JPH0586914A - 多気筒内燃機関の制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の制御装置

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JPH0586914A
JPH0586914A JP27736291A JP27736291A JPH0586914A JP H0586914 A JPH0586914 A JP H0586914A JP 27736291 A JP27736291 A JP 27736291A JP 27736291 A JP27736291 A JP 27736291A JP H0586914 A JPH0586914 A JP H0586914A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
cylinder
engine
amount
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Application number
JP27736291A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sono
比呂志 園
Shuichi Takagi
修一 高木
Morimasa Osada
守正 長田
Kei Machida
圭 町田
Nobuyuki Ota
信行 大田
Toshio Hayashi
俊雄 林
Masao Kubodera
雅雄 窪寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸気弁の開弁期間を変更することにより吸入
空気量を制御するようにした多気筒内燃機関の各気筒毎
の空燃比を適切に制御する。 【構成】 多気筒内燃機関の各気筒に対応して酸素濃度
センサが設けられている。また、機関回転数、機関負荷
及び機関温度が検出される(S11)。機関回転数及び
機関負荷に応じて吸気弁閉弁タイミングθOFFのマッ
プ値θOFFMAPが決定され(S12)、各気筒毎の
酸素濃度センサ出力に基づいてθOFF値の補正量θO
2(n)が算出される。補正量θO2(n)は、検出された機
関温度が所定の温度以上でかつ機関回転数及び機関負荷
により求められる機関運転状態が少なくとも過渡状態を
除く所定運転状態において(S14の答がYES)、算
出される(図9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関の制御
装置に関し、特に吸気弁の開弁期間を変更可能な動弁機
構を有する多気筒内燃機関の、各気筒毎の空燃比制御を
行う制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁の閉弁タイミングを変化させてそ
の開弁期間を変更し、吸入空気量を制御するようにした
内燃機関の制御装置において、吸気弁の閉弁タイミング
及びエンジンに供給する燃料量の基準値をアクセル開度
(アクセルペダルの踏込量)と機関回転数とに応じて決
定するようにしたものが既に提案されている(特開平2
−264105号公報)。また、排気濃度センサによっ
て空燃比を検出し、検出空燃比が目標空燃比に一致する
ように、吸気弁の開弁期間を制御するようにした制御装
置も従来より知られている(特開昭60−56113号
公報)。
【0003】また、吸気弁の開弁期間は固定とし、吸気
管の途中に配設されたスロットル弁により吸入空気量を
制御する通常の多気筒内燃機関において、各気筒毎に燃
料噴射弁及び排気濃度センサを設け、各気筒毎の空燃比
制御を可能とした空燃比制御装置が、既に提案されてい
る(特開平2−181043号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】多気筒内燃機関におい
ては、同一のタイミングで各気筒の動弁機構に閉弁指令
信号を出力しても、実際の閉弁タイミングは各気筒のわ
ずかな構造上のばらつき、フリクションの差等により、
気筒間で差が生じる。従って、上記特開昭60−561
13号公報に記載の制御装置では、気筒間で吸入空気量
の差が生じ、空燃比も各気筒間でばらつくことになる。
その結果、機関の運転性や排ガス特性の面で改善の余地
が残されていた。
【0005】また、上記特開平2−181043号公報
に記載の技術を適用する場合には、閉弁タイミングのば
らつきによる吸入空気量の差に起因する空燃比のばらつ
きを、供給燃料量で補正することにより、各気筒間の空
燃比の差は補正できるものの各気筒の吸入空気量の差は
補正できず、吸入空気量の差によるトルク変動の発生を
防ぐことができない。。
【0006】本発明は上述の点に鑑みなされたものであ
り、吸気弁の開弁期間を変更することにより吸入空気量
を制御するようにした多気筒内燃機関の各気筒毎の空燃
比を適切に制御することができる制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本考案は、油圧を介して吸気弁を開閉駆動し、前記油圧
の状態を制御することにより吸気弁の開弁期間を変更
し、該吸気弁開弁期間の変更により気筒毎の吸入空気量
を制御する吸入空気量制御手段を有する多気筒内燃機関
の制御装置において、少なくとも機関回転数、機関負荷
及び機関温度を含む機関運転状態を検出する運転状態検
出手段と、各気筒毎に独立に設けられた排気濃度センサ
を含み、気筒毎の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記検出された気筒毎の空燃比を所望の空燃比と比較し
て空燃比状態を判別する空燃比状態判別手段と、前記検
出された機関温度が所定の温度以上でかつ機関回転数及
