JPH0592272A - プラズマトーチの電極保護方法及びその装置 - Google Patents

プラズマトーチの電極保護方法及びその装置

Info

Publication number
JPH0592272A
JPH0592272A JP17467691A JP17467691A JPH0592272A JP H0592272 A JPH0592272 A JP H0592272A JP 17467691 A JP17467691 A JP 17467691A JP 17467691 A JP17467691 A JP 17467691A JP H0592272 A JPH0592272 A JP H0592272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
voltage
plasma
plasma arc
protection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17467691A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Nakagawa
圭介 中川
Masatoshi Motoyama
昌利 本山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Koike Sanso Kogyo KK
Original Assignee
Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Koike Sanso Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koike Sanso Kogyo Co Ltd, Koike Sanso Kogyo KK filed Critical Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Priority to JP17467691A priority Critical patent/JPH0592272A/ja
Publication of JPH0592272A publication Critical patent/JPH0592272A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマトーチを用いて被加工材を切断する
際に発生する虞のある溶損から電極を保護する。 【構成】 電極を溶損から保護するための保護電圧を設
定し、プラズマ切断を実施する過程でプラズマアーク電
圧を測定して保護電圧と比較する。測定電圧が保護電圧
と等しくなったとき、プラズマ電源を遮断し、或いはプ
ラズマアーク電流を徐々に低下させプラズマ電源を停止
させる。 【効果】 電極の表面に形成される溶融層を安定した定
常状態に維持し、溶融電極材料の飛散による電極の消耗
を防止することで電極を予期しない溶損から保護すると
共に電極の寿命を延長させることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマ切断に用いられ
るプラズマトーチの電極を予期しない溶損から保護する
ための電極保護方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋼板,ステンレス鋼板,アル
ミニウム板等の導電性を有する被加工材をプラズマトー
チによって切断することが行われている。この加工は、
プラズマトーチと被加工材との間に定電流を印加してプ
ラズマアークを形成し、このプラズマアークをプラズマ
トーチのノズル部分で冷却して細く絞って噴射すること
で、被加工材を溶融させると共に溶融物を母材から排除
して切断するものである。前記切断加工を実施するに際
し、プラズマトーチからは酸素ガス,空気等の動作ガス
が噴射される。上記加工に於いて、プラズマトーチに取
り付けた電極の表面を極点とするプラズマアークの温度
は極めて高く約 30000℃に達する。このため、電極の表
面が溶融,蒸発して消耗し、この結果電極の破壊に至
る。プラズマトーチの電極が破壊するとプラズマトーチ
を溶損させたり、被加工材に対する切断の継続が不能と
なって製品不良が発生する。このため、電極の破壊に伴
うプラズマトーチの溶損を防止し、或いは製品不良の発
生を防止するために種々の技術が提案されている。例え
ば、電極が破壊されたことを検知してプラズマ電源の遮
断,切断装置の稼働停止等の処置を行う技術が提案され
ている。また予め電極が破壊に至る稼働時間又は切断長
さ或いは動作回数等を設定して基準とし、実際に使用さ
れている電極が前記基準に達したとき該電極の消耗の如
何に関わらず交換する技術が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各技術は電極の破
壊を検知する技術、或いは電極の破壊を予知する技術で
あり、プラズマトーチの電極は何れ破壊に至るものであ
