JPH0582367U - 酒瓶用スタンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酒瓶の飾り置き用スタンドとして視覚的に新
規なスタンドを提供すること。 【構成】 板状体２の少なくとも一か所の直線的な辺３
の端面を板厚方向に傾斜した面４に形成し、この傾斜面
４と平行な内周面を有する孔５を板状体の一方の面から
他方の面に貫通させて設けた酒瓶用スタンド１であり、
貫通孔５を設ける位置を特定の条件に合致させることに
より、酒瓶６の頸部７を貫通孔５に挿入した状態で板状
体２を水平面上に立てたとき、酒瓶６を水平に支持した
姿勢で板状体２が自立し、特異な形態のスタンド１とな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は酒瓶を卓上等に飾り置きするためのスタンドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

酒類販売店や飲食店等においては、酒瓶の保管と展示を兼ねて、各種の戸棚や ラックなどに酒瓶を載置している。また、たとえば飾りの付いた容器に酒瓶を入 れたり、飾り支持枠に酒瓶を支持したり等して、店内の装飾性を高め、客の購買 心をそそるための工夫を凝らしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで酒瓶は、重い、転がりやすい、割れやすい、内容物は液体である等の 点から、酒瓶をカウンターの上等に飾り置きする場合は、酒瓶を安定して支持し 載置できることが最優先で考えられてきた。そのため、飾り置き用の容器や支持 枠類は、それ自体が安定した形状や構造を有し、視覚的にも安定感のあるものが 用いられてきた。

【０００４】 したがって、従来においては、酒瓶の飾り置き用スタンドとしては、酒瓶を横 に寝せた状態で載置するか、あるいは、斜めに立て掛けるかたちのものが一般的 であった。

【０００５】 本考案の目的は、酒瓶の飾り置き用スタンドに対する従来の考え方にとらわれ ることなく、視覚的に新規な飾り置き用スタンドを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の酒瓶用スタンドは、板状体の少なくとも一か所の直線的な辺の端面を 板厚方向に傾斜した面に形成し、同傾斜面と平行な内周面を有する孔を板状体の 一方の面から他方の面に貫通させて設けたものであって、同貫通孔を設ける位置 を、前記板状体の傾斜面を底面として板状体を水平面上に斜めに立てた状態で一 方の面側から前記貫通孔に酒瓶の頸部を挿入したときに板状体の基底まわりのモ ーメントが釣り合う条件となる位置としたものである。

【０００７】 この場合のモーメントの釣合い条件は、板状体及び酒瓶の各部の寸法と重量に よって異なるので、板状体と酒瓶の特定の組み合わせ毎に傾斜面の角度と貫通孔 の位置を定める。

【０００８】 板状体の材質はとくに限定されるものでははく、木質、金属、合成樹脂等を用 いることができ、また、板状体の形状は、傾斜面を形成する一か所の直線的な辺 以外は任意の形状とすることができる。

【０００９】

【作用】

本考案の酒瓶用スタンドは、斜めに立てた板状体の貫通孔に酒瓶の頸部を挿入 して酒瓶を横向きとした形態で使用する。酒瓶の頸部を板状体の貫通孔に挿入し た状態で板状体の傾斜面を底面としてカウンター面などの水平面上に立てると、 板状体の基底まわりのモーメントが釣り合っているので、板状体は倒れることな く自立する。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案実施例の酒瓶用スタンドの使用状態を示す斜視図であり、図２は 板状体の傾斜面と貫通孔に関する基本条件を説明するための図である。

【００１１】 スタンド１は、概略舟形にデザインした木製の板状体２の船尾にあたる部分を 直線状の辺３で形成し、この辺３の端面を傾斜角４５度の傾斜面４とし、船首寄 りの部分に傾斜面４と平行な内周面を有する貫通孔５を設けたものである。

【００１２】 この板状体２の傾斜面４の角度と貫通孔５の位置を特定の条件に合致させるこ とにより、酒瓶６の頸部７を貫通孔５に挿入した状態で板状体２を水平面上に立 てたとき、図１に示すように酒瓶６を水平に支持した姿勢で板状体２が自立し、 特異な形態のスタンド１となる。

【００１３】 このような板状体２の自立は、酒瓶６の頸部７を貫通孔５に挿入した状態で板 状体２を水平面上に立てた状態において、板状体２の基底ａまわりのモーメント が釣り合っているときに得られる。すなわち、板状体２の基底ａには、板状体２ 自体の重量による時計回り方向（正方向）のモーメントと、酒瓶６の重量が板状 体２の貫通孔５の内周面ｂで支持されていることによる時計回り方向（正方向） のモーメントと反時計回り方向（負方向）のモーメントとが作用する。これらの 正負両方向のモーメントが釣り合っていれば、板状体２は酒瓶６を支持した状態 で倒れることなく自立する。

【００１４】 板状体２の基底ａまわりのモーメントが釣り合うための傾斜面４の角度及び貫 通孔５の位置は、力学的な計算により求めることもできる。ただし、この種のス タンドは、飾り置物としての用途から、その形状等は工芸品的な要素が強くなっ て複雑な形状となることが考えられ、形状が複雑な場合は、傾斜面４の角度及び 貫通孔５の位置を力学的な計算により求めようとすると計算が極めて面倒になる ので、傾斜面４の角度を見栄えと安定感の点から４５度に決め、貫通孔５の位置 は試行錯誤的に実験により決めるようにする方が実用的である。

【００１５】 なお、本実施例においては、板状体２の一方の面に、コルクを嵌め込んだ載置 部８を形成している。この載置部８は、板状体２を横置きにして酒瓶を板状体２ の上に立てて使用するときに、この載置部８の部分に酒瓶を立てて使用するよう にしたものである。図１のような状態で支持していた酒瓶６も、飲用して内容物 が減ると前記したモーメントの釣合いが取れなくなり、板状体２は自立できなく なるので、内容物が減った酒瓶６は、横置きした板状体２の載置部８の部分に立 てるようにする。もちろん板状体２を横置きして使用する場合は、どのような酒 瓶とも組み合わせることができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば以下の効果を奏する。 酒瓶と組み合わせたときにはじめて自立するという特異な形態で酒瓶を支持す るので、視覚的に極めて斬新なスタンドが得られる。 実用的な用途はもちろん、板状体の材質、形状、色彩を凝らすことにより、観 賞用の工芸品とすることもできる。 スタンドとしての使用のほか、横置きの敷物として使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の酒瓶用スタンドの使用状態を示
す斜視図である。

【図２】板状体の傾斜面と貫通孔に関する基本条件を説
明するための図である。

【符号の説明】

１ スタンド ２ 板状体 ３ 直線状の辺 ４ 傾斜面 ５ 貫通孔 ６ 酒瓶 ７ 頸部 ８ 載置部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状体の少なくとも一か所の直線的な辺
   の端面を板厚方向に傾斜した面に形成し、同傾斜面と平
   行な内周面を有する孔を板状体の一方の面から他方の面
   に貫通させて設けたものであって、同貫通孔を設ける位
   置を、前記板状体の傾斜面を底面として板状体を水平面
   上に斜めに立てた状態で一方の面側から前記貫通孔に酒
   瓶の頸部を挿入したときに板状体の基底まわりのモーメ
   ントが釣り合う条件となる位置としたことを特徴とする
   酒瓶用スタンド。