JPH0587801B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0587801B2
JPH0587801B2 JP60207741A JP20774185A JPH0587801B2 JP H0587801 B2 JPH0587801 B2 JP H0587801B2 JP 60207741 A JP60207741 A JP 60207741A JP 20774185 A JP20774185 A JP 20774185A JP H0587801 B2 JPH0587801 B2 JP H0587801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent
fresnel zone
zone plate
phase
material layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60207741A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6269201A (ja
Inventor
Hiroaki Aritome
Susumu Nanba
Akira Nagata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
Original Assignee
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC filed Critical Osaka University NUC
Priority to JP20774185A priority Critical patent/JPS6269201A/ja
Publication of JPS6269201A publication Critical patent/JPS6269201A/ja
Publication of JPH0587801B2 publication Critical patent/JPH0587801B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1876Diffractive Fresnel lenses; Zone plates; Kinoforms

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、結像型X線顕微鏡などにおける輻射
波の集束、結像等に用いるフレネルゾーンプレー
ト、特に、高い分解能が製造容易に得られるよう
にした不整透過型フレネルゾーンプレートに関す
るものである。
(従来の技術) 従来のこの種ゾーンプレートは、例えば、第1
0図に示すように、光やX線などの輻射波に対し
て透明な領域すなわちゾーンと不透明あるいは移
相透過性のゾーンとを同心円環状に設けて構成さ
れ、回折効果に基づく集束、結像の機能を有して
いる。
N個のゾーンを設けたフレネルゾーンプレート
におけるn番目のゾーンの外周半径r(n)は、つぎ
の(1)式で与えられ、また、(2)式が得られる。
r(n)2=nf〓 (n=1,2,……,N) …(1) r(1)2=λf …(2) ここに、fは焦点距離であり、λは波長であ
る。また、最外殻をなすN番目のゾーンの幅はつ
ぎの(3)式で与えられる。
dr=r(N)/2N=r(1)/2√N …(3) かかるフレネルゾーンプレートに入射した平行
光の焦点面における強度分布I(r)は、後述の
(20)式または(21)式で表わされるが、Nは十
分大きいときには、つぎの(4)式および(5)式で与え
られる。
I(r)=|Up(Q)|2N2〔2J1(w)/w〕2 …(4) w≡2πr・r(N)/λf …(5) ここに、Up(Q)はフレネルゾーンプレートを
取除いたときのフレネルゾーンプレートの位置か
らの距離=f、中心軸からの距離=rの点Qにお
ける輻射波の振幅であり、J1(w)は第1種1次
ベツセル関数である。なお、(4)式の関数はエアリ
一関数としてよく知られている。また、通常のレ
ンズにおけると同様にして、つぎの関係が成立
つ。
集光スポツトサイズ(全幅半値幅) 1.03λF=1.03dr …(6) 結像分解能(レイリー基準) 1.22λF=1.22dr …(7) すなわち、フレネルゾーンプレートの分解能は
最外殻の最小ゾーン幅drで決定されることが判
る。なお、FはフレネルゾーンプレートのF数で
ある。
(発明が解決しようとする問題点) したがつて、分解能の良いレンズとして作用さ
せるためには、小さい最小ゾーン幅drを有するフ
