JPH0592634A - ロール紙の自動挿入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール紙の大小に関わらず簡便な方法で確実
にロール紙の先端を給紙口へ搬送する。 【構成】 ロール紙ホルダ１へロール紙Ｐを設置した
後、ベルト３を駆動しロール紙Ｐを紙送り方向と逆方向
へ回転させながら反射型フォトセンサ１８の信号変化に
よってロール紙Ｐの先端を検知する。そして、ロール紙
Ｐの先端を検知すると、ベルト３を紙送り方向へ駆動さ
せ、ロール紙Ｐを紙送り方向へ回転させて挿入口１１ａ
へ搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロール紙を使用する印
字装置に関し、特にロール紙を自動セットするためのロ
ール紙の自動挿入装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、キャッシュレジスタ等に使用され
るプリンタにおいて、ロール紙がその搬送経路に沿って
自動セットできるオートローディング機能を有するもの
がある。このようなプリンタで用いられており、ロール
紙の先端を用紙挿入口へ自動的に搬送することの可能な
ロール紙の自動挿入装置としては、図５及び図６に示す
ように容器状のロール紙ホルダ６０の底部に、下方から
ロール紙Ｐに当接するローラ６１またはベルト６２を配
置し、自重によりロール紙Ｐを前記ローラ６１またはベ
ルト６２と当接させ、前記ローラ６１またはベルト６２
を駆動することによりロール紙Ｐとローラ６１またはベ
ルト６２との間に摩擦力を発生させてロール紙を紙送り
方向に回転させ、ロール紙Ｐの先端をプリンタの用紙挿
入口６６に搬送するように構成したものが知られてい
る。

【０００３】しかしながら、一般にロール紙Ｐはその先
端が任意の位相でロール紙ホルダ６０に載置されるの
で、上記のような構成の装置では、ロール紙Ｐの先端が
上向きでロール紙ホルダ６０に載置されるとロール紙Ｐ
の先端が用紙挿入口６６に達するまでにロールがほどけ
てロール紙Ｐの先端が不安定になり正常に用紙挿入口６
６へ搬送されないことがあった。

【０００４】このような欠点を補うために、図７に示す
ようにロール紙Ｐの上部を覆うようにロール紙ホルダ６
０に蓋状の用紙ガイド６４を設け、ロール紙Ｐの先端が
前記用紙ガイド６４とロール紙Ｐの表面部との隙間に沿
って移動するように構成することにより、ロール紙Ｐの
先端をロールがぼどけることなく用紙挿入口６６へ搬送
可能な装置がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな蓋状の用紙ガイドの形状はロール紙が新品である時
の外径に合わせて設計されており、半使用状態の小径の
ロール紙では前記用紙ガイドとロール紙の表面部との隙
間が大きくなってロール紙先端が正常に用紙挿入口に搬
送されない場合がある。またロール紙をセットする時に
は前記用紙ガイドを開閉する動作が必要となるため簡便
性に欠けるという欠点があった。

【０００６】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、ロール紙の大小に関わらず簡便
な方法で確実にロール紙の先端を給紙口へ搬送すること
のできるロール紙の自動用紙挿入装置を提供することを
目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の自動用紙挿入装置は、ロール紙を収納し、そ
のロール紙を印字手段へ搬送するための給紙口を有する
ロール紙ホルダと、そのロール紙ホルダの下方に配置さ
れ、かつ、前記ロール紙に当接してロール紙を回転させ
る駆動手段とを備えたロール紙の自動挿入装置であっ
て、前記駆動手段は正逆両方向に駆動可能であり、さら
に、前記給紙口の近傍に配置され、前記給紙口と前記ロ
ール紙との間の距離を検出し、前記駆動手段の駆動方向
を決定する検出手段を有する。

