JPH081510U - 流体フィルターエレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 菊花状にヒダを付けた濾材において、濾過
中にヒダ同士が密着するのを阻止する。 【構成】 菊花状にヒダを付けた濾材２を円筒形の密
閉容器４の中に設けたフィルターユニットにおいて、濾
材の下流側に凹凸を有する網状のスペーサー６を設け
る。濾材２としては、合成樹脂（例えば、ポリエステ
ル）の不織布、濾紙、その他、公知の材料を使用するこ
とができる。スペーサー６は、合成樹脂（例えば、ポリ
エチレン）の網状シートを使用することができる。スペ
ーサー６自体は、それ自体濾過を目的としたものではな
いので、網目の大きさも比較的に大きく、例えば１イン
チあたり７−１５メッシュ、より好ましくは９−１２メ
ッシュである。スペーサー６の凹凸は、編成・織成によ
り自然形成される凹凸（即ち糸条が重なる部分において
凸部が形成され、それ以外の部分が凹部である）でよ
い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は流体フィルターエレメントに関し、特に使用中流体の圧力による濾材 同士の密着を阻止することができるような流体フィルターエレメントに関する。 本考案のフィルターエレメントは、例えば金属材料の放電加工機における加工油 液フィルターやエンジンのオイルフィルターに使用することができる。

【０００２】

【従来の技術】

金属材料を放電加工機で加工するときには、加工油液を循環して使用する。加 工チップを含んだ汚液は汚液タンクに導かれて一部を沈澱させた後、フィルター 装置で濾過される。また、エンジンでは潤滑油中のゴミ、砂、カーボンの粉等の 不純物がオイルフィルターで除去されている。

【０００３】 これらのフィルターは、菊花状にヒダを付けた濾材を円筒形の密閉容器の中に 設けたフィルターユニットであることが多い。汚液は圧力下にヒダ付きの濾材に より濾過される。濾過方式には密閉容器の中で中心部から周辺部に向かって濾過 する内圧式のものと、周辺部から中心部に向かって濾過する外圧式のものがある が、いずれにしても、そのとき、濾材の前後において圧力差が大きく、上流（濾 過前）から下流（濾過後）に向かって濾材が移動しがちである。その結果、濾材 同士が密着して実質上ヒダが消滅し、濾過能力が減少しやすい。

【０００４】 濾材の密着を抑制、阻止するため、例えば、次のような技術が知られている。 (a)特公昭６３−５１０４９号では、ヒダ同士が接触しないように、くさび形ス ペーサーをヒダの外面間に、シム形スペーサーをヒダの内面間に設けている。 (b)特公昭５７−１４８９０号では、ヒダ同士が接触しないように、対向して突 出部を設けている。 (c)実公昭６０−７７７８号では、ヒダ同士が接触しないように、ジグザグに屈 折したセパレータをヒダの間に設けている。 (d)実公昭６３−１０８０６号では、合成樹脂連続フィラメントの不織布を加圧 して擬革状とした材料を使用するとともに、ヒダの数箇所を断面Ｖ字状の金属プ レートで固定する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来技術と同様の目的を、より簡単で安価な構成により達成し ようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、菊花状にヒダを付けた濾材を円筒形の密閉容器の中に設けたフィル ターユニットにおいて、濾材の下流側に凹凸を有する網状のスペーサーを設けた ことを特徴とする。

【０００７】 濾材としては、合成樹脂（例えば、ポリエステル、ポリエチレン）の不織布、 濾紙、その他、公知の材料を使用することができる。

【０００８】 スペーサーは、合成樹脂（例えば、ポリエチレン、ポリエステル）の網状シー トを使用することができる。スペーサー自体は、それ自体濾過を目的としたもの ではないので、網目の大きさも比較的に大きく、例えば１インチあたり７−１５ メッシュ、より好ましくは９−１２メッシュである。

