JPH0598598A - 紙葉のラミネート構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙層の保護が完全であると共に、追記や押印
の可能な紙葉のラミネート構造の提供を目的とする。 【構成】 印字を行った紙層１０の両面に糊層１４ａ，
１４ｂを介して該紙層１０を保護するためのフィルム層
１６ａ，１８を形成し、該両面のフィルム層のうち片面
のフィルム層１８の上に半透明紙の層２０を形成するよ
う構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルム層によって保
護された証券等の紙葉のラミネート構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】証券等の紙葉は、その用紙の各面にイン
キによって所定事項を印刷したり、また、トナーによっ
て印字したものである。以下においては、印刷、印字を
区別することなく、単に印字と記載する。水濡れや汚れ
から保護するために、その用紙（以下、紙層という。）
をフィルム層によって保護することがある。

【０００３】図２は、そのような紙葉の１つである証券
のラミネート構造の１例を示したものである。紙層１０
の表面に所定事項を印字した印字層１２ａを有し、この
層１２ａの上に糊層１４ａを介して保護用のフィルム層
１６ａを被覆、形成している。この例の場合には、フィ
ルム層１６ａを形成して証券のラミネート構造を完成し
たあとに、紙層１０の裏面に押印や追記を施すことが可
能である。

【０００４】また、図３は、証券のラミネート構造の他
の例を示したものである。紙層１０の表面側のラミネー
ト構造は図２の場合と同様であるが、この例ではその裏
面側も表面側と同様のラミネート構造にしたことが図２
の例の場合と異なる。即ち、紙層１０の裏面の印字層１
２ｂの上に糊層１４ｂを介して保護用のフィルム層１６
ｂを形成している。この例の場合には、証券の紙層１０
の完全な保護が達成される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
図２の例では、紙層の裏面がフィルム層によって保護さ
れていないため紙層の保護が不完全となる。

【０００６】依って本発明は、紙層の保護が完全である
と共に、追記や押印の可能な紙葉のラミネート構造の提
供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、印字を行った紙層の両面に糊層を介して該紙層を保
護するためのフィルム層を形成し、該両面のフィルム層
のうち片面のフィルム層の上に半透明紙の層を形成した
ことを特徴とする紙葉のラミネート構造を提供する。

【０００８】

【作用】紙層の両面にフィルム層を施しているため紙層
の保護が完全であり、しかも、片面には半透明紙の層が
形成されているため追記、押印等が可能となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。図１を参照すると、証券のベ
ースとなる紙層１０の表面には所定事項を印字した印字
層１２ａが形成されており、この印字層１２ａ上に糊層
１４ａを介して保護用のフィルム層１６ａを施してい
る。

【００１０】一方、紙層１０の裏面には、同様の所定事
項を印字した印字層１２ｂが形成されており、この印字
層１２ｂ上に糊層１４ｂを介して保護用のフィルム層１
８を施している。更に、このフィルム層１８の上にレー
ヨン紙やトレーシングペーパ等から成る半透明紙の層２
０を形成している。

【００１１】上述のレーヨン紙等の半透明紙の片面に溶
融したフィルム材料を塗布し、更にその上に溶融した糊
を塗布することにより上記糊層１４ｂとフィルム層１８
と半透明紙の層２０とが形成される。そしてこの糊層１
４ｂを介して紙層１０の裏面側に付着させると共に、紙
層１０の表面側には薄いフィルム層１６ａを、該フィル
ム層１６ａに塗布、形成した糊層１４ａを介して付着さ
せる。これにより証券のラミネート構造が完成する。

【００１２】一般に、糊層１４ａ，１４ｂの糊の中には
可塑剤としてアクリル成分が含まれているが、このアク
リル成分が印字層１２ａ，１２ｂのインキ又はトナーに
吸着し、印字のにじみ現象を引き起こす。そこで、糊の
成分からアクリル成分を除去することにより印字のにじ
み現象を防止した。

【００１３】しかし、このアクリルは本来的に糊の接着
力の向上に寄与するための成分であり、この成分の除去
は接着力の低下をもたらす傾向にある。そこで、充分な
接着力を得るために通常行われる熱圧着工程において、
この熱圧着のスピードを通常のスピードよりも約１０パ
ーセント低下させることにより上述したアクリル成分の
除去に起因する接着力の低下を防止した。

【００１４】また、半透明紙の層２０と一体化したフィ
ルム層１８と、表面側のフィルム層１６ａとは温度、湿
度等によってその伸縮性が異なるため、ラミネート構造
に形成した場合に証券にカールが発生することがある。
このため、フィルム層１６ａと、半透明紙の層２０と一
体化したフィルム層１８とを紙層１０の両面に付着させ
る工程中に、上記半透明紙の層２０と一体化したフィル
ム層１８の方に大きな張力をかけ、他側のフィルム層１
６ａとのバランスをとるように調節しつつ証券のラミネ
ート構造を形成し、カールを防止した。

【００１５】このテンションの調節によって証券のカー
ルを防止できるため、ベースの紙層１０を薄くでき、こ
れにより、証券の機械による折り作業、並びにこの折ら
れた証券の封筒への自動封入作業が容易となる。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、紙層の両面をフィルム層によって被覆している
のでその保護が完全になると共に、片面側のフィルム層
の上には半透明紙の層が形成されているのでその層の上
に押印や追記をすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明に係る証券のラミネート構造を示
す断面図である。

【図２】図２は従来の証券のラミネート構造の１例を示
す断面図である。

【図３】図３は従来の証券のラミネート構造の他の例を
示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 紙層 １２ａ，１２ｂ 印字層 １４ａ，１４ｂ 糊層 １６ａ，１６ｂ，１８ フィルム層 ２０ 半透明紙の層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ２１Ｈ 27/14

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字を行った紙層の両面に糊層を介して
   該紙層を保護するためのフィルム層を形成し、該両面の
   フィルム層のうち片面のフィルム層の上に半透明紙の層
   を形成したことを特徴とする紙葉のラミネート構造。