JPH0595610U - 渦巻状フィルタエレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタ体が組立てやすく、長時間使用した
後でフィルタ体が安定した機能を維持する渦巻状フィル
タエレメントを提供する。 【構成】 オイルが流通可能なシート状の第一スペーサ
材３ａを濾紙等の濾過材３ｂで包囲して三層にして濾過
部材３ｄを形成し、濾過部材３ｄの端部に第一スペーサ
材３ａと連通する孔開内筒３ｅを挿入し、孔開内筒３ｅ
の外周に濾過部材３ｄを同軸状に巻き回すとともに、濾
過材間には外部からオイルが流通される不織布や合成樹
脂等の粗い材料で形成された第二スペーサ材３ｆを介装
してフィルタ体として、これら第一スペーサ材３ａ及び
第二スペーサ材３ｆの軸方向端部をエンドプレート３
ｈ、３ｉで密閉状に覆う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、オイルフィルタ、その他のフィルタ装置に利用される渦巻状フィ ルタエレメントに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車に搭載されたエンジンの潤滑オイルは、エンジンの作動時において常時 オイルフィルタを介して濾過され、オイルに含まれている異物が除去される。こ の異物は、燃焼時に発生する“すす”が大部分を占め、この“すす”がサブミク ロン単位でオイル中に混入、分散されると、これによって各摺動部の磨耗が促進 されたり、オイルの粘度が上昇してオイルポンプの吐出量が低下し、潤滑不足が 起こり摺動部のオイル切れを来したりする。

【０００３】 内燃機関、特にディーゼル機関にあっては長時間運転されることが多いため、 オイルの汚れが激しく、エンジンの磨耗を防止すると同時にオイルの粘度などの 性状を維持するためには粒状物質や微粒子を多量に濾過する必要がある。このよ うな条件を満足するオイルの浄化用フィルタとして渦巻状フィルタエレメントが バイパス用に多用されている。この渦巻状フィルタエレメントは濾過材を渦巻状 に巻くことによってフィルタ体が構成されるようにしたものであり、例えば、特 公昭６２−４８５２２号公報には、濾過液体がフィルタ体の軸方向に沿って濾過 される方式として一定幅の複数の紙層を同時に巻取った紙巻き濾過エレメントが 例示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら，従来の渦巻状フィルタエレメントでは、濾過液体はフィルタ体 の軸方向に沿って濾過される方式となっているため、ケースとフィルタ体の間か ら濾過液体が漏洩しないように渦巻状にしたフィルタ体をエレメントケースの中 に密着して挿入しており、ケース内へのフィルタ体の挿入に手間を要するととも に、フィルタエレメントの使用中に巻取った巻き紙が変形を起こして巻層全体を 均一に利用できない問題が生じていた。

【０００５】 この考案は以上の問題を解決するものであって、その目的は、渦巻状フィルタ エレメントの製作を容易にするとともに、使用中のフィルタエレメントが変形を 起こさず、濾過材の巻層全体を有効に活用して安定した濾過が確保される渦巻状 フィルタエレメントを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成するため，この考案は，オイルが流通可能なシート状の第一ス ペーサ材を濾過材により包囲して三層の濾過部材を形成し、この濾過部材の端部 に前記第一スペーサ材と連通する孔開内筒を挿入し、この孔開内筒の外周に前記 濾過部材を同軸状に巻き回すとともに、該濾過材間には外部からオイルが流通さ れる第二スペーサ材を介装し、これら第一および第二スペーサ材の軸方向端部を エンドプレートによって密閉状に覆ってなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

濾過部材が第二スペーサ材を内側にして孔開内筒に渦巻状に巻き付けて上下が エンドプレートで接着接合されており、濾過は渦巻状の濾過材に沿って行われる のでエレメントケースを必要とせず、ケースとエレメントの漏洩を考慮する必要 がなく、また第二スペーサ材で濾過部材が確実に保持されているのでフィルタエ レメントが変形を起こさず、濾過材の巻層全体を有効に利用して安定した濾過が 確保される。

【０００８】

【実施例】

図１はこの考案に係る渦巻状フィルタエレメントを使用したオイルフィルタを 示す。同図におけるオイルフィルタは、下端開口部が蓋体１によって閉止される 有底筒状のハウジング２内に、濾過体として筒状の渦巻状フィルタエレメント３ が同心状に収納されることにより構成されている。前記蓋体１の中央には、ねじ 部４ａを有するオイル吐出筒４が配置され、オイル吐出筒４の周囲にオイル取入 口５が設けられている。

【０００９】 ハウジング２は、蓋体１に固着された金属板６とハウジング２の底部外周で巻 き閉じられ巻閉部７で液密になっており、金属板６と巻閉部７でパッキング８が 保持されている。

【００１０】 渦巻状フィルタエレメント３は、第２図および第３図に示すように不織布や合 成樹脂等の粗い材料で形成されオイルが流通可能なシート状の第一スペーサ材３ ａを濾紙等の濾過材３ｂで包囲して三層にして濾過部材３ｄを形成し、この濾過 部材３ｄの端部に該第一スペーサ材３ａと連通する孔開内筒３ｅを挿入し、この 孔開内筒３ｅの外周に前記濾過部材３ｄを同軸状に巻き回すとともに、該濾過材 間には外部からオイルが流通される不織布や合成樹脂等の粗い材料で形成された 第二スペーサ材３ｆを介装してフィルタ体として、これら第一スペーサ材３ａ及 び第二スペーサ材３ｆの軸方向端部をエンドプレート３ｈ、３ｉで密閉状に覆っ たものであり、下部エンドプレート３ｉは前記孔開内筒３ｅの周囲に逆止弁１０ を介して蓋体１に液密に嵌合されている。また、上部エンドプレート３ｈとハウ ジング２内上部との間には板バネ１２が介在され、常時渦巻状フィルタエレメン ト３を下方向に付勢している。

【００１１】 また、スペーサ材は、孔径の大きい材質の濾材、不織布、金網等を用い、断面 を波形または凹凸型のシート状にするか、もしくは、補強線を組合わせるなどの 構造とし、油通路及び濾過材保持のための厚みと強度を持たせた方がよい。

【００１２】 以上の構成より、汚れたオイルはオイル取入口５から逆止弁１０を押上げ渦巻 状フィルタエレメント３の外周および一次側油通路である第二スペーサ材３ｆに 沿って濾過部材３ｄに流入して濾過部材３ｄで濾過され、清浄となって二次側濾 液通路である第一スペーサ材３ａから孔開内筒３ｅに流入してオイル吐出筒４か ら排出しエンジンの潤滑部へ供給される。

【００１３】

【考案の効果】

以上実施例によって詳細に説明したように、この考案による渦巻状フィルタエ レメントにあっては濾過部材が第二スペーサ材を内側にして孔開内筒に渦巻状に 巻き付けてフィルタ体を形成し，このフィルタ体の上下がエンドプレートで接着 接合された構成となっているのでエレメントケースを必要とせず、従来のように ケースにフィルタ体を密着して挿入することがなく渦巻状フィルタエレメントの 製作を容易にすることができ、また、第二スペーサ材で濾過部材が確実に保持さ れているので渦巻状フィルタエレメントが変形を起こさず、濾過部材の巻層全体 を有効に活用して安定した濾過が確保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の好適な実施例に係る部分断面図であ
る。

【図２】図１のフィルタ体の断面図である。

【図３】図２の要部拡大図である。

【符号の説明】

１ 蓋体 ２ ハウジング ３ フィルタ体 ３ａ 第一スペーサ材 ３ｂ 濾過材 ３ｅ 孔開内筒 ３ｆ 第二スペーサ材 ４ａ ねじ部 ８ パッキング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オイルが流通可能なシート状の第一スペ
   ーサ材を濾過材により包囲して三層の濾過部材を形成
   し、この濾過部材の端部に前記第一スペーサ材と連通す
   る孔開内筒を挿入し、この孔開内筒の外周に前記濾過部
   材を同軸状に巻き回すとともに、該濾過材間には外部か
   らオイルが流通される第二スペーサ材を介装し、これら
   第一および第二スペーサ材の軸方向端部をエンドプレー
   トによって密閉状に覆ってなることを特徴とする渦巻状
   フィルタエレメント。