び機関負荷により求められる機関運転状態が少なくとも
過渡状態を除く所定の運転状態であると判定されたとき
に、前記空燃比状態判別手段により判別された空燃比状
態に基づいて、各気筒の空燃比が所望の空燃比となるよ
うに、前記吸入空気量制御手段の制御量を補正する空燃
比補正手段とを設けるようにしたものである。
【0008】また、前記制御量の補正量を各気筒毎に記
憶する記憶手段を設け、前記空燃比補正手段は、前記検
出された機関運転状態が前記所定の運転状態以外である
ときには、前記記憶された補正量に基づいて前記吸入空
気量制御手段の制御量を補正することが望ましい。
【0009】また、前記空燃比状態判別手段は、検出さ
れた気筒毎の空燃比と所望の空燃比との大小関係を判別
するものでもよい。
【0010】また、前記空燃比補正手段は、前記空燃比
状態判別手段により判別された今回の判別結果と前回の
判別結果とに基づいて補正量を決定し、前記空燃比状態
判別手段により判別された今回の判別結果が前回の判別
結果と異なるまで、前記補正量の決定方法を変更しない
ことが望ましい。
【0011】更に、前記空燃比補正手段は、前記空燃比
状態判別手段により判別された今回の判別結果が前回の
判別結果と異なるまで、前記補正量の修正値が所定値に
達する毎に前記補正量を更新し、前記空燃比状態判別手
段により判別された今回の判別結果が前回の判別結果と
異なるとき若しくは前記補正量の修正値が所定値に達す
るまでの間は、前回の補正量を保持することが望まし
い。
【0012】
【作用】機関回転数、機関負荷、機関温度及び各気筒毎
の空燃比が検出され、機関が機関回転数、機関負荷及び
機関温度によって決定される所定運転状態にあるとき、
各気筒毎の空燃比が所望の空燃比となるように吸気弁の
開弁期間が補正される。
【0013】吸気弁開弁期間の補正量が記憶され、機関
が前記所定運転状態以外の運転状態にあるときには、記
憶された補正量が使用される。
【0014】検出された空燃比と所望の空燃比との大小
関係が判別され、今回の判別結果と前回の判別結果とに
基づいて吸気弁開弁期間の補正量が決定され、その決定
方法は今回と前回の判別結果が異なるまで変更されな
い。
【0015】吸気弁開弁期間の補正量は、前記大小関係
の今回の判別結果と前回の判別結果とが異なるまで、該
補正量の修正値が所定値に達する毎に更新される一方、
該補正量の修正値が所定値に達するまでの間若しくは前
記大小関係の今回の判別結果が前回の判別結果と異なる
ときには、前回値に保持される。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0017】図1は、本発明の一実施例に係る多気筒内
燃機関とその制御装置の全体構成を示す構成図である。
同図中1は例えば4気筒の内燃機関であり、各気筒の吸
気弁及び排気弁を油圧駆動するための油圧駆動弁ユニッ
ト20を有する。機関1の吸気管1aの途中には燃料噴
射弁14が配設されており、該噴射弁14は電子コント
ロールユニット(以下「ECU」という)2に電気的に
接続されている。ECU2は、前記油圧駆動弁ユニット
20内のソレノイド(後述する図5の202)及び点火
プラグ(図示せず)にも電気的に接続されており、これ
らの制御信号(θOFF、θON及びθIG)が内燃機
関1に供給される。
【0018】ECU2には、機関1の特定の気筒の所定
クランク角度位置で信号パルス(以下「CYL信号パル
ス」という)を出力する気筒判別センサ(以下「CYL
センサ」という)3、各気筒の吸入行程開始時の上死点
(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位
置で(4気筒機関ではクランク角180°毎に)TDC
信号パルスを発生するTDCセンサ4、及び前記TDC
信号パルスの周期より短い一定クランク角(例えば30
°)周期で1パルス(以下「CRK信号パルス」と云
う)を発生するクランク角センサ(以下「CRKセン
サ」と云う)5が電気的に接続されており、CYL信号
パルス、TDC信号パルス及びCRK信号パルスがEC
U2に送られる。これら3つのセンサ3,4,5の出力
信号パルスは、吸気弁の閉弁タイミング、燃料噴射時
期、点火時期等の各種タイミング制御及び機関回転数の
検出に使用される。
【0019】更にECU2には、機関冷却水温(TW)
を検出する水温センサ(TWセンサ)6、吸気温センサ
(TAセンサ)7、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸
素濃度センサ(O2センサ)(排気濃度センサ)8、機
関1の吸気弁のリフト量(Lft)を検出するリフトセ
ンサ9、機関1の油圧駆動弁ユニット20の作動油の油
圧(Poil)及び油温(Toil)を夫々検出する油圧セン
サ(Poilセンサ)10及び油温センサ(Toilセンサ)
11、運転者の機関に対する要求を表わすパラメータと
してのアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度
センサ(θACCセンサ)12、及び大気圧(PA)を
検出する大気圧センサ(PAセンサ)13、並びにバッ
テリ電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ15が電気
的に接続されており、これらのセンサ6〜15の検出信
号がECU2に供給される。なお、O2センサ8は機関
1の各気筒毎に独立に設けられており、それぞれの気筒
から排出される排気ガス中の酸素濃度を検出する。
【0020】ECU2は中央演算装置、メモリ、制御信
号出力回路等(図示せず)から成り、上述の各種センサ
からの検出信号に基づいて油圧駆動弁ユニット20の作
動制御及び点火時期制御を行うと共に、燃料噴射弁14