【０００８】

【作用】上記の構成を有する本発明のロール紙の自動挿
入装置では、検出手段がロール紙と給紙口との間の距離
を検出し、駆動手段の駆動方向を決定する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【００１０】図２及び図３は、本発明のロール紙の自動
挿入装置を利用した電子式金銭登録機（ＥＣＲ）のジャ
ーナルプリンタを示している。

【００１１】このジャーナルプリンタにおいては、図１
乃至図３に示すように、ロール紙ホルダ１はロール紙Ｐ
を収納するために容器状に形成されており、その底部に
はロール紙Ｐが落下しない程度の大きさの開口が形成さ
れている。また、ロール紙ホルダ１の底部には、印字中
にロール紙Ｐを回転自在に保持するためのペーパウケロ
ーラ２が設けられている。ロール紙ホルダ１の下方に
は、ベルト３が駆動プーリ４と従動プーリ５との間に懸
け渡されており、駆動プーリ４はギヤトレーンを介して
ベルト駆動モータ６と連結されている。前記駆動プーリ
４及び従動プーリ５はベルトフレーム７に取り付けられ
ており、駆動プーリ４の軸を中心として、前記ベルト３
の直線部がロール紙Ｐの表面とが当接する第一の位置
と、ロール紙Ｐの表面と離間する第二の位置との間を回
動可能である。

【００１２】このベルトフレーム７の回動範囲には、ベ
ルトフレーム７がロール紙Ｐと当接する位置まで移動し
たことを検出するベルトリフトスイッチ１０が設けられ
ている。また、ベルトフレーム７には、そのベルトフレ
ーム７に形成されたラック７ａと係合しておりベルトフ
レーム７を回動させるためのピニオンギア８ａを備えた
ベルトリフトクランク８が接続されており、ベルトリフ
トクランク８には、ギヤトレーンを介してベルトリフト
駆動モータ９が連結されている。

【００１３】前記ロール紙ホルダ１の一部にはロール紙
Ｐを供給するための挿入口１１ａが形成されており、こ
の挿入口１１ａの近傍には、ロール紙Ｐの先端を剥離す
るためのセパレータ１２と、ロール紙Ｐまでの距離を検
出する反射型フォトセンサ１８が設けられている。前記
セパレータ１２は、セパレータバネ（図示せず）により
ロール紙Ｐの表面に押圧されている。挿入口１１ａから
後述するインパクトヘッドへロール紙Ｐを搬送するため
の一対の板状部材によって構成されたペーパーガイド１
１で形成されている搬送路には、ロール紙Ｐを搬送する
ための紙送りローラ１４と、ペーパプレッシャバネ１７
によってこの紙送りローラ１４に付勢されて接触してお
り、その接触面にてロール紙Ｐを支持しつつロール紙Ｐ
を搬送するピンチローラ１６とが設けられている。ま
た、紙送りローラ１４には、その紙送りローラ１４を駆
動するための紙送り駆動モータ１５がギヤトレーンを介
して連結されている。この搬送路中の挿入口１１ａの近
傍にはロール紙Ｐを検出するためのフォトセンサ１９が
設けられている。

【００１４】前記紙送りローラ１４の近傍には、紙送り
方向と垂直で且つロール紙Ｐの印字面と平行な方向に架
設されたガイドレール上を往復移動可能なキャリッジ２
０が設けられており、このキャリッジ２０には印字を行
うためのインパクトヘッド２１が取り付けられている。
このインパクトヘッド２１と対向する位置には、プラテ
ン２２がキャリッジ２０の移動範囲にわたって配設され
ている。前記インパクトヘッド２１とロール紙Ｐとの間
にはリボンカセット（図示せず）に収納されているイン
クリボン（図示せず）が張られている。前記インパクト
ヘッド２１と印字されたロール紙Ｐを巻き取るためのジ
ャーナルコア２７との間には一対の板状部材で形成され
たペーパーガイド２６により搬送路が設けられている。
前記ジャーナルコア２７の芯部材にはスリット２８が設
けられており、このスリット２８は印字されたロール紙
Ｐの先端を案内するためにテーパー状に形成されてい
る。