るとの認識に基づき、如何にして電極の破壊を検知し或
いは予知するかという問題についての解決をはかろうと
する技術である。即ち、現状では電極を保護して該電極
の寿命を積極的に延長させようとする技術は存在しない
か、或いは存在しても実質的に効果を発揮し得るものは
ない。
【0004】本発明の目的は、切断加工を実施している
過程で予期しない溶損から電極を保護する電極保護方法
と、その装置を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者等は、電極の
破壊に至るプロセスを解明するために種々の実験を重ね
てきた。その結果、被加工材に対し定常的な切断を行っ
ている過程では、プラズマアーク電圧は略一定の値とな
り、且つ電極表面に於ける溶融層の形成状態,厚さも定
常状態となる。即ち、電極材料の溶融量は略一定の状態
を維持することが判明した。このときの電極の溶融状態
について図により説明する。図4(A)は電極2及びホ
ルダー3の断面図であり、同図(B)は電極2及びホル
ダー3が冷却したときの表面図である。一般に電極2及
びホルダー3は冷却水によって強制冷却されている。電
極2と図示しない被加工材との間にプラズマアーク10が
形成されると、該アーク10の熱によって電極2の表面が
溶融して溶融層2aが形成される。電極2の溶融状態
は、プラズマアーク10が安定し入熱と冷却とが平衡状態
に達したときに定常状態となり、以後略同様な溶融状態
を維持する。この状態に於ける溶融層2aは、溶融した
電極材料が中央部分で厚く、外周方向に向かって薄く分
布した状態となる。従って、溶融層2aの全表面から一
様に電極材料が蒸発,酸化して電極2の消耗が進行す
る。溶融層2aの定常的な溶融状態を維持して冷却させ
ると、同図(B)に示すように電極2の表面は鏡面状を
呈する。即ち、溶融した電極材料はそのまま凝固し、電
極材料としての機能を保持している。
【0006】然し、何からの原因によりプラズマアーク
電圧が急激に定常的に切断を行っているプラズマアーク
電圧から約2倍以上の電圧に上昇した場合、電極表面に
於ける溶融層の状態に異常が生じ、瞬間的に多量の電極
材料が溶融して飛散する。即ち、切断加工中にプラズマ
アーク電圧が急激に2倍以上に上昇すると電極の消耗が
一気に進行する(溶損する)ことが判明した。このとき
の電極2の溶融状態を図5により説明する。プラズマア
ーク電圧が急激に上昇すると、溶融層2aに何等かの力
が作用して同図(A)に示すように、溶融した電極材料
は中央部分から周辺部分に強制的に移動させられる(こ
の力が如何なる原因によるのかについては解明に至って
いない)。このため、溶融層2aの表面積が大きくな
り、溶融した電極材料の蒸発,酸化は定常的な溶融状態
を維持している場合と比較して速やかに進行する。更
に、溶融した電極材料が滴となって飛散し、電極2の消
耗が一気に進行する。特に、溶融した電極材料が周辺部
分に厚く分布した状態でプラズマアークを停止させた場
合、溶融した電極材料が電極2或いはホルダー3に対す
る付着力を保持し得ず、同図(B)に示すように細かい
滴となって飛散する。このことは、電極2を同図(A)
の状態から冷却したとき、同図(C)に示すように電極
2の表面に斑状に凝固した電極材料が散在することから
も明らかである。以上の実験結果は、被加工材に対する
切断中に予期しないプラズマアーク電圧の急激な上昇が
生じた場合、同一仕様の電極であっても破壊に至る時間
にバラツキが生じるということが推定される。
【0007】被加工材に対する切断中にプラズマアーク
電圧が急激に上昇する原因について考察すると、例え
ば、被加工材を切離し切断を行う方法では、プラズマト
ーチが被加工材の端面を離れてから一定距離進行した
後、プラズマ電源の遮断を行っているが、このような場
合にプラズマアーク電圧が急激に上昇する。また被加工
材に対し閉ループ切断を行う方法では、所望の切断を終
了してプラズマトーチの助走区間中にプラズマ電源の遮
断を行うことが好ましい。然し、プラズマトーチを停止
させた後プラズマ電源の遮断を行うような場合、プラズ
マトーチの停止と同時にプラズマアーク電圧が急激に上
昇する。通常のプラズマ切断装置では被加工材に対する
プラズマトーチの高さを一定に維持するために、高さ検
出センサーとこのセンサーからの信号に応じて作動する
昇降装置を有している。然し、数値制御式プラズマ切断
装置ではプラズマトーチが他の部材と衝突することを避
けるために、障害物を検出したときにプラズマトーチを
上昇させるように構成したものが多い。このため、プラ
ズマトーチの上昇に伴ってプラズマアーク電圧が上昇す
ることがある。
【0008】従来、同一仕様の電極に生ずる寿命のバラ
ツキ原因は加工公差に求められていた。然し、上記実験
の結果、必ずしも加工公差のみが電極の寿命のバラツキ
原因となるものではなく、何等かの原因による急激なプ
ラズマアーク電圧の上昇或いは切断終了時のプラズマア
ークの停止方法にも起因するものと考えられる。
【0009】本件発明者等は上記知見の結果に基づい