レネルゾーンプレートを製作すればよいことにな
る。従来、サブミクロン以下の分解能を有するフ
レネルゾーンプレートは、レーザ干渉を用いたホ
ログラフイツク法と電子ビームリソグラフイ法に
よつて製作されているが、ホログラフイツク法で
はレーザの波長に対する制約等からdr=58nmが
限界であり、電子ビームリソグラフイ法ではレジ
スト中における電子の散乱に基づく近接パターン
間の相互作用により微細パターンの形成が困難に
なる近接効果によつて大略dr=50nmが限界とさ
れている。したがつて、従来のフレネルゾーンプ
レートには、精々50nm程度の分解能しか得られ
ないという問題点があつた。
本発明の目的は、上述した問題点を解決し、高
分解能を有する製造容易なフレネルゾーンプレー
トを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明不整透過型フレネルゾーンプ
レートは、透過性材料層上に被着した遮断性もし
くは移相透過性材料層を蝕刻により選択的に除去
して複数個の透過性領域を同心円環状もしくは平
行帯状に配列し、順次に相隣る透過性領域の透過
波が前記透過性材料層に平行な平面上において順
次に同相で相互に加算されるように前記複数個の
透過性領域の幅および間隔を透過波の波長に応じ
てそれぞれ順次に異ならせるべきフレネルゾーン
プレートにおいて、前記遮断性もしくは移相透過
性材料層の蝕刻による選択的除去を、透過性領域
の幅の少なくとも一部に亘り、近接効果が生じな
くなつて蝕刻が容易になる範囲で、選択的に省略
しながら、所要の分解能に対応した最小幅を有す
る透過性領域に順次に相隣る透過性領域を前記遮
断性もししくは移相透過性材料層の蝕刻による選
択的除去によつて形成することにより、透過性領
域を不整に配列したことを特徴とするものであ
る。
(作用) 本発明によれば、フレネルゾーンプレートにお
ける透過性領域および遮断性領域の幅を近接効果
が生じない値に選んであるので、高い分解能を有
するフレネルゾーンプレートを製造容易に実現す
ることができる。
(実施例) 以下に図面を参照して実施例につき本発明を詳
細に説明する。
まず、第10図示の従来のフレネルゾーンプレ
ートに対応する本発明フレネルゾーンプレートの
構成例の正面図を第1図に示し、その断面図を第
2図に示す。図示の本発明フレネルゾーンプレー
ト1においては、例えば、第3図に概略構成を示
す結像型X線顕微鏡に用いられる。第3図におい
て、連続スペクトルを有する入射X線2は、コン
デンサレンズとして作用する第1フレネルゾーン
プレート3を介してピンホール4から物体5を通
過し、さらに、フオーカスレンズとして作用する
第2フレネルゾーンプレート6を介してX線検知
器またはX線フイルム7上に結像する。第1フレ
ネルゾーンプレート3は、高い分解能を必要とし
ないのであるから、前述の第10図に示したよう
な従来の構成とすることができ、ピンホール4と
ともに連続スペクトルのX線を単色化する作用を
する。一方、第2フレネルゾーンプレート6は、
高い分解能を必要とするので、本発明により、第
1図および第2図に示したように構成する。すな
わち、第2図に示したフレネルゾーンプレート1
においては、円環状のシリコンウエハ8上に
SiNxの透過性薄膜9を形成し、この層9上にAu
からなる遮断性領域10を同心円環状に形成して
ある。したがつて、遮断性領域10の相互間は透
過性領域11となつており、また、層8,9は、
Auからなる遮断性領域10の支持層をなしてい
る。
このように構成した遮断性領域10と透過性領
域11とは、第1図に示したように、中心部の第
1の遮断性ゾーンZ1から順次に、透過性のゾー
ンZ2、遮断性のゾーンZ3,4,5、透過性の
ゾーンZ6、遮断性のゾーンZ7,8,9および
透過性のゾーンZ10をなしている。
つぎに、例えば光波に対する結像素子としての
フレネルゾーンプレートの分解能を検討するにあ
たり、まず、フレネルゾーンプレートに入射した
単色光ビームの焦点面における強度分布の計算方
法について述べる。しかして、通常の屈折レンズ
については、上述の強度分布がエアリー関数とな
ることが知られており、集光像のスポツトサイズ
(全幅半値幅)は1.03λF(λ:波長、F:レンズ
のF数)で与えられ、また、結像の分解能はレイ
リー基準で1.22λFと与えられる。これに対して、
従来のフレネルゾーンプレートについても全く同
じ議論が成立することは前述したとおりである。
しかしながら、本発明による不整透過型フレネ
ルゾーンプレートについては、焦点面における強
度分布が、透過性ゾーンの不整配置に基づいて、