【００１５】ジャーナルコア２７は巻き取りベルト３０
及び後述のスリップクラッチ３１により紙送り駆動モー
タ１５と連結されている。前記スリップクラッチ３１は
ジャーナルコア２７に必要以上のトルクがかかったとき
に紙送り駆動モータ１５を空転させる。前記ペーパーガ
イド２６の終端には、印字されたロール紙Ｐをジャーナ
ルコア２７のスリットの開口部へ案内する上下一対のペ
ーパー案内板３２，３３がそれぞれ回動可能に設けられ
ており、また、それぞれにはペーパー案内板駆動ギア３
４，３５及びペーパー案内板駆動モータ３６が接続され
ている。

【００１６】また、ジャーナルコア２７のフランジ３７
に形成された係止溝部３８と係合することにより、ジャ
ーナルコア２７のスリット２８の開口部の位相と上下一
対のペーパー案内板３２，３３により形成されるロール
紙Ｐ通路の位相とを一致させるためのジャーナルコア係
止部材３９が、前記ペーパー案内板３３の回動軸と同軸
で、且つ、ペーパー案内板３３と連動可能となるように
設けられている。そして、前記ペーパー案内板３３と前
記ジャーナルコア係止部材３９との間には、ジャーナル
コア係止部材３９の位相をペーパー案内板３３と同位相
に付勢するジャーナルコア係止バネ４０が掛けられてい
る。

【００１７】次に、上記のような構成のジャーナルプリ
ンタにおいて、ロール紙Ｐをセットするときの動作につ
いて順を追って説明する。

【００１８】（１） ロール紙Ｐをロール紙ホルダ１へ
載置し、電子式金銭登録機（ＥＣＲ）に設定されたロー
ル紙セットキー（図示せず）を押下する。本実施例にお
いてはオペレータがロール紙セットキーを押下すること
により、ロール紙Ｐをセットする動作を開始するが、ロ
ール紙Ｐのニヤエンドセンサの信号の変化で前記セット
動作を開始してもよい。

【００１９】（２） ベルトリフト駆動モータ９が起動
し、その駆動によりベルトリフトクランク８が図１に示
す矢印Ａ方向へ回転して、ピニオンギア８ａとベルトリ
フトフレーム７のラック７ａとが係合することにより、
ベルトフレーム７が駆動プーリ４の軸を中心としてに回
動し、それによりベルト３がロール紙Ｐと当接する。そ
して、ベルトリフトスイッチの信号がＯＦＦからＯＮに
変化すると、ベルト３はロール紙Ｐをセットする位置ま
で移動したことになるので、直ちにベルトリフト駆動モ
ータ９は停止し、ベルトリフトフレーム７及びベルト３
をこの位置に保つ。この時、図１に示すように、ベルト
３の直線部がロール紙Ｐの後ろ斜め下方より挿入口１１
ａの方向へ傾斜して当接する形となるので、図２及び図
３に示すように、どのような径のロール紙Ｐをロール紙
ホルダ１に載置しても、そのロール紙Ｐの表面がベルト
３及びセパレータ１２に接触し、安定してロール紙Ｐを
送ることが可能であり、また、ロール紙Ｐと反射型フォ
トセンサ１８との間の距離は一定に保たれる。

【００２０】（３） ペーパー案内板駆動モータ３６が
起動し、図２に示すように、ペーパー案内板駆動ギア３
４，３５の作用によりペーパー案内板３２，３３が矢印
Ｂ方向へ回動して、ペーパーガイド２６の終端からジャ
ーナルコア２７のスリット２８の開口部までの搬送路が
形成され、ペーパー案内板駆動モータ３６が停止する。
このとき、このペーパー案内板駆動モータ３６の駆動時
間中に、ペーパー案内板３２，３３に設けられたストッ
パがお互いに当接することにより、ペーパー案内板駆動
モータ３６はモータロック状態で停止し、次いでペーパ
ー案内板駆動モータ３６を駆動する駆動信号がＯＦＦと
なる。

