JPH0599612A - レーザ干渉計 - Google Patents

レーザ干渉計

Info

Publication number
JPH0599612A
JPH0599612A JP3285684A JP28568491A JPH0599612A JP H0599612 A JPH0599612 A JP H0599612A JP 3285684 A JP3285684 A JP 3285684A JP 28568491 A JP28568491 A JP 28568491A JP H0599612 A JPH0599612 A JP H0599612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
closed container
reflected
laser
beams
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3285684A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Kodama
賢一 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP3285684A priority Critical patent/JPH0599612A/ja
Publication of JPH0599612A publication Critical patent/JPH0599612A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気のゆらぎの影響を無くすと共に、レーザ
ビームの波長補正を不要とする。 【構成】 底辺8aとこの底辺を挟む2辺8b,8cと
で側面を囲まれた密閉空間8dを有し、それら2辺のそ
の密閉空間側に第1の反射面M1 及び第2の反射面M2
が形成された密閉容器8と、レーザビームB0 を第1の
ビームB1 と第2のビームB2 とに分離し、これら第1
及び第2のビームをそれぞれその密閉容器8の第1及び
第2の反射面に垂直に入射させるレーザビーム分離光学
系2〜7と、それら第1及び第2の平面鏡にそれぞれ反
射されそのレーザビーム分離光学系2〜7を介して戻っ
てきた第1及び第2のビームを混合して受光するフォト
ディテクタ10とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば測長用のレーザ
干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造用のステッパー又は高精度な
工作機械等において、2部材間の相対変位を高精度に測
定するために測長用のレーザ干渉計が使用されている。
図10は従来のレーザ干渉計の構成を示し、この図10
において、レーザ発振器1から射出されたレーザビーム
0 は偏光ビームスプリッター(PBS)3に入射す
る。このレーザビームB0 は図10の紙面に平行な偏光
成分(P偏光成分)と紙面に垂直な偏光成分(S偏光成
分)とを有するものとする。具体的に、例えばそのレー
ザ発振器1の発振状態が直線偏光であり、そのレーザビ
ームB0 の偏光面がその偏光ビームスプリッター3に対
して図10の紙面に垂直な方向から光軸回りに45゜回
転している場合、又はそのレーザ発振器1の発振状態が
円偏光である場合には、そのレーザビームB0 は両方の
偏光成分を有する。
【0003】この場合、そのレーザビームB0 の例えば
P偏光成分は、その偏光ビームスプリッター3の接合面
を透過して参照ビームBrとなる。この参照ビームBr
は1/4波長板5を透過した後、固定鏡15で反射され
て再びその1/4波長板5を透過するが、その1/4波
長板5を一往復することにより偏光面が90゜回転して
いる。このため、その偏光ビームスプリッター3に向か
う参照ビームBrの偏光状態はS偏光となり、その参照
ビームBrはその偏光ビームスプリッター3の接合面で
反射された後、偏光板9を透過してフォトディテクタ1
0に到達する。その偏光板9の光学軸は、図10の紙面
に垂直な方向から45゜回転した方向に設定されてお
り、その参照ビームBrのその偏光板9の光学軸に平行
な偏光成分がそのフォトディテクタ10に到達する。
【0004】一方、レーザ発振器1から射出されたレー
ザビームB0 の内の偏光ビームスプリッター3に対する
S偏光成分は、その接合面で反射されて測長ビームBm
となる。この測長ビームBmは、1/4波長板4を透過
した後、移動鏡16で反射されて再びその1/4波長板
4を透過するが、その1/4波長板4を一往復すること
