JPH0596536A - 繊維強化熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シート及びその製造方法

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JPH0596536A
JPH0596536A JP26470491A JP26470491A JPH0596536A JP H0596536 A JPH0596536 A JP H0596536A JP 26470491 A JP26470491 A JP 26470491A JP 26470491 A JP26470491 A JP 26470491A JP H0596536 A JPH0596536 A JP H0596536A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
reinforced thermoplastic
resin powder
powder
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JP26470491A
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Masahiro Ishii
正裕 石居
Kiyoyasu Fujii
清康 藤井
Masaki Ito
正喜 伊藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度、剛性及び耐衝撃性に優れた繊維
強化樹脂樹脂シートを製造する。 【構成】 多数のロービング状ガラス繊維束F1をポリ
塩化ビニル樹脂の配合粉末Rの流動床中を通過させて強
化繊維束F1に樹脂配合粉末Rを付着させる。樹脂配合
粉末Rが付着した強化繊維束F2を長さ25mmに切断し
落下させながら、これに平均粒径1mmの塩素化ポリエチ
レン粒子Eを落下させ混合する。この混合物を無端ベル
ト11の移送部11b上に落下させマット状に集積す
る。この集積物F4を無端ベルト10、11の間に挟持
して加熱炉12の中を通過させて樹脂配合粉末Rを溶融
させる。引き続いて、冷却ブロアー13により冷却し
て、シート中に塩素化ポリエチレン粒子Eが均一に分散
した目的の繊維強化熱可塑性樹脂シートSを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スタンピング成形に
用いて好適な繊維強化熱可塑性樹脂シート及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スタンピング成形には、繊維強化熱可塑
性樹脂シートが広く使用されている。この種の繊維強化
熱可塑性樹脂シートの製法として、ガラス繊維のような
強化繊維とポリプロピレン樹脂のような熱可塑性樹脂粉
末との混合物を、加熱加圧して熱可塑性樹脂粉末を溶融
させ一体化する方法が知られている(例えば、特開昭5
9−49929号公報及び特開昭62−208914号
公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような繊維強化熱
可塑性樹脂シートは、機械的強度及び剛性が優れてい
る。しかし、耐衝撃性が充分でなく、この点でまだ改善
すべき問題がある。
【0004】この本発明は、上記の問題点を解決するも
ので、その目的とするところは、機械的強度、剛性及び
耐衝撃性に優れた繊維強化樹脂樹脂シート及びその製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、長さ5
mm以上の強化繊維で強化された繊維強化熱可塑性樹脂シ
ート中に、粒子径が実質的に0.1〜5mmの範囲にある
エラストマー粒子が分散されているものである。
【0006】また、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの製造方法は、長さ5mm以上の強化繊維と熱可塑性
樹脂粉末と粒子径が実質的に0.1〜5mmの範囲にある
エラストマー粒子との混合物を、加熱加圧して熱可塑性
樹脂粉末を溶融させ一体化するものである。
【0007】この発明において、強化繊維としては、使
用する熱可塑性樹脂粉末の溶融温度において熱的に安定
な繊維が用いられる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、
シリコン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属
繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維等の有機繊維が用いられる。特に、ガラ
ス繊維が好適である。
【0008】このような強化繊維は、チョップドストラ
ンドマット、連続ストランドマット等の繊維マット及び
長さ5mm以上に切断されたロービング繊維等が用いられ
る。強化繊維の長さが5mmよりも短くなると、繊維によ
る補強効果が小さくなる。強化繊維を構成するモノフィ
ラメントの直径は、一般に1〜50μm が好ましい。ま
た、モノフィラメントが収束剤により収束された状態の
強化繊維を使用する場合には、収束剤の付着量が1重量
%以下が好ましい。収束剤の付着量が1重量%を上回る