【００２１】（４） 紙送り駆動モータ１５が駆動され
る。（３）においてペーパー案内板３２は閉じているの
で、ジャーナルコア係止部材３９はジャーナルコア２７
のフランジ３７と接している。この状態で紙送り駆動モ
ータ１５を駆動すればジャーナルコア２７はフランジ３
７に形成されている係止溝部３８とジャーナルコア係止
部材３９とが係合するまで回転し、両者が係合した後は
ジャーナルコア係止部材３９がジャーナルコア２７のス
トッパとなるためジャーナルコア２７は回転せず、スリ
ップクラッチ３１の作用によって紙送り駆動モータ１５
が空転する。これによってジャーナルコア２７のスリッ
ト２８の開口部の位置と、ペーパー案内板３２，３３に
より形成されたロール紙Ｐの搬送路の位置とが対応す
る。そして、その後紙送り駆動モータ１５は停止する。

【００２２】（５） ベルト駆動モータ６を駆動しベル
ト３を回転させ、ベルト３とロール紙Ｐの表面との摩擦
によりロール紙Ｐを紙送り方向と逆方向に一定速度にて
連続送りする。この時、同時にロール紙ホルダ１の底部
に設けた反射型フォトセンサ１８の出力信号を監視す
る。

【００２３】（６） ロール紙Ｐの回転によって、ロー
ル紙Ｐの先端がセパレータ１２を通過して挿入口１１ａ
の手前に到達すると、ロール紙Ｐの先端はセパレータ１
２の支持を失ってロール部分より剥離し反射型フォトセ
ンサ１８に近づくので、反射型フォトセンサ１８とロー
ル紙Ｐとの間の距離に変化が生じる。この時、反射型フ
ォトセンサ１８の出力信号は、図４に示す反射型フォト
センサ１８の距離特性に従って変化する。この信号変化
によってロール紙Ｐの先端が挿入口１１ａの手前にある
ことを判定する。

【００２４】（７） 反射型フォトセンサ１８の信号に
よりロール紙Ｐの先端が挿入口１１ａの手前にあること
が確認されたら、ベルト駆動モータ６を（５）における
駆動方向と逆方向に駆動させ、ベルト３を紙送り方向へ
回転させる。そして、フォトセンサ１９の信号によりロ
ール紙Ｐの先端が挿入口１１ａに挿入されたことが確認
されると、ベルト駆動モータ６及び紙送り駆動モータ１
５が駆動され、ベルト３及び紙送りローラ１４を紙送り
方向へ連続送りする。これによって、ロール紙Ｐは一対
のペーパーガイド１１の間を搬送され、紙送りローラ１
４とピンチローラ１６との間に噛み込まれる。このと
き、ベルト駆動モータ６にステッピングモータを使用す
れば、フォトセンサ１９がロール紙Ｐの先端を検知した
後、ベルト駆動モータ６を一定のステップ数だけ送るこ
とにより、ロール紙Ｐの先端が紙送りローラ１４に到達
したものと判断することが可能となる。

【００２５】（８） ロール紙Ｐの先端が紙送りローラ
１４の位置に到達すると、ベルトリフト駆動モータ９が
駆動され、ベルトリフトクランク８は反矢印Ａ方向へ回
転される。すると、ベルトフレーム７は徐々にその自重
により下降し、それにともなって、ベルト３がロール紙
Ｐより離間する。そして、ベルトリフトスイッチから発
せられる信号がＯＮからＯＦＦに変化し、図３に示すよ
うな位置に達すると、ベルトリフト駆動モータ９は停止
しベルトフレーム７はその位置に保たれる。また、同時
にベルト駆動モータ６も停止する。これにより、ロール
紙Ｐとベルト３との間の摩擦はなくなるため、紙送りロ
ーラ１４の回転によりロール紙Ｐが搬送される際には、
ロール紙Ｐは回転自在なペーパウケローラ２に受けられ
ているので、紙送りローラ１４及びピンチローラ１６に
よりロール紙Ｐが引っ張られても、ロール紙Ｐは軽く回
転することができ、確実に搬送される。