により偏光面が90゜回転している。このため、その偏
光ビームスプリッター3に向かう測長ビームBmの偏光
状態はP偏光となり、その測長ビームBmはその偏光ビ
ームスプリッター3の接合面を透過した後、偏光板9を
透過してフォトディテクタ10に到達する。測長ビーム
Bmについても、その偏光板9の光学軸に平行な偏光成
分がそのフォトディテクタ10に到達するので、そのフ
ォトディテクタ10上では固定鏡15からの参照ビーム
Brと移動鏡16からの測長ビームBmとが干渉する。
【0005】そして、移動鏡16がその測長ビームBm
の光軸に平行なx方向に移動すると、レーザ発振器1を
出てからフォトディテクタ10に到達するまでの測長ビ
ームBmと参照ビームBrとの光路長の差が変化して、
フォトディテクタ10上での光強度が変化する。この光
強度をI´、移動鏡16の変位をx、大気の屈折率をn
´、レーザビームの真空中の波長をλとして、I0 ´及
びφ0 ´を定数とすると、両者の関係式は次の(数1)
で与えられ、図11に示すような信号波形が得られる。
【0006】
【数1】 I´=I0 ´{1+cos(4πn´x/λ+φ0 ´)} 従って、その光強度I´を光電変換して逐次測定するこ
とにより、逆に移動鏡16の変位xを知ることができ
る。図11において、光強度I´の変位xに対する周期
Q´はλ/(2n´)である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来のレーザ干渉計においては、レーザビーム(特
に測長ビームBm)の光路中の空気にゆらぎが生じる
と、空気の屈折率の変化により光路長が変化して、測定
誤差が生じるという不都合がある。この測定誤差を減少
させるため、図10に示すように、測長ビームBmの近
傍に空気の温度、圧力及び湿度等を計測するためのセン
サー17を配置することも考えられる。この場合には、
フォトディテクタ10から出力される光電変換信号を処
理する波長補正回路18が設けられ、そのセンサー17
から供給される測定データに基づいてレーザビームの波
長λの補正及び移動鏡16の変位の計算が行われる。
【0008】しかしながら、この方式でも局所的な屈折
率の変化を完全に補正しきれないという不都合があっ
た。即ち、空気のゆらぎは空間的に一様ではないので、
一箇所で大気の状態を測定するだけでは完全に空気のゆ
らぎの補正をすることはできない。また、移動鏡16が
x方向に前後に移動するために、測長ビームBmの光路
中に多数のセンサーを配置する構成も実用的ではない。
本発明は斯かる点に鑑み、空気のゆらぎの影響が無く、
かつレーザビームの波長補正を不要とするレーザ干渉計
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるレーザ干渉
計は、例えば図1に示す如く、底辺(8a)とこの底辺
を挟む2辺(8b,8c)とで側面を囲まれた密閉空間
(8d)を有し、それら2辺のその密閉空間側に第1の
平面鏡M1及び第2の平面鏡M2 が形成された密閉容器
(8)と、レーザビームB0 を第1のビームB1 と第2
のビームB2 とに分離し、これら第1及び第2のビーム
をそれぞれその密閉容器(8)の第1及び第2の平面鏡
に垂直に入射させるレーザビーム分離光学系(2〜7)
と、それら第1及び第2の平面鏡にそれぞれ反射されそ
のレーザビーム分離光学系(2〜7)を介して戻ってき
た第1及び第2のビームを混合して受光する光電変換素
子(10)とを有し、それら第1及び第2の平面鏡にそ
れぞれ反射された第1及び第2のビームの干渉状態の変
化より、その密閉容器(8)の底辺(8a)に平行な方
向への変位を測定するようにしたものである。
【0010】この場合、その密閉容器(8)の密閉空間
(8d)には、所定の気体を封入してもよく、又は真空
に保っておいてもよい。また、その密閉容器(8)の底
辺(8a)とこの底辺を挟む2辺(8b,8c)とが二
等辺三角形をなすようにしてもよい。ただし、これは実
質的に二等辺三角形であるという意味であり、より正確
にはその底辺(8a)と辺(8b)との交差角と底辺
(8a)と辺(8c)との交差角とが等しければよく、
必ずしも三角形である必要もないことは言うまでもな
い。更に、それら第1のビームB1 と第2のビームB2
とが、その密閉容器(8)の底辺(8a)又はこの底辺
の近傍で互いに交差するようにしてもよい。
【0011】
【作用】斯かる本発明によれば、例えば図1に示すよう
に、レーザビーム分離光学系(2〜7)に対して密閉容
器(8)がその底辺(8a)の方向(x方向)に移動す
ると、第1のミラーM1 から反射される第1のビームB
