JPH052453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、胴部内面に環状凹所を設け、該凹所
に蓋の外周を嵌合させて閉止した容器、例えばア
イスクリーム容器に関し、特に改ざん防止を図つ
た容器に関する。

〔従来の技術〕

アイスクリーム容器は、一般にカツプ状容器の
胴部内面に環状凹所を設け、該凹所に蓋の外周を
嵌合させて閉止する構造となつており、蓋を開く
には、単に蓋のつまみを手で摘んで上に引き上げ
るのみでよい。

〔考案が解決しようとする課題〕

最近、食品、薬品等に毒薬を混入するという悪
質な犯罪が発生しており、重大な社会問題となつ
て来た。ところが、従来のアイスクリーム容器で
は、上記の如く蓋を開くには、単に蓋を上に引き
上げ、蓋外周を胴部の環状凹所から外すのみでよ
いので、一旦開封しても何等の痕跡が残らず、従
つて犯罪者が蓋を開き、アイスクリーム内に毒物
を混入いた後、蓋を元の通りに戻すと、最初の状
態と全く変わらず、改ざんの有無が全く判別出来
ないという問題点が生じて来た。このため、消費
者に多大の不安を与えることとなり、改ざんの有
無が一目で判るような改ざん防止容器が望まれて
きた。

本考案はかかる要望に基づいてなされたもの
で、蓋を一旦開封するとその痕跡が残り、従つて
蓋を再度閉じても容易に開封の有無を判別しうる
改ざん防止容器を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成すべくなされた本考案は、胴部
内面に環状凹所を設けた容器本体と、該凹所に外
周を嵌合させて固定される蓋とからなる容器にお
いて、前記蓋を、少なくとも上面に樹脂層を有す
る積層体で構成すると共に、外周の一部につまみ
を形成し、該つまみを蓋上面に折り曲げて接着
し、更に、前記つまみを前記樹脂層を引きちぎり
ながら容易に剥離可能としたことを特徴とする改
ざん防止容器を要旨とする。

〔作用〕

上記構成の改ざん防止容器では、蓋の上面に接
着しているつまみの先端を手でつまんで上に引き
上げることにより、蓋を開くことができるが、そ
の際、つまみが蓋上面から剥がれ、且つ樹脂層が
引きちぎられることとなる。そのため、開封の痕
跡が残り、一旦開いた蓋を再度閉じても、開封さ
れたことを容易に見つけることができる。

〔実施例〕

以下、図面に示す本考案の好適な実施例を詳細
に説明する。第１図、第２図において、改ざん防
止容器１は胴部に環状凹所２Ａを有する容器本体
２と環状凹所２Ａに嵌合する蓋３とからなり、そ
の蓋３の外周の一部につまみ４を形成し、つまみ
４を第３図に拡大して示すように、蓋上面に折り
曲げ、且つ、少なくとも先端部４Ａを除いて接着
している。この蓋３は、基材の紙６とその両面に
設けられた樹脂層７とからなる積層体で構成され
ており、しかも、つまみ４を重ねる部分には紙６
と樹脂層７との接着力の弱い弱シール部８が形成
されている。このため、その弱シール部８を利用
してつまみ４を蓋３の上面から容易に剥がすこと
が可能であり、且つ剥がした時には樹脂層７が引
きちぎられ、その痕跡が残ることとなる。ここ
で、つまみ４の蓋３上面からの剥がれ易さは、蓋
３を第２図に示すように容器本体２の環状凹所に
嵌合させて固定した状態で、つまみ４の先端部４
Ａを指でつまんで引き上げた時、蓋３が環状凹所
２Ａから外れる前に、つまみ４が蓋上面から剥が
れるように定められる。つまみ４と蓋上面との接
着は、ヒートシール、接着剤使用等任意の方法で
よい。弱シール部８は、紙６に樹脂層７をラミネ
ートする前に、紙表面にシリコン、ワツクス等の
接着阻害剤を塗布することにより、形成すること
ができる。なお、弱シール部８はつまみ４を折り
重ねる部分のみならず、その近傍にも連続して形
成しておくことが望ましい。

つまみ４は、通常、蓋３の一部として蓋３と同
じ厚さに形成されるが、つまみが厚すぎる為折り
曲げて蓋上面に接着する作業が困難な場合には、
つまみ４を薄くしてもよい。しかし、つまみ４を
蓋上面から剥がした後、つまみ４が自身の弾性に
より自立し、容易に蓋上面に倒れない程度の厚み
を有することが好ましい。蓋３を構成する材料と
しては、従来の蓋と同様に、両面に樹脂層を備え
た紙、プラスチツク等を挙げることができる。

上記構成の改ざん防止容器１において、蓋３を
開くに当たつては、まず蓋３に接着されているつ
まみ４の先端を手でつまんで上に引き上げる。す
ると、先ず、つまみ４が第１図、第３図に二点鎖
線で示すように蓋から剥がれ、次いで蓋３が胴部
の環状凹所から外されて開封される。従つて、一
旦蓋を開封すると、つまみ４が蓋３から立ち上が
つた形となり、開封の痕跡が残ることとなる。こ
の際、つまみ４として適当な弾性を有する厚みの
ものを用いると、一旦剥がしたつまみ４を蓋３上
面に折り畳んで接着することが困難であるので、
開封の痕跡を隠すことは困難である。また、つま
み４を剥がした時、弱シール部８の樹脂層７Ａが
弱シール部８に沿つて剥がれ且つ紙６に強固に固
着した樹脂層７から引きちぎられるため、その痕
跡が極めて明瞭に残り、この点からも開封を隠す
ことができない。特に、つまみ４を折り重ねる部
分以外に延びる弱シール部８を設けた場合には、
その部分の樹脂層７Ａが破れるので、つまみ４を
再度折り重ねて接着したとしても、つまみ４の無
い部分の樹脂層が破れており、開封の痕跡を隠す
ことは不可能である。

〔考案の効果〕

以上の如く、本考案の改ざん防止容器は、蓋を
引き上げる為に用いるつまみを蓋上面に剥離可能
に接着し、且つそれを剥がした際には樹脂層が引
きちぎられるように構成したものであるので、一
旦開封すると、つまみが蓋から剥がれてその痕跡
が明瞭に残り、改ざんの有無を容易に判定するこ
とができ、改ざん防止を図ることができるという
効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の斜視図、第２図は
その断面図、第３図は蓋３につまみ４を折り重ね
た部分の拡大断面図である。 １……改ざん防止容器、２……容器本体、２Ａ
……環状凹所、３……蓋、４……つまみ、６……
紙、７……樹脂層、８……弱シール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胴部内面に環状凹所を設けた容器本体と、該凹
   所に外周を嵌合させて固定される蓋とからなる容
   器において、前記蓋を、少なくとも上面に樹脂層
   を有する積層体で構成すると共に、外周の一部に
   つまみを形成し、該つまみを蓋上面に折り曲げて
   接着し、更に、前記つまみを前記樹脂層を引きち
   ぎりながら容易に剥離可能としたことを特徴とす
   る改ざん防止容器。