上述したエアリー関数からのずれを生ずる。
一方、X線顕微鏡に関する実験の結果に基づ
き、通常のフレネルゾーンプレートについて、結
像の分解能が上述したレイリー基準の値1.22λF
より小さい0.86λFになつたとの報告がなされて
いる。また、走査型X線顕微鏡において分解能を
決定するのは集束スポツトサイズであることが知
られている。
以上のことから、以下においては、フレネルゾ
ーンプレートの分解能を、平行光に対する集光ス
ポツトサイズ(全幅半値幅)によつて新たに定義
し直し、この分解能について本発明不整透過型フ
レネルゾーンプレートを従来型と比較して論ず
る。
計算の原理 第4図に示すように、任意の形状、大きさの単
開口B上の点Pから距離r′の位置に複素振幅Aの
単色光源Sがある場合に、この単開口Bを介して
点Pから距離r″の位置にある点Qに到来する光波
の点Qにおける波動U(Q)は、 U(Q)=ikA/4π ∬Bexpik(r′+r″)/r′・r″ ×{cos(n→,r→″)−COS(n→,r→′)}
dΣ…(8) によつて表わされるいわゆるフレネルキルヒホツ
フの回折積分によつて求められる。ここで、kは
光の波数(=2π/λ)、n→は開口の光源側から像側 へ向う法線、r→′は入射光の単位ベクルト、(n→,
r→′)は法線n→と単位ベクルトr→′とのなす角度

あり、積分を行なうΣの範囲は開口Bの孔面積で
ある。
第4図において光源Sの座標を(Xp,yp,−
Zp)、開口内の点Pの座標を(ξ,η)、観測点Q
の座標を(x,y,z)とし、さらに、開口Bの
大きさが点Sおよび点Qから開口Bまでの距離に
比べて小さいとすると、近似的に、つぎの(9)式が
成立つ。
COS(n→,r→″)−COS(n→,r→′)≒−2…
(9) また、点Sおよび点Qから開口面上の座標原点
0までの距離をそれぞれr′pおよびr″pとすれば、
つぎの(10)式が成立つ。
1/r′・r″=1/r′p・r″p …(10) したがつて、真空中における回折はつぎの(11)式
によつて計算される。
U(Q)=−iA/λ∬Bexpik(r′+r″)ds…(11) 一方、点Sおよび点Qの開口Bからの距離r′お
よびr″については r′2=(xp−ξ)2+(yp−η)+zp 2…(12) r″2=(x−ξ)2+(y−η)2+z2…(13) と表わせるが、フレネル回折の領域においては r′=zp+(xp−ξ)2+(yp−η)2/2zp …(14) r″=z+(ξ−x)2+(η−y)2/2z …(15) となる。
これらの式(14)および(15)を(11)式に代入して整理
し、簡単な場合として、Xp=yp=0、zp=∞、す
なわち、光源Sの位置が中心軸Z上−∞の位置に
ある場合を考えると、つぎの(16)式が成立つ。
U(Q)=−i/ηzUp(Q) ∬Bexp ik(ξ−x)2+(η−y)2/2zdξdη…(1
6) なお、Up(Q)は開口板Bを取除いたときの点
Qにおける光波の振幅である。
つぎに、半径aの円形開口におけるフレネル回
折について検討する。いま、 ξ=aρCOSφ、η=aρsinφ x=rcosφ′、y=rsinφ′ …(17) とおくと、つぎの(18)式の関係が成立つ。
dξdη=a2ρdρdφ …(18) したがつて、フレネル回折による波動U(Q)
はつぎの(19)式となる。
U(Q)=−2πia2/λzUp(Q)exp(ir2/2z)∫1
pρexp(ika2ρ2/2z)Jp(karρ/z)dρ…(19) したがつて、ゾーン数Nのフレネルゾーンプレ
ートについては、 (a) 偶数番目のゾーンが透過な場合、Nを偶数と
して、フレネル回折による波動U(Q)はつぎ
の(20)式で与えられる。
U(Q)=N 〓 〓n=1 〔(−1)n2πir(n)2/λZUp(Q)exp(ikρ2/2z
) exp(ikr(n)2r2/2z)Jp(kr(n)rρ/z)dr〕…(
20) (b) 奇数番目のゾーンが透明な場合、すなわち、
(a)の場合における透明、不透明を反転した場合
に、Nを奇数として、フレネル回折による波動
U(Q)はつぎの(21)式で与えられる。
U(Q)=Nn=1 〔(−1)o +12πir(n)2/λzUp(Q) exp(ik2ρ2/2z)∫1 prexp(ikr(n)2r2/2z)Jp
Karρ/z)dr〕…(21) いま、 u(n)≡kr(n)2/z,v(n)≡kr(n)r/z …(22) とおくと、上述の(20)式はつぎの(23)式とな
る。
U(Q)=Nn=1 (−1)n2πiu(n)Up(Q)exp (ikr2/2z)∫1 pexp(i1/2u(n)ρ2Jp(v(n)
