JPH06100171B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH06100171B2
JPH06100171B2 JP29887385A JP29887385A JPH06100171B2 JP H06100171 B2 JPH06100171 B2 JP H06100171B2 JP 29887385 A JP29887385 A JP 29887385A JP 29887385 A JP29887385 A JP 29887385A JP H06100171 B2 JPH06100171 B2 JP H06100171B2
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knocking
control
combustion pressure
ignition timing
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知嗣 力武
良隆 田原
徹郎 高羽
学 有馬
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Mazda Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの制御装置、特に振動センサの出力に
基づいて点火時期もしくは燃料の制御を行うエンジンの
制御装置に関する。
(従来技術) 一般に、エンジンのノッキングは出力性能の低下やエン
ジン各部の劣化ないし損傷等を招き、また燃焼室内に生
じる燃焼圧の異常(過上昇)はNOx等の排気ガス有害成
分の増加やエンジンの劣化等の原因となり、両者のうち
のいずれが発生した場合においてもエンジンの信頼性が
著しく損なわれることになる。そのため、自動車用等の
エンジンにおいては、上記の如き異常状態(ノッキング
及び燃焼圧の過上昇)が発生しない範囲内で最大のエン
ジン出力が得られるように点火時期や燃料供給量等を設
定しているのであるが、このような方法によるにして
も、エンジンのバラツキ或は運転状態や外気条件の変化
等に起因する上記異常状態を確実に防止することは困難
であり、そこで近年、点火時期等を可変制御することに
より上記のような不具合を回避することが行われてい
る。このような制御の一例として、実開昭54−61933号
公報によれば、燃焼室からエンジン本体に伝播される振
動を検出する振動センサを設け、該センサの出力に基づ
いてノッキングの発生を判定すると共に、ノッキングの
発生が判定された場合には該ノッキングを防止し得る量
だけ点火時期を最適時期よりもリタードさせることが示
されており、また特開昭53−56429号公報によれば、燃
焼室内の圧力を検出するセンサを用いて燃焼圧(特に最
大燃焼圧)を検出すると共に、この検出された最大燃焼
圧が予め設定された設定圧(NOx等の増加を招くことな
くエンジン出力を可能な限り高め得る最大燃焼圧)以上
である場合には、上記ノッキング発生の場合と同様に燃
焼圧を設定圧まで低下させ得る量だけ点火時期を最適時
期よりもリタードさせることが示されている。また、上
記ノッキング及び燃焼圧の過上昇の発生が、エンジンの
運転状態や外気条件の急変等のように一過性の原因によ
る場合においては、一旦上記の如くリタードさせた点火
時期をノッキングが停止された時点で再びアドバンスさ
せて最適時期に復帰させるといった制御も行われてい
る。尚、以上のような制御は、点火時期だけでなく燃焼
供給量についても同様にして行い得るものである。
然して、ノッキングの発生は上記の如く振動センサを用
いて検出することができ、また最大燃焼圧の過上昇の検
出も燃焼室からエンジン本体に伝播される振動が燃焼圧
に対応することに着目すれば上記ノッキングの発生と同
様に振動センサを用いて行うことができるにも拘らず、
従来においては、上記ノッキング発生の検出と燃焼圧過
上昇の検出とが夫々専用のセンサを用いて行われ、しか
も夫々のセンサからの出力ないし検出結果に基づく点火
時期等の制御も夫々個別のソフトウェアを用いて行われ
ていた。つまり、制御内容が異なる2種類の制御系を用
いてノッキングの制御と燃焼圧の制御とを行っていたの
である。そのため、この種の制御に使用されるハードウ
ェア及びソフトウェアの共通化が妨げられて、その両者