1 の光路長と第2のミラーM2 から反射される第2のビ
ームB2 の光路長との差が次第に変化する。従って、光
電変換素子(10)でこれら第1のビームB1 と第2の
ビームB2 との干渉状態の変化を検出することにより、
その密閉容器(8)のその底辺(8a)に平行な方向へ
の変位を測定することができる。
【0012】この場合、第1及び第2のビームの大部分
は密閉容器(8)の密閉空間(8d)の中を通過してお
り、密閉空間(8d)の内部では気体のゆらぎは存在し
ない。また、レーザビーム分離光学系(2〜7)と密閉
容器(8)との間隔は短くできると共に、あまり変化し
ないので、その間隔における空気のゆらぎの影響はほぼ
無視することができる。従って、レーザ干渉計の周囲で
空気のゆらぎが生じてもその影響はなく、測定結果に誤
差が生ずることもない。
【0013】また、その密閉容器(8)の底辺(8a)
とこの底辺を挟む2辺(8b,8c)とが二等辺三角形
をなしている場合には、その密閉容器(8)がそのレー
ザビーム分離光学系(2〜7)に対してその底辺(8
a)に垂直な方向に相対変位しても、第1のビームB1
の光路長と第2のビームB2 の光路長との差は変化しな
い。従って、その底辺(8a)に垂直な方向への相対変
位は測定されないので、その底辺(8a)に平行な方向
(x方向)への変位だけを正確に測定することができ
る。
【0014】更に、第1のビームB1 と第2のビームB
2 とがその密閉容器(8)の底辺(8a)の近傍で互い
に交差するようにした場合には、仮にその底辺(8a)
に場所による厚さのむらがある場合でも、それら第1の
ビームB1 の光路長と第2のビームB2 の光路長とが同
じ量だけ変化する。従って、その底辺(8a)の厚さの
むらにより計測結果に誤差が生じることがない。
【0015】
【実施例】以下、本発明によるレーザ干渉計の種々の実
施例につき図1〜図9を参照して説明しよう。これらの
実施例において図10に対応する部分には同一符号を付
してその詳細説明を省略する。
【0016】[第1実施例]図1は第1実施例の平面の
断面図を示し、この図1において、2は全体として中空
の第1の密閉容器を示す。この第1の密閉容器2の中空
部の側面を、光透過性のレーザビーム入射面2a、光透
過性のレーザビーム入出力面2b、光透過性のレーザビ
ーム射出面2c及びその他の面により囲み、その中空部
には偏光ビームスプリッター3、2個の1/4波長板
4,5及び2個の平面鏡6,7を設置しておく。そし
て、その第1の密閉容器2の中空部は所定の気体を封入
するか、又は真空に保っておく。また、その第1の密閉
容器2のレーザビーム入射面2aの外側にレーザ発振器
1を固定し、レーザビーム射出面2cの外側に偏光板
9、集光レンズ11及びフォトディテクタ10を配置す
る。
【0017】8は密閉空間8dを有する第2の密閉容器
を示し、この第2の密閉容器8の密閉空間8dの側面を
光透過性の底辺8a、この底辺8aに頂角αで交差する
第1辺8b及びその底辺8aに頂角βで交差する第2辺
8cで覆う。それら第1辺8b及び第2辺8cの密閉空
間8d側の面にそれぞれ面精度が極めて良い平面状の第
1の反射面M1 及び第2の反射面M2 を形成する。そし
て、その密閉空間8dも所定の気体を封入するか、又は
真空に保っておく。また、その第1の密閉容器2のレー
ザビーム入出力面2bと第2の密閉容器8の底辺8aと
が対向するように配置すると共に、その第2の密閉容器
8はその底辺8aに平行なx方向に移動自在であるもの
とする。これは第2の密閉容器8を、例えばx方向に摺
動する移動テーブルに装着することを意味し、これによ
りその移動テーブルのx方向への変位を測定することが
できる。
【0018】この図1において、レーザ発振器1から射
出されたレーザビームB0 は、レーザビーム入射面2a
を透過して第1の密閉容器2の中空部の偏光ビームスプ
リッター3に入射し、このビームスプリッター3の接合
面に対するS偏光成分は反射されて第1のビームB1
なり、P偏光成分は透過して第2のビームB2 となる。
レーザ発振器1の発振状態が直線偏光の場合は、その偏
光面を偏光ビームスプリッター3に対して光軸回りに4
5゜傾けて配置する。この場合、第1のビームB1 は1
/4波長板4を通り円偏光となって平面鏡6で反射され
た後に、レーザビーム入出力面2b及び底辺8aを透過
して第2の密閉容器8の密閉空間8dの第1の反射面M
1に垂直に入射する。
【0019】第1の反射面M1 で垂直に反射された第1
のビームB1 は、底辺8a及びレーザビーム入出力面2
bを通って平面鏡6で反射された後、1/4波長板4を