【００２６】（９） 更に、ロール紙Ｐは紙送り駆動モ
ータ１５により回転駆動された紙送りローラ１４によ
り、印字ヘッド２１とプラテン２２との間を通過してペ
ーパーガイド２６により案内される。すると、ロール紙
Ｐは（３）においてペーパー案内板３２，３３により形
成された搬送路を通り、ジャーナルコア２７のスリット
２８を通過する。そして、所定量だけロール紙Ｐを送っ
た後で紙送り駆動モータ１５を停止する。

【００２７】（１０） ペーパー案内板駆動モータ３６
を（３）の場合の回転方向と逆方向に駆動し、一定時間
後に停止させる。これによって搬送路を形成していた一
対のペーパー案内板３２，３３が反矢印Ｂ方向に回動し
て、図３に示すように、ジャーナルコア２７にロール紙
Ｐを巻き取る際に邪魔にならない範囲へ退避する。

【００２８】（１１） 紙送り駆動モータ１５を駆動し
ながら、それよりもやや速い送り速度で巻き取り駆動モ
ータ３０を駆動して、ロール紙Ｐをジャーナルコア２７
を芯として巻き取り、一定時間後に停止する。これによ
ってジャーナルコア２７に印字用紙が巻き取られ、印字
準備が完了する。

【００２９】以上、（１）から（１２）までの動作によ
ってロール紙Ｐの自動セットが完了する。その後は、ロ
ール紙Ｐは入力されたデータに応じて紙送りローラ１４
により送られると共に、印字ヘッド２１により印字さ
れ、ジャーナルコア２７に巻き取られる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のロール紙の自動挿入装置によれば、ロール紙を回
転させる駆動手段とそのロール紙との間の距離を検出
し、その検出結果に応じて駆動手段の駆動方向を決定す
るので、ロール紙の回転中にロール紙がほどかれること
がなく、ロール紙の先端を確実に給紙口付近へセットで
きる。また、オペレータはロール紙ホルダにロール紙を
置くだけで確実にロール紙をセットすることができるの
で、ロール紙の交換が非常に簡便となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のロール紙の自動挿入装置を具体化した
ジャーナルプリンタの要部断面図である。

【図２】本考案を具体化したジャーナルプリンタにおい
てロール紙挿入時を示す断面図である。

【図３】本実施例のジャーナルプリンタにおいて印字中
の状態を示す断面図である。

【図４】本実施例において使用する反射型フォトセンサ
の距離−出力特性を示すグラフである。

【図５】従来のロール紙の自動挿入装置の一例の断面図
である。

【図６】従来のロール紙の自動挿入装置の一例の断面図
である。

【符号の説明】

１ ロール紙ホルダ ３ ベルト ４ 駆動プーリ ５ 従動プーリ ６ ベルト駆動モータ ７ ベルトフレーム ８ ベルトリフトクランク ９ ベルトリフト駆動モータ １０ ベルトリフトスイッチ １１ ペーパガイド １１ａ 挿入口 １８ 反射型フォトセンサ Ｐ ロール紙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロール紙を収納し、そのロール紙を印字
   手段へ搬送するための給紙口を有するロール紙ホルダ
   と、そのロール紙ホルダの下方に配置され、かつ、前記
   ロール紙に当接してロール紙を回転させる駆動手段とを
   備えたロール紙の自動挿入装置において、 前記駆動手段は正逆両方向に駆動可能であり、さらに、
   前記給紙口の近傍に配置され、前記給紙口と前記ロール
   紙との間の距離を検出し、前記駆動手段の駆動方向を決
   定する検出手段を有することを特徴とするロール紙の自
   動挿入装置。