JPH0587333A - 燃焼状態診断方法 - Google Patents

燃焼状態診断方法

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JPH0587333A
JPH0587333A JP24614291A JP24614291A JPH0587333A JP H0587333 A JPH0587333 A JP H0587333A JP 24614291 A JP24614291 A JP 24614291A JP 24614291 A JP24614291 A JP 24614291A JP H0587333 A JPH0587333 A JP H0587333A
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emission spectrum
flame
fuel
combustion
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JP24614291A
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Nobuo Morimoto
信夫 森本
Tetsuyoshi Ishida
哲義 石田
Hidenori Hidaka
秀則 日高
Koujirou Yamada
紘二郎 山田
Takeshi Okawa
剛 大川
Minoru Hisanaka
実 久中
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のバーナを有する燃焼炉内の燃焼状態を
診断するに際し、バーナ火炎の相互干渉から生じる誤診
断をなくし、診断精度の高い燃焼状態診断方法を提供す
る。 【構成】 複数バーナを設けた燃焼炉について、各バー
ナ火炎の発生スペクトルとバーナへの燃料流量、空気流
量、再循環排ガス流量の設定流量との関係を求めてお
き、次いで対象バーナについて火炎発光スペクトル、燃
料流量、空気流量、再循環排ガス流量を測定し、各流量
の測定値と設定値との偏差量によって測定発光スペクト
ルを補正し、各流量が設定時の基準発光スペクトルと上
述した補正発光スペクトルとの比較に基づきバーナ火炎
の燃焼状態を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼状態診断方法に係わ
り、特に複数のバーナを設けた火炉内でバーナ間の干渉
があっても精度の高い診断を行なうことを可能とした、
火炎発光スペクトルを検出して燃焼状況を診断する燃焼
状態診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラ等の燃焼装置においては、公害防
止のため、窒素酸化物、すすおよび一酸化炭素を発生さ
せないことが望まれている。このためには、燃焼炉内に
おいて極端な高温度領域および極端な低温度領域を形成
させないことが必要である。このような燃焼状態の形成
は、燃焼炉内で燃料と空気が適度に混合した火炎を形成
することによって達成される。
【0003】このような燃焼状態を形成する方法の一つ
に、燃焼炉内火炎の発光スペクトルを検出して、この発
光スペクトルをもとに、火炎温度、燃料流量、空気流
量、再循環排ガス流量、燃料と空気の混合状態等の状態
を診断し、この診断結果に基づき、燃料流量の調整、空
気流量の調整、排ガス再循環流量および燃料と空気の混
合状態等の調整を行なう方法がある。
【0004】しかしながら、従来の燃焼診断装置は、単
一バーナ火炎に対する燃焼診断では精度の高い燃焼診断
が可能であるが、大型燃焼炉のような複数個のバーナを
有する火炎に対する燃焼診断では誤診断が多く見られ
た。これは複数のバーナ火炎があると、火炎相互の干渉
が発生し、この火炎相互干渉が外乱となって、燃焼診断
精度が低下することにあった。詳しくは複数個のバーナ
を有する燃焼炉では、燃焼炉全体の運転操作が一定に保
持される運転が行なわれたときでも、あるバーナ火炎の
燃焼が盛んになると、他のバーナ火炎の燃焼が衰え、逆
にあるバーナ火炎の燃焼が衰えると、他のバーナ火炎の
燃焼が盛んになる現象が生じる。このため、対象バーナ
の燃焼診断において、燃焼機器の不良により燃焼状態が
盛んになっていたりまたは衰えていたとしても、このバ
ーナ火炎相互干渉のための燃焼の盛衰と判別できず、燃
焼関連機器の状態の良否を判定できない状況におかれ
る。したがって、このような複数個のバーナを有する大
型燃焼炉では燃焼診断において誤診断を生じさせてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の火炎発光スペク
トル検出燃焼診断装置は、単一バーナ火炎における燃焼
診断では高い診断精度が得られていたが、複数個のバー
ナを有する燃焼炉におけるバーナ火炎の相互干渉に対し
て十分な配慮がなされておらず、このため、複数個のバ
ーナを有する燃焼炉の燃焼診断においては誤診断が多く
見られる問題があった。
【0006】本発明の目的は、複数個のバーナを有する
燃焼炉内の燃焼状態を診断するに際し、バーナ火炎の相
互干渉から生じる誤診断をなくし、精度の高い診断を行
うことができる燃焼状態診断方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、複数個のバーナを設けた燃焼炉に
対し、火炉内火炎の発光スペクトルを検出して、火炉内
燃焼状態を診断する方法において、あらかじめ燃料流
量、空気流量、再循環排ガス流量の各設定値と火炎発光
スペクトルの関係を求めておき、次いで対象バーナにつ
いて火炎発光スペクトル、燃料流量、空気流量、再循環
排ガス流量を測定し、これら各流量測定値ごとにそれら
の設定値との偏差を求め、火炎発光スペクトルと前記各
流量の関係と上記偏差値とに基づき、測定した前記火炎
発光スペクトルを補正し、燃料流量、空気流量、再循環
排ガス流量が設定流量時の基準の火炎発光スペクトルと
補正した上記火炎発光スペクトルと比較してバーナの燃
焼状態を診断することを特徴とする燃焼状態診断方法に
関する。
【0008】第2の発明は、複数個のバーナを設けた燃
焼炉に対し、火炉内火炎の発光スペクトルを検出して、
火炉内の燃焼状態を診断する方法において、あらかじめ
燃料流量、空気流量、再循環排ガス流量の各設定流量と
火炎発光スペクトルの関係を求めておき、ついで対象バ
ーナについて火炎発光スペクトルを測定し、この検出発
光スペクトルより火炎温度と水蒸気吸光度を検出し、燃
料、空気、再循環排ガスの設定流量時の火炎発光スペク
トルより求めた火炎温度と水蒸気吸光度とそれらの前記
検出値と比較して、火炎発光スペクトル測定時の燃料流
量、空気流量、再循環排ガス流量を算出し、これらの設
定流量値との偏差値を求め、各偏差値に基づき測定時の
火炎発光スペクトルを補正し、燃料流量、空気流量、再
循環排ガス流量が設定流量時の基準の火炎発光スペクト
ルと補正した上記火炎発光スペクトルと比較してバーナ
の燃焼状態を診断することを特徴とする燃焼状態診断方
法に関する。
【0009】第3の発明は、複数個のバーナを設けた燃
焼炉に対し、火炉内火炎の発光スペクトルを検出して、
火炉内の燃焼状態を診断する方法において、あらかじめ
燃料流量、空気流量の各設定流量と火炎発光スペクトル
の関係を求めておき、ついで対象バーナについて火炎発
光スペクトルを測定し、この検出発光スペクトルより火
炎温度と炭酸ガス吸光度を検出し、燃料、空気の設定流
量時の火炎発光スペクトルより求めた火炎温度と炭酸ガ
ス吸光度とそれらの前記検出値と比較して、火炎発光ス
ペクトル測定時の燃料流量、空気流量を算出し、これら
の設定流量値との偏差値を求め、各偏差値に基づき測定
時の火炎発光スペクトルを補正し、燃料流量、空気流量
が設定流量時の基準の火炎発光スペクトルと補正した上
記火炎発光スペクトルと比較してバーナの燃焼状態を診
断することを特徴とする燃焼状態診断方法に関する。
【0010】
【実施例】
i)全体の構成 図1に本発明になる燃焼診断方法のフローを示す。本発
明の燃焼診断方法では、あらかじめ火炎発光スペクトル
と燃料流量、火炎発光スペクトルと空気流量、火炎発光
スペクトルと再循環排ガス流量との関係を求めておき、
電算機に記憶させておく。そして対象バーナの火炎発光
スペクトルと燃料流量、空気流量、再循環排ガス流量を
測定する。電算機を用い、燃料流量、空気流量、再循環
排ガス流量について、測定値と設定値を比較し、それぞ
れの偏差を求める。そして、まず燃料流量の測定値と設
定値の偏差と、火炎発光スペクトルと燃料流量の関係か
ら、火炎発光スペクトルに補正を加え、設定燃料流量時
における火炎発光スペクトルを求める。ついで空気流量
の測定値と設定値の偏差と、火炎発光スペクトルと空気
流量の関係から、火炎発光スペクトルに補正を加え、設
定空気流量時における火炎発光スペクトルを求める。さ
らに再循環排ガス流量の測定値と設定値の偏差と、火炎
発光スペクトルと再循環排ガス流量の関係から、火炎発
光スペクトルに補正を加え、設定再循環排ガス流量時に
おける火炎発光スペクトルを求める。
【0011】燃料流量、空気流量、再循環排ガス流量の
設定値に補正された火炎発光スペクトルが得られたこと
から、この補正後の火炎発光スペクトルと、設定値にお
ける基準の火炎発光スペクトルを比較する燃焼診断が行
なわれる。この補正後の火炎発光スペクトルが基準の火
炎発光スペクトルより火炎温度が高い特性が得られる
と、燃料と空気との混合が良好と診断できる。
【0012】本発明の燃焼診断は、経時的な火炎温度、
燃料流量、空気流量および再循環排ガス流量の変化から
その平均値と変動幅、ならびに燃料と空気の混合状態等
を把握し、それぞれの設定値と測定値の偏差が最小にな
るように、関連機器の調整の指示を与える。図2に、本
発明の一実施例の燃焼診断装置が適応された2本のバー
ナ4、5を有する燃焼炉の概略構成を示す。この燃焼炉
において、燃料は燃料タンク21から燃料ポンプ20に
よって汲みだされ、燃料ポンプ元流量調整弁17を通
り、2分岐され、バーナ元燃料流量調整弁15、16を
経て、バーナ4およびバーナ5に供給される。バーナに
供給される燃料流量は、燃料ポンプ元燃料流量調整弁1
7およびバーナ元燃料流量調整弁15、16によって制
御される。燃料ポンプ元燃料流量調整弁17はバーナ4
およびバーナ5へ供給される燃料の総量を制御する目的
から設置される。またバーナ元燃料流量調整弁15、1
6は、バーナ4およびバーナ5へ供給される燃料流量が
均等に分配されることを目的として設置される。このう
ち、バーナ元燃料流量調整弁15、16は一旦弁開度が
調整された後は固定される。
【0013】またこの燃焼炉において、空気22は送風
機18によって大気が取り込まれ、送風機元風量調整ダ
ンパ14を通り2分岐され、バーナ元風量調整ダンパ1
2、13を経て、バーナ4およびバーナ5に供給され
る。バーナに供給される空気流量は、送風機元風量調整
ダンパ14およびバーナ元風量調整ダンパ12、13に
よって制御される。送風機元風量調整ダンパ14はバー
ナ4およびバーナ5へ供給される空気の総量を一定に保
つ目的から設置される。バーナ元風量調整ダンパ12、
13は、バーナ4およびバーナ5へ供給される空気流量
が均等に分配されることを目的に設置される。このう
ち、バーナ元風量調整ダンパ12、13は一旦ダンパ開
度が調整された後は固定される。
【0014】この燃焼炉において、再循環排ガス23は
送風機19によって煙道24から取り込まれ、送風機元
風量調整ダンパ14を通り空気に混合される。図3に、
燃焼炉内の火炎発光スペクトルの一例を示す。光ファイ
バの光透過損失が比較的小さい0.4〜1.6μmの波
長域では、0.7μmより長波長域においてスートの発
光が見られ、1.38μmの周波数帯において水蒸気に
よる吸光が見られる。
【0015】この火炎発光スペクトル特性において、ス
ートの発光特性と火炎温度の間には、つぎのプランクの
輻射則の関係が成立つ。この関係を用いてスートの発光
特性を検出し、火炎温度を求めることができる。
【0016】
【数1】
【0017】水蒸気による吸光は、火炎発光スペクトル
監視のプローブの前を水蒸気を含む再循環排ガスが流れ
ていると、水蒸気の吸光帯(1.4、1.9、2.7μ
m)に限って、火炎からの光が吸収される現象である。
この水蒸気の吸光度(水蒸気吸光帯におけるスペクトル
強度の減少量)は、再循環排ガス流量が増加し、再循環
排ガス温度が低く火炎温度が高くなると増加する。火力
発電所のボイラのような窒素酸化物の発生を抑制するた
めに排ガス再循環を行なう大型燃焼炉では、このため、
1.4μmの水蒸気の吸光帯に限ってスペクトル強度が
減少する。
【0018】図4に、図2に示した燃焼炉を対象にした
燃焼診断において得られたバーナ4およびバーナ5の火
炎温度、各個所の燃料流量、空気流量、再循環排ガス流
量の測定結果を示す。このとき燃料流量の総量、空気流
量の総量、再循環排ガス流量は一定に維持された。しか
し、バーナ4およびバーナ5の火炎温度、燃料の総量以
外の各部の流量、空気の総量以外の各部の流量は変動し
た。燃料流量、空気流量を設定値としたとき補正後の火
炎温度は、旋回力の変化に対応した変化を示した。
【0019】本発明の第1の実施例においては、火炎相
互干渉が生じていても、各所に設置された燃料、空気、
再循環排ガスの各流量計の指示値から、各バーナにおけ
る燃料流量、空気流量、再循環排ガス流量、ならびに火
炎発光スペクトルから、火炎温度および燃料と空気の混
合状況をしることができる。したがって、火炎相互の干
渉が生じる複数個のバーナを有する燃料炉においても、
誤診断を生じさせない燃焼診断を行なえる効果が得られ
る。
【0020】本発明の第2の実施例は、各個所の常設の
流量計をなくし、代わって、火炎発光スペクトルから算
出される火炎温度と水蒸気の吸光特性から、各バーナに
おける燃料流量、空気流量を求めるものである。この火
炎温度および水蒸気の吸光度に対する、燃料流量、空気
流量、排ガス流量の関係は、公知例(例えば、燃料協会
誌;第70巻 第4号 P359)を参考に、図5に示
されるような関係が得られる。例えば、基準値の火炎温
度および水蒸気吸光度に対して、火炎温度が高く水蒸気
吸光度が大きいときは、燃料流量が基準値より多い。ま
た、火炎温度が変化せず、水蒸気吸光度が小さいとき
は、空気流量が基準値より多い。火炎温度が低く水蒸気
吸光度が変化しないか、または大きいときは再循環排ガ
ス流量が基準値より多い。
【0021】したがって、火炎発光スペクトルから算出
される火炎温度と水蒸気の吸光度より、各バーナにおけ
る燃料流量、空気流量の変動の傾向を求めることができ
る。図6に、上記第2の実施例の燃焼診断方法のフロー
を示す。まず、あらかじめ仮設の流量計により、火炎発
光スペクトルから得られる火炎温度および水蒸気吸光度
に対する、燃料流量、空気流量、再循環排ガス流量との
関係、ならびに、燃料流量、空気流量、再循環排ガス流
量の設定条件における火炎温度および水蒸気吸光度を求
めておく。そして対象バーナの火炎発光スペクトルを測
定する。設定条件の燃料流量、空気流量、再循環排ガス
流量における燃焼温度および水蒸気吸光度と、測定され
た火炎温度および水蒸気吸光度との違いから、燃料流
量、空気流量、再循環排ガス流量を求める。得られた燃
料流量、空気流量、再循環排ガス流量を設定値と比較
し、それぞれの偏差を求める。そして、まず燃料流量の
測定値と設定値の偏差と、火炎発光スペクトルと燃料流
量の関係から、火炎発光スペクトルに補正を加え、設定
燃料流量時における火炎発光スペクトルを求める。つい
で空気流量の測定値と設定値の偏差と、火炎発光スペク
トルと空気流量の関係から、火炎発光スペクトルに補正
を加え、設定空気流量時における火炎発光スペクトルを
求める。さらに、再循環排ガス流量の測定値と設定値の
偏差と、火炎発光スペクトルと再循環排ガス流量の関係
から、火炎発光スペクトルに補正を加え、設定再循環排
ガス流量時における火炎発光スペクトルを求める。
【0022】燃料流量、空気流量、再循環排ガス流量の
設定値に補正された火炎発光スペクトルが得られたこと
から、この補正後の火炎発光スペクトルと、設定値にお
ける基準の火炎発光スペクトルを比較する燃焼診断が行
なわれ、燃料と空気との混合状態を診断できる。本発明
の他の実施例の燃焼診断は、常設の流量計を設置するこ
となく経時的な火炎温度、燃料流量、空気流量および再
循環排ガス流量の変化と、その平均値と変動幅を把握
し、ならびに燃料と空気の混合状態等を把握し、その結
果それぞれの設定値と測定値の偏差が最小になるよう
に、関連機器へ調整の指示を与える。
【0023】この本発明の第2の実施例の具体例は、図
4に示されたように火炎発光スペクトル特性からの火炎
温度および水蒸気吸光度と各種流量の間には、図5に示
されるような関係がなりたっており、したがって、火炎
発光スペクトル特性からの火炎温度および水蒸気吸光度
から、燃料流量、空気(再循環排ガスを含む)流量を求
めることができる。
【0024】なお、水蒸気の吸光度が利用できるのは、
再循環排ガス中に水蒸気を含むときに限られる。このと
きの燃料は、燃焼排ガス中に水蒸気が含まれるガス燃
料、液体燃料である必要がある。しかし、固体燃料のと
きは、燃焼排ガス中には水蒸気がわずかしか含まれない
が、水蒸気の吸光に代わって炭酸ガスの吸光を利用でき
る。炭酸ガスの吸光帯は、2.7、4.3μmにある。
したがって、固体燃料の燃焼時は、2.7、4.3μm
の波長帯における炭酸ガスの吸光度とスートの発光特性
(火炎温度)を用いると、燃料流量、空気流量、再循環
排ガス流量を求めることができる。
【0025】図4に示したように、各バーナにおける燃
料流量、空気流量、排ガス再循環流量はステップ状に変
化する。この変化状況を観察したところ、このステップ
状の流量変化は、バーナ元燃料流量調整弁15、16お
よびバーナ元風量調整ダンパ12、13のあそびによる
ものであった。このあそびとは、弁またはダンパ開度が
一定に設定されていても、弁またはダンパのブレード等
が移動し、流路断面積が変化することをいう。
【0026】弁、ダンパの開閉操作を繰返すと、軸等が
摩耗し、あそびが増大し、流量のステップ変化幅が増大
する。本発明の第3の実施例は、火炎のスペクトル特性
から得られる火炎温度の変動および水蒸気の吸光度の変
動幅を検出し、燃料系統、空気系統に設置された各種流
量調整機器の摩耗状況およびこの流量調整器の寿命を知
るものである。
【0027】図7に、火炎のスペクトル特性から得られ
た火炎温度と水蒸気吸光度、ならびに燃料流量と空気
(再循環排ガスを含む)流量の経時変化を示す。燃料流
量、空気(再循環排ガスを含む)流量の変動幅は、経時
的に増大するが、バーナ元燃料流量調整弁およびバーナ
元風量調整弁をオーバーホールすると縮小される。この
実施例は、経時的な火炎温度、燃料流量、空気流量およ
び再循環排ガス流量の変化からその平均値と変動幅、な
らびに燃料と空気の混合状態等を把握し、それぞれの設
定値と測定値の偏差が最小になるように、燃焼調整のた
めに制御される各種流量調整機器の流量調整のための指
示を与えることができるようにするものである。
【0028】図8に、この燃焼診断システムおよび流量
調整機器診断システムの構成を示す。この燃焼診断シス
テムおよび流量調整機器診断システムは、光プローブ、
中継光ファイバ、分光分析装置、および電算器から主に
構成される。火炎からの発光スペクトルは、光プローブ
で受光され中継光ファイバを経て、分光分析装置に懸け
られる。分光分析装置では、発光スペクトルが電気信号
に変換される。この電気信号は、電算機における燃焼診
断システムおよび流量調整機器診断システムの入力信号
となる。
【0029】この燃焼診断システムおよび流量調整機器
診断システムにおいては、光プローブと分光分析装置の
間を中継光ファイバで結ぶことにより、電気を使用する
分光分析装置を燃焼炉壁から十分離れた位置に設置する
ことができるようになり、燃焼爆発等の危険をなくす効
果が得られる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、複数個のバーナが設置
された燃焼炉において、火炎相互の干渉が生じていて
も、高精度な燃焼診断を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明になる燃焼診断方法のフローを
示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例の燃焼診断装置が適
応された燃焼炉の概略構成を示す図である。
【図3】図3は、燃焼炉内の火炎発光スペクトルの一例
を示す図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例における各流量の測
定結果の一例を示す図である。
【図5】図5は、火炎温度および水蒸気の吸光度に対す
る、燃料流量、空気流量、排ガス流量の関係を示す図で
ある。
【図6】図6は、本発明の他の実施例の燃焼診断方法の
フローを示す図である。
【図7】図7は、火炎のスペクトル特性から得られた火
炎温度と水蒸気吸光度、ならびに燃料流量と空気(再循
環排ガスを含む)流量の経時変化を示す図である。
【図8】図8は、燃焼診断システムおよび流量調整機器
診断システムの構成を示す図である。
【符号の説明】 1:燃焼炉、2,3:バーナ火炎、4:バーナI、5:
バーナII、6,7:バーナ元空気流量計、8:送風機
元空気流量計、9,10:バーナ元燃料流量計、11:
ポンプ元燃料流量計、12,13:バーナ元風量調整ダ
ンパ、14:通風機元風量調整ダンパ、15,16:バ
ーナ元燃料調整弁、17:燃料ポンプ元流量調整弁、1
8,19:送風機、20:燃料ポンプ、21:燃料タン
ク、22:空気、23:排ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 紘二郎 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 大川 剛 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 久中 実 広島県呉市宝町6番9号 バブ日立エンジ ニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のバーナを設けた燃焼炉に対し、
    火炉内火炎の発光スペクトルを検出して、火炉内燃焼状
    態を診断する方法において、あらかじめ燃料流量、空気
    流量、再循環排ガス流量の各設定値と火炎発光スペクト
    ルの関係を求めておき、次いで対象バーナについて火炎
    発光スペクトル、燃料流量、空気流量、再循環排ガス流
    量を測定し、これら各流量測定値ごとにそれらの設定値
    との偏差を求め、火炎発光スペクトルと前記各流量の関
    係と上記偏差値とに基づき、測定した前記火炎発光スペ
    クトルを補正し、燃料流量、空気流量、再循環排ガス流
    量が設定流量時の基準の火炎発光スペクトルと補正した
    上記火炎発光スペクトルと比較してバーナの燃焼状態を
    診断することを特徴とする燃焼状態診断方法。
  2. 【請求項2】 複数個のバーナを設けた燃焼炉に対し、
    火炉内火炎の発光スペクトルを検出して、火炉内の燃焼
    状態を診断する方法において、あらかじめ燃料流量、空
    気流量、再循環排ガス流量の各設定流量と火炎発光スペ
    クトルの関係を求めておき、次いで対象バーナについて
    火炎発光スペクトルを測定し、この検出発光スペクトル
    より火炎温度と水蒸気吸光度を検出し、燃料、空気、再
    循環排ガスの設定流量時の火炎発光スペクトルより求め
    た火炎温度と水蒸気吸光度とそれらの前記検出値と比較
    して、火炎発光スペクトル測定時の燃料流量、空気流
    量、再循環排ガス流量を算出し、これらの設定流量値と
    の偏差値を求め、各偏差値に基づき測定時の火炎発光ス
    ペクトルを補正し、燃料流量、空気流量、再循環排ガス
    流量が設定流量時の基準の火炎発光スペクトルと補正し
    た上記火炎発光スペクトルと比較してバーナの燃焼状態
    を診断することを特徴とする燃焼状態診断方法。
  3. 【請求項3】 複数個のバーナを設けた燃焼炉に対し、
    火炉内火炎の発光スペクトルを検出して、火炉内の燃焼
    状態を診断する方法において、あらかじめ燃料流量、空
    気流量の各設定流量と火炎発光スペクトルの関係を求め
    ておき、ついで対象バーナについて火炎発光スペクトル
    を測定し、この検出発光スペクトルより火炎温度と炭酸
    ガス吸光度を検出し、燃料、空気の設定流量時の火炎発
    光スペクトルより求めた火炎温度と炭酸ガス吸光度とそ
    れらの前記検出値と比較して、火炎発光スペクトル測定
    時の燃料流量、空気流量を算出し、これらの設定流量値
    との偏差値を求め、各偏差値に基づき測定時の火炎発光
    スペクトルを補正し、燃料流量、空気流量が設定流量時
    の基準の火炎発光スペクトルと補正した上記火炎発光ス
    ペクトルと比較してバーナの燃焼状態を診断することを
    特徴とする燃焼状態診断方法。
JP24614291A 1991-09-25 1991-09-25 燃焼状態診断方法 Pending JPH0587333A (ja)

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