通過する。この結果、第1のビームB1 は1/4波長板
4を2回通過したことになり、偏光ビームスプリッター
3の接合面に対してP偏光になる。従って、その第1の
ビームB1 はその接合面を透過した後、レーザビーム射
出面2c及び偏光板9を透過して、集光レンズ11によ
りフォトディテクタ10上に集束される。その偏光板9
の偏光軸は偏光ビームスプリッター3の接合面に対して
光軸回りに45゜傾いている。
【0020】一方、第2のビームB2 は、1/4波長板
5を通り円偏光となって平面鏡7で反射された後に、レ
ーザビーム入出力面2b及び底辺8aを透過して第2の
密閉容器8の密閉空間8dの第2の反射面M2 に垂直に
入射する。第2の反射面M2で垂直に反射された第2の
ビームB2 は、底辺8a及びレーザビーム入出力面2b
を通って平面鏡7で反射された後、1/4波長板5を通
過する。この結果、第2のビームB2 は1/4波長板5
を2回通過したことになり、偏光ビームスプリッター3
の接合面に対してS偏光になる。従って、その第2のビ
ームB2 はその接合面で反射された後、レーザビーム射
出面2c及び偏光板9を透過して、集光レンズ11によ
りフォトディテクタ10上に集束される。このフォトデ
ィテクタ10上において第1のビームB1 と第2のビー
ムB2 とが干渉する。
【0021】この状態で第2の密閉容器8が底辺8aに
平行なx方向に移動すると、第1のビームB1 の光路長
と第2のビームB2 の光路長とがそれぞれ変化する。こ
れらの変化の正負は逆であるため、両者の光路長の差が
変化し、それに応じてフォトディテクタ10上で光強度
が正弦波状に変化する。この原理を図2を参照して詳細
に説明する。
【0022】図2においては、図1の第2の密閉容器8
を三角形の図形で模式的に表している。初めに実線で示
す位置にあった密閉容器8が、底辺に平行な方向にx、
その底辺に垂直な方向にyだけ並進移動して点線で示す
位置8Tに達する場合を想定する。この場合、反射面M
1 及び反射面M2 が底辺となす角度はそれぞれα及びβ
であるため、第1のビームB1 及び第2のビームB2
通過する片道の長さの増加量をそれぞれL1 及びL2
すると、これらL1 及びL2 はx及びyの関数として次
式で表すことができる。
【数2】L1 =−sinα・x+cosα・y L2 = sinβ・x+cosβ・y
【0023】従って、密閉容器8内の気体の屈折率をn
とすると、第1のビームB1 と第2のビームB2 との往
復の光路長差ΔPは次の(数3)で表すことができる。
【数3】 ΔP=2n(L2 −L1 ) =2n{(sinβ+sinα)x+(cosβ−cosα)y}
【0024】仮に密閉容器8が二等辺三角形であるとす
ると、α=βが成立し、(数3)の第2項が消えて(数
3)は次の(数4)になる。
【数4】ΔP=4nsinα・x この(数4)にはyが含まれていないため、底辺に垂直
な方向への変位yが存在しても、測定結果には影響しな
いことを意味する。従って、第2の密閉容器8が二等辺
三角形とみなせるときには、その密閉容器8のx方向へ
の案内機構に底辺に垂直な方向への振れが存在しても測
定結果は正確にx方向のみの変位を示すことになり、測
定精度が向上する。
【0025】この場合のフォトディテクタ10上の光強
度をIとして、I0 及びφ0 をそれぞれ定数とすると、
光強度Iと変位xとの関係は次の(数5)のようにな
り、その波形は図3に示す如くなる。
【数5】 I=I0 {1+cos(8πnsinα・x/λ+φ0 )} 従って、その光強度Iを光電変換して逐次測定すること
により、逆に第2の密閉容器8の変位xを知ることがで
きる。図3において、光強度Iの変位xに対する周期Q
はλ/(4nsinα)である。
【0026】本例においては、第1のビームB1 及び第
2のビームB2 の光路の大部分が第2の密閉容器8の内
部にあるので、その光路の大部分では空気のゆらぎの影
響を受けることがない。また、第1の密閉容器2と第2
の密閉容器8との間では第1のビームB1 及び第2のビ
ームB2 は共に大気中を通り、空気のゆらぎの影響を受
けるが、両密閉容器の間隔を小さく保つことでその影響
はほとんど無視できる。また、ビームB1 及びビームB
2 が第1の密閉容器2から射出してフォトディテクタ1
0に到達するまでの間は大気中を通過するが、ビームB
1 及びビームB2 は同一光路を通過するので空気のゆら
ぎの影響はない。勿論、偏光板9、集光レンズ11、フ
ォトディテクタ10も第1の密閉容器2内に入れても良
いことは言うまでもない。従って、本例のレーザ干渉計
によれば、空気のゆらぎの影響をほぼ完全に排除するこ