ρ)ρdρ…(23) ここで 2∫1 pexp(i1/2uρ2)Jp(vρ)ρdρ≡C(u,
v)+iS(u,v)…(24) とおくと、 C(u,v)≡2∫1 pJp(vρ)cos(1/2uρ2)ρd
ρ…(25) S(u,v)≡2∫1 pJp(vρ)sin(1/2uρ2)ρd
ρ…(26) で定義され、これらの関数はロンメル関数 Un(u,v)=∽ 〓s=0 (−1)s(u/vn+2sJn+2s(v)…(27) Vn(u,v)=∽ 〓s=0 (−1)s(u/v)n+2sJn+2s(v) …(28) を用いて算出することができる。
しかして、半径aの円形開口については、つぎ
の(29)式が成立つ。
v(n)/u(n)=r/a<1 …(29) したがつて、円形開口におけるフレネス回折に
ついてつぎの(30)式および(31)式を使用す
る。
C(u,v)=2/usin(v2/2u)+sin1/2u/
1/2uVp(u,v)−cos1/2u/1/2uV1(u
,v)…(30) S(u,v)=2/ucos(v2/2u)−cos1/2u/
1/2uVp(u,v)−sin1/2u/1/2uV1(u
,v)…(31) 上述の(24)式乃至(31)式を用いれば、フレ
ネル回折による波動を(23)式に基づく数値計算
によつて算出することができる。本発明フレネル
ゾーンプレートについては、この(23)式におけ
る透過領域に対してのみ積分を行なえばよい。
例えば、第10図に示したような従来のゾーン
プレートの透明ゾーンのうち一部の特定ゾーンの
みを透明にする場合には、(20)式のΣの積分を
透明ゾーンのみについて行なえばよいことにな
る。したがつて、像点Qにおける強度分布I(Q)
は、つぎの(32)式によつて求められる。
I(Q)=|U(Q)|2 …(32) 以上に詳述した計算の原理から判るように、従
来のフレネルゾーンプレートにおける透過性領域
を遮断性もしくは移相透過性に変更し、あるい
は、遮断性もしくは移相透過性領域を透過性に変
更するにあたつて、各領域の変更の態様は、本来
の結像特性をほぼ保持したままで、任意に設定す
ることができ、したがつて、ゾーンプレートの製
作が容易になるように設定することができる。
数値計算の例 まず、従来の構成のフレネルゾーンプレートに
おける一部の透明ゾーンを不透明にしても、分解
能はほとんど変化しないようにすることができる
ことを数値計算例によつて示す。
ゾーン総数N=200、中心ゾーン半径r(1)=
9.46μmのフレネルゾーンプレートの焦点面にお
ける半径方向の透過強度分布の計算結果は第5図
に示すようになり、例えば、P=1はもとの透明
ゾーンの一部を1つおきに透明としたものであ
る。
また、第5図に示した強度分布を有するフレネ
ルゾーンプレートのスポツトサイズをPの関数と
して示すと第6図のようになる。なお、P=0は
従来の第10図に示したようなフレネルゾーンプ
レートの場合である。
第5図および第6図に示した数値計算例によれ
ば、フレネルゾーンプレートにおける透明な部分
の面積が小さくなるにつれて、透過強度はその2
乗に比例して低下するが、スポツトサイズはほと
んど変化せず、その変化量は10%以内であること
がわかる。すなわち、不透明ゾーンと順次交互に
配置した透明ゾーンの一部を不透明ゾーンにした
不整透過型フレネルゾーンプレートにおいては、
順次の透明ゾーンの一部欠除によつて透過強度は
低下するが、スポツトサイズしたがつて分解能は
ほとんど低下せず、その結果、透明ゾーンの間隔
の拡がりにより、同一分解能のフレネルゾーンプ
レートの製造が著しく容易になる、という格別の
効果が得られる。
つぎに、各透明ゾーンの一部分のみをそれぞれ
透明にした場合を考える。すなわち、第5図に示
したものと同じパラメータの従来のゾーンプレー
トにおける各透明ゾーンの一部分を一定ゾーン幅
2ηdr(0<η<1)だけ透明にした場合の計算結
果を第7図に示す。
第7図における0<η≦0.5の範囲においては、
スポツトサイズが小さくなるので、分解能はむし
ろ向上する。かかる構成のフレネルゾーンプレー
トは、製作が容易であるから、かかる構成は本発
明フレネルゾーンプレートにとつて重要である。
また、第7図における0.5<η<1の範囲にお
いては、本来不透明であるべきゾーンの一部分を
透明にすることを意味するが、この範囲において
も、スポツトサイズの増大は10%以下である。
つぎに、透過強度分布のさらに他の計算例を第
8図に示す。第8図において、曲線(1)はゾーン総
数N=100、中心ゾーン半径r(1)=1.16μm、最外
周ゾーン幅dr=58nmの従来のゾーンプレートの
場合を示し、この場合におけるスポツトサイズは
