JPH0592304A - 複層コーテイング工具 - Google Patents
複層コーテイング工具Info
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- JPH0592304A JPH0592304A JP3145339A JP14533991A JPH0592304A JP H0592304 A JPH0592304 A JP H0592304A JP 3145339 A JP3145339 A JP 3145339A JP 14533991 A JP14533991 A JP 14533991A JP H0592304 A JPH0592304 A JP H0592304A
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- coating
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
ク等にTi等の硬質物質をコーティングした切削工具の
耐摩耗性、耐亀裂性を始めとして、さらに切り粉離れ等
の総合的な機能の改善を図る。 【構成】 表面被覆膜が原子パーセントでTiを60〜
100%含み、Ti以外の金属の膜構成金属がZr,H
f,Nb,Ta,B,Al,Siの一種又は2種以上の
成分であり、600℃以下の温度にて炭素、窒素、酸素
のうちのいずれか1種または2種以上の化合物の反応ガ
ス成分中で物理蒸着法により母材表面に複層コーティン
グした。
Description
施した金属材料等の加工用の切削工具に関する。
TiCなどのセラミックを単層にコーティングしたも
の、あるいはこれらを多層にコーティングしたものが開
発され、実用に供されてきた(例えば雑誌Industrial H
eating, 1986 年9月号参照)。これらの開発の経緯に
おいては、開発者は切削工具の総合的な機能の改善に着
目してなされたのではなく、コーティング膜自体の耐摩
耗性や耐亀裂性、あるいは母材質との密着性など個々の
特性に注目して開発がなされてきたに過ぎない。
アンダーコートとしてCr膜及びトップコートとしてT
iN膜の多層膜の形成方法が開示されている。さらに特
開平2−57677号公報には前記公報に開示されたも
のと同様にTiのアンダーコートの手法が提案され、母
材と膜、または膜間における密着性を向上させる手法が
示されている。あるいは、特公昭59−21387号公
報には硬質被覆層における内層と外層との間に中間層を
設け、該中間層の組成成分中の固溶酸素量を可変とし、
上層に酸化アルミニウムを被覆層とした被覆超硬合金部
材が提案されている。この場合は上層の酸化アルミニウ
ムの耐熱亀裂性及びその膜間の密着性の改善と膜の緻密
化を強化したものである。
ィング工具においては、耐摩耗性や耐亀裂性という切削
工具の個々の特性の改善を目指したものであって、これ
らの改善を包含するとともに、更に切り粉離れの良さな
どのあらゆる機能面を包含した総合的な切削工具の改善
がなされる必要がある。例えば一般的に被覆される硬質
物質の摩擦係数は母材の摩擦係数よりも低くなる。この
ために、切削時の刃先に応力変化を及ぼし、当該コーテ
ィング工具と同一形状のコーティングしていない工具に
比して切削抵抗が高くなるという問題も存在した。
くなされたものであって、高速度鋼,超硬合金,サーメ
ット,セラミックのいずれかを母材質とし、先ず(a)
表面被覆膜が原子パーセントでTiを60〜100%含
み、Ti以外の金属の膜構成金属がZr,Hf,Nb,
Ta,B,Al,Siの1種又は2種以上の成分であ
り、600℃以下の温度にて炭素、窒素、酸素のうちの
いずれか1種または2種以上の化合物の反応ガス成分中
で物理蒸着法により母材表面に複層コーティングした。
即ち、コーティング膜の製造においては、高温で行う化
学蒸着法などを用いると、結晶性は良いが靱性に欠ける
面が強いのである。そこで、本発明では600℃以下の
物理蒸着法を用いて結晶粒の微細化して膜の緻密化と柱
状組織化を実現した。
表面から0.2〜2.0μmの範囲の膜の成分がTiX
NY (0.2<y/x<0.7)、またはTi以外の成
分MがZr,Al,Siであり、TiU MV NW (但
し、0.4<w/u+v<1.0)とした。即ち、本発
明においてはコーティング膜として用いられるTi系セ