と、強化繊維をモノフィラメント単位に分離するのが困
難となり、樹脂粉末のモノフィラメント間への含浸性が
低下する。
【0009】これ等の強化繊維に含浸させる熱可塑性樹
脂としては、剛性が高いものが好ましく、具体的には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン等が用いられる。
【0010】また、上記の樹脂を主成分とする共重合体
やグラフト樹脂や変成樹脂、例えば、エチレン−塩化ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、マレイン酸変成ポリエチレン、アクリル酸変成ポリ
プロピレン等も用いられる。
【0011】これ等の樹脂は、重合時に粉末状で得られ
る樹脂粉末及び粉砕機により粉末状に粉砕された樹脂粉
末が使用される。樹脂粉末の粒子径は、平均粒径が20
00μm 以下が好ましい。平均粒径が2000μm を越
えると、樹脂粉末と強化繊維を均一に混合しにくくな
る。なお、樹脂粉末には、必要に応じて、安定剤、滑
剤、加工助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料のような公
知の添加剤が配合されてもよい。
【0012】また、エラストマーとしては、好ましく
は、上記の熱可塑性樹脂の溶融温度では溶融しないエラ
ストマーが用いられ、天然ゴム;クロロプレンゴム、ニ
トリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;スチレン系、
オレフィン系、塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステ
ル系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマー;塩素化
ポリエチレン、部分架橋エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体(EPDM)/プロピレングラフト物等の中か
ら適当なものが選定される。これ等のエラストマーは、
単独か或いは二種以上を組み合わせて用いられる。
【0013】そして、これ等のエラストマーは、粒子径
が実質的に0.1〜5mmの範囲でなければならない。こ
こで、実質的にとは、0.1〜5mmの範囲にある粒子径
のものが全体の約90重量%以上を占めることを意味す
る。粒子径が0.1mmより小さいものは耐衝撃性の改良
に寄与しない。逆に、粒子径が5mmより大きいものが多
くなると物性のばらつきが著しく、かえって耐衝撃性が
低下する。
【0014】上記熱可塑性樹脂とエラストマーとの混合
割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対しエラストマー
1〜75重量部の範囲が好ましい。エラストマーが1重
量部より少ないと耐衝撃性の改良効果が少ない。逆に、
エラストマーが75重量部より多くなると剛性の低下が
著しい。
【0015】強化繊維は、熱可塑性樹脂とエラストマー
との混合物に対し5〜70重量%の範囲で混合されるの
が好ましい。強化繊維が5重量%より少ないと機械的強
度が充分に向上しない。逆に、強化繊維が70重量%よ
り多くなると剛性が著しく低下する。
【0016】この発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートを
製造するには、先ず、強化繊維と熱可塑性樹脂粉末とエ
ラストマー粒子とを混合する。混合方法としては、強化
繊維と熱可塑性樹脂粉末とエラストマー粒子とを、空気
や窒素などの気体による流動床で混合する方法、ジェッ
ト気流下で混合する方法、底部に回転羽根を有する混合
機で混合する方法、強化繊維に熱可塑性樹脂粉末とエラ
ストマー粒子を散布して混合する方法等が採用される。
【0017】次いで、このような混合物を加熱加圧して
熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化させる。加熱加圧の
方法としては、混合物を上下一対の無端ベルト間に挟
み、加熱装置と冷却装置とを通過させる方法、混合物を
熱プレスに挟み、その後冷却する方法等が採用される。
【0018】以下、図面を参照しながら、この発明を詳
細に説明する。図1はこの発明方法の一例を示す側面図
である。巻戻しロール1から多数の連続モノフィラメン
トからなる強化繊維束F1が巻き戻され、ガイドバー1
5を経て流動槽2に導入される。図には、強化繊維束F
1が一本だけ示されているが、実際には数本〜数十本が
巻き戻され長手方向に配列されて流動槽2に導入され
る。
【0019】流動槽2には熱可塑性樹脂粉末Rが供給さ
れる。流動槽2の底部には多数の通気孔を有する多孔板
が設けられており、気体供給路から送られた空気や窒素
などの気体Gが矢印方向に多孔板の通気孔を通って流動
槽2へ噴出する。流動槽2に供給された樹脂粉末Rは、
その気体Gにより上方に吹き上げられて浮遊状態にな
り、樹脂粉末Rの流動床が形成される。
【0020】流動槽2の中にもガイドバー15が設けら
れており、強化繊維束F1は、このガイドバー15を通
過する際に、噴出する空気や窒素などの気体圧、流動床
中の樹脂粉末Rに発生する静電気、樹脂粉末の擦り揉み