の構成ないし構造が著しく複雑化すると共に、大幅なコ
ストの上昇を招くといった不具合が生じていた。
これに対しては、同一の振動センサを用いて上記ノッキ
ング及び燃焼圧の制御を行うことが考えられるが、この
ようにした場合、例えば第8図に示すようにノッキング
の発生を判定する際のしきい値(判定基準値)L1と燃焼
圧の過上昇を判定する際のしきい値L2とが異なるため
に、同図に符号(ア)で示すように振動センサからの出
力値に従って得られた振動波形が、最大燃焼圧の過上昇
を示しておらず且つノッキングの発生を示していないに
も拘らず、最大燃焼圧の近傍(ア′)がノッキング判定
用のしきい値L1を超えることによりノッキングの判定が
なされるなどして制御の混乱を招く虞れが生じる。
(発明の目的) 本発明はエンジンの制御装置に関する上記のような実情
に対処するもので、振動センサを用いてノッキングの発
生及び燃焼圧の異常を検出すると共に、これらの検出結
果に基づいて点火時期もしくは燃料供給量を可変制御す
るように構成された制御装置において、上記ノッキング
の発生と燃焼圧の異常とを同一の振動センサにより確実
且つ正確に検出し得るようにすると共に、その両者に対
する点火時期等の制御をできるだけ共通化されたソフト
ウェアにより実行させ、もってこの種の制御装置におけ
る信頼性の向上はもとより、ハードウェア及びソフトウ
ェアの単純化やコストの低廉化等を図ることを目的とす
る。
(発明の構成) 本発明に係るエンジンの制御装置は、上記目的達成のた
め次のように構成したことを特徴とする。
即ち、第1図に示すように燃焼室に発生する振動を検出
する振動センサ1と、該振動センサ1からの出力を受
け、燃焼圧の異常(過上昇)とノッキングの発生とを第
1及び第2の判定基準値を用いて判定する異常状態判定
手段2と、該判定手段2からの出力が上記燃焼圧の異常
又はノッキングの発生のうちの少なくとも一方を判定し
たことを示す時に第1及び第2の制御値に従って点火時
期もしくは燃料供給量を変化させる制御手段3とを有す
る構成において、クランク角度を検出するクランク角セ
ンサ4と、該センサ4からの出力値が示す現時点のクラ
ンク角度が互いにオーバーラップしないように区画設定
された第1クランク角域及び第2クランク角域のいずれ
のクランク角域にあるかを判別するクランク角域判別手
段5と、該判別手段5からの出力に基づいて上記異常状
態判定手段2及び制御手段3の実行に際して用いられる
判定基準値及び制御値を夫々第1又は第2の値に変更設
定する変更手段6とを設ける。この場合において、上記
第1クランク角域と第2クランク角域とは、燃焼圧のピ
ークを僅かに過ぎた時期に対応する所定のクランク角度
(例えば圧縮上死点後10°の近傍におけるクランク角
度)で区画され、従って第1クランク角域においては燃
焼圧のピークが発生すると共に第2クランク角域におい
てはノッキングの発生領域が存在することになる。そし
て、このようにクランク角域を区画設定することによ
り、上記燃焼圧の過上昇の検出とノッキングの発生の検
出とを単一の振動センサ1からの出力に基づいて行うこ
とが可能となるのである。
ここで、上記変更手段6の動作を具体的に説明すると、
上記クランク角域判別手段5により現時点のクランク角
度が第1クランク角域内にあることが判別された場合に
は、燃焼圧(最大燃焼圧)の過上昇のみを正確に検出し
得るように設定ないし算出された第1の判定基準値を上
記異常状態判定手段2における判定基準値(しきい値)
として選択設定した上でこのしきい値を用いて燃焼圧の
過上昇を検出し、且つ第1の制御値、つまり燃焼圧の過
上昇が検出された際に該過上昇を迅速に防止し得るよう
に設定ないし算出された点火時期のリタード量もしくは
燃料の減少量を上記制御手段3における制御値として選
択設定する。また、これとは別に現時点のクランク角度
が第2クランク角域内にあることが判定された場合にお
いては、ノッキングの発生のみを検出し得るように設定
ないし算出された第2の判定基準値を上記判定手段2に
おけるしきい値として選択設定した上でこのしきい値を
用いてノッキングの検出を行い、且つ第2の制御値つま
りノッキングの発生が検出された際に該ノッキングを迅
速に制御し得るように設定された点火時期のリタード量
等を上記制御手段3における制御値として選択設定す
る。つまり、現時点のクランク角度が上記第1クランク
角域内にある時には、燃焼圧の異常のみを検出すると共
に、この燃焼圧の異常に応じた点火時期もしくは燃料供
給量の制御を行うための準備をしておき、また第2クラ
ンク角域内にある時には、ノッキングの発生のみを検出
すると共に、このノッキングの発生に応じた点火時期等
の制御を行うための準備をしておくのである。
尚、上記異常状態判定手段2において用いられる第1,第
2判定基準値は、上記燃焼圧の過上昇及びノッキングの
発生に対応するように予め設定された2つの基準値でも
よく、また振動センサ1からの出力値に所定の演算を施
すことにより得られた2つの代表値等でもよい。
(発明の効果) 以上のように本発明に係るエンジンの制御装置によれ
ば、所定のクランク角度にて第1クランク角域と第2ク
ランク角域とに区画すると共に、第1クランク角域にお
いては燃焼圧の異常の検出のみを行い且つ第2クランク
角域においてはノッキングの検出のみを行うようにした
から、上記2種類の異常状態を制御の混乱を招くことな
く単一の振動センサからの出力に基づいて行うことが可
能となり、この種の制御装置の構造ないし構成が単純化
されることになる。更に、上記燃焼圧の異常に対処する
点火時期もしくは燃料供給量の可変制御と、ノッキング
の発生に対処する点火時期等の可変制御とが、制御値
(点火時期のリタード量等)を第1クランク角域と第2
クランク角域とに応じて変更設定するといった簡単な手
段ないし方法によって夫々確実に行われることになる。
これにより、この種の制御装置として、信頼性に優れ且
つソフトウェア及びアードウェアが簡単化され更にはコ
ストが低廉化された制御装置が実現されることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図に示すように、エンジン10の燃焼室11には吸、排
気弁12,13を介して吸気通路14及び排気通路15が連通さ
れていると共に、吸気通路14には、吸入空気量ないしエ
ンジン出力をコントロールするスロットルバルブ16と、
燃焼室11に燃料を供給する燃料噴射ノズル17とが備えら
れ、更に上記燃焼室11には点火プラグ18が備えられてい
る。
一方、このエンジン10には、上記点火プラグ18による点
火の時期及び燃料噴射ノズル17からの燃料噴射量を制御
するコントロールユニット19が備えられている。このコ
ントロールユニット19は、エンジン10(シリンダブロッ
ク)の側壁に取付けられ且つ燃焼室11から伝播される振
動を検出する振動センサ20からの出力信号aと、クラン
ク角度を検出するクランク角センサ21からのクランク角
信号bと、上記吸気通路14におけるスロットルバルブ16
の下流側に設けられて吸気負圧(ブースト圧)を検出す
る圧力センサ22からのブースト圧信号cと、該吸気通路
14におけるスロットルバルブ16の上流側に設けられて吸
気温度を検出する温度センサ23からの吸気温信号dと、
エンジンルーム内の所定部位に取付けられて大気圧を検
出する大気圧センサ24からの大気圧信号eとを入力す
る。また、該ユニット19は、基本的には上記クランク角
信号bが示すクランク角度及び該ユニットに内蔵されて
いるフリーランニングカウンタのカウンタ値に応じて算
出されるエンジン回転数と、上記ブースト圧信号cが示
すブースト圧とに基づいて基本点火時期及び基本燃料噴
射量を夫々設定し、更にこの両者を上記吸気温信号dが
示す吸気温度や大気圧信号eが示す大気圧等に基づき必
要に応じて補正することにより、最終点火時期及び最終
燃料噴射量を設定する。そして、上記点火プラブ18に対
して所定の点火信号fを送出すべく備えられたディスト
リビュータ25に、点火時期が上記の如く設定された最終
点火時期となるように点火時期制御信号gを出力し、ま
た上記燃料噴射ノズル17から噴射される燃料が上記最終
燃料噴射量となるように該ノズル17に燃料制御信号hを
出力する構成とされている。
然して、このコントロールユニット19は、上記振動セン
サ20からの出力信号aが示す振動レベル(振動強度)に
基づいて燃焼圧の異常(過上昇)及びノッキングの発生
を検出すると共に、これらの検出結果に応じて上記最終
点火時期もしくは最終燃料噴射量の可変制御を行うよう
になっている。その場合、該ユニット19は、上記クラン
ク角信号bが示す現時点のクランク角度が、予め所定の
クランク角度にて区画設定された第1クランク角域と第