の開弁タイミング及び閉弁タイミングの制御、従って開
弁時間の制御を行う。
【0021】図2は、油圧駆動弁ユニット20の断面図
であり、該ユニット20は、機関1の各気筒のシリンダ
ヘッド21に装着されている。シリンダヘッド21には
機関1の燃焼室(図示せず)の頂部に開口し、他方が吸
気ポート24に連通する吸気弁口23が設けられてい
る。吸気弁22は吸気弁口23を開閉すべくシリンダヘ
ッド21内を図中上下方向に移動自在に案内されるよう
に配される。吸気弁22の鍔部25とシリンダヘッド2
1との間には弁ばね26が縮設されており、この弁ばね
26により吸気弁22は図中上方(閉弁方向)に向けて
ばね付勢される。
【0022】一方、吸気弁22の図中左側には、カム2
7を有するカム軸28が回転自在に配設されている。こ
のカム軸28は、タイミングベルト(図示せず)を介し
てクランク軸(図示せず)に連結されている。カム軸2
8と一体に形成されるカム27と吸気弁22との間に
は、油圧駆動弁ユニット20が介装されている。
【0023】油圧駆動弁ユニット20は、カム27のプ
ロフィールに応じて吸気弁22を弁ばね26に抗して下
方に押圧して開閉駆動する油圧駆動機構30と、該油圧
駆動機構30の押圧力を開弁作動途中で無効にし、もっ
てカムプロフィールに拘らず吸気弁22を閉弁する油圧
解放機構31とから成る。
【0024】油圧駆動機構30は、シリンダヘッド21
と一体に構成されたブロック32に固設される第1のシ
リンダ体33と、下端(前端)を吸気弁22の上端(後
端)に当接して第1のシリンダ体33のシリンダ孔33
aに摺動可能に嵌合される弁側ピストン(弁駆動ピスト
ン)34と、第1のシリンダ体33及び弁側ピストン3
4により画成される作動油圧室38と、ブロック32に
固設される第2のシリンダ体36と、カム27に摺接す
るリフタ35と、該リフタ35に下端を当接させて第2
のシリンダ体36の下部に摺動可能に嵌合されるカム側
ピストン37と、第2のシリンダ体36及びカム側ピス
トン37によって画成される油圧発生室39と、油圧発
生室39と作動油圧室38とを接続する油路40とを主
な構成要素とし、カム側ピストン37の摺動により油圧
発生室39内に油圧を発生させ作動油圧室38内を高圧
にすることによりカム27のプロフィールに従って、吸
気弁22を開閉作動させる。
【0025】ブロック32には、吸気弁22の鍔部25
に対向する位置にリフトセンサ9が配設されている。リ
フトセンサ9は例えば磁界変化を検出する渦電流式のも
のから成りECU2に電気的に接続されており、吸気弁
22のリフト量を検出し、その検出信号をECU2に供
給する。リフトセンサ9は吸気弁22の開弁タイミング
を検出して吸気弁22の閉弁タイミングをフィードバッ
ク制御するのに用いられる。
【0026】図3は、第1のシリンダ体33と弁側ピス
トン34とによって画成される作動油圧室38付近を拡
大して示す図であり、図示した状態は吸気弁22が閉弁
完了位置(図2の弁座21aに着座した位置)にあると
きの状態、即ち弁側ピストン34が最上部まで移動した
状態を示している。
【0027】第1のシリンダ体33には、油路40の一
部をなす油路40aと、油路40aと作動油圧室38の
頂部とを連通する固定オリフィス33cと、弁側ピスト
ン34との間に環状油路33dを形成する環状凹部33
eとが設けられている。
【0028】弁側ピストン34には、弁孔341aと、
該弁孔341aを作動油圧室側から閉塞可能な球状弁体
341bと、複数の連通孔341dを有し、弁体341
bを保持するリテーナ341cとから成るチェック弁3
41が設けられ、このチェック弁341は油路40aか
ら作動油圧室38への作動油の流通のみを許容する。ま
た弁側ピストン34には、図4に示すように第1及び第
2の可変オリフィス34a,34bが設けられている。
これらのオリフィス34a,34bは前記固定オリフィ
ス33cとともに、弁側ピストン34の閉弁位置作動時
(上昇作動時)に、シリンダ孔33aの途中に設定され
る油圧緩衝開始位置P(環状凹部33eの上端)を弁側
ピストン34の上端(後端)が通過するのに応じて油路
40aへの作動油の戻り量制限機能を発揮する作動油戻
り量制御機構を構成する。
【0029】上記作動油戻り量制限機構によれば、吸気
弁22が閉弁作動を開始し、弁側ピストン34の上端が
油圧緩衝開始位置Pを通過するまでは、第1及び第2の
可変オリフィス34a,34bが環状油路33dに対し
て全開状態となるため、比較的急速に吸気弁22のリフ
ト量が減少する(比較的高速で閉弁作動する)。その後
弁側ピストン34の上昇とともに、先ず第1の可変オリ
フィス34a、次いで第2の可変オリフィス34bの環
状油路33dに対する開口面積が減少し、それによって
作動油のリーク量も減少するので、吸気弁22の閉弁作
動速度は徐々に低下する。更に、第2の可変オリフィス
34bの下端が油圧緩衝開始位置Pを通過した後は、固
定オリフィス33cのみによって作動油が油路40aに
戻される状態となって、吸気弁22は緩やかに弁座21
aに着座する。なお、チェック弁341は、弁側ピスト
ン34の上端が油圧緩衝開始位置Pを通過した後は閉弁
状態となる。
【0030】一方、油圧解放機構31は、前記油路40
と給油ギャラリ42とを接続する油路41と、該油路4
1の途中に介装されるスピル弁45と、油路41内に配
されるフィード弁43及びチェック弁44と、これらの
弁43,44及びスピル弁45によって画成されるアキ
ュム回路41a内の油圧を所定の値に維持するためのア
キュムレータ46とを主構成要素とする。給油ギャラリ
42は、各気筒毎に設けられた油圧駆動弁ユニットに油
圧を供給するために設けられており、オイルポンプ47
に接続されている。オイルポンプ47は、シリンダヘッ