60nmである。なお、この構造パラメータは、前
述したX線顕微鏡の実験に用いられて実験的な分
解能50nmが報告されてものと同一である。かか
る従来構成のフレネルゾーンプレートに、さらに
n=100〜500のゾーンを追加して、追加した透明
ゾーンの一部を1つおきに透明とするとともに、
各透明ゾーンの幅をn=500のときの幅dr=26nm
に一定とし、さらに、n=500〜840のゾーンを追
加して透明ゾーンを2つおきに透明とするととも
に、各透明ゾーンの幅をn=840のときの幅dr=
20nmに一定とした不整透過型フレネルゾーンプ
レートに関する数値計算の結果を第8図の曲線(2)
に示す。この不整透過型フレネルゾーンプレート
のスポツトサイズは23nmであり、焦点距離は曲
線(1)に示した従来のものと同じであるが、分解能
に約3倍の向上が見られる。また、透明領域の総
面積が増大したために、透過強度は15倍に増大し
ている。なお、かかる形状、寸法の不整透過型フ
レネルゾーンプレートは電子ビームリソグラフイ
法によつて十分容易に製作することができるばか
りでなく、分解能および透過強度が著しく増大す
る、という顕著な効果が得られる。
上述した数値計算の結果から判るように、前述
の定義の分解能は、本発明による不整透過型フレ
ネルゾーンプレートにおいても従来のものと大差
はない。したがつて、分解能をあまり変化させず
に透明ゾーン相互間の間隔を大きくとることが可
能となり、製造時の近接効果を避けることができ
る。さらに、集光効率については、透明領域の総
面積の比率が小さくなるために、集光効率は低下
するが、実際には、微細加工技術上の制約が緩和
されるので、むしろ、本発明による不整構造の方
が透明領域の絶対総面積が大きくとれ、F数の小
さいものが製作可能となり、したがつて、明るい
レンズを製作し得ることになり、集光点における
絶対強度を大幅に増大させることが可能となる。
実験結果によれば、電子ビームリソグラフイ法
により等間隔のラインアンドスペースで描写し得
る最小線幅は大略50nmであるが、線間隔が
100nm以上あれば、線幅8nmまで描画可能とな
る。したがつて、線と線との周期的間隔を100nm
以上にすると、線幅50nm以下の線の周期パター
ンを描画することが可能となる。かかる描画の可
能性は、同心円状に形成するフレネルゾーンプレ
ートのゾーンパターンについても同様に成立つ。
この線間隔100nmという値は実験条件により多少
異なつて来るが、この値をLとすると、最小ゾー
ン幅drが50nm以下の不整透過型フレネルゾーン
プレートを製作するには、例えば、第5図につき
前述した構成の場合には、 (2P+1)dr≧L …(33) を満足する最小の整数Pを用いればよいことにな
り、一般には、透明ゾーンと透明ゾーンとの間隔
がL以上となるような不整透過型に構造すればよ
いことになる。
以上の説明においては、遮光ゾーンと透光ゾー
ンとを交互に設けた振幅型フレネルゾーンプレー
トについて本発明を詳細に述べたが、振幅型にお
ける遮光ゾーンを透光ゾーンとは異なる位相の透
光性としてその位相を交互に変化させた位相型フ
レネルゾーンプレートあるいは屈折率の分布によ
り位相を変化させたブレーズドフレネルゾーンプ
レートによりなる移相透過型フレネルゾーンプレ
ートについても同様の構成による不整透過型とす
ることが可能である。また、同心円状でないフレ
ネルゾーンプレート、例えば、順次に幅の異なる
帯状ゾーンからなるリニアフレネルゾーンプレー
トにつていも同様の構成を適用して不整透過型と
することが可能となる。
最後に第9図a〜cを参照して、第1図および
第2図に示した構成の本発明不整透過型フレネル
ゾーンプレート1の製造方法を述べる。第9図a
におけるシリコンウエハ8上にはSiNx層9を化
学的気相成長(CVD)法によつて例えば暑さ
100n,に形成し、その上にAu層12を形成し、
さらにその上にポジ型電子線レジスト層13を被
着する。An層12およびレジスト層13の膜厚
も100nm程度にする。なお、Au層12はSiNx
9上に真空蒸着する。
つぎに、第9図bに示すように、電子ビーム1
4によつてレジスト層13上に透光性領域を描画
したうえで、レジスト層13の現像を行ない、そ
の現像後に、第9図cに示すように、アルゴン
Arイオンビームを用いたエツチングを施してAu
層12を選択的に除去する。最後に、残余のレジ
スト層13を除去するとともに、シリコンウエハ
8を選択的に除去して第1図および第2図に示し
たような構成のフレネルゾーンプレート1を得
る。なお、ネガ型電子線レジストを用いた場合に
