウム合金の耐食性向
上の一つとして行われていたクラッド材化の適用のもと
で高強度を維持し得ることを見い出し、ここに本発明を
完成したものである。
を解決するために新たな方策について鋭意研究を重ねた
結果、従来から、航空機用アルミニウム合金の耐食性向
上の一つとして行われていたクラッド材化の適用のもと
で高強度を維持し得ることを見い出し、ここに本発明を
完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、Zn:3〜8%、Mg:
1〜3%及びCu:1〜3%以下を必須元素として含有
し、更にMn:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜0.5
%、Zr:0.05〜0.5%及びTi:0.10%以下の中
から選んだ1種又は2種以上を含有し、残部Al及び不
純物からなる組成で結晶粒径が25μm以下のアルミニ
ウム合金を芯材とし、Zn:0.8〜1.3%を必須元素と
して含有し、残部Al及び不純物からなる組成のアルミ
ニウム合金の皮材をクラッド率が片面で2〜4%にて合
わせ板としたことを特徴とする耐食性に優れた高強度超
塑性アルミニウム合金を要旨とするものである。
1〜3%及びCu:1〜3%以下を必須元素として含有
し、更にMn:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜0.5
%、Zr:0.05〜0.5%及びTi:0.10%以下の中
から選んだ1種又は2種以上を含有し、残部Al及び不
純物からなる組成で結晶粒径が25μm以下のアルミニ
ウム合金を芯材とし、Zn:0.8〜1.3%を必須元素と
して含有し、残部Al及び不純物からなる組成のアルミ
ニウム合金の皮材をクラッド率が片面で2〜4%にて合
わせ板としたことを特徴とする耐食性に優れた高強度超
塑性アルミニウム合金を要旨とするものである。
【0008】また、その製造方法は、Zn:3〜8%、M
g:1〜3%及びCu:1〜3%以下を必須元素として含有
し、更にMn:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜0.5
%、Zr:0.05〜0.5%及びTi:0.10%以下の中
から選んだ1種又は2種以上を含有し、残部Al及び不
純物からなる組成のアルミニウム合金を400〜550
℃の温度で均質化熱処理し熱間圧延して芯材とし、Zn:
0.8〜1.3%を必須元素として含有し、残部Al及び
不純物からなる組成のアルミニウム合金を皮材として、
300〜500℃の温度における熱間合わせ圧延により
片面或いは両面のクラッド材とした後、350〜550
℃の温度において2段階の加熱保持焼鈍を行い、100
℃/hr以上の冷却速度で冷却した後、少なくとも50%
以上の冷間圧延を行った後、500℃/hr以上の速度で
400〜550℃の温度に加熱することを特徴とするも
のである。
g:1〜3%及びCu:1〜3%以下を必須元素として含有
し、更にMn:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜0.5
%、Zr:0.05〜0.5%及びTi:0.10%以下の中
から選んだ1種又は2種以上を含有し、残部Al及び不
純物からなる組成のアルミニウム合金を400〜550
℃の温度で均質化熱処理し熱間圧延して芯材とし、Zn:
0.8〜1.3%を必須元素として含有し、残部Al及び
不純物からなる組成のアルミニウム合金を皮材として、
300〜500℃の温度における熱間合わせ圧延により
片面或いは両面のクラッド材とした後、350〜550
℃の温度において2段階の加熱保持焼鈍を行い、100
℃/hr以上の冷却速度で冷却した後、少なくとも50%
以上の冷間圧延を行った後、500℃/hr以上の速度で
400〜550℃の温度に加熱することを特徴とするも
のである。
【0009】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
【0011】先ず、本発明に係る超塑性アルミニウム合
金における芯材の成分組成の限定理由について説明す
る。
金における芯材の成分組成の限定理由について説明す
る。
【0012】Zn:Znは強度を付与する元素であり、3
%未満では十分な強度を得ることができず、また、8%
を超える含有量では耐食性が損なわれる。よって、Zn
含有量は3〜8%とする。
%未満では十分な強度を得ることができず、また、8%
を超える含有量では耐食性が損なわれる。よって、Zn