効果によって、モノフィラメント単位に分離、開繊さ
れ、このモノフィラメント間に樹脂粉末が侵入して均一
且つ充分に付着する。流動槽中のガイドバー15も強化
繊維束F1の開繊を促進する。この開繊をさらに促進さ
せるために、流動槽中のガイドバー15は、表面にネジ
を切るか或いは中央部を膨出させたガイドバーを用いる
のが好ましい。
【0021】樹脂粉末Rが付着した強化繊維束F2は、
ガイドバー15を経て、上下一対のスクレーバー3によ
り過剰に付着した樹脂粉末Rが除去され、その付着量が
調整される。樹脂粉末Rの付着量は、スクレーバー3を
用いずに、強化繊維束F2に一定の振動を与えて過剰に
付着した樹脂粉末Rを除去することにより調整してもよ
い。樹脂粉末の付着量が調整された強化繊維束F2は、
これが屈曲して進行するように配置された二本のガイド
バー4を経て引取り駆動ロール5、6で引取られる。強
化繊維束F2にはこの二本のガイドバー4により張力が
付加され、それにより強化繊維束に樹脂粉末が擦り込ま
れる。
【0022】その後、強化繊維束F2は、カッターロー
ル7により5mm以上の所望長さに切断される。この切断
された強化繊維F3にはエラストマー粒子Eが一定の割
合で混合される。このエラストマー粒子Eは、容器20
からコンベアーベルト21上へ搬送され切断された強化
繊維F3に向けて落下供給される。強化繊維F3とエラ
ストマー粒子Eとの混合物は、上下一対の無端ベルト1
0、11の間へ落下供給される。
【0023】なお、エラストマー粒子Eは、上記のよう
に樹脂粉末Rとは別の場所で強化繊維束に混合するほ
か、予め、樹脂粉末Rとともに流動槽2の中で所定量を
混合しておき、強化繊維束F1に樹脂粉末Rとエラスト
マー粒子Eとの混合粉末を一緒に付着させるようにして
もよい。
【0024】無端ベルト10、11は、図外のモーター
で駆動ロール16、17を駆動することにより、連続し
て同方向へ同速度で回動するように構成されている。上
側無端ベルト10と下側無端ベルト11には、それぞれ
移送部10aと11aが形成され、移送部10aと11
aは間隙を介して上下に対向している。
【0025】下側無端ベルト11の移送部11aは、上
側無端ベルト10の移送部10aより前方へ長く延設さ
れ、延長の移送部11bが形成されている。この延長の
移送部11bを形成することなく、別の無端ベルトを下
側無端ベルト11の移送部11aの前方に配置してもよ
い。このような無端ベルト10、11は、高強度で耐熱
性のあるもの、例えば、スチールベルト、ステンレスベ
ルト、ガラス布強化テフロンベルト等で形成される。
【0026】上側無端ベルト10と下側無端ベルト11
の移送部10a、11aの対向する箇所には、それぞれ
加熱装置12が配置され、加熱装置12に続く後方には
冷却装置13がそれぞれ配置されている。
【0027】加熱装置12は、熱風循環式或いは遠赤外
線式の加熱炉で構成され、この加熱炉内には上下対応す
る位置に複数対のガイドロール18が配設されている。
そして、加熱炉の中を無端ベルト10、11が通過す方
式のものである。なお、加熱装置12が加熱ロールで構
成され、この加熱ロールで無端ベルト10、11を挟持
しつつ直接ベルトを加熱する方式のものでもよい。
【0028】また、冷却装置13は、上下の冷却ブロア
ーで構成され、上下対応する位置に複数対のガイドロー
ル19が配設されている。なお、冷却装置13は水冷式
のガイドロールで構成されたものでもよい。
【0029】樹脂粉末Rが付着した強化繊維F3とエラ
ストマー粒子Eとの混合物は、下側無端ベルト11の移
送部11bに落下供給され、所定の厚みのマット状に集
積される。
【0030】このマット状の集積物F4は、上側無端ベ
ルト10と下側無端ベルト11の移送部10aと11a
の間で挟持されながら搬送され、加熱装置12に供給さ
れる。ここで、樹脂粉末Rの融点或いはそれ以上の適当
な温度に加熱され、繊維のフィラメント間に溶融した樹
脂粉末Rが含浸される。
【0031】ここで、ガイドロール18により上下の無
端ベルト10、11間の間隙が調節され、マット状の集
積物F4は、厚み方向に適当な圧力で加圧される。この
加圧により、溶融した樹脂が流動しモノフィラメント間
の空隙が埋められ、溶融樹脂と強化繊維とが一体化され
るとともに、エラストマー粒子が溶融樹脂の間に粒子の
形状を保持した状態で分散する。引き続いて、冷却装置
13のガイドロール19により上下の無端ベルト10、
11間の間隙が調節され、加圧されながら適当な温度に
冷却される。こうして、所望厚みの繊維強化熱可塑性樹
脂シートSが製造される。
【0032】
【作用】この発明方法において、長さ5mm以上の強化繊
維と熱可塑性樹脂粉末と粒子径が実質的に0.1〜5mm
の範囲にあるエラストマー粒子との混合物を、加熱加圧
して熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化すると、強化繊
維のフィラメント単位への分離が充分に行われ、フィラ
メント間に樹脂が均一な分布で含浸されるので、強化繊
維の補強効果が高く、得られる繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの機械的強度と剛性が向上する。
【0033】しかも、熱可塑性樹脂中に実質的に0.1
