JPH059327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、胴部内面に環状凹所を設け、該凹所
に蓋の外周を嵌合させて閉止した容器、例えばア
イスクリーム容器に関し、特に改ざん防止を図つ
た容器に関する。

〔従来の技術〕

アイスクリーム容器は、一般にカツプ状容器の
胴部内面に環状凹所を設け、該凹所に蓋の外周を
嵌合させて閉止する構造となつており、蓋を開く
には、単に蓋のつまみを手で摘んで上に引き上げ
るのみでよい。

〔考案が解決しようとする課題〕

最近、食品、薬品等に毒薬を混入するという悪
質な犯罪が発生しており、重大な社会問題となつ
て来た。ところが、従来のアイスクリーム容器で
は、上記の如く蓋を開くには、単に蓋を上に引き
上げ、蓋外周を胴部の環状凹所から外すのみでよ
いので、一旦開封しても何等の痕跡が残らず、従
つて犯罪者が蓋を開き、アイスクリーム内に毒物
を混入した後、蓋を元の通りに戻すと、最初の状
態と全く変わらず、改ざんの有無が全く判別出来
ないという問題点が生じて来た。このため、消費
者に多大の不安を与えることとなり、改ざんの有
無が一目で判るような改ざん防止容器が望まれて
きた。

本考案はかかる要望に基づいてなされたもの
で、蓋を一旦開封するとその痕跡が残り、従つて
蓋を再度閉じても容易に開封の有無を判別しうる
改ざん防止容器を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成すべくなされた本考案は、胴部
内面に環状凹所を設けた容器本体と、該凹所に外
周を嵌合させて固定される蓋とからなる容器にお
いて、前記蓋の外周に設けられたつまみを容器本
体にヒートシールにより接着したことを特徴とす
る改ざん防止容器を要旨とする。

〔作用〕

上記構成の改ざん防止容器では、開封に当たつ
て、つまみを容器本体からはがし、そのつまみを
利用して蓋を開く。このため、蓋を一旦開封する
と、必ず容器本体或いはつまみに剥がした跡が残
り、開封後、再度蓋をしても開封の痕跡が残り、
容易に開封されたことを見つけることができる。
また、つまみの容器本体に対する接着にヒートシ
ールを用いたことにより、接着剤が容器本体内に
侵入するということがなく、極めて衛生的であ
る。

〔実施例〕

以下、図面に示す本考案の好適な実施例を詳細
に説明する。第１図，第２図において、改ざん防
止容器１は胴部に環状凹所２Ａを有する容器本体
２と環状凹所２Ａに嵌合する蓋３とからなり、蓋
３の外周に設けられたつまみ４の少なくとも一部
分５を容器本体２に接着している。ここに用いる
つまみ４としては、第１図に示すように、容器本
体２の胴部内面に接触して上方に延びる直線状の
ものに限定されず、第３図，第４図に示すよう
に、容器本体２の胴部内面及び上縁のカール部分
２Ｂ上端に接触するよう折れ曲がつたものとし、
その上面の部分５を容器本体２上端のカール部分
２Ｂに接着するようにしてもよい。なお、つまみ
４の先端は第１図に示すように、容器本体２の上
端より上に延びるようにするとか、第３図に示す
ようにカール部分２Ｂより外に延びるようにし、
指でつまみ易くすることが好ましい。つまみ４と
容器本体２との接着は、ヒートシールにより行わ
れている。もし、この接着にホツトメルト等の接
着剤を用いた場合には、その接着剤が容器本体２
内に侵入し不衛生になる恐れが生じるが、ヒート
シールではそのような恐れがなく、極めて衛生的
である。

蓋３に設けられるつまみ４は、蓋３と一体に形
成されてもよく或いは別体に作られた後接着して
取付けられてもよい。容器本体２、蓋３としては
従来用いられているもの、例えば、表面に樹脂層
を積層した紙製のもの、或いはプラスチツク製の
もの等をそのまま用いることが出来る。しかし、
容器本体２として、表面に樹脂層を有する紙製の
ものを用いる場合、容器本体２のつまみ４に接す
る部分に弱シール部を形成しておくことが好まし
い。即ち、第５図に示すように、容器本体２が紙
６の表面に樹脂層（例えばポリエチレン層）７を
有する場合、つまみ４を接着する部分に、紙６と
樹脂層７との接合強度の弱い弱シール部８を形成
しておき、この上につまみ４を接着することが好
ましい。このような弱シール部８は、紙６に樹脂
層７をラミネートする前に、紙表面にシリコン、
ワツクス等の接着阻害剤を塗布することにより、
形成することができる。なお、弱シール部８はつ
まみ４が接する部分にのみ形成してもよいが、第
１図に破線で示すように、容器本体２の全周に渡
つて環状に形成しておくと、蓋３を容器本体に嵌
める時、蓋３がどの位置に来ても常につまみ４が
弱シール部８の上に位置し、従つて容器本体２と
蓋３との取付角度調整を必要としないので、好ま
しい。

上記構成の改ざん防止容器１において、蓋３を
開くに当たつては、必ずつまみ４を容器本体２の
胴部内面から（第１図）、或いはカール部分２Ｂ
上面から（第３図）、剥がさねばならず、このた
め、容器本体或いはつまみに剥ぎ取つた跡が残
り、開封の痕跡が残る。従つて、開封後、再度蓋
をしても開封の痕跡が残り、容易に改ざんの有無
を判定できる。特に、第５図に示す弱シール部８
を有する容器の場合には、弱シール部８の樹脂層
７Ａがつまみ４に接着したまま紙６から容易に剥
がれるので、つまみ４を容器本体から剥がすのが
容易であり、しかも開封の際この樹脂層７Ａが紙
６に強固に接着した他の樹脂層７から引きちぎら
れるため、その痕跡が極めて明瞭に残る。更に第
１図のように環状に弱シール部８を形成した場合
には、つまみ４を剥がす時、つまみ４の接着位置
のみならずそれに続く弱シール部８に沿つた樹脂
層も剥がれるため、つまみを剥がした痕跡が一層
明瞭となり、再度つまみ４を接着しても蓋の開封
を隠すことは不可能である。

〔考案の効果〕

以上の如く、本考案の改ざん防止容器は蓋のつ
まみを容器本体にヒートシールにより接着したも
のであるので、一旦開封するとその痕跡が残り、
改ざんの有無を容易に判定することができ、改ざ
ん防止を図ることができ、また、極めて衛生的で
あるという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の斜視図、第２図は
その断面図、第３図は他の実施例の斜視図、第４
図はその断面図、第５図は第１図の実施例の要部
の拡大断面図である。 １……改ざん防止容器、２……容器本体、２Ａ
……環状凹所、３……蓋、４……つまみ、５……
接着部分、６……紙、７……樹脂層、８……弱シ
ール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胴部内面に環状凹所を設けた容器本体と、該凹
   所に外周を嵌合させて固定される蓋とからなる容
   器において、前記蓋の外周に設けられたつまみを
   容器本体にヒートシールにより接着したことを特
   徴とする改ざん防止容器。