含有量は3〜8%とする。
【0013】Mg:Mgは強度を付与する元素であり、1
%未満では十分な強度を得ることができず、また、3%
を超える含有量では冷間圧延性が損なわれる。よって、
Mg含有量は1〜3%とする。
%未満では十分な強度を得ることができず、また、3%
を超える含有量では冷間圧延性が損なわれる。よって、
Mg含有量は1〜3%とする。
【0014】Cu:Cuは強度を付与する元素であり、1
%未満では十分な強度を得ることができず、また、3%
を超える含有量では冷間圧延性、延性が損なわれる。よ
って、Cu含有量は1〜3%とする。
%未満では十分な強度を得ることができず、また、3%
を超える含有量では冷間圧延性、延性が損なわれる。よ
って、Cu含有量は1〜3%とする。
【0015】また、これらの成分を必須元素として含有
するほか、以下のMn、Cr、Zr、Tiの1種又は2種以
上を適量にて添加させる必要がある。
するほか、以下のMn、Cr、Zr、Tiの1種又は2種以
上を適量にて添加させる必要がある。
【0016】Mn、Cr、Zr:Mn、Cr、Zrは、それぞ
れ0.05%未満では後述するような微細な結晶粒を得
ることができず、また、Mnが1.0%、Crが0.5%、
Zrが0.5%を超えて含有すると、鋳造時に巨大化合物
の生成を招き、十分な超塑性伸びが得られない。よっ
て、Mn含有量は0.05〜1.0%、Cr含有量は0.0
5〜0.5%、Zr含有量は0.05〜0.5%とする。
れ0.05%未満では後述するような微細な結晶粒を得
ることができず、また、Mnが1.0%、Crが0.5%、
Zrが0.5%を超えて含有すると、鋳造時に巨大化合物
の生成を招き、十分な超塑性伸びが得られない。よっ
て、Mn含有量は0.05〜1.0%、Cr含有量は0.0
5〜0.5%、Zr含有量は0.05〜0.5%とする。
【0017】Ti:Tiは鋳塊を微細組織にするために通
常添加されるもので、0.10%を超えて添加すると、
鋳造時に巨大化合物の生成を招き、十分な超塑性伸びが
得られない。よって、Ti含有量は0.10%以下とす
る。
常添加されるもので、0.10%を超えて添加すると、
鋳造時に巨大化合物の生成を招き、十分な超塑性伸びが
得られない。よって、Ti含有量は0.10%以下とす
る。
【0018】なお、不純物として含有され得るFe、Si
は、多く含有するとCu2FeAl7、Mg2Si等の不溶性の
金属間化合物(晶出物)の生成を招き、超塑性伸びの低下
を招くので、Fe:0.15%以下、Si:0.15%以下
に抑制するのが望ましい。
は、多く含有するとCu2FeAl7、Mg2Si等の不溶性の
金属間化合物(晶出物)の生成を招き、超塑性伸びの低下
を招くので、Fe:0.15%以下、Si:0.15%以下
に抑制するのが望ましい。
【0019】次に、本発明に係る超塑性アルミニウム合
金における皮材の成分組成の限定理由について説明す
る。
金における皮材の成分組成の限定理由について説明す
る。
【0020】Zn:Znは、上記Al−Zn−Mg−Cu系の
芯材に対し、皮材が犠牲陽極作用を持つように、かつ、
芯材よりも電位が卑になるように添加される元素である
が、0.8%未満では十分な犠牲陽極作用を付与でき
ず、また1.3%を超える含有量では、皮材自体の耐食
性と芯材との電位差が小さくなり、犠牲陽極作用が小さ
くなる。よって、Zn含有量は0.8〜1.3%とする。
芯材に対し、皮材が犠牲陽極作用を持つように、かつ、
芯材よりも電位が卑になるように添加される元素である
が、0.8%未満では十分な犠牲陽極作用を付与でき
ず、また1.3%を超える含有量では、皮材自体の耐食
性と芯材との電位差が小さくなり、犠牲陽極作用が小さ
くなる。よって、Zn含有量は0.8〜1.3%とする。
【0021】なお、不純物として含有され得るFe、Si
は、芯材の場合と同様、多く含有すると、Cu2FeA
l7、Mg2Si等の不溶性の金属間化合物(晶出物)の生成
を招き、超塑性伸びの低下を招くので、Fe:0.15%
以下、Si:0.15%以下に抑制するのが望ましい。
は、芯材の場合と同様、多く含有すると、Cu2FeA
l7、Mg2Si等の不溶性の金属間化合物(晶出物)の生成
を招き、超塑性伸びの低下を招くので、Fe:0.15%
以下、Si:0.15%以下に抑制するのが望ましい。
【0022】上記芯材及び皮材からなる超塑性アルミニ
ウム合金の製造方法について説明する。
ウム合金の製造方法について説明する。
【0023】先ず、芯材となるAl合金鋳塊を400〜
550℃に加熱し、鋳塊内部のミクロ偏析の均質化を行