ド21に設けられた補助オイルパン48内の作動油を所
定範囲内の油圧として給油ギャラリ42に供給する。な
お、給油ギャラリ42に供給する作動油は、クランクケ
ース(図示せず)下部に設けられるオイルパンからオイ
ルポンプによって供給するようにしてもよい。
【0031】前記スピル弁45は、図5に示すように、
制御弁部100と、該制御弁部100を駆動する電磁駆
動部200とから成るものであり、制御弁部100は、
弁ハウジング101に、油路41とアキュム回路41a
間の連通、遮断を切換可能な主弁体102が摺動可能に
嵌合されるとともに該主弁体の開閉移動を司るパイロッ
ト弁103が設けられて成り、電磁駆動部200はパイ
ロット弁103を開閉駆動すべく制御弁部100に連設
されている。すなわち電磁駆動部200のケーシング2
01に制御弁部100の弁ハウジング101が結合され
ている。
【0032】主弁体102は有底円筒状に形成されてい
る。而して該主弁体102は、その前面に通路41の油
圧を開弁方向に作用させながら弁ハウジング101内に
摺動可能に嵌合されており、この主弁体102の背部に
はパイロット室104が形成されている。しかもパイロ
ット室104には通路41とアキュム回路41a間を遮
断する方向に主弁体102を付勢するばね105が収納
されている。したがって主弁体102には、通路41の
油圧が開弁方向に作用し、パイロット室104の油圧お
よびばね105のばね力が閉弁方向に作用することにな
る。さらに主弁体102には通路41をパイロット室1
04に通じさせるオリフィス106が設けられている。
【0033】パイロット弁103は、前記パイロット室
104と補助オイルパン48との間に介設されるもので
あり、パイロット室104およびオイルパン48間を遮
断する方向にばね107で付勢されている。また電磁駆
動部200は、ソレノイド202と、該ソレノイド20
2により駆動される可動コア203とを備え、可動コア
203は、前記ばね107よりもばね荷重の小さなばね
204でパイロット弁103の上端に同軸に当接する方
向に付勢される。而してソレノイド202が励磁されて
いるときには可動コア203は前記ばね107のばね力
に抗してパイロット弁103を下降方向に押圧してパイ
ロット弁103を閉弁位置とし、ソレノイド202が消
磁されるとパイロット弁103はばね107のばね力に
より可動コア203を押しながら上昇方向に移動して開
弁する。
【0034】このようなスピル弁45において、電磁駆
動部200のソレノイド202が消磁されると、パイロ
ット弁103が開弁し、パイロット室104の作動油が
補助オイルパン48に導出される。したがって主弁体1
02の両面に作用する油圧のバランスがくずれ、その前
面に作用している通路41の油圧による開弁力が、パイ
ロット室104の油圧およびばね105による閉弁力に
打勝ってスピル弁45が開弁作動する。
【0035】ソレノイド202の励磁によるパイロット
弁103の閉弁時には、オリフィス106を介してパイ
ロット室104に通路41の油圧が作用し、主弁体10
2が閉弁方向に作動し、スピル弁45が閉弁状態とな
る。
【0036】ソレノイド202はECU2に電気的に接
続されており、ECU2からの制御信号によって消磁/
励磁が制御される。
【0037】図2にもどり、アキュムレータ46は、ア
キュム回路41a内の油圧を所定の圧力に維持すべく、
アキュム回路41aの途中に設けられ、ブロック32に
穿設されたシリンダ孔461と、空気孔462を有する
キャップ463と、シリンダ孔461に摺動自在に嵌合
されたピストン464と、キャップ463とピストン4
64との間に縮設されたばね465とから成る。
【0038】以上のように構成される油圧駆動機構30
及び油圧解放機構31の作用について以下に説明する。
【0039】ECU2からの制御信号によってスピル弁
45のソレノイド202が励磁されているときには、ス
ピル弁45は閉弁状態となり、油圧駆動機構30の油圧
発生室39、油路40及び作動油圧室38内の油圧が所
定値以上の高圧に保持され、カム27のプロフィールに
応じて吸気弁22の開閉駆動が行われる。従ってこの場
合の弁作動特性(クランク角と弁リフト量との関係)
は、図6に実線で示すようになる。
【0040】一方、吸気弁22の開弁時にECU2から
の制御信号によってがスピル弁45のソレノイド202
が消磁されると、スピル弁45は開弁状態となり、油圧
駆動機構30の油圧発生室39、油路40及び作動油圧
室38内の油圧が低下し、カム27のプロフィールに拘
らず、吸気弁22が閉弁作動を開始する。このとき、前
記作動油戻り量制限機構によって、吸気弁22の閉弁速
度が閉弁作動途中から緩められ、吸気弁22は弁座21
aに緩やかに着座する。この場合の弁作動特性は図6に
破線で示すようになる。即ち、同図においてクランク角
θOFFでソレノイド202を消磁すると、θOFFか
ら若干遅れて(θ=θST)吸気弁22が閉弁作動を開
始し、θ=θICにおいて閉弁完了状態となる。
【0041】以上のように、ECU2からの制御信号に
よってスピル弁45を開閉作動させ、その開弁時におい
て油圧駆動機構30の作用を無効とすることにより、吸
気弁22の閉弁開始タイミングを任意に設定することが
できる。その結果、各気筒の吸入空気量をECU2の制
御信号によって制御することが可能となる。
【0042】次に本実施例における吸気弁22の閉弁タ
イミング(ソレノイド202を消磁するタイミング)θ
OFFの制御について図7〜図9を参照して説明する。
【0043】図7はイグニッションスイッチ(図示せ
ず)がオンされたときに実行する初期値設定プログラム
のフローチャートである。
【0044】ステップS1では、バックアップRAMに
記憶されている空燃比補正変数の記憶値θO2RAMを