ラミックスを積層または多層に形成した。コーティング
膜の最上層の膜は0.2μm以下では潤滑性や切り粉離
れを良好にする層が薄すぎて効果が期待できず、また
2.0μm以上であれば、逆に下層の耐摩耗性の効果が
うすくなるので、これを0.2〜2.0μmに限定し
た。
ち、切削に関与する部分はマイクロヴィッカース硬さ
(50g)の測定結果がHv1300〜3300であ
り、膜厚が2.5〜8μmの範囲にあり、かつRa5μ
m以下の面粗さとした。ここでは、Hv1300未満の
場合は耐摩耗性が著しく低く、Hv3300以上の場
合、膜応力が大きくなり、膜の脱落を生ずる。そこでマ
イクロヴィッカース硬さを上記の如く限定した。さら
に、工具の切削に関与する部分の硬さは被削材の面粗さ
を投影するので、工具の刃先の面粗さの必要からRa5
μm以下に限定した。
のロックウエル(Cスケール)硬度計を用いて押圧した
場合に生ずる圧痕を100倍の倍率で観察した結果、圧
痕の周囲1mm以上(外側)の範囲で膜の剥離が認めれな
いものとした。即ち、ロックウエル硬度計を用いてダイ
ヤモンド圧子をコーティング膜を有する工具自体の膜表
面から押しつけ、その圧痕を観察した結果、極めて密着
性が高く、コーティング工具自身の効果を高める範囲と
して、100倍の倍率で圧痕を観察した結果1mm以上
(外側)の範囲で膜の剥離を生じないものより切削性能
が高いことを確かめた。
に酸化を促進して、TiOk (k≦2)を形成し、コー
ティング工具から切り粉離れを良くする働きが生ずる。
あるいはTiAlN及びTiZrN等の表面被腹膜はは
内在するAl,Zrの窒化物が積極的に酸化し膜内の応
力増加により耐摩耗性を増加せしめると同時に、表層か
ら脱落していくため同様の効果を奏する。実際の穴明け
加工や平面研削あるいは歯切り加工においてこのような
実用上の効果を著しく改善せしめた。この発明において
は基本的に二つの作用の向上が実現されている。一つは
酸化における切削時の潤滑作用の向上であり、二つ目の
作用は酸化した表層膜による下層の膜に対する、或いは
下層となるコーティング工具に対する酸化保護作用であ
る。これらは特に過酷な切削においては期待されるコー
ティング工具の寿命に著しい改良を奏する結果を生む。
個の蒸発源をもつ反応性イオンプレーティング装置内に
置いて、2×10-1torr以上の真空度で排気し、製品を
350〜550℃の間の温度に加熱し、イオンボンバー
ドを施したうえ、1×10-4乃至1×10-3torrのアル
ゴンガスと窒素ガス、あるいはアルゴンガスと窒素及び
炭化水素ガスを導入して0.1〜0.5μm/minの
成膜温度で切削に関与する部分、即ち図1に示すように
刃先先端1からマージン部にかけて被覆処理(図1では
被覆処理の都合から斜線で示すようにシャンク部3の近
傍Bにまで処理がなされている)して効果を確認した。
膜厚を市販品と、比較品である4.5μmに制御したT
iN(1.0μm)+TiCN(3.5μm)と、同構
造のTiN(1.0μm)+TiCN(3.0μm)+
TiNX ( 0.5μm)(表層)を被覆した本発明品で
あるコーティングドリルを通常よりやや過酷な条件で切
削したところこれらに比して約1.5倍の性能向上を得
た。これは図2に示すように通常の2〜3倍の能率向上
になる。
その硬度がHv1960に対し、本発明品はHv197
0であった。また、ロックウエルの圧痕については、図
1のB部(圧痕測定部)にて観察したところ、図4が本
発明品の顕微鏡写真(×100)、図5が比較品の顕微
鏡写真(×100)である。図4によれば黒い輪郭線に
囲まれた圧痕跡の周囲には剥離部分が全く存在していな
いのに対して、図5においては周辺部と黒い輪郭性との
間に該輪郭線を囲むように波形の境界線が表れており、
該境界内に複数個の剥離部分が認められる。なお、コー
ティング条件は450℃に1時間保持し、イオンエッチ
ングを60分行った上、40分のコーティング時間を各
膜厚に配分した方法により連続して処理を行った。Ti
Nx はオージェ分光分析ではx=0.4であった。
/min 被削材:SNC836,20mm貫通 水溶性エマルジョン使用 寿命判定:最大穴明け数
エンドミルを実施例1と同じ条件でイオンプレーティン
グ法にて処理し、膜厚3.5μmのコーティング(Ti
C膜厚3.5μm)を加えて性能を比較した(図3参
