JPH0582226U - 芝刈機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 煩わしい操作無く、簡単な操作で歩行操縦と
搭乗操縦とで操縦形態を変更できて、安全に作業を行え
る芝刈機を提供する。 【構成】 モーアを装着した走行機体における前後車輪
の中間部上方に搭乗運転部を設けるとともに、機体後端
部に機体後方側から歩行操縦するための歩行操縦部を設
け、機体走行用伝動系に、制動作用状態と制動解除状態
の夫々に位置保持自在な２位置切り換え式制動機構３７
を備え、前記搭乗運転部及び前記歩行操縦部の夫々に、
前記制動機構３７を切り換え操作自在な操作具３９，４
０を配備してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、芝刈機に関し、詳しくは、走行機体に搭乗した状態で操縦可能な状 態と歩行操縦が可能な状態のいずれの作業形態でも取ることができる芝刈機に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

上記芝刈機において、従来では、例えば作業中に走行機体から離れる際に、機 体を停止状態に維持させるための駐車ブレーキは、制動作用位置で解除操作可能 に位置保持できる操作具により制動状態に維持できるよう構成し、このような制 動操作具を搭乗操縦部と歩行操縦部との夫々に配設することが考えられた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したような構造は、機体に搭乗して操縦を行っている状態から不整地の凹 凸の多い作業場所に到り、搭乗操縦形態を続行すると、転倒のおそれがあり危険 であるから、このような場合には歩行操縦形態に変更することで安全に作業走行 することができるようにしたものである。 ところが、上記したような制動操作具を各操縦部に設ける構造のものでは、例 えば搭乗操縦形態から歩行操縦形態に変更する場合、機体が傾斜していると、先 ず搭乗操縦部の制動操作具を制動状態に設定した後に機体を降りて、歩行操縦部 の制動操作具を制動状態に設定し、更に、その後搭乗操縦部の制動操作具の制動 を解除し、歩行操縦態勢になった状態で歩行操縦部側の制動操作具を解除しなけ ればならず、操作が煩わしいものとなる欠点がある。 本考案は上記不具合点を解消することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴構成は、モーアを装着した走行機体における前後車輪の中間部上 方に搭乗運転部を設けるとともに、機体後端部に機体後方側から歩行操縦するた めの歩行操縦部を設け、機体走行用伝動系に、制動作用状態と制動解除状態の夫 々に位置保持自在な２位置切り換え式制動機構を備え、前記搭乗運転部及び前記 歩行操縦部の夫々に、前記制動機構を切り換え操作自在な操作具を配備してある 点にある。

【０００５】

【作用】

搭乗操縦形態と歩行操縦形態のいずれの操縦態勢も取ることができるので、平 坦な作業場所では走行機体に搭乗して機体操縦することで歩行負担の無い楽な状 態で作業でき、凹凸の多い不整地を走行する場合には歩行操縦により安全に作業 できる。そして、機体が傾斜した状態で操縦形態を変更するために機体を停止さ せる場合には、いずれかの操作具を制動作用位置に切り換えて制動機構を制動作 用状態に設定した、所望の操縦部における操縦態勢になった後、当該操縦部での 操作具を制動作用位置から制動解除位置に切り換え操作することで、制動が解除 されてそのまま機体走行が可能となる。このとき、制動機構は２位置切り換え式 に構成されるから、操作具の切り換え操作は２位置に切り換え操作するだけの簡 単な操作でよく、ロックを解除する等の制動状態解除専用の操作が不要で操作性 に優れたものになる。

【０００６】

【考案の効果】

従って、ゴルフ場や公園等の広い作業場所のように凹凸のある場所が存在する 芝地で作業する場合に、作業状況に応じて、作業性や安全性に優れた操縦形態を 選択することができるものでありながら、傾斜状態で操縦形態を変更する場合に おいて、機体の制動操作並びにその解除操作が煩わしさなく簡単な操作で行える ものとなり、作業能率の向上を図ることができるものとなった。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を図面に基いて説明する。 図６に芝刈機を示している。この芝刈機は、機体前後方向に亘って配設した機 体フレーム１の後部に縦向き出力軸２ａを有するエンジン２を搭載するとともに 、エンジン２の下方側に左右一対の駆動後輪３，３を配備し、機体フレーム１の 前端部下方側に左右一対のキャスター輪式の前輪４，４を配設して、前後車輪３ ，４の中間の機体下腹部にモーア５を上下位置調節自在に装着してある。又、エ ンジン２の前部側箇所において機体フレーム１から立設した支持部材６により搭 乗用運転座席７を支持して搭乗運転部Ａを設けてあり、この運転座席７の前方側 には運転部ステップ８のみ設けるようにして、運転座席着座状態における前方視 界を良好にするよう構成してある。又、機体フレーム１の後部から機体後方上方 に向けて歩行操縦用ハンドル９を延設して、機体後方側から歩行操縦を行える歩 行操縦部Ｂを構成してある。