は遮光性領域を描画することになる。
なお、フレネルゾーンプレートにおいては、一
般に、透過性領域と遮断性もしくは移相透過性領
域とをそれぞれ反転させても、両者は同一の光学
特性を呈する。
したがつて、以上に説明した実施例は、いずれ
も、透過性領域を遮断性もしくは移相透過性に反
転させた形態の不整透過型フレネルゾーンプレー
トであるが、これとは逆に、遮断性もしくは移相
透過性領域を透過性に反転させた形態の不整透過
型フレネルゾーンプレートも、前述と同様の計算
の原理から容易に示し得るように、反転前の結像
特性をほぼ保持したままで、遮断性もしくは移相
透過性領域相互間の間隔が広くなり、透過性領域
を遮断性もしくは移相透過性にした前述の実施例
による不整透過型フレネルゾーンプレートと同様
に作製容易の効果が得られる。
また、このように透過性領域と遮断性もしくは
移相透過性領域とをそれぞれ反転させた二様の不
整透過型フレネルゾーンプレートを製作するに当
つては、第9図に示した製作方法において用いた
ポジ型電子線レジストとネガ型電子線レジストと
をそれぞれ相互に変更し、ポジ型電子線レジスト
を用いて遮断性もしくは移相透過性領域を描画
し、ネガ型電子線レジストを用いて透過性領域を
描画すれば、両者とも同様に容易に製作すること
ができる。
さらに、本発明は、結像型X線顕微鏡のみなら
ず、走査型X線顕微鏡および蛍光X線顕微鏡に用
いるフレネルゾーンプレートに適用することがで
き、他の用途に用いるフレネルゾーンプレートに
ついても同様に適用し得ること勿論である。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、従来に比して格段に高い分解能を有するフレ
ネルゾーンプレートを製造容易に実現することが
可能になるという格別の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明フレネルゾーンプ
レートの構成例をそれぞれ示す正面図および断面
図、第3図はフレネルゾーンプレートを用いた結
像型X線顕微鏡の概略構成を示す線図、第4図は
フレネルゾーンプレートの計算原理を示す線図、
第5図乃至第8図は本発明フレネルゾーンプレー
トに関する数値計算の結果をそれぞれ示すグラ
フ、第9図a〜cは本発明フレネルゾーンプレー
トの製造過程の例を順次に示す線図、第10図は
従来のフレネルゾーンプレートの構成を示す正面
図である。 1……フレネルゾーンプレート、2……X線、
3,6……フレネルゾーンプレート、4……ピン
ホール、5……物体、7……X線フイルム、8…
…シリコンウエハ、9……SiNx層、10……遮
光性領域、11……透光性領域、12……Au層、
13……レジスト層、14……電子ビーム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 透過性材料層上に被着した遮断性もしくは移
    相透過性材料層を蝕刻により選択的に除去して複
    数個の透過性領域を同心円環状もしくは平行帯状
    に配列し、順次に相隣る透過性領域の透過波が前
    記透過性材料層に平行な平面上において順次に同
    相で相互に加算されるように前記複数個の透過性
    領域の幅および間隔を透過波の波長に応じてそれ
    ぞれ順次に異ならせるべきフレネルゾーンプレー
    トにおいて、前記遮断性もしくは移相透過性材料
    層の蝕刻による選択滴除去を、透過性領域の幅の
    少なくとも一部に亘り、近接効果が生じなくなつ
    て蝕刻が容易になる範囲で、選択的に省略しなが
    ら、所要の分解能に対応した最小幅を有する透過
    性領域に順次に相隣る透過性領域を前記遮断性も
    ししくは移相透過性材料層の蝕刻による選択的除
    去によつて形成することにより、透過性領域を不
    整に配列したことを特徴とする不整透過型フレネ
    ルゾーンプレート。
JP20774185A 1985-09-21 1985-09-21 不整透過型フレネルゾ−ンプレ−ト Granted JPS6269201A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20774185A JPS6269201A (ja) 1985-09-21 1985-09-21 不整透過型フレネルゾ−ンプレ−ト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20774185A JPS6269201A (ja) 1985-09-21 1985-09-21 不整透過型フレネルゾ−ンプレ−ト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6269201A JPS6269201A (ja) 1987-03-30