い、熱間圧延により所定の板厚とし、芯材とする。熱間
圧延温度は300〜500℃が望ましい。
550℃に加熱し、鋳塊内部のミクロ偏析の均質化を行
い、熱間圧延により所定の板厚とし、芯材とする。熱間
圧延温度は300〜500℃が望ましい。
【0024】次いで、この芯材に対して上記組成の皮材
を片面或いは両面に重ねてから、望ましくは400〜5
50℃の温度に再加熱して、300〜500℃の温度に
おいて熱間合わせ圧延を行って所定の板厚まで加工す
る。これにより、芯材及び皮材は熱間ファイバー組織に
なるのと同時に、Mn、Cr、Zrの遷移元素の一部が部
分析出する。ここで、クラッド率は片面で2〜4%が好
ましい。2%未満では皮材の犠牲陽極作用が十分でな
く、良好な耐食性が得られず、また4%を超えると皮材
の強度は芯材よりも小さいので、材料全体の強度が小さ
くなるので好ましくない。
を片面或いは両面に重ねてから、望ましくは400〜5
50℃の温度に再加熱して、300〜500℃の温度に
おいて熱間合わせ圧延を行って所定の板厚まで加工す
る。これにより、芯材及び皮材は熱間ファイバー組織に
なるのと同時に、Mn、Cr、Zrの遷移元素の一部が部
分析出する。ここで、クラッド率は片面で2〜4%が好
ましい。2%未満では皮材の犠牲陽極作用が十分でな
く、良好な耐食性が得られず、また4%を超えると皮材
の強度は芯材よりも小さいので、材料全体の強度が小さ
くなるので好ましくない。
【0025】この熱間圧延後に、350〜550℃の温
度において2段階の加熱保持焼鈍を行う。具体的には、
この温度範囲で、高温にて第1回目の加熱保持を行った
後、次いで低温にて第2回目の加熱保持を行うのが好ま
しい。例えば、先ず450〜550℃の温度で0.5〜
10hrの第1回目の加熱保持を行い、続いて第2回目の
加熱保持温度まで冷却し、350〜450℃の温度で
0.5〜50hrの第2回目の加熱保持を行い、100℃
/hrの冷却速度で冷却する。いずれの加熱保持も温度が
高いほど時間は短時間でよい。
度において2段階の加熱保持焼鈍を行う。具体的には、
この温度範囲で、高温にて第1回目の加熱保持を行った
後、次いで低温にて第2回目の加熱保持を行うのが好ま
しい。例えば、先ず450〜550℃の温度で0.5〜
10hrの第1回目の加熱保持を行い、続いて第2回目の
加熱保持温度まで冷却し、350〜450℃の温度で
0.5〜50hrの第2回目の加熱保持を行い、100℃
/hrの冷却速度で冷却する。いずれの加熱保持も温度が
高いほど時間は短時間でよい。
【0026】この加熱保持において、第1回目の加熱保
持により、溶質元素はその大部分が固溶され、続いて第
2回目の加熱保持により、Mn、Cr、Zrの遷移元素は
Alとの金属間化合物MnAl6、Cr2Mg3Al18、ZrAl3
等が析出する。また、Zn、Mg、CuとAlとの高温時効
析出物が形成され、冷間圧延時に生成される転位の密度
がより高くなるなり、より微細な結晶粒が生成されて超
塑性伸びの大きい材料が得られる。この2段階の加熱保
持焼鈍後の冷却速度が100℃/hr未満になると微細粒
が得られなくなる。
持により、溶質元素はその大部分が固溶され、続いて第
2回目の加熱保持により、Mn、Cr、Zrの遷移元素は
Alとの金属間化合物MnAl6、Cr2Mg3Al18、ZrAl3
等が析出する。また、Zn、Mg、CuとAlとの高温時効
析出物が形成され、冷間圧延時に生成される転位の密度
がより高くなるなり、より微細な結晶粒が生成されて超
塑性伸びの大きい材料が得られる。この2段階の加熱保
持焼鈍後の冷却速度が100℃/hr未満になると微細粒
が得られなくなる。
【0027】この後、50%以上の冷間圧延を行う。5
0%未満の冷間圧延では高い歪みエネルギーが蓄積され
ず、微細粒が得られない。
0%未満の冷間圧延では高い歪みエネルギーが蓄積され
ず、微細粒が得られない。
【0028】最後に、500℃/hr以上の加熱速度で4
00〜550℃の温度に加熱すると、所期の25μm以
下の微細粒材が得られる。昇温速度が500℃/hr未満
では、400℃以下の温度域では微細粒は得られない。
また550℃を超える温度では材料がバーニング(共晶
融解)を起こす恐れがあるので好ましくない。
00〜550℃の温度に加熱すると、所期の25μm以
下の微細粒材が得られる。昇温速度が500℃/hr未満
では、400℃以下の温度域では微細粒は得られない。
また550℃を超える温度では材料がバーニング(共晶
融解)を起こす恐れがあるので好ましくない。
【0029】一般に、超塑性変形応力σは、結晶粒径d
と以下のような関係で表わされる。すなわち、σ∝(1
/d2)〜(1/d3)である。したがって、結晶粒が微細
なことが強く要求され、本材料の例では芯材の結晶粒径
が25μm以下でないと、500%以上の伸びが期待で
きない。よって、芯材の結晶粒径は25μm以下に制御
する。
と以下のような関係で表わされる。すなわち、σ∝(1
/d2)〜(1/d3)である。したがって、結晶粒が微細
なことが強く要求され、本材料の例では芯材の結晶粒径
が25μm以下でないと、500%以上の伸びが期待で
きない。よって、芯材の結晶粒径は25μm以下に制御
する。
【0030】次ぎに本発明の実施例を示す。
【0031】
【実施例1】
【表1】 表1に示す成分組成のAl−Zn−Mg−Cu系合金の芯材
鋳塊(厚さ100mm)を480℃×12hrの均質化熱処理
した後、熱間圧延により板材にして芯材とした。次い
で、これにAl−1wt%Zn(7072合金)からなる皮材
を重ね、480℃に再加熱後、熱間合わせ圧延で所定の
クラッド材とした。クラッド率は航空機材の標準の3%
とした。次いで、表2に示す製造条件で最終板厚2.0m
mの合わせ板を製造した。
鋳塊(厚さ100mm)を480℃×12hrの均質化熱処理
した後、熱間圧延により板材にして芯材とした。次い
で、これにAl−1wt%Zn(7072合金)からなる皮材
を重ね、480℃に再加熱後、熱間合わせ圧延で所定の
クラッド材とした。クラッド率は航空機材の標準の3%
とした。次いで、表2に示す製造条件で最終板厚2.0m
mの合わせ板を製造した。
【表2】
【0032】これらの合わせ板の超塑性特性を表2に示
す。なお、高温変形は温度515℃、歪み速度2×10
-4/secにおいて行った。また、耐食性試験はASTM
規格のEXCO試験(剥離腐食試験)を行った。
す。なお、高温変形は温度515℃、歪み速度2×10
-4/secにおいて行った。また、耐食性試験はASTM
規格のEXCO試験(剥離腐食試験)を行った。
【0033】表2より明らかなように、本発明例は、従
来の耐食性改善熱処理材T76以上の耐食性が得られ、
強度はT6材並みの高い強度が得られている。
来の耐食性改善熱処理材T76以上の耐食性が得られ、
強度はT6材並みの高い強度が得られている。
【0034】
【実施例2】表1に示すNo.2組成(Al−5.7%Zn−
2.3%Mg−1.6%Cu−0.20Cr)の芯材鋳塊(厚さ
100mm)を480℃×12hrの均質化熱処理した後、
熱間圧延により板材として芯材とした。次いで、表3
2.3%Mg−1.6%Cu−0.20Cr)の芯材鋳塊(厚さ
100mm)を480℃×12hrの均質化熱処理した後、
熱間圧延により板材として芯材とした。次いで、表3
【表3】 に示す組成のAl合金皮材(不純物等は芯材組成並み)を
重ね、480℃に再加熱後、熱間合わせ圧延で所定のク
ラッド材とした。クラッド率は航空機材の標準の3%と
した。次いで、表2に示す製造条件No.1のもとで最終
板厚2.0mmの合わせ板を製造した。
重ね、480℃に再加熱後、熱間合わせ圧延で所定のク
ラッド材とした。クラッド率は航空機材の標準の3%と
した。次いで、表2に示す製造条件No.1のもとで最終
板厚2.0mmの合わせ板を製造した。
【0035】これらの合わせ板の超組成特性を表3に示
す。なお、高温変形は温度515℃、歪み速度2×10
-4/secにおいて行った。また、耐食性試験はASTM
規格のEXCO試験(剥離腐食試験)を行った。
す。なお、高温変形は温度515℃、歪み速度2×10
-4/secにおいて行った。また、耐食性試験はASTM
規格のEXCO試験(剥離腐食試験)を行った。
【0036】表3より明らかなように、本発明例は、従
来の耐食性改善熱処理材T76以上の耐食性が得られて
いる。
来の耐食性改善熱処理材T76以上の耐食性が得られて
いる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高い強度を持ちつつ、優れた耐食性を有する超塑性アル
ミニウム合金を提供できるので、複雑な形状の部品、数
の多い子部品をアッセンブリして作られる部品の製造を
一体成形で行うことができるという特徴を有し、航空機
産業等に好適である。
高い強度を持ちつつ、優れた耐食性を有する超塑性アル
ミニウム合金を提供できるので、複雑な形状の部品、数
の多い子部品をアッセンブリして作られる部品の製造を
一体成形で行うことができるという特徴を有し、航空機