読み込み、次いで空燃比補正変数θO2の初期化を行う
(ステップS2)。
【0045】バックアップRAMはECU2に設けられ
ており、イグニッションスイッチがオフされたときで
も、その記憶内容を保持するようにバックアップされた
RAMである。後述する図8,9のプログラムにより空
燃比補正変数θO2が各気筒毎に算出され(例えば4気
筒の場合4つの値が算出される)、それぞれバックアッ
プRAMに記憶値θO2RAMとして格納されているの
で、上記ステップS2ではこれらの値を読み込んで、ス
テップS3で各気筒に対応する空燃比補正変数θO2の
初期値として設定しているのである。なお、バッテリが
一度はずされてからまた取り付けられた場合(又はバッ
テリ電圧が基準電圧以下に低下し、正常電圧に復帰した
場合)には、θO2RAM値は値0にリセットされるよ
うにしている。
【0046】次に、後述する図8,9のプログラムで使
用される反転フラグFINV及び演算スタートフラグF
STを値0にリセット(ステップS3)し、本プログラ
ムを終了する。なお、反転フラグFINV及び演算スタ
ートフラグFSTも各気筒に対応して設定される。
【0047】図8,9は閉弁タイミングθOFFを算出
するプログラムのフローチャートであり、本プログラム
はTDC信号の発生毎にこれと同期して実行される。従
って、本プログラム実行時にその制御対象となる気筒
は、例えば4気筒の場合、#1気筒→#3気筒→#4気
筒→#2気筒→#1気筒…というように周期的に変化す
る。
【0048】ステップS11では機関の運転条件、即ち
前述した各種センサによって検出された機関運転パラメ
ータ等(機関回転数NE,アクセル開度θACC,機関
温度TW,今回の制御対象となる気筒のO2センサ出力
VO2,作動油圧Poil,作動油温Toil,大気圧
PA,バッテリ電圧VB)を読込む。次に機関回転数N
E及びアクセル開度θACCに応じて設定されたθOF
Fマップから閉弁タイミングθOFFのマップ値θOF
FMAPを検索し(ステップS12)、反転フラグFI
NVが値0にリセットされているか否かを判別する。反
転フラグFINVは、ステップS23又はS28におい
て値1にセットされるフラグであり、これが値1(ステ
ップS13の答が否定(NO))のときには、直ちにス
テップS30(図9)に進み、O2センサ出力に基づく
空燃比補正変数θO2の算出は行わない。
【0049】ステップS13の答が肯定(YES)、即
ちFINV=0のときには、機関運転状態が、空燃比補
正変数θO2をO2センサ出力に応じて算出すべき領域
(以下「補正変数算出領域」という)にあるか否かを判
別する(ステップS14)。補正変数算出領域は、例え
ば機関温度が所定温度以上で、かつアクセル開度θAC
C及び機関回転数NEの変化量が大きい過渡状態ないこ
とを必須の条件として設定される。更にアクセル開度θ
ACC、機関回転数NE及び作動油温Toilが所定上
下限値の範囲内にあることを条件としてもよく、また他
の運転パラメータが所定上下限値の範囲内にあることを
追加してもよい。
【0050】ステップS14の答が否定(NO)、即ち
機関運転状態が補正変数算出領域にないときには、直ち
にステップS30に進み、補正変数θO2の算出は行わ
ない。ステップS14の答が肯定(YES)のときに
は、演算スタートフラグFSTが値0にリセットされて
いるか否かを判別する(ステップS15)。その答が否
定(NO)、即ちFST=1のときには、直ちにステッ
プS18(図9)に進み、肯定(YES)、即ちFST
=0のときには、演算開始後の時間を計測するタイマt
MODをスタートさせ(ステップS16)、演算スター
トフラグFSTを値1にセットしてステップS18に進
む。
【0051】ステップS18では、今回の制御対象とな
っている気筒の前回制御時(例えば、4気筒の場合は、
4TDC前の本プログラム実行時であり、以下単に「前
回」という)に当該気筒に吸入された混合気の空燃比が
理論空燃比(A/F=14.7)に対してリッチ側にあ
ったかリーン側にあったかを判別し、更に今回検出され
た空燃比がリッチ側にあるかリーン側にあるかを判別す
る(ステップS19,S24)。ステップS18及びS
19の答がともにリッチ側のときには、次式(1)によ
り空燃比補正変数の今回値θO2(n)を算出し(ステッ
プS21)、ステップS29へ進む。
【0052】 θO2(n)=θO2(n-1)−δ2×DOFF …(1) ここでθO2(n-1)は、前回算出された補正変数値、D
OFFは、所定単位量(例えばクランク角度換算で1度
程度の値に設定される)、δ2は実験的に決定される重
み定数(>0)である。
【0053】式(1)によれば、今回値θO2(n)は前
回値より小さな値に修正されるが、このことは最終的に
は閉弁タイミングθOFFを減少させることに相当し、
吸気弁の開弁期間、従って吸入空気量を増加させること
に相当する(即ち本実施例では、θOFF値が増加する
ほど図6においてθOFFが左方向へ移動し、開弁期間
が減少する)。即ち、検出空燃比がリッチ状態を継続す
るときには、補正変数θO2(n)は減少方向に修正さ
れ、吸入空気量は増加する。
【0054】ステップS18の答がリッチ側でステップ
S19の答がリーン側のときには、前記タイマtMOD
の計測値が所定時間tMOD0より大きいか否かを判別
する(ステップS20)。その答が否定(NO)、即ち
tMOD≦tMOD0のときには前記ステップS21に
進み、肯定(YES)、即ちtMOD>tMOD0のと
きには、次式(2)によりθO2(n)値を算出し(ステ
ップS22)、反転フラグFINVを値1にセットして
(ステップS23)ステップS29へ進む。
【0055】 θO2(n)=θO2(n-1)−δ1×DOFF …(2) ここでδ1は実験的に決定される重み定数(>0)、又