とができる。
【0027】また、図1に示すように、本例では第1の
ビームB1 と第2のビームB2 とが第2の密閉容器8の
底辺8aの中又はこの底辺8aの近傍で交差している。
従って、その底辺8aの厚さがx方向でばらついていて
も、その底辺8aの厚さに起因する第1のビームB1
光路長の変化量と第2のビームB2 の光路長の変化量と
はほぼ同一であり、その厚さのばらつきの影響を排除で
きる利点がある。
【0028】更に、第2の密閉容器8の熱膨張等による
内容積の変化が小さいものとすると、その密閉容器8の
内部の気体(又は真空)の屈折率は常に一定である。従
って、大気の温度、圧力、湿度等が変化しても、これら
に全く左右されずに安定した測定を行うことができる。
即ち、その密閉容器8に最初に気体を封入したときの屈
折率nが正確に知られていれば、波長補正を行う必要が
全くなくなることになる。
【0029】なお、上述実施例では変位をフォトディテ
クタ10上で干渉する2本のレーザビームの強度変化と
して検出するホモダイン検出法で説明しているが、密閉
容器8の前進又は後退を判別するためにフォトディテク
タ10を複数個の受光素子より構成し、位相を部分的に
変化させるための位相板等を配置してもよい。また、第
1のビームB1 及び第2のビームB2 として周波数がわ
ずかに異なる互いにコヒーレントなレーザビームを用い
たヘテロダイン検出法を用いてもよく、この場合には、
光強度Iの光電変換信号は位相変調信号となり、1相の
信号から前進又は後退の情報を得ることができる。
【0030】上記したように第1実施例では、第2の密
閉容器8が二等辺三角形であるときには、その密閉容器
8が並進移動しても測定誤差は生じない。しかしなが
ら、その密閉容器8が回転すると測定誤差が生じる虞が
ある。図4は、その密閉容器8が図4の紙面に平行な面
内で回転した状態を示し、この図4において、初めに実
線で示す位置にあった密閉容器8が回転して一点鎖線で
示す位置8Rに達するものとする。また、入射ビームを
実線で示し、密閉容器8が回転した後の反射ビームを点
線で示す。ただし、この図4では簡単のため図1におけ
る第1の密閉容器2、1/4波長板4,5、偏光板9及
びフォトディテクタ10等は省略してある。
【0031】この図4より理解できるように、入射する
第1ビームB1 及び第2ビームB2は密閉容器8内の反
射面で反射されてそれぞれ点線で示す第1ビームB1 ´
及び第2ビームB2 ´となるが、これら第1ビームB1
´及び第2ビームB2 ´はフォトディテクタ10に入射
するときに広がり角を持った2本のビームとなる。この
ため、フォトディテクタ10上での干渉状態に変化が生
じ、測定誤差が発生したり、干渉しなくなったりすると
いう不都合がある。この不都合を改善したのが次に示す
第2実施例である。
【0032】[第2実施例]図5は本例の光学系の平面
の断面図を示し、この図5において図1に対応する部分
には同一符号を付してその詳細説明を省略する。ただ
し、第1の密閉容器2は図1の場合と異なりレーザビー
ム入射面2aをレーザビーム射出面としても兼用し、中
空部の側面の形状もわずかに異なっているが、同一の符
号を使用している。
【0033】図5において、12は無偏光ビームスプリ
ッターを示し、このビームスプリッター12を第1の密
閉容器5のレーザビーム入射面2aの外側に設置し、こ
のビームスプリッター12の接合面に対して対称にレー
ザ発振器1及び光学素子9,10,11を配置する。ま
た、第1の密閉容器2の中空部において、偏光ビームス
プリッター3の一面側にコーナーキューブ13を配置す
る。コーナーキューブ13は入射して来るレーザビーム
を同じ方向に反射する光学部品である。他の構成は図1
と同様である。
【0034】この場合、レーザ発振器1から射出された
レーザビームB0は無偏光ビームスプリッター12を通
過して第1の密閉容器2内の偏光ビームスプリッター3
で、反射光の第1のビームB1 及び透過光の第2のビー
ムB2 とに分離される。これら第1のビームB1 及び第
2のビームB2 はそれぞれ第2の密閉容器8内の第1の
反射面M1 及び第2の反射面M2 により反射されて再び
偏光ビームスプリッター3に戻って来る。このとき両ビ
ームともそれぞれ1/4波長板を2回通過しているの
で、第1のビームB1 はビームスプリッター3を通過
し、第2のビームB2 はビームスプリッター3で反射さ
れて、両ビームともにコーナーキューブ13に入射す
る。
【0035】コーナーキューブ13で反射された第1の
ビームB1 は偏光ビームスプリッター3を透過し、コー