【０００９】 「濾材の下流側」というのは、密閉容器の中で中心部から周辺部に向かって濾 過する内圧式のものでは濾材の外側、周辺部から中心部に向かって濾過する外圧 式のものでは、濾材の内側を意味する。

【００１０】 スペーサーの凹凸は、編成・織成により自然形成される凹凸（即ち糸条が重な る部分において凸部が形成され、それ以外の部分が凹部である）でよい。しかし 、押し出し成形するときには、ところどころで意識的に凸部を設ける必要がある 。

【００１１】

【作用】

本考案では、濾材の下流側に網状のスペーサーを設けているので、濾過中でも 必ずヒダの間に凹凸を有するスペーサーが介在することになりヒダ同士が密着す ることは避けられる。

【００１２】

【実施例】

以下、添付の図面に基づき、本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案のフィルターユニットの縦断面図である。 図２は、本考案の第１実施例であり、密閉容器の中で中心部から周辺部に向か って濾過する内圧式フィルターユニットの平面図であり、図３は、濾過時におけ る図２のフィルターユニットの平面図である。

【００１３】 このフィルターユニットは、菊花状にヒダを付けた濾材２を円筒形の密閉容器 ４の中に設けている。濾材２としては、合成樹脂（例えば、ポリエステル）の不 織布、濾紙、その他公知の材料を使用することができる。

【００１４】 本考案の特徴は、図１，図２に示すように、濾材２の下流側、即ち、濾材の外 側に凹凸を有する網状のスペーサー６を設けたことである。スペーサー６は、図 ４に示すような合成樹脂（例えば、ポリエチレン）の網状シートを使用すること ができる。スペーサー自体は、濾過を目的としたものではないので、網目の大き さも比較的に大きく、例えば１インチあたり７−１５メッシュ、より好ましくは ９−１２メッシュである。スペーサーの凹凸は、編成・織成により自然形成され る凹凸（即ち糸条が重なる部分において凸部が形成され、それ以外の部分が凹部 である）でよい。しかし、押し出し成形するときには、ところどころで意識的に 凸部を設ける必要がある。

【００１５】 濾過中は、圧力下に汚液が濾過されるので、図３のようにヒダ同士が接近する が、それでも凹凸を有するスペーサー６が存在するので、完全に密着することは ない。

【００１６】 図５は、本考案の第２実施例であり、密閉容器の中で周辺部から中心部に向か って濾過する内圧式フィルターユニットの平面図であり、図６は、濾過時におけ る図５のフィルターユニットの平面図である。

【００１７】 第１実施例と異なるのは、濾材２の上流側、即ち、濾材２の内側に凹凸を有す る網状のスペーサーを設けたことである。そのための点については第１実施例と 同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

【００１８】

【考案の効果】

本考案では、濾材の下流側に網状のスペーサーを設けているので、濾過中でも 必ずヒダの間に凹凸を有するスペーサーが介在することになりヒダ同士が密着す ることは避けられる。

【００１９】 その結果、本考案のフィルターユニットは、時間の経過により濾過能力が減少 することが少なく、寿命が伸びる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のフィルターユニットの縦断面図であ
る。

【図２】本考案の第１実施例であり、密閉容器の中で中
心部から周辺部に向かって濾過する内圧式フィルターユ
ニットの平面図である。

【図３】濾過時における図２のフィルターユニットの平
面図である。

【図４】本考案で使用するスペーサーの正面図である。

【図５】本考案の第２実施例であり、密閉容器の中で周
辺部から中心部に向かって濾過する内圧式フィルターユ
ニットの平面図である。

【図６】濾過時における図５のフィルターユニットの平
面図である。

【符号の説明】

２ 濾材 ４ 円筒形の密閉容器 ６ 凹凸を有する網状のスペーサー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 菊花状にヒダを付けた濾材（２）を円
   筒形の密閉容器（４）の中に設けたフィルターユニット
   において、前記濾材（２）の下流側に凹凸を有する網状
   のスペーサー（６）を設けたことを特徴とする流体フィ
   ルターエレメント。