照)。なお、オージェ分光分析では表層のTiu Alv
Nw ,Tir Zrs Nt の分析値はu=0.33,v=
0.22,w=0.43,r=0.21,t=0.44
であった。コーティングの全体は3.5μmに制御し、
表層の被膜は0.5μmの厚さにした。これらのエンド
ミルの処理条件は、加熱500℃に1時間保持した上、
イオンエッチングを10分間行い、次いでコーティング
を40分行い、各膜厚になるように制御している。これ
らも装置内に複数の蒸発源を有し、連続的に処理を行っ
ている。
in 切り込み量:Ad9mm Rd1.2mm 被削材:SKD11 ドライ ダウンカット 寿命判定:10m 切削時の摩耗量(逃げ面摩耗量)
6のドリルにイオンプレーティング法を用い、実施例
1、2と同様の条件において硬質物質を複層コーティン
グし、母材質を適正条件下で加速試験を行った。その結
果は表1A、表1Bに示す通りである。なお、1)〜
9)は高速度鋼、10)〜11)は超硬合金であり、最
上層の被覆膜をAES分析にてその成分比を調査した。
二成分系金属の金属比率はTiAlについてはほぼ1:
1、TiZr,TiSi,TiBについてはほぼ7:3
であった。
ev 被削材:SNC836(HB280)20mm貫通 水溶性エマルジョン使用 600穴時のマージン部逃げ面摩耗量を測定 この条件下で高速度鋼製φ6ドリルの無処理品は5穴で
折損状態に至った。
rev 被削材:SCM440(HB300)22mm貫通 水溶性エマルジョン使用 480穴時のマージン部逃げ面摩耗量を測定 この条件下で高速度鋼製φ6ドリルの無処理品は5穴
で、また超硬合金製のφ6ドリルは21穴で摩耗量増大
で折損状態に至った。
硬合金ドリルをA:従来のコーティング品(TiN),
B:本発明品(TiN+TiCN+TiN0.5 ),C:
無処理品とした場合とした場合であって、SCM440
(HB300)を水溶性切削油を使用して、22mm貫
通したときのスラスト荷重の比較結果を示し、図8およ
び図9は同じく切削トルクを比較した結果を示すもので
ある。これによれば、スラスト荷重、切削トルクのいず
れにおいても本発明品は無処理品と殆ど変わりがないこ
とがわかる。
合金、サーメット、セラミックなどにTiX NY 或いは
特別に選定されたTiu MV NW を最外層に配置したの
で、最上層の被膜は充分な耐摩耗性を有すると同時に、
その金属成分或いは窒化物が下層の被覆層の酸化速度よ
りも充分速く酸化が促進され、同時に切削時に極めて緩
やかにこれら表層が脱落する。このため潤滑性能が高め
られ、同時に下層の酸化を抑制する酸化保護作用が発揮
される。このため本発明によればコーティング工具の切
削抵抗が従来品に比して約20%も減少されることにな
り、耐摩耗性が著しく向上した。
の比較図である。
の従来品との比較図である。
痕跡した場合の100倍の倍率で観察した場合の顕微鏡
写真である。
した場合の100倍の倍率で観察した場合の顕微鏡写真
である。
品のスラスト荷重との切削の抵抗比較図である。
品のスラスト荷重との図6の場合と異なる切削条件下の
切削の抵抗比較図である。
品との切削トルクの比較図である。
品との図8の場合と異なる切削トルクの比較図である。
ものであって、高速度鋼、超硬合金,サーメット,セラ
ミックのいずれかを母材質とし、先ず(a)表面被覆膜
が金属成分の原子パーセントでTiを60〜100%含
み、Ti以外の金属の膜構成金属がZr,Hf,Nb,
Ta,B,Al,Siの1種又は2種以上の成分であ
り、600℃以下の温度にて炭素、窒素、酸素のうちの
いずれか1種または2種以上の加工物の反応ガス成分中
で物理蒸着法により母材表面に複層コーティングした。
即ち、コーティング膜の製造においては、高温で行う化
学蒸着法などを用いると、結晶性は良いが靱性に欠ける
面が強いのである。そこで、本発明では600℃以下の
物理蒸着法を用いて結晶粒を微細化して膜の緻密化と柱
状組織化を実現した。
その硬度がHv1960に対し、本発明品はHv197
0であった。また、ロックウエルの圧痕については、図
1のB部(圧痕測定部)にて観察したところ、図4が本
発明品の顕微鏡写真(×100)、図5が比較品の顕微
鏡写真(×100)である。図4によれば黒い輪郭線に
囲まれた圧痕跡の周囲には剥離部分が全く存在していな