2クランク角域とのうちのいずれのクランク角域にある
かを判別すると共に、第1クランク角域にある場合に
は、燃焼圧の過上昇のみを検出し、且つ第2クランク角
域にある場合にはノッキングの発生のみを検出する。そ
して、上記第1クランク角域において燃焼圧の過上昇が
検出された場合には、該ユニット19に予め設定されてい
る2種類のマップのうちの一方のマップから該燃焼圧の
過上昇に対応する点火時期のリタード量もしくは燃料供
給量の減少量を読取り、また第2クランク角域において
ノッキングの発生が検出された場合には、上記2種類の
マップのうちの他方のマップから該ノッキングの発生に
対応する点火時期のリタード量もしくは燃料供給量の減
少量を読取るようになっている。
このようにクランク角域に応じて燃焼圧の異常及びノッ
キングの発生を検出ないし制御するためのコントロール
ユニット19内における制御回路は、具体的には第3図に
示すような構成とされている。つまり、この制御回路30
は、振動センサ20からの出力信号aが入力され且つこの
信号aから特定の周波数信号(燃焼圧のピーク近傍及び
ノッキング発生領域の近傍にて生じる例えば5KHz〜10KH
zの周波数信号)のみを測定信号iとして通過させるバ
ンドパスフィルタ31と、該測定信号iが示す振動レベル
を積分ないし平均する第1積分回路32と、該回路32によ
り算出された振動レベルの平均値を所定のゲインで増幅
することにより燃焼圧の過上昇及びノッキングの発生を
検出する際に用いられる判定基準値(しきい値)を設定
する増幅器33と、該増幅器33からの基準信号jと上記測
定信号iとを比較して現実の振動レベルが上記判定基準
値以上であるか否かを判定するコンパレータ34とを有す
る。その場合、上記増幅器33には、ゲイン設定回路35か
らのゲイン信号kが入力されるが、この信号kが示すゲ
インは、CPU36に入力されるクランク角センサ21からの
クランク角信号bに応じて(第1クランク角域か第2ク
ランク角域かに応じて)夫々異なるゲイン制御信号lを
該CPU36からゲイン設定回路35に送出することにより得
られたものである。更に、この制御回路30には、上記コ
ンパレータ34からの出力信号m、つまり上記実現の振動
レベルが判定基準値を上回った場合にその上回った分だ
けを取出して得られた信号mを再度積分ないし平均する
第2積分回路37(ノイズの発生等に基づく誤検出を防止
するために設けられている)と、該回路37からの積分信
号n(アナログ信号)をディジタル変換した上で上記CP
U36に最終出力信号oとして送出するA/D変換器38とが備
えられ、また上記第2積分回路37は、所定の時期にCPU3
6からのリセット信号pが入力されることにより該回路3
7内で算出された積分値(平均値)がゼロクリアされる
ようになっている。
次に、上記実施例の作用を、コントロールユニット19の
動作を示す第4図(I),(II),(III)のフローチ
ャートに従って説明する。尚、これらのフローチャート
は、燃焼圧の過上昇及びノッキングの発生に応じて点火
時期の制御を行う場合のものである。
エンジン10の作動時においては、コントロールユニット
19は、第4図(I)に示すバックグラウンドルーチンに
おけるステップX1からステップX7までの一連の処理を繰
返し実行するが、これらの処理を実行している間に同図
(II),(III)に示す第1,第2割込みルーチンを夫々
所定の時期に割込まれて実行する。
第4図(II)に示す第1割込みルーチンは、クランク角
信号bの示すクランク角度が所定のクランク角度(例え
ば上死点及び下死点に対応するクランク角度)となった
時に上記バックグラウンドルーチンに割込んで実行を開
始し、その割込み毎に以下に示すような処理を実行する
ことにより燃焼圧の過上昇に関する制御を行う。つま
り、上記コントロールユニット19は、先ずステップY1
前回の割込み時におけるフリーランニングカウンタ(該
ユニット19に内蔵)のカウタ値と今回の割込み時におけ
るカウンタ値との差分に応じてエンジン回転数Nを算出
すると共に、ステップY2でブースト圧信号cが示すブー
スト圧Pを読込み、更にステップY3で上記エンジン回転
数Nとブースト圧Pとに基づいて基本点火時期T0を算出
する。この場合において、上記基本点火時期T0は、エン
ジン10の出力効率が最大となる点火時期として算出され
るものであり、必要ならば吸気温信号dが示す吸気温度
等による補正を行ってもよい。そして、次のステップY4
を実行することにより、後述する上記バックグラウンド
ルーチンの実行に際してステップX4又はステップX5もし
くはステップX7にて設定された補正量(リタード量)T1
と上記基本点火時期T0とを加算して、該基本点火時期T0
を補正量T1だけリタードさせた最終点火時期Tを設定す
る。次に、該ユニット19はステップY5を実行することに
より、第3図に示すCPU36から制御回路30における第2
積分回路37にリセット信号pを送出させて、該回路37に
て算出されている積分値をゼロクリアすると共に、ステ
ップY6で上記エンジン回転数Nとブースト圧Pとに基づ
いて最大燃焼圧の過上昇を検出する際のしきい値に対応
するゲインG1を算出し、然る後、ステップY7を実行する
ことによりCPU36から制御回路30におけるゲイン設定回
路35に上記ゲインG1を設定させるべくゲイン制御信号l
を送出する。ここで、この時の制御回路30の動作を説明
すると、振動センサ20からの出力信号aがバンドパスフ
ィルタ31で濾波されることにより得られた測定信号iの
示す振動特性、つまり第5図に符号(イ)で示すような
振動波形が第1積分回路32により積分ないし平均されて
平均値A0が求められ、更に上記の如きゲイン制御信号l
を受けたゲイン設定回路35から出力されるゲイン信号k
が示すゲインG1と上記平均値A0とが増幅器33にて乗算さ
れることにより最大燃焼圧の過上昇を検出する際に用い
られる第1のしきい値A1(第5図参照)が設定される。
そして、上記測定信号iの示す振動波形が同図に符号
(ロ)で示すように上記第1のしきい値A1を超過してい
る場合にはその超過している分だけがコンパレータ34か
ら出力されると共に、更に第2積分回路37にて積分さ
れ、この積分値(平均値)がA/D変換器38を介して最終
出力信号oとしてCPU36に取込まれるのである。更に、
コントロールユニット19は、この第1割込みルーチンに
おけるステップY8を実行して、上記最終出力信号oが示
す積分値の大きさに対応させて点火時期のリタード量を
設定した第6図に示す2種類のマップのうち、燃焼圧の
過上昇に対応するように設定された同図(I)に示す第
1のマップを選択して上記バックグラウンドルーチンに
おける点火時期の制御に備えると共に、ステップY9,Y10
を実行することにより上記ステップY4で設定された最終
点火時期Tに所定の演算処理を施して燃焼圧がピークと
なる時期Txを算出し且つこの時期Txに第4図(III)の
第2割込みルーチンを割込ませるための準備を行う(割
込み可能な状態とする)。
第4図(III)に示す第2割込みルーチンは、上記第1
割込みルーチンのステップY9にて算出された燃焼圧がピ
ークとなる時期Txもしくはその時期Txを僅かながら経過
した時期に上記バックグラウンドルーチンに割込んで実
行を開始して、以下に示すようなノッキングの発生に関
する制御を行うべくステップZ1〜Z4までの一連の処理を
実行する。つまり、上記コントロールユニット19は、先
ずステップZ1を実行することにより第3図に示すCPU36
から第2積分回路37にリセット信号pを送出させて該回
路37内の積分値をゼロクリアすると共に、ステップZ2
上記エンジン回転数Nとブースト圧Pとに基づいてノッ
キングの発生を検出する際のしきい値に対応するゲイン
G2を算出し、然る後、ステップZ3を実行することにより
上記CPU36からゲイン設定回路35に上記ゲインG2を設定
させるべくゲイン制御信号lを送出する。この場合、第
5図に示す振動波形(イ)の平均値A0と、上記ゲイン設
定回路35からのゲイン信号kが示すゲインG2とが増幅器
33にて乗算されることにより、ノッキングの発生を検出
する際に用いられる第2のしきい値A2が設定される。そ
して、上記測定信号iの示す振動波形が第5図に符号
(ハ)で示すように上記第2のしきい値A2を超過してい
る場合には、その超過している分だけがコンパレータ34
から第2積分回路37及びA/D変換器38を経て最終出力信
号oとしてCPU36に取込まれる。更に、コントロールユ
ニット19は、この第2割込みルーチンにおける最後ステ
ップZ4を実行してノッキングの発生に対応するように設
定された第6図(II)に示す第2のマップを選択して上
記バックグラウンドルーチンにおける点火時期の制御に
備える。
そして、第4図(I)に示すバックグラウンドルーチン
においては、ステップX1の実行により上記制御回路30か
らの最終出力信号oが示す積分値(つまり、燃焼圧の過
上昇又はノッキングの度合)を読込むと共に、ステップ
X2でこの積分値の大きさに対応する制御量つまり点火時
期のリタード量を第6図に示す2種類のマップのちのい
ずれか一方のマップから索引する。その場合、上記第1
割込みルーチンの実行により同図(I)に示す燃焼圧の
過上昇に対応する第1のマップが選択されている場合に
はその第1のマップに徴し合せて、例えば上記積分値が
1の時には制御量tをa1として、また積分値が2の時に
は制御量tをa2として索引する一方において、上記第2
割込みルーチンの実行により同図(II)に示すノッキン
グの発生に対応する第2のマップが選択されている場合
にはその第2のマップに徴し合せて、例えば積分値が1
の時には制御量tをb1として索引する。尚、この場合に
おいて、同一の積分値に対応するa1…anとb1…bnとを比
較するとa1…anの方が大きなリタード量とされている。
そして、次のステップX3にて上記の如く索引された制御
量tが0であるか否かを判定し、その結果、0でない場
合、つまり燃焼圧の過上昇又はノッキングの発生が検出
されている場合にはステップX4を実行して上記最終点火
時期Tの算出に際して用いられた前回の補正量T1と上記
制御量tとを加算することにより今回の補正量T1(前回
のリタード量T1よりも更にtだけリタードされた量)を
求めると共に、上記制御量tが0である場合、つまり燃
焼圧の異常及びノッキングの発生が検出されていない場
合にはステップX5を実行して前回の補正量T1から予め設
定された所定のリタード量Δtを減算することにより、
前回のリタード量T1よりもΔtだけアドバンスされた今
回の補正量T1を求める。更に、次のステップX6にて、上
記の如く算出された今回の補正量T1が0よりも大きいか
否かを判定し、該補正量T1が0よりも大きい場合つまり
点火時期をリタードさせる量である場合にはこの補正量
T1をそのままの量に設定保持しておくと共に、該補正量
T1が0もしくは0よりも小さい場合つまり点火時期をア
ドバンスさせる量である場合にはステップX7を実行して
補正量T1を0に設定することにより最終点火時期Tが基
本点火時期T0(最大のエンジン出力効率が得られるよう
に設定された点火時期)よりもアドバンス側に移行する
ことを防止する。このようにバックグラウンドルーチン
の実行により設定された補正量T1は、上記第1割込みル
ーチンのステップY4で基本点火時期T0に加算されると共
に、その加算により求められた最終点火時期Tに対応す
る点火時期制御信号gが該ユニット19からディストリビ
ュータ25に送出され、更に上記の最終点火時期Tとなる
ように該ディストリビュータ25から点火プラグ18に点火
信号fが出力される(第2図参照)。
以上の動作をまとめるべく第7図に従って更に説明を加
えると、クランク角信号bが示す現時点のクランク角度
が、同図に符号(ニ)で示す振動波形にピークPmax(最
大燃焼圧に対応する)が発生した直後のクランク角度θ
1(例えば圧縮上死点θ0を約10°過ぎたクランク角度)
よりも前側の第1クランク角域にある時には、上記第1
割込みルーチンの実行により第1のしきい値A1が算出な
いし設定され且つこのしきい値A1に基づいて最大燃焼圧
の過上昇が検出されると共に、該過上昇が発生した際に
これを速かに防止するための点火時期のリタード量が予
め設定される。また、現時点のクランク角度が、上記所
定のクランク角度θ1よりも後側の第2クランク角域に
ある時(この第2クランク角域には符号(ホ)で示すノ
ッキングの発生領域が存在する)には、上記第2割込み
ルーチンの実行により第2のしきい値A2が算出ないし設
定され且つこのしきい値A2に基づいてノッキングの発生
が検出されると共に、該ノッキングが検出された際にこ
れを速かに防止するための点火時期のリタード量が設定
される。そして、実際に上記最大燃焼圧の過上昇又はノ
ッキングの発生が検出された際には、上記の如く設定さ
れたリタード量に従って点火時期の制御が行われる。
このように、上記実施例によれば、単一の振動センサ20
により燃焼圧の異常とノッキングの発生とを、制御の混
乱等を招くことなく検出することが可能となると共に、
上記2種類の異常状態の検出結果に基づく点火時期の制
御が、制御量(点火時期のリタード量)をクランク角域
に応じて変更設定するといった簡単な方法により行われ
ることになる。これにより、従来のように2種類のセン
サと2種類のスフトウェアとを用いて燃焼圧の異常及び
ノッキングに対する制御を行っていた場合と比較して、
この種の制御装置の構造ないし構成が単純化され且つコ
ストが低廉化されることになる。
尚、上記実施例における燃焼圧の異常に対する制御は、
該燃焼圧の過上昇のみについて行うようにしたが、これ
と同様の構成を用いてエンジンの劣化等に起因する燃焼
圧の過減少に対する制御を行うようにしてもよい。ま
た、第4図に示すフローチャートは点火時期の制御につ
いてのみ示したものであるが、このフローチャートと同
様の処理を燃料供給量の制御について実行させるように
してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体構成を示すブロック図である。第
2〜7図は本発明の実施例を示すもので、第2図は制御
システム図、第3図はコントロールユニットの主要部の
構成を示すブロック図、第4図(I),(II),(II
I)はコントロールユニットの基本動作、第1割込み動
作、第2割込み動作を夫々示すフローチャート図、第5
図は作用を示す概略説明図、第6図(I),(II)は夫
々コントロールユニットに予め設定されている第1のマ
ップと第2のマップ、第7図は作用効果を示す概略説明
図である。また、第8図は従来の問題点を示す概略説明
図である。 10…エンジン、11…燃焼室、17…燃料噴射ノズル、18…
点火プラグ、19…コントロールユニット(2…異常状態
判定手段、3…制御手段、5…クランク角域判別手段、
6…変更手段)、21…クランク角センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有馬 学 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−185652(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室で発生する振動を検出する振動セン
    サからの出力に応じて点火時期もしくは燃料供給量の制
    御を行うエンジンの制御装置であって、単一の振動セン
    サからの出力に基づいて燃焼圧の異常とノッキングの発
    生とを判定する異常状態判定手段と、該手段により燃焼
    圧の異常又はノッキングの発生の少なくとも一方が判定
    された時に点火時期もしくは燃料供給量を変化させる制
    御手段と、現時点のクランク角度が、互いにオーバーラ
    ップしないように区画設定された第1クランク角域と第
    2クランク角域とのいずれのクランク角域にあるかを判
    別するクランク角域判別手段とを設け、且つ該判別手段
    により判別された現時点のクランク角度が第1クランク
    角域にあるか第2クランク角域にあるかに応じて、上記
    異常状態判定手段で用いられる判定基準値と上記制御手
    段で用いられる制御値とを燃焼圧の異常に対応する値又
    はノッキングの発生に対応する値に夫々変更設定する変
    更手段を設けたことを特徴とするエンジンの制御装置。
JP29887385A 1985-12-28 1985-12-28 エンジンの制御装置 Expired - Lifetime JPH06100171B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11501099A (ja) * 1995-12-05 1999-01-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 内燃機関の制御方法および装置

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JPH11501099A (ja) * 1995-12-05 1999-01-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 内燃機関の制御方法および装置

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