て、切断中のプラズマアーク電圧を急激に上昇させるこ
とを目的として被加工材を切離し切断すると共に、プラ
ズマトーチが被加工材の端面から一定距離離隔した後プ
ラズマ電源を遮断した場合の寿命と、切断中にプラズマ
アーク電圧が急激に上昇した場合に強制的にプラズマ電
源を遮断した場合の寿命を比較する実験を行った。この
結果、強制的にプラズマ電源を遮断した場合の電極の寿
命が切離し切断した場合の寿命と比較して約45%上昇し
た。更に、切断中にプラズマアーク電圧が急激に上昇し
た場合にプラズマアーク電流を徐々に低下させるよう、
所謂スロープダウンさせるように制御した実験を行っ
た、この結果、プラズマアーク電流をスロープダウンさ
せた場合の電極の寿命は切離し切断した場合の寿命と比
較して約55%上昇した。
【0010】尚、現在では、プラズマアーク電圧が急激
に上昇したときに生ずる電極表面に於ける溶融層の異常
状態がジュール熱の増大に起因するものか、プラズマア
ーク電圧の急峻な変動による振動に起因するものかは解
明されていない。
【0011】従って、上記課題を解決するために本発明
に係る第1のプラズマトーチの電極保護方法は、プラズ
マトーチの電極を予期しない溶損から保護する電極保護
方法であって、予め電極の保護電圧を設定し、プラズマ
トーチを用いて被加工材に対する切断加工を実施中にプ
ラズマアーク電圧が前記保護電圧に達したときプラズマ
電源を遮断することを特徴としたものである。
【0012】また第2のプラズマトーチの電極保護方法
は、プラズマトーチの電極を予期しない溶損から保護す
る電極保護方法であって、予め電極の保護電圧を設定
し、プラズマトーチを用いて被加工材に対する切断加工
を実施中にプラズマアーク電圧が前記保護電圧に達した
ときプラズマアーク電流を徐々に低下させるように制御
することを特徴としたものである。
【0013】また第1の保護装置は、予め設定された保
護電圧を記憶する記憶手段と、被加工材に対する切断加
工を実施している過程でプラズマアーク電圧を測定する
測定手段と、前記測定手段によって測定されたプラズマ
アーク電圧と記憶手段に記憶された保護電圧とを比較す
ると共に測定されたプラズマアーク電圧が保護電圧と等
しくなったときプラズマ電源を遮断するための制御手段
とを有して構成されるものである。
【0014】また第2の保護装置は、予め設定された保
護電圧を記憶する記憶手段と、被加工材に対する切断加
工を実施している過程でプラズマアーク電圧を測定する
測定手段と、前記測定手段によって測定されたプラズマ
アーク電圧と記憶手段に記憶された保護電圧とを比較す
ると共に測定されたプラズマアーク電圧が保護電圧と等
しくなったときプラズマアーク電流を徐々に低下させる
ように制御する制御手段とを有して構成されるものであ
る。
【0015】
【作用】上記第1のプラズマトーチの電極保護方法(以
下『第1の保護方法』という)によれば、プラズマトー
チに取り付けた電極を予期しない溶損から保護すること
が出来る。即ち、被加工材に対する切断を実施するため
に必要なプラズマアーク電圧よりも高く且つ電極が溶損
に至る以前の電圧を保護電圧として設定し、切断中にプ
ラズマアーク電圧が前記保護電圧まで上昇したとき、プ
ラズマ電源を遮断することで、電極の表面に於ける溶融
層が異常状態を呈する以前にプラズマトーチの稼働を停
止させることが出来る。従って、電極表面に於ける溶融
層が異常状態を呈することなく冷却することで、溶融し
た電極材料の飛散を防止して溶損から保護することが出
来る。
【0016】上記第2のプラズマトーチの電極保護方法
(以下『第2の保護方法』という)によれば、プラズマ
トーチに取り付けた電極を予期しない溶損から保護する
と共に、該電極の消耗をより少なくすることが出来る。
即ち、切断中にプラズマアーク電圧が保護電圧まで上昇
したとき、プラズマアーク電流を徐々に低下させること
によって、電極の表面に於ける溶融層に急激な熱変化を
与えることなく、定常的な溶融状態を維持して冷却させ
ることが可能となり、溶融した電極材料の飛散を防止す
ると共に安定した冷却面を形成させることで、電極を溶
損から保護すると共に電極の寿命を延長させることが出
来る。
【0017】上記第1の保護装置によれば上記第1の保
護方法を合理的に実施することが出来、且つ第2の保護
装置によれば上記第2の保護方法を合理的に実施するこ
とが出来る。
【0018】
【実施例】以下上記各保護方法及び保護装置について図
を用いて説明する。図1は本発明に係る保護装置の模式
的な説明図、図2は本発明に係る第1の保護方法を実施
するための説明図、図3は本発明に係る第2の保護方法
を実施するための説明図である。本発明はプラズマトー
チを用いて被加工材に対する切断を実施している過程で
プラズマアーク電圧が上昇した場合、このプラズマアー
ク電圧の上昇を検知してプラズマ電源を遮断し、或いは
プラズマアーク電流を徐々に低下させることで、電極の
表面に形成された溶融層が異常状態を呈する以前にプラ