〜5mmの範囲にあるエラストマー粒子が粒子の状態で均
一に分散され、このエラストマー粒子の有する弾性によ
り、得られる繊維強化熱可塑性樹脂シートの耐衝撃性が
向上する。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 図1に示す方法により繊維強化熱可塑性樹脂シートを製
造した。
【0035】熱可塑性樹脂粉末Rとして、ポリ塩化ビニ
ル樹脂(平均重合度540、平均粒径150μm )10
0重量部とグリシジルメタクリレート共重合体5重量部
とブチル錫マレエート3重量部とを、スーパーミキサー
で混合した樹脂配合粉末を用いた。
【0036】エラストマー粒子として、塩素化ポリエチ
レン粒子(平均粒径1mmで、粒径は全て0.1〜5mmの
範囲にある)を用いた。強化繊維束F1として、ロービ
ング状ガラス繊維束(モノフィラメントの太さ14μm
、1100 kg/km)32本を用いた。
【0037】強化繊維束F1の32本を上記樹脂配合粉
末Rの流動床中を連続的に通過させ、モノフィラメント
間に樹脂配合粉末R2を付着させた後、スクレバー3に
より過剰の樹脂配合粉末を除去し、樹脂配合粉末と強化
繊維の重量割合が6:4となるように調整した。
【0038】樹脂配合粉末Rの付着量が調整された強化
繊維束F2を、ロータリーカッター7により長さ約25
mmに切断し、切断された強化繊維F3を、幅600mm、
厚さ1mmのガラス繊維強化テフロンベルトからなる無端
ベルト11の上に落下供給した。その供給量は、幅60
0mmの無端ベルト11の中央部の幅約500mmの範囲に
3780g/m2 の割合で集積されるように設定した。
【0039】また、同時にエラストマー粒子Eを、搬送
ベルト21より無端ベルト11の上に落下供給した。そ
の供給量は、幅600mmの無端ベルト11の中央部の幅
約500mmの範囲に1260g/m2 の割合で集積され
るように設定した。
【0040】集積物F4は、無端ベルト11の中央部の
幅約500mmの範囲に5040g/m2 の割合で集積さ
れ、この時の集積物F4見掛け厚みは約35mmであっ
た。この集積物F4を、580mm/分の速度で移動する
上下の無端ベルト10、11の間に挟持しつつ、この無
端ベルト10、11の間の間隙をガイドロール18で
3.1mm調節し、長さ約1500mmで約200℃の熱風
が循環している加熱炉12中を通過させて樹脂配合粉末
Rを溶融させた。
【0041】引き続いて、樹脂配合粉末R2が溶融状態
にある集積物F4を、無端ベルト10、11の間の最小
間隙をガイドロール19で3mmに調節し、冷却ブロアー
13により冷却して、繊維強化熱可塑性樹脂シートSを
製造した。この繊維強化熱可塑性樹脂シートSは、幅約
500mm、厚み約3mmであり、フィラメント間に樹脂が
均一に含浸され、エラストマー粒子が粒子状に均一に分
散したシートであった。
【0042】このシートの幅500mm×長さ2000mm
の範囲のランダムな5箇所より、幅20mm×長さ150
mmの試験片を切り出し、支点間距離120mmで三点曲げ
試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
【0043】また、上記シートの幅500mm×長さ20
00mmの範囲の5箇所より、幅10mm×長さ80mmの試
験片を切り出し、支持台間の距離60mmでシャルピー衝
撃試験(ノッチなし)を行い、シャルピー衝撃強度を測
定した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例2 図1に示す方法により繊維強化熱可塑性樹脂シートを製
造した。熱可塑性樹脂粉末Rとして、冷凍粉砕したポリ
プロピレン樹脂粉末(平均粒径130μm )を用いた。
【0046】エラストマー粒子として、部分架橋エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)/プロピ
レングラフト粒子(平均粒径2mmで、粒径は全て0.1
〜5mmの範囲にある)を用いた。
【0047】強化繊維束F1として、ロービング状ガラ
ス繊維束(モノフィラメントの太さ23μm 、4400
kg/km)8本を用いた。また、樹脂粉末と強化繊維の
重量割合が1:1となるように調整した。樹脂粉末が付
着した強化繊維束F2は長さ約50mmに切断した。エラ
ストマー粒子Eを930g/m2 の割合で集積されるよ
うに設定した。したがって、集積物F4は無端ベルト1
1の中央部の幅約500mmの範囲に4660g/m2
割合で集積され、この時の集積物F4見掛け厚みは約3
5mmであった。
【0048】それ以外は、実施例1と同じ条件で同様に
行って、繊維強化熱可塑性樹脂シートSを製造した。こ
の繊維強化熱可塑性樹脂シートSは、幅約500mm、厚
み約3mmであり、フィラメント間に樹脂が均一に含浸さ
れ、エラストマー粒子が粒子状に均一に分散したシート
であった。
【0049】このシートについて、実施例1と同様にし
て曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度を測定
した。その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】比較例1 実施例1で用いたエラストマー粒子(塩素化ポリエチレ