ナーキューブ13で反射された第2のビームB2 は偏光
ビームスプリッター3で反射された後、再びそれぞれ第
2の密閉容器8内の第1の反射面M1 及び第2の反射面
2 により反射されて偏光ビームスプリッター3に戻っ
て来る。このとき両ビームともそれぞれ1/4波長板を
更に2回通過しているので、今度は第1のビームB1
ビームスプリッター3で反射され、第2のビームB2
ビームスプリッター3を透過して、両ビームともにレー
ザビーム入射面2aを逆方向に戻って無偏光ビームスプ
リッター12に達する。この無偏光ビームスプリッター
12で反射された両ビームは偏光板9及び集光レンズ1
1を透過してフォトディテクタ10上で干渉し、このフ
ォトディテクタ10から変位信号が出力される。
【0036】この第2実施例では2本のビームB1 及び
2 がそれぞれ反射面M1 及びM2で2回ずつ反射され
るので、第1実施例と比較して感度が2倍になり、第2
の密閉容器8の底辺に平行な方向の変位xとフォトディ
テクタ10上の光強度Iとの関係は次式のようになる。
ただし、第2の密閉容器8は二等辺三角形を成している
ものとし、その三角形の2つの底角をそれぞれαとす
る。
【数6】 I=I0 {1+cos(16πnsinα・x/λ+φ0 )}
【0037】次に、図6を参照して、第2の密閉容器8
が図5の紙面に平行な面内で回転した場合について説明
する。図6は、その密閉容器8が図6の紙面に平行な面
内で回転した状態を示し、この図6において、初めに実
線で示す位置にあった密閉容器8が回転して一点鎖線で
示す位置8Rに達するものとする。また、レーザ発振器
1からの入射ビームB 0 の内で偏光ビームスプリッター
3を透過した成分である第2のビームB2 を実線で示
し、偏光ビームスプリッター3で反射された成分である
第1のビームB1を点線で示す。ただし、この図4では
簡単のため図5におけるレーザ発振器1、無偏光ビーム
スプリッター12、第1の密閉容器2、1/4波長板
4,5、偏光板9、集光レンズ11及びフォトディテク
タ10等は省略してある。
【0038】この図4より理解できるように、入射する
第1ビームB1 及び第2ビームB2は回転後の位置8R
に存在する密閉容器8内の反射面で反射されてそれぞれ
点線で示す第1ビームB1 ´及び実線で示す第2ビーム
2 ´となるが、これら第1ビームB1 ´及び第2ビー
ムB2 ´は無偏光ビームスプリッター12を出た後に互
いに平行なビームとなる。従って、この第2実施例では
第2の密閉容器8に回転が生じても、反射されて来た2
本のビームは集光レンズ11に対して平行に入射するの
で、常に良好な干渉状態が維持される。
【0039】[第3実施例]この第3実施例も第1実施
例の回転に起因する不都合を改善するための構成例であ
る。図7は第3実施例の光学系の平面の断面図を示し、
この図7において図1に対応する部分には同一符号を付
してその詳細説明を省略する。この第3実施例では図1
の第1実施例における一方の平面鏡6をペンタプリズム
14で置き換える。他の構成は図1と同様である。
【0040】次に、第2の密閉容器8が図7の紙面に平
行な面内で回転した場合について説明する。図8は、そ
の密閉容器8が図8の紙面に平行な面内で回転した状態
を示し、この図8において、初めに実線で示す位置にあ
った密閉容器8が回転して一点鎖線で示す位置8Rに達
するものとする。また、第2の密閉容器8へ入射する第
1のビームB1 及び第2のビームB2 を実線で示し、そ
の密閉容器8が回転した後の反射ビームを点線で示す。
ただし、この図8では簡単のため図7におけるレーザ発
振器1、第1の密閉容器2、1/4波長板4,5、偏光
板9、集光レンズ11及びフォトディテクタ10等は省
略してある。この図8より、密閉容器8に回転が生じて
も反射されて来た2本のビームは集光レンズ11に対し
て互いに平行に入射することが理解できる。
【0041】次に、図9を参照して上述実施例において
第2の密閉容器8が回転した場合の測定誤差(所謂アッ
ベ誤差)について説明する。図9は密閉容器8の正規の
状態を実線で示し、その密閉容器8が底辺上の任意の点
Pを中心として図9の紙面に平行な面内で角度θだけ左
回転して位置8Rに達した状態を一点鎖線で示してい
る。この場合、第1のビームB1 及び第2のビームB2
はそれぞれ片道で光路がSL 及びSr だけ変化する。ま
た、密閉容器8の側面の形状を頂角がδの二等辺三角形
として、点Pから底辺の中点までの距離をr、その中点
から2本のビームが密閉容器8に入射する点までの距離
をdとする。これらの条件に加えて、θ≒0とすると、
距離SL 及びSr はそれぞれ次式で与えられる。