ズマアークを停止することによって電極を保護するよう
に構成したものである。本発明の方法を実施することに
よって電極を予期しない溶損から保護することが可能と
なり、この結果、電極の寿命を延長させることが可能で
ある。
【0019】先ず、図1により保護装置の概略構成につ
いて説明する。図に於いて、プラズマトーチ1には電極
2を有するホルダー3が着脱可能に取り付けられてお
り、先端にはノズル4を形成したキャップ5が着脱可能
に取り付けられている。ボンベ6に充填された動作ガス
はホルダー3とキャップ5との間に形成された通路7か
ら供給され、ノズル4から外部に噴出するように構成さ
れている。ホルダー3及びキャップ5は夫々冷却水によ
って冷却されている。ホルダー3(電極2)は定電流制
御されるプラズマ電源装置8の−端子と接続され、キャ
ップ5及び被加工材Aはプラズマ電源装置8の+端子と
接続されている。電源制御装置9はプラズマ電源8を制
御するための装置であり、予め設定された保護電圧のデ
ータが入力され、電極2と被加工材Aとの間に形成され
たプラズマアーク10の電圧を測定し、該電圧が上昇して
保護電圧と等しくなったとき、第1の保護方法を実施す
る場合にはプラズマ電源8を遮断し、また第2の保護方
法を実施する場合にはプラズマ電源8を遮断することな
くプラズマアーク電流を徐々に低下させるように制御す
るものである上記の如く構成された切断装置に於いて、
被加工材Aに対する切断加工を実施する場合、先ず電極
2とキャップ5との間に電流を印加してパイロットアー
クを形成し、その後、電極2と被加工材Aとの間に切断
用のメインアークであるプラズマアーク9を形成する。
そしてプラズマトーチ1を所定の速度で移動させ、プラ
ズマアーク9の熱によって被加工材Aを溶融すると共
に、溶融物を排除して切断を行うことが可能である。
【0020】本発明に係る第1,第2の保護方法に於い
て、先ず、電極2を保護するための保護電圧が設定され
る。この保護電圧の値は、プラズマ電源8の性能,被加
工材Aを切断するための電極2の仕様等に応じて可能な
限り低い値で設定される。例えば、被加工材Aを材質S
S41,板厚12mm、切断速度を3200mm/min 、プラズマト
ーチ1のノズル径を 2.3mm、印加電流を 250A、の条件
で切断する場合、プラズマアーク電圧は 160Vである。
然し、切断中に於けるプラズマトーチ1の高さ変動によ
るプラズマアーク電圧の変動範囲、及び切断速度の変動
によるプラズマアーク電圧の変動範囲を加味するとプラ
ズマアーク電圧の変動範囲を 140V〜 180Vに設定して
おくことが好ましい。このため、本実施例では保護電圧
を 200Vとして設定し、このデータを制御装置9に入力
して記憶させている。前記保護電圧の値はプラズマアー
ク電圧の変動範囲を最小値を 140Vとして設定したこと
から2倍以下の値であり、電極2を保護するために充分
なものである。
【0021】次に、図2により第1の保護方法の実施に
ついて説明する。尚、図に於いて実線は第1の保護方法
を実施した場合のプラズマアーク電圧の変化を示し、二
点鎖線は従来方法に於けるプラズマアーク電圧の変化を
示している。前述の如く構成されたプラズマ切断装置で
は、切断開始時に於けるプラズマアークの形成信号の発
生と同時に瞬間的な無負荷電圧が発生する。この電圧は
380Vにも達するため、制御装置9に於けるプラズマア
ーク電圧の測定開始時期をプラズマアークの形成信号の
発生時点から所定時間遅らせるようにしている。制御装
置9では電極2と被加工材Aとの間のプラズマアーク電
圧を常時測定し、測定された電圧と予め設定された保護
電圧とを比較する。プラズマアークの測定電圧に変動が
生じても、この最大値が保護電圧以下にある場合には、
制御装置9では特別な動作を行うことなく切断が継続さ
れる。このとき、電極2の表面には図4に示すように定
常的な溶融層2aが形成されている。制御装置9に於い
て測定電圧が保護電圧まで上昇したことを検知した場
合、制御装置9からプラズマ電源8に対し作動停止信号
が伝達され、プラズマアーク電流は強制的に遮断され
る。このため、電極2に於ける溶融層2aは図5に示す
状態に移行することなく、図4の定常的な状態を維持し
て冷却される。従って、電極2を溶損することなく、保
護することが可能となる。
【0022】第1の保護方法を適用したプラズマ切断装
置によって、被加工材Aを材質SS41,板厚12mm、切断
速度を3200mm/min 、プラズマトーチ1のノズル径を
2.3mm、印加電流を 250Aの条件で切離し切断し、第1
回目の切断(アーク動作時間1分)に於ける電極2の消
耗深さを測定すると共に、電極2が破壊に至るまでの時
間を測定した。上記実験の結果、1回目の消耗深さの平
均値は0.038 mmであり、平均寿命は90.8分であった。ま
た従来のプラズマ切断装置によって、上記切断条件と同
一条件の基に切断実験を実施し、第1回目の消耗深さと
電極2が破壊に至る時間を測定したところ、1回目の消
耗深さの平均値は0.736 mmであり、2回目以降の消耗深
さは徐々に減少する傾向にあるものの、初期の大量消耗
の影響で寿命が短くなり、平均寿命は62.3分であった。
このことから、第1の保護装置を利用することによって
電極2の保護をはかることが可能であり、且つ電極2の
寿命を約45%延長させることが可能となることが明らか
である。
【0023】次に、図3により本発明に係る第2の保護
方法の実施について説明する。尚、図に於いて実線は第
2の保護方法を実施した場合のプラズマアーク電圧の変
化を示し、点線はプラズマアーク電圧の変化に伴うプラ
ズマアーク電流の変化を示している。更に、二点鎖線は
従来方法に於けるプラズマアーク電圧の変化を示してい
る。第2の保護方法は、測定電圧が保護電圧まで上昇し
たことを制御装置9で検知した場合、制御装置9によっ
てプラズマ電源8を、プラズマアーク電流を徐々に低下
させその後作動を停止させるように制御するものであ
る。この方法では測定電圧が保護電圧と等しくなった場
合であっても、プラズマアーク10は継続して形成され
る。このため、溶融層2aに於ける溶融電極材料は定常
的な溶融状態を維持して徐々に冷却され、冷却された電
極2の表面を良好な状態に維持することが可能となる。
【0024】第2の保護方法を適用したプラズマ切断装
置によって、被加工材Aを材質SS41,板厚12mm、切断
速度を3200mm/min 、プラズマトーチ1のノズル径を
2.3mm、印加電流を 250Aの条件で切断し、第1回目の
切断(アーク動作時間1分)に於ける電極2の消耗深さ
を測定すると共に、電極2が破壊に至るまでの時間を測
定した。上記実験の結果、1回目の消耗深さの平均値は
0.035mmであり、平均寿命は96.3分であった。従って、
第2の保護装置を利用することによって電極2の保護を
はかることが可能であり、且つ電極2の寿命を約55%延
長させることが可能となることが明らかである。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
第1の保護方法,及び第2の保護方法によれば、予め設
定された保護電圧とプラズマ切断の実施中に測定したプ
ラズマアーク電圧とを比較し、測定電圧が保護電圧と等
しい場合にプラズマ電源を遮断し、或いはプラズマ電流
を徐々に低下させて停止させることで、電極を予期しな
い溶損から保護することが出来る。その結果、電極の寿
命を延長させることが出来る。
【0026】本発明に係る第1の保護装置によれば上記
第1の保護方法を合理的に実施することが出来、また第
2の保護装置によれば上記第2の保護方法を合理的に実
施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保護装置の模式的な説明図であ
る。
【図2】本発明に係る第1の保護方法を実施するための
説明図である。
【図3】本発明に係る第2の保護方法を実施するための
説明図である。
【図4】電極が安定して定常的に溶融している場合の説
明図である。
【図5】電極の溶融状態が異常状態にある場合の説明図
である。
【符号の説明】
Aは被加工材、1はプラズマトーチ、2は電極、2aは
溶融層、3はホルダー、4はノズル、5はキャップ、6
はボンベ、7はガス通路、8はプラズマ電源、9は制御
装置、10はプラズマアークである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマトーチの電極を予期しない溶損
    から保護する電極保護方法であって、予め電極の保護電
    圧を設定し、プラズマトーチを用いて被加工材に対する
    切断加工を実施中にプラズマアーク電圧が前記保護電圧
    に達したときプラズマ電源を遮断することを特徴とした
    プラズマトーチの電極保護方法。
  2. 【請求項2】 プラズマトーチの電極を予期しない溶損
    から保護する電極保護方法であって、予め電極の保護電
    圧を設定し、プラズマトーチを用いて被加工材に対する
    切断加工を実施中にプラズマアーク電圧が前記保護電圧
    に達したときプラズマアーク電流を徐々に低下させるよ
    うに制御することを特徴としたプラズマトーチの電極保
    護方法。
  3. 【請求項3】 予め設定された保護電圧を記憶する記憶
    手段と、被加工材に対する切断加工を実施している過程
    でプラズマアーク電圧を測定する測定手段と、前記測定
    手段によって測定されたプラズマアーク電圧と記憶手段
    に記憶された保護電圧とを比較すると共に測定されたプ
    ラズマアーク電圧が保護電圧と等しくなったときプラズ
    マ電源を遮断するための制御手段と、を有することを特
    徴としたプラズマトーチの電極保護装置。
  4. 【請求項4】 予め設定された保護電圧を記憶する記憶
    手段と、被加工材に対する切断加工を実施している過程
    でプラズマアーク電圧を測定する測定手段と、前記測定
    手段によって測定されたプラズマアーク電圧と記憶手段
    に記憶された保護電圧とを比較すると共に測定されたプ
    ラズマアーク電圧が保護電圧と等しくなったときプラズ
    マアーク電流を徐々に低下させるように制御する制御手
    段と、を有することを特徴としたプラズマトーチの電極
    保護装置。
JP17467691A 1991-06-20 1991-06-20 プラズマトーチの電極保護方法及びその装置 Pending JPH0592272A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17467691A JPH0592272A (ja) 1991-06-20 1991-06-20 プラズマトーチの電極保護方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17467691A JPH0592272A (ja) 1991-06-20 1991-06-20 プラズマトーチの電極保護方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0592272A true JPH0592272A (ja) 1993-04-16

Family

ID=15982751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17467691A Pending JPH0592272A (ja) 1991-06-20 1991-06-20 プラズマトーチの電極保護方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0592272A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0871759A (ja) * 1994-09-08 1996-03-19 Koike Sanso Kogyo Co Ltd プラズマアークの遮断制御方法
WO2023139804A1 (ja) * 2022-01-20 2023-07-27 日酸Tanaka株式会社 切断装置、及び切断制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0871759A (ja) * 1994-09-08 1996-03-19 Koike Sanso Kogyo Co Ltd プラズマアークの遮断制御方法
WO2023139804A1 (ja) * 2022-01-20 2023-07-27 日酸Tanaka株式会社 切断装置、及び切断制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4266206B2 (ja) プラズマトーチの寿命検出装置
US7705269B2 (en) Method and apparatus for advance warning and controlled shutdown in an arc processing system
EP1607161B1 (en) Controller for a wire electrical discharge machine
US20200361015A1 (en) Arc stop
JPH0592272A (ja) プラズマトーチの電極保護方法及びその装置
JP4188218B2 (ja) プラズマ溶融炉の電源の制御方法及び同装置
JPH06246457A (ja) プラズマ切断方法およびncプラズマ切断装置
JPH0641033B2 (ja) プラズマトーチの電極等の異常検出装置
WO2023139804A1 (ja) 切断装置、及び切断制御方法
US3786856A (en) Method for controlling a continuous casting installation in the event of molten metal breakout
JP3155355B2 (ja) プラズマトーチの電極消耗の検知方法
JP3804744B2 (ja) プラズマ加工方法およびその装置
JPH0871759A (ja) プラズマアークの遮断制御方法
JPH0394982A (ja) プラズマアーク加工装置
JPH09192844A (ja) プラズマ切断トーチにおける電極棒
JPS6224864A (ja) プラズマ切断装置電極の使用限界を検知する方法および装置
JPH0430916A (ja) ワイヤ放電加工機の制御方法と装置
JPS61125734A (ja) ワイヤカツト放電加工装置
JP2000271749A (ja) プラズマ加工装置
JPH0292467A (ja) プラズマトーチに於ける電極破壊検知方法及び装置並びにプラズマトーチ
JPS6247650B2 (ja)
JP2001232475A (ja) プラズマトーチ用の電極
JP2884182B2 (ja) プラズマアーク用トーチの制御装置
JPS61111812A (ja) 放電加工装置
JPS62287919A (ja) 放電加工装置