産業等に好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、Zn:3〜8%、
Mg:1〜3%及びCu:1〜3%以下を必須元素として含
有し、更にMn:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜0.5
%、Zr:0.05〜0.5%及びTi:0.10%以下の中
から選んだ1種又は2種以上を含有し、残部Al及び不
純物からなる組成で結晶粒径が25μm以下のアルミニ
ウム合金を芯材とし、Zn:0.8〜1.3%を必須元素と
して含有し、残部Al及び不純物からなる組成のアルミ
ニウム合金の皮材をクラッド率が片面で2〜4%にて合
わせ板としたことを特徴とする耐食性に優れた高強度超
塑性アルミニウム合金。 - 【請求項2】 Zn:3〜8%、Mg:1〜3%及びCu:1
〜3%以下を必須元素として含有し、更にMn:0.05
〜1.0%、Cr:0.05〜0.5%、Zr:0.05〜0.
5%及びTi:0.10%以下の中から選んだ1種又は2
種以上を含有し、残部Al及び不純物からなる組成のア
ルミニウム合金を400〜550℃の温度で均質化熱処
理し熱間圧延して芯材とし、Zn:0.8〜1.3%を必須
元素として含有し、残部Al及び不純物からなる組成の
アルミニウム合金を皮材として、300〜500℃の温
度における熱間合わせ圧延により片面或いは両面のクラ
ッド材とした後、350〜550℃の温度において2段
階の加熱保持焼鈍を行い、100℃/hr以上の冷却速度
で冷却した後、少なくとも50%以上の冷間圧延を行っ
た後、500℃/hr以上の速度で400〜550℃の温
度に加熱することを特徴とする耐食性に優れた高強度超
塑性アルミニウム合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19476392A JPH0610087A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP19476392A JPH0610087A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金及びその製造方法 |
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JPH0610087A true JPH0610087A (ja) | 1994-01-18 |
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ID=16329837
Family Applications (1)
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JP19476392A Pending JPH0610087A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 耐食性に優れた高強度超塑性アルミニウム合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0610087A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103243250A (zh) * | 2013-05-29 | 2013-08-14 | 湖南鑫材合金有限公司 | 一种Al-Zn-Mg-Cu合金的配方、熔炼工艺及其应用 |
US10155553B2 (en) | 2014-07-23 | 2018-12-18 | Topy Kogyo Kabushiki Kaisha | Crawler device |
CN113751524A (zh) * | 2021-08-19 | 2021-12-07 | 山东南山铝业股份有限公司 | 一种航空o态包覆7系铝合金蒙皮薄板的生产制备工艺 |
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CN116891965A (zh) * | 2023-07-28 | 2023-10-17 | 东莞市东铝铝业有限公司 | 一种高空防坠落铝合金新材料及其制备方法、应用 |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP19476392A patent/JPH0610087A/ja active Pending
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