【0042】
【数7】SL =(r+d)sin(δ/2)・θ Sr =(r+d)sin(δ/2)・θ 従って、常にSL =Sr となり、回転による測長誤差は
生じない。即ち、密閉容器8の底辺上の任意の点でアッ
ベ誤差は0である。
【0043】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、第1のビーム及び第2
のビームの光路の大部分は密閉容器の密閉空間の中に存
在するため、空気のゆらぎの影響が無く、かつレーザビ
ームの波長補正が不要になる利点がある。また、その密
閉容器の底辺とこの底辺を挟む2辺とが二等辺三角形を
なす場合には、その密閉容器が底辺に垂直な方向に振れ
ても測定誤差が発生しない利点がある。更に、それら第
1のビームと第2のビームとがその底辺又はその底辺の
近傍で交差するようにした場合には、その底辺の厚さの
ばらつきによる測定誤差が発生しない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ干渉計の第1実施例の光学
系を示す断面図である。
【図2】第1実施例で第2の密閉容器が並進移動した場
合を示す概念図である。
【図3】第1実施例で検出される光強度を示す波形図で
ある。
【図4】第1実施例で第2の密閉容器が回転した場合を
示す概念図である。
【図5】本発明の第2実施例の光学系を示す断面図であ
る。
【図6】第2実施例で第2の密閉容器が回転した場合を
示す概念図である。
【図7】本発明の第3実施例の光学系を示す断面図であ
る。
【図8】第3実施例で第2の密閉容器が回転した場合を
示す概念図である。
【図9】本発明の実施例における第2の密閉容器の回転
に起因するアッベ誤差の説明に供する線図である。
【図10】従来のレーザ干渉計を示す構成図である。
【図11】従来のレーザ干渉計で検出される光強度を示
す波形図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 第1の密閉容器 3 偏光ビームスプリッター 4,5 1/4波長板 6,7 平面鏡 8 第2の密閉容器 9 偏光板 10 フォトディテクタ 11 集光レンズ 12 無偏光ビームスプリッター 13 コーナーキューブ 14 ペンタプリズム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底辺と該底辺を挟む2辺とで側面を囲ま
    れた密閉空間を有し、前記2辺の前記密閉空間側に第1
    の平面鏡及び第2の平面鏡が形成された密閉容器と、 レーザビームを第1のビームと第2のビームとに分離
    し、該第1及び第2のビームをそれぞれ前記密閉容器の
    第1及び第2の平面鏡に垂直に入射させるレーザビーム
    分離光学系と、 前記第1及び第2の平面鏡にそれぞれ反射され前記レー
    ザビーム分離光学系を介して戻ってきた第1及び第2の
    ビームを混合して受光する光電変換素子とを有し、 前記第1及び第2の平面鏡でそれぞれ反射された第1及
    び第2のビームの干渉状態の変化より、前記密閉容器の
    底辺に平行な方向への変位を測定するようにした事を特
    徴とするレーザ干渉計。
  2. 【請求項2】 前記密閉容器の底辺と該底辺を挟む2辺
    とが二等辺三角形をなす事を特徴とする請求項1記載の
    レーザ干渉計。
  3. 【請求項3】 前記第1のビームと第2のビームとが、
    前記密閉容器の底辺又は該底辺の近傍で互いに交差する
    事を特徴とする請求項1記載のレーザ干渉計。
JP3285684A 1991-10-04 1991-10-04 レーザ干渉計 Pending JPH0599612A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3285684A JPH0599612A (ja) 1991-10-04 1991-10-04 レーザ干渉計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3285684A JPH0599612A (ja) 1991-10-04 1991-10-04 レーザ干渉計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0599612A true JPH0599612A (ja) 1993-04-23

Family