【０００８】 前記エンジン２の出力軸２ａから伝動ベルト１０を介して左右静油圧式無段変 速装置Ｈ，Ｈに動力を伝えるよう構成するとともに、他の伝動ベルト１１から縦 向き中継軸１２を介してモーア５に動力を供給するよう伝動系を構成してある。 前記各後輪３，３は、左右各別に静油圧式無段変速装置Ｈ，Ｈにより駆動するよ う構成してあり、各無段変速装置Ｈ，Ｈは、搭乗運転部Ａ及び歩行操縦部Ｂの夫 々において走行操縦操作可能に構成してある。つまり、図５に示すように、各無 段変速装置Ｈ，Ｈの変速操作軸１３，１３に、一体回転自在に取付けた変速アー ム１４，１４と変速操作軸１３，１３に相対回動自在に外嵌した操作アーム１５ ，１５とをバネ１６，１６により追随操作可能に連係させ、前記各操作アーム１ ５，１５を搭乗運転部Ａにおける変速ペダル１７及び歩行操縦部Ｂに設けた変速 操作レバー１８のいづれでも操作できるよう連動連係してある。この操作アーム １５，１５は、変速ペダル１７あるいは変速操作レバー１８のいづれかの操作に より無段変速装置Ｈの中立位置から前進側への増速操作方向に回動するよう構成 し、その回動に伴って、バネ１６，１６を介して各変速アーム１４，１４が追随 回動して左右後輪３，３がほぼ同一速度で前進増速操作される。そして、各変速 アーム１４，１４は、前記操縦ハンドル９における握り操作部９ａに左右一対設 けた握り操作レバー１９，１９あるいは搭乗運転部Ａに配設した握り操作レバー ２０，２０のいずれかの握り操作により、無段変速装置Ｈの中立位置から減速側 に向かう方向に回動操作されるよう連係され、例えば、前記変速操作レバー１８ の操作により前進方向に直進走行している場合、片方の握り操作レバーを操作す ると、その操作された側の変速アーム１４がバネ力に抗して減速側に操作され、 旋回走行が可能となる。又、中立停止状態から各握り操作レバー１９，１９を大 きく握り操作すると、後進走行状態に操作されるよう構成してある。尚、変速操 作レバー１８は連係途中に皿バネによる摩擦保持部を介装して任意操作位置で位 置保持できるよう構成してある。歩行操縦用の前記握り操作レバー１９，１９は 連係リンク２１及び横軸芯周りで回動自在に支持された中継回動部材２２を介し て連係し、前記変速操作レバー１８も同様に連係リンク２３及び中継回動部材２ ４を介して連係してある。 又、モーア５に対する伝動系に介装したベルトテンションクラッチＣのクラッ チ入り切り用操作も同様に搭乗操縦部Ａに設けた操作レバー２５及び歩行操縦部 Ｂの操作レバー２６のいずれかの操作によっても行えるよう構成してある。つま り、図４に示すように、クラッチ用テンションアーム２７を機体フレーム１に縦 軸芯Ｙ周りで回動自在に枢支し、テンションアーム２７に縦軸芯周りで相対回動 自在に枢支した連係部材２８に操作ロッド２９をスライド自在に挿通させ、この 操作ロッド２９の前端側を横軸芯周りで回動自在に支持された中継回動部材３０ に枢支連結してある。この中継回動部材３０と、歩行操縦部Ｂ側の操作レバー２ ６とを、連係リンク３１と長孔融通３２を介して連動連係してある。前記操作ロ ッド２９を前方にスライドして圧縮バネ３３を介して前記連係部材２８を押し操 作してテンションアーム２７をクラッチ入り側に揺動させるよう構成し、操作ロ ッド２９の後端に枢支連結された連係リンク３４と、搭乗操縦部Ａにおいて運転 座席７の横側に横軸芯周りで回動自在に支持された操作レバー２５に一体的に連 設したアーム３５とを長孔融通３６を介して連動連係させてある。そして、アー ム３５と連係リンク３４とのピン枢支部がデッドポイントを乗り越えて保持され ることでクラッチ入り位置に維持されるよう構成してある。このように各操作系 に長孔融通３２，３６を設けることで、いずれかの操作レバー２５，２６を操作 しても他方の操作レバーが連動することがないよう構成してある。 そして、後輪３の駆動系に介装した制動機