は機関回転数NEの関数として設定される定数(>0)
である。
【0056】ステップS22により、前記ステップS2
1と同様に、θO2(n)値は減少方向に修正され、ステ
ップS23により反転フラグFINVがセットされるの
で、以後は補正変数θO2の修正は行われない。従っ
て、検出空燃比がリッチ側からリーン側に変化し、かつ
タイマtMODをスタートしてから所定時間tMOD0
経過した後は、式(2)によるθO2(n)値の修正を行
い、以後修正は行わない。
【0057】ステップS18及びS24の答がともにリ
ーン側のときには、次式(3)によりθO2(n)値を算
出し、ステップS29に進む。
【0058】 θO2(n)=θO2(n-1)+δ3×DOFF …(3) ここでδ3は実験的に決定される重み定数(>0)であ
る。
【0059】式(3)により、θO2(n)値は増加方向
に修正される。即ち、検出空燃比がリーン状態を継続す
るときには、補正変数θO2(n)は増加方向に修正さ
れ、吸入空気量は減少する。
【0060】ステップS18の答がリーン側でステップ
S24の答がリッチ側のときには、前記タイマtMOD
の計測値が所定時間tMOD0より大きいか否かを判別
する(ステップS25)。その答が否定(NO)、即ち
tMOD≦tMOD0のときには前記ステップS26に
進み、肯定(YES)、即ちtMOD>tMOD0のと
きには、次式(4)によりθO2(n)値を算出し(ステ
ップS27)、反転フラグFINVを値1にセットして
(ステップS28)ステップS29へ進む。
【0061】 θO2(n)=θO2(n-1)+δ4×DOFF …(4) ここでδ4は実験的に決定される重み定数(>0)、又
は機関回転数NEの関数として設定される定数(>0)
である。
【0062】ステップS27により、前記ステップS2
6と同様に、θO2(n)値は増加方向に修正され、ステ
ップS28により反転フラグFINVがセットされるの
で、以後は補正変数θO2の修正は行われない。従っ
て、検出空燃比がリーン側からリッチ側に変化し、かつ
タイマtMODをスタートしてから所定時間tMOD0
経過した後は、式(4)によるθO2(n)値の修正を行
い、以後修正は行わない。
【0063】ステップS29では、上述のようにして算
出したθO2(n)値を記憶値θO2RAMとして、バッ
クアップRAMに格納し、ステップS30では全気筒共
通の補正変数θALLを算出する。この共通補正変数θ
ALLは、例えば作動油温Toil、大気圧Pa、吸気
温Ta、機関温度Tw、バッテリ電圧VB等に応じて決
定される。続く、ステップS31では次式(5)により
閉弁タイミングθOFFを算出し、これを出力して(ス
テップS32)、本プログラムを終了する。
【0064】 θOFF=θOFFMAP+θO2RAM+θALL …(5) 式(5)により、閉弁タイミングのマップ値(基準値)
θOFFMAPが空燃比補正変数の記憶値θO2RAM
及び共通補正変数θALLによって補正される。
【0065】本実施例によれば、機関運転状態が標準的
かつ安定した状態(補正変数算出領域)において、各気
筒に対応した空燃比補正変数θO2が、各気筒の検出空
燃比が理論空燃比に一致するように修正され、修正完了
後はその補正変数値(θO2RAM)を保持して閉弁タ
イミングθOFFが補正されるので、各気筒の吸気弁開
弁期間が適切に記憶され、複数気筒のそれぞれにおいて
所望の空燃比を得ることができる。
【0066】また、修正完了後のθO2値、即ちθO2
RAM値は、機関運転終了後も記憶され、運転再開時に
θO2(n)値の初期値として使用されるので、運転再開
時において迅速に所望の空燃比を得ることができる。
【0067】図10〜12は本発明の第2の実施例に係
る閉弁タイミングθOFF算出プログラムのフローチャ
ートである。
【0068】図10は、図7のプログラムと同様にイグ
ニッションスイッチがオンされたときに実行する初期値
設定プログラムである。
【0069】ステップS41では、バックアップRAM
に記憶されている空燃比補正変数の記憶値θO2RAM
を読み込み、次いで空燃比補正変数θO2及び修正変数
Dの初期化を行い(ステップS42)、本プログラムを
終了する。ここで、補正変数θO2の初期化は第1の実
施例と同様に行う。また、修正値Dは図11,12のプ
ログラムで補正変数θO2を修正するためのパラメータ
であり、検出空燃比に基づいて各気筒毎に算出されるも
のである。修正変数Dの初期化は、これを値0に設定す
ることによって行われる。
【0070】図11,12は、第1の実施例の図8、9
に対応する閉弁タイミングθOFF算出プログラムのフ
ローチャートであり、TDC信号の発生毎にこれと同期
して実行される。
【0071】ステップS51,S52,S53は、それ
ぞれ図8のステップS11,S12,S13に対応し、
これらのステップと同様の処理又は判別を行う。ステッ
プS53の答が否定(NO)、即ち機関運転状態が補正
変数算出領域にないときには、修正変数の今回値D(n)
を値0に設定し(ステップS54)、補正変数θO2の
算出を行うことなく直ちにステップS69(図12)に
進む。
【0072】またステップS55,S56,S60はそ
れぞれ図9のステップS18,S19,S24に対応
し、これらのステップと同様の判別を行う。ステップS
55の答がリッチ側でステップS56の答がリーン側の
とき、又はステップS55の答がリーン側でステップS
60の答がリッチ側のときには、修正変数の今回値D
(n)を値0とし、補正変数の今回値θO2(n)を前回値保
持として(ステップS65)、ステップS68に進む。
【0073】ステップS55及びS56の答がともにリ
ッチ側のときには、増減係数ηを−1に設定する(ステ
ップS57)とともに、次式(6)により修正変数の今
回値D(n)を算出し(ステップS58)、ステップS5
9に進む。
【0074】 D(n)=D(n-1)+Doff2 …(6) ここでD(n-1)は、前回算出された修正変数値、Doff2
は、所定微少単位量(例えばクランク角度換算で0.0
1〜0.02度程度に設定される)である。
【0075】ステップS59ではD(n)値が所定基準値
Drefを越えたか否かを判別し、その答が肯定(YE
S)のときにはステップS66(図12)に進み、否定
(NO)のときには前記ステップS65(図12)に進
む。
【0076】一方、ステップS55及びS60の答がと
もにリーン側のときには、増減係数ηを+1に設定する
(ステップS62)とともに、修正変数の今回値D(n)
を次式(7)により算出し(ステップS63)、ステッ
プS64に進む。
【0077】 D(n)=D(n-1)+Doff1 …(7) ここでDoff1は、前記Doff2と同様の所定微少単位量
である。
【0078】ステップS64では、ステップS59と同
様の判別を行い、その答が肯定(YES)のときにはス
テップS66に進み、否定(NO)のときには前記ステ
ップS65に進む。
【0079】図12のステップS66では、次式(8)
により補正変数の今回値θO2(n)を算出し、次いで修
正変数D(n)を値0にリセットして(ステップS6
7)、ステップS68に進む。
【0080】 θO2(n)=θO2(n-1)+η×Dref …(8) 上述したステップS55〜S66によれば、検出空燃比
がリーン側からリッチ側へ、又はその逆に変化したとき
には、補正変数は前回値が保持される。また、リッチ状
態が継続するときには、修正変数D(n)が所定微少単位
量Doff2ずつ増加し、所定基準値Drefに達する毎に、
補正変数θO2(n)はDref値だけ減少方向に修正される
一方、リーン状態が継続するときには、修正変数D(n)
が所定微少単位量Doff1ずつ増加し、所定基準値Dref
に達する毎に、θO2(n)値がDref値だけ増加方向に修
正される。なお、所定微少単位量Doff1とDoff2は、
2センサの応答特性がリッチ側からリーン側への移行
時と、その逆の移行時とで異なることを考慮して異なる
値に設定されている。
【0081】図13は、本実施例の制御手法を説明する
ための図であり、同図(a)は、初期状態において閉弁
タイミングθOFF=θFF0であって、検出空燃比が
リッチ側にある場合のθOFF値の推移を示している。
同図(b)は、TDC信号パルスを示すが、制御対象と
なっている気筒の上死点に対応するもの(例えば4気筒
の場合は、TDC信号の4倍の周期のパルス)のみ示し
ている。
【0082】図13の例では、時刻t4まで検出空燃比
がリッチ状態を継続するので(同図(c))、その間増
減係数ηは−1に設定され(同図(d))、θOFF値
は修正変数D(n)が所定基準値Drefに達する毎に、Dre
f値だけ減少方向に補正される(同図(a),
(e))。
【0083】時刻t4以後は、短時間で検出空燃比が変
化する(時刻t5,t6,t7)ため、D(n)値がDref
値に達せず、補正変数θO2(n)が前回値に保持され、
θOFF値は変化しない。即ち、時刻t3以後は補正変
数θO2(n)の修正が完了した状態となり、θO2RA
M=θO2(n)=θOFF1−θOFF0(同図
(a))参照)が継続して、前記式(5)に適用され
る。
【0084】本実施例によれば、θO2(n)値が一度更
新されると、D(n)値は同一値に保持されるので、閉弁
タイミングθOFFの変更が検出空燃比の変化として表
われるまでの遅れを吸収し、燃焼のサイクル変動に追従
してθOFF値が変動することを防止することができ
る。
【0085】また、空燃比A/F=14.7付近から制
御(θO2値の修正)を開始した場合は、検出空燃比が
比較的短時間のうちにリーン側からリッチ側へ又はその
逆に変化するので、D(n)値がDref値に達せず、過補正
を防止することができる。
【0086】なお、所定微少単位量Doff1及びDoff2
は機関負荷に応じて変更するようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の制御装置に
よれば、機関回転数、機関負荷、機関温度及び各気筒の
空燃比が検出され、機関が機関回転数、機関負荷及び機
関温度によって決定される所定運転状態にあるとき、各
気筒毎の空燃比が所望の空燃比となるように吸気弁の開
弁期間が補正されるので、各気筒の吸気弁の実際の開弁
タイミングのばらつきに起因する各気筒毎の空燃比の差
を適切に補正し、機関の運転性や排気ガス特性の改善を
図ることができる。
【0088】また、吸気弁開弁期間の補正量は、その修
正値が所定値に達するまでの間若しくは検出空燃比と所
望の空燃比との大小関係の今回の判別結果が、前回の判
別結果と異なるときには、前回値に保持されるので、燃
焼のサイクル変動に追従して吸気弁開弁期間が変動する
ことを防止することができる。また、所望の空燃比付近
から制御を開始した場合の過補正を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る内燃機関及びその制御
装置の全体構成図を示す構成図である。
【図2】油圧駆動弁ユニットの断面図である。
【図3】図2の一部を拡大して示す拡大図である。
【図4】弁側ピストンの斜視図である。
【図5】スピル弁の断面図である。
【図6】吸気弁の作動特性(リフトカーブ)を示す図で
ある。
【図7】吸気弁閉弁タイミング制御における初期値設定
を行うプログラム(第1実施例)のフローチャートであ
る。
【図8】吸気弁閉弁タイミング制御を行うプログラム
(第1実施例)のフローチャートである。
【図9】吸気弁閉弁タイミング制御を行うプログラム