ID=17694712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3285684A Pending JPH0599612A (ja) 1991-10-04 1991-10-04 レーザ干渉計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0599612A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005233966A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Agilent Technol Inc 位置情報を取得するためのシステムおよび方法
JP2010218763A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Ihi Corp X線射出装置
JP2011232309A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 High Energy Accelerator Research Organization 方向検出装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005233966A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Agilent Technol Inc 位置情報を取得するためのシステムおよび方法
JP2010218763A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Ihi Corp X線射出装置
JP2011232309A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 High Energy Accelerator Research Organization 方向検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7355719B2 (en) Interferometer for measuring perpendicular translations
US4746216A (en) Angle measuring interferometer
US3790284A (en) Interferometer system for measuring straightness and roll
US5187543A (en) Differential displacement measuring interferometer
US5172186A (en) Laser interferometry length measuring an apparatus employing a beam slitter
US4693605A (en) Differential plane mirror interferometer
US4752133A (en) Differential plane mirror interferometer
US4717250A (en) Angle measuring interferometer
US20050259268A1 (en) Heterodyne laser interferometer for measuring wafer stage translation
WO2015085694A1 (zh) 一种双频激光位移和角度干涉仪
JPH07101166B2 (ja) 干渉計
JPS61259127A (ja) 干渉式楕円偏光計
JPH045922B2 (ja)
US4807997A (en) Angular displacement measuring interferometer
US5028137A (en) Angular displacement measuring interferometer
JPH0599612A (ja) レーザ干渉計
JPS5979104A (ja) 光学装置
JPH11183116A (ja) 光波干渉測定方法および装置
JPH0540011A (ja) 干渉測長器
JP2003232606A (ja) 角度検出システム、角度検出方法、及びレーザ加工装置
JPH0463305A (ja) 偏光ビームスプリッタ及びレーザ干渉測長計
JP3739121B2 (ja) レーザ測長機
JPH11257915A (ja) 変位測定用干渉計
JPH0454405A (ja) 光学式変位計
JP2691899B2 (ja) 干渉計

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees