JPH0586659A - 建築用内装パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、繊維の飛散を防止して作
業性を高め、断熱及び遮音の効果が高い建築用内装パネ
ルを提供することである。 【構成】 この発明は、剛性のパネル本体（１）の下面
に無機繊維材（２）を配し、無機繊維材（２）を通気性
を有するカバー材（３）で覆うとともにカバー材（３）
をパネル本体（１）に取付けることにより無機繊維材
（２）をパネル本体（１）下面に保持したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、建築物の床，壁，天
井等に使用される建築用内装パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】遮音性能や断熱性能を向上させるため、
床材や壁材あるいは天井材等の内装材の裏面にグラスウ
ールやロックウール等の無機繊維材を充填することが広
く知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の如く内装材の裏
側に無機繊維材を充填する場合、施工時に繊維が飛散す
るために作業性が悪くなるという欠点があった。また、
充填する無機繊維材の飛散を防止するために紙袋やビニ
ール袋に無機繊維材を入れたものを内装材の裏側に充填
することも試みられたが、遮音性能、特に吸音性能が悪
くなってしまった。

【０００４】そこで、この発明は、繊維の飛散を防止し
て作業性を高め、断熱及び遮音の効果が高い建築用内装
パネルを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、剛性のパネル本体の下面に無機繊維材
を配し、無機繊維材を通気性を有するカバー材で覆うと
ともにカバー材をパネル本体に取付けることにより無機
繊維材をパネル本体下面に保持したものである。

【０００６】

【作用】この発明では無機繊維材がカバー材で覆われて
いるので、繊維の飛散が防止され、しかもカバー材は通
気性を有しているので、遮音性能の低下もない。カバー
材でパネル本体下面に無機繊維材が保持されたものを現
場で施工するので作業も容易である。

【０００７】

【実施例】以下にこの発明の好適な実施例を図面を参照
にして説明する。

【０００８】図１に示す実施例は、剛性のパネル本体１
の下面にロックウール，グラスウール等の無機繊維材２
を配し、この無機繊維材２をカバー材３で保持したもの
である。この実施例のカバー材３は無機繊維材２の繊維
の飛散を防止し得る程度の網目の大きさを有するネット
であり、通気性を有する。カバー材３で無機繊維材２を
覆い、カバー材３の外周縁をパネル本体１の下面外周縁
に接着することで無機繊維材２をパネル本体１の下面に
保持している。

【０００９】パネル本体１としては、合板，パーティク
ルボード，インシュレーションボード，ハードボード，
中比重ボード，制振材サンドイッチボード等が使用さ
れ、無機繊維材２としては、６４Kg／m³以下のグラスウ
ールやロックウール等の使用が好適である。また、カバ
ー材３としては、不織布，ポリエステルやアクリル系の
もの、レーヨン，ナイロン，プリオックス，綿，ガラス
系のもの等の材料を用いることができ、実施例では４０
ｇ／m²のポリエステル製ネットを用いた。

【００１０】図２に示す実施例では、板厚１５mmのパー
ティクルボードから成るパネル本体１の下面に２４Kg／
m³の厚さ５０mmのグラスウールを２５mmに圧縮した無機
繊維材２を配し、この無機繊維材２を４０ｇ／m²のポリ
エステル製ネットから成るカバー材３で覆った。このカ
バー材３の外周縁はパネル本体１の側面に接着した。な
お、カバー材３の外周縁をパネル本体１の上面に接着す
ることもできる。

【００１１】図３に示す実施例は、図１に示すようなも
のを床に応用した例を示すものであり、厚さ１５mmのパ
ーティクルボードから成るパネル本体１に雌ねじ付きの
支持板４を取付け、この支持板４にボルト５をねじ込
み、このボルト５に弾性体６を設けてある。このボルト
５の支持板４へのねじ込み具合により床の高さを調節す
る。弾性体６は床スラブ７に接地する。パネル本体１の
上面には５．５mmの厚さを持った捨張合板８を設け、こ
の捨張合板８の上に仕上材９を設けたものである。この
仕上材９の下面あるいは捨張合板８の下面に制振材や吸
音防振シートを設けることもできる。

【００１２】図４に示す床の構造は、仕上材９の下面に
は制振材１０を設け、捨張合板８の下面には厚み８mmの
アスファルト系の高比重シート１１を設けたものであ
る。高比重シート１１としては、アスファルト系の他に
ゴム系，オレフィン系，塩化ビニル系等の高分子材料の
他に鉛や鋼板を用いることもできる。ここで用いたパネ
ル本体１は厚さ１５mmのパーティクルボードであり、捨
張合板８は厚さ５．５mm、仕上材９は木質系のもので厚
さ１２mmのものを用いた。

【００１３】図５に示す床構造は、在来の木造床にこの
建築用内装パネルを設けて床下地を構成した例を示し、
大引１２に支えられた根太１３の上部にパネル本体１を
設けたものを示し、これらの根太１３の間に無機繊維材
２がカバー材３で保持されて配置されている。この実施
例においても、図３や図４に示すようにパネル本体１の
上に捨張合板８や仕上材９が設けられる。

【００１４】図６はこの発明を壁に応用した例を示し、
コンクリート等の躯体壁１４に設けられた胴縁１５にパ
ネル本体１を設けたものである。

【００１５】図７は天井にこの発明を応用した例を示
し、床スラブ７の下方に設けた天井野縁１６にパネル本
体１を設けたものである。図８もこの発明を天井に応用
した例を示し、無機繊維材２を室内側に向けて配した例
を示すものである。この図８に示す実施例では、床スラ
ブ７から放射した音を吸音することは難しいが、室内の
音響特性の改善に対しては極めて有効となる。室内側に
無機繊維材２があるため室内の吸音力が増大し、音の拡
散（残響音）を少なくでき、人の話声が聞取りやすくな
り、音が明瞭に聞こえる。

【００１６】図９及び図１０に示す例は、無機繊維材２
をカバー材３でパネル本体１の下面に取付けるとき、カ
バー材３で無機繊維材２を圧縮し、無機繊維材２の初期
の厚さＴよりも取付け時には無機繊維材２の厚さｔが小
さくなるようにした例を示すものである。

【００１７】図１１に示す例は、無機繊維材２に孔２Ａ
を形成し、金具等をパネル本体１に取付けやすくした例
を示す。図１２も同様に孔２Ａを形成したものであり、
無機繊維材２のコーナー部をカットした例を示すもので
ある。なお、無機繊維材２はパネル本体１の下面の略全
域にわたって設ける必要はなく、部分的に設けても差支
えない。

【００１８】図１３に示すグラフは、床衝撃音遮断性能
を示し、ＪＩＳ−Ａ−１４１に基づいた実験結果であ
り、衝撃源はタッピングマシーンを使用し、床スラブの
厚みを１５０mmとしたものである。グラフ中符号Ｉは図
３に示す実施例においてパネル本体１の下面にある無機
繊維材２及びカバー材３がないものを示し、図３に示す
実施例は符号IIで示し、図４に示す実施例は符号III で
示した。このグラフからも明らかなように無機繊維材２
をカバー材３でパネル本体１の下面に保持したものでは
床衝撃音遮断性能が優れることが明らかである。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、無機繊維材はカバー材で覆われているので、繊維の
飛散が防止される。また、カバー材は通気性を有するの
で、遮音性能の低下を招くおそれもない。さらに、パネ
ル本体の下面にカバー材で無機繊維材が保持されたもの
を現場で施工することができるので、作業性も著しく向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の好適な実施例を示す断面図。

【図２】カバー材の取付け個所を変えた実施例を示す断
面図。

【図３】床にこの発明を応用した例を示す断面図。

【図４】図３と同様に床に応用した例を示す断面図。

【図５】大引・根太上にこの発明を応用した例を示す断
面図。

【図６】壁にこの発明を応用した例を示す断面図。

【図７】天井にこの発明を応用した例を示す断面図。

【図８】図７と同様に天井の例を示し、無機繊維材を室
内側に向けた例を示す断面図。

【図９】無機繊維材をパネル本体に取付ける前の断面
図。

【図１０】図９に示す厚さの無機繊維材を圧縮してパネ
ル本体にカバー材で取付けた状態の断面図。

【図１１】パネル本体に無機繊維材を取付けた斜視図。

【図１２】図１１と同様の斜視図であり、無機繊維材の
コーナー部がカットされた形状のものを示す。

【図１３】床衝撃音遮断性能の実験結果を示すグラフ。

【符号の説明】

１ パネル本体 ２ 無機繊維材 ３ カバー材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 剛性のパネル本体の下面に無機繊維材を
   配し、 無機繊維材を通気性を有するカバー材で覆うとともにカ
   バー材をパネル本体に取付けることにより無機繊維材を
   パネル本体下面に保持したことを特徴とする建築用内装
   パネル。