(第1実施例)のフローチャートである。
【図10】吸気弁閉弁タイミング制御における初期値設
定を行うプログラム(第2実施例)のフローチャートで
ある。
【図11】吸気弁閉弁タイミング制御を行うプログラム
(第2実施例)のフローチャートである。
【図12】吸気弁閉弁タイミング制御を行うプログラム
(第2実施例)のフローチャートである。
【図13】図11,12のプログラムによる制御を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 電子コントロールユニット(ECU) 4 TACセンサ 6 機関冷却水温センサ 8 酸素濃度センサ 12 アクセル開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 圭 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 大田 信行 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 林 俊雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 窪寺 雅雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧を介して吸気弁を開閉駆動し、前記
    油圧の状態を制御することにより吸気弁の開弁期間を変
    更し、該吸気弁開弁期間の変更により気筒毎の吸入空気
    量を制御する吸入空気量制御手段を有する多気筒内燃機
    関の制御装置において、少なくとも機関回転数、機関負
    荷及び機関温度を含む機関運転状態を検出する運転状態
    検出手段と、各気筒毎に独立に設けられた排気濃度セン
    サを含み、気筒毎の空燃比を検出する空燃比検出手段
    と、前記検出された気筒毎の空燃比を所望の空燃比と比
    較して空燃比状態を判別する空燃比状態判別手段と、前
    記検出された機関温度が所定の温度以上でかつ機関回転
    数及び機関負荷により求められる機関運転状態が少なく
    とも過渡状態を除く所定の運転状態であると判定された
    ときに、前記空燃比状態判別手段により判別された空燃
    比状態に基づいて、各気筒の空燃比が所望の空燃比とな
    るように、前記吸入空気量制御手段の制御量を補正する
    空燃比補正手段とを設けたことを特徴とする多気筒内燃
    機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御量の補正量を各気筒毎に記憶す
    る記憶手段を設け、前記空燃比補正手段は、前記検出さ
    れた機関運転状態が前記所定の運転状態以外であるとき
    には、前記記憶された補正量に基づいて前記吸入空気量
    制御手段の制御量を補正することを特徴とする請求項1
    記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記空燃比状態判別手段は、検出された
    気筒毎の空燃比と所望の空燃比との大小関係を判別する
    ことを特徴とする請求項1記載の多気筒内燃機関の制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記空燃比補正手段は、前記空燃比状態
    判別手段により判別された今回の判別結果と前回の判別
    結果とに基づいて補正量を決定することを特徴とする請
    求項3記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記空燃比補正手段は、前記空燃比状態
    判別手段により判別された今回の判別結果が前回の判別
    結果と異なるまで、前記補正量の決定方法を変更しない
    ことを特徴とする請求項3記載の多気筒内燃機関の制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記空燃比補正手段は、前記空燃比状態
    判別手段により判別された今回の判別結果が前回の判別
    結果と異なるまで、前記補正量の修正値が所定値に達す
    る毎に前記補正量を更新することを特徴とする請求項3
    記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記空燃比補正手段は、前記空燃比状態
    判別手段により判別された今回の判別結果が前回の判別
    結果と異なるとき若しくは前記補正量の修正値が所定値
    に達するまでの間は、前回の補正量を保持することを特
    徴とする請求項3記載の多気筒内燃機関の制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0769613A1 (en) * 1995-10-18 1997-04-23 FIAT AUTO S.p.A. A system for controlling the fuel/air supply of a reciprocating internal combustion engine
JP2007113515A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Nissan Motor Co Ltd エンジンの気筒別空燃比分配推定装置
JP2009138747A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Crf Soc Consortile Per Azioni 独立したシリンダを備えた多シリンダ内燃エンジン

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