いのに対して、図5においては周辺部と黒い輪郭線との
間に該輪郭線を囲むように波形の境界線が表れており、
該境界内に複数個の剥離部分が認められる。なお、コー
ティング条件は450℃に1時間保持し、イオンエッチ
ングを10分行った上、40分のコーティング時間を各
膜厚に配分した方法により連続して処理を行った。Ti
NX はオージェ分光分析ではx=0.4であった。
の比較図である。
の従来品との比較図である
痕跡した場合の100倍ので観察した場合のスケッチで
ある。
した場合の100倍の倍率で観察した場合のスケッチで
ある。
品のスラスト荷重との切削の抵抗比較図である。
品のスラスト荷重との図6の場合と異なる切削条件下の
切削の抵抗比較図である。
品との切削トルクの比較図である。
品との図8の場合と異なる切削トルクの比較図である。
Claims (1)
- 【請求項1】高速度鋼、超硬合金、サーメット、セラミ
ックのいずれかを母材質とし、次の(a)乃至(d)の
条件を満足させたことを特徴とする金属材料等の加工用
の複層コーティング工具。 (a)表面被覆膜が原子パーセントでTiを60〜10
0%含み、Ti以外の金属以外の膜構成金属がZr,H
f,Nb,Ta,B,Al,Siの1種又は2種以上の
成分であり、600℃以下の温度にて炭素、窒素、酸素
のうちのいずれか1種または2種以上の化合物の反応ガ
ス成分中で物理蒸着法により母材表面に複層コーティン
グする。 (b)コーティング膜の最上層の表面から0.2〜2.
0μmの範囲の膜の成分がTiX NY (0.2<y/x
<0.7)、またはTi以外の成分MがZr,Al,S
iであり、TiU MV NW (但し、0.4<w/u+v
<1.0)である。 (c)前記コーティング膜のうち、切削に関与する部分
はマイクロヴィッカース硬さ(50g)の測定結果がH
v1300〜3300であり、膜厚が2.5〜8μmの
範囲にあり、かつRa5μm以下の面粗さである。 (d)前記コーティング膜に通常のロックウエル(Cス
ケール)硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を1
00倍の倍率で観察した結果、圧痕の周囲1mm以上(外
側)の範囲で膜の剥離が認めれない。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3145339A JP2699031B2 (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 複層コーティング工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3145339A JP2699031B2 (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 複層コーティング工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0592304A true JPH0592304A (ja) | 1993-04-16 |
JP2699031B2 JP2699031B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=15382890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3145339A Expired - Lifetime JP2699031B2 (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 複層コーティング工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2699031B2 (ja) |
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- 1991-05-21 JP JP3145339A patent/JP2699031B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2699031B2 (ja) | 1998-01-19 |
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