JPH0587801B2 true JPH0587801B2 (ja) 1993-12-20

Family

ID=16544765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20774185A Granted JPS6269201A (ja) 1985-09-21 1985-09-21 不整透過型フレネルゾ−ンプレ−ト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6269201A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007078979A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 光学素子および光学素子製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59127006A (ja) * 1983-01-11 1984-07-21 Mitsubishi Electric Corp フレネルゾ−ンプレ−ト

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59127006A (ja) * 1983-01-11 1984-07-21 Mitsubishi Electric Corp フレネルゾ−ンプレ−ト

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6269201A (ja) 1987-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170219739A1 (en) Spatially Multiplexed Dielectric Metasurface Optical Elements
EP0485062A2 (en) Method of forming a pattern and projection exposure apparatus
US5320918A (en) Optical lithographical imaging system including optical transmission diffraction devices
CN104898195B (zh) 广义斐波那契波带片
US3547546A (en) Multiple image forming device
JPH06266096A (ja) 位相シフト・マスク
JP2003515256A (ja) 変形照明による位相境界マスクを使用する結像方法
CN103018808B (zh) 光子筛及其制作方法
US5902701A (en) Phase shift mask and method for fabricating the same
JPS63221329A (ja) 焦点板及びその製造方法
JPH0587801B2 (ja)
JP3538284B2 (ja) 反射鏡、その製造方法及びこれを用いる投影露光装置
JPH05346503A (ja) ゾーンプレートの製造方法
JP3019723B2 (ja) 回折光学素子の製造方法
CN104570180A (zh) 一种具有色散聚焦的椭圆反射式波带片设计和制作方法
US5428478A (en) Optical mask and exposure method using the optical mask
JPH0371133A (ja) 半導体装置用マスク
JPH08181065A (ja) パターン形成方法および該方法を用いた半導体デバイス製造方法と装置
JPH1115133A (ja) パタン形成方法
JP2737288B2 (ja) フレネルゾーンプレート
JP2006030568A (ja) フォトマスク
NL9301973A (nl) Belichtingssysteem voor een projectiebelichtingsapparaat.
JP4437366B2 (ja) パワー変調方式による濃度分布マスクの製造方法
JPH07115059A (ja) 縮小投影露光装置において用いられる空間フィルタ
JPH09148244A (ja) 投影露光装置及び投影露光方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term