ン粒子)に替えて、実施例1で用いた熱可塑性樹脂粉末
Rと同じ樹脂粉末(ポリ塩化ビニル樹脂配合粉末)を用
いた。それ以外は、実施例1と同様に行って、曲げ強
度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度を測定した。そ
の結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】比較例2 実施例2で用いた熱可塑性樹脂粉末R(ポリプロピレン
樹脂粉末)に替えて、実施例2で用いたエラストマー粒
子と同じエラストマー(部分架橋エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)/プロピレングラフト粒
子)を冷凍粉砕して得た平均粒径が100μm のものを
用いた。また、このエラストマーと強化繊維の重量割合
が4:6となるように調整した。
【0054】この場合、エラストマー粒子Eは全く混合
せず、集積物F4は、4660g/m2 の割合で集積さ
れるように調整した。それ以外は、実施例2と同様に行
って、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度を
測定した。その結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】上述の通り、この発明の繊維強化熱可塑
性樹脂シートは、長さ5mm以上の強化繊維で強化された
繊維強化熱可塑性シート中に、粒子径が実質的に0.1
〜5mmの範囲にあるエラストマー粒子が分散されている
ので、機械的強度と剛性に優れるとともに耐衝撃性に優
れる。そして、この繊維強化熱可塑性樹脂シートは、各
種成形品を得るためのプレス成形用の素材である所謂ス
タンパブルシートとして好適に使用されるほか、強靱な
プレート材料として有用である。
【0057】また、この発明方法は、長さ5mm以上の強
化繊維と熱可塑性樹脂粉末と粒子径が実質的に0.1〜
5mmの範囲にあるエラストマー粒子との混合物を、加熱
加圧して熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化するもので
あるから、強化繊維がモノフィラメント単位で良好に分
散し、且つ強化繊維のモノフィラメント間にまで樹脂が
均一でに含浸され、強化繊維の補強効果が高く、機械的
強度と剛性に優れ、しかもエラストマー粒子も粒子の状
態で均一に分散し、耐衝撃性が著しく向上した繊維強化
熱可塑性樹脂シート得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
F1 強化繊維束 F2 樹脂粉末が付着した強化繊維束 F3 樹脂粉末が付着し切断された強化繊維 F4 強化繊維と樹脂粉末とエラストマー粒子との混合
物 R 熱可塑性樹脂粉末 E エラストマー粒子 S 繊維強化熱可塑性樹脂シート 2 樹脂粉末の流動槽 7 ロータリーカッター 20 エラストマー粒子の容器 21 コンベアーベルト 10 上側無端ベルト 11 下側無端ベルト 12 加熱装置 13 冷却装置 18 ガイドロール 19 ガイドロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:06 B29L 7:00 4F C08K 7:14 7167−4J C08L 23:06 27:06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ5mm以上の強化繊維で強化された繊
    維強化熱可塑性樹脂シート中に、粒子径が実質的に0.
    1〜5mmの範囲にあるエラストマー粒子が分散されてい
    ることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シート。
  2. 【請求項2】 長さ5mm以上の強化繊維と熱可塑性樹脂
    粉末と粒子径が実質的に0.1〜5mmの範囲にあるエラ
    ストマー粒子との混合物を、加熱加圧して熱可塑性樹脂
    粉末を溶融させ一体化することを特徴とする繊維強化熱
    可塑性樹脂シートの製造方法。
JP26470491A 1991-10-14 1991-10-14 繊維強化熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 Pending JPH0596536A (ja)

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JP (1) JPH0596536A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101900020A (zh) * 2010-07-01 2010-12-01 常州大利节能新材料有限公司 汽、柴油车尾气捕集器用密封膨胀复合衬垫的制备方法
KR20230046597A (ko) * 2021-09-30 2023-04-06 주식회사 신흥 열가소성 수지 파우더를 이용한 섬유강화 복합재료 제조방법 및 이로부터 제조된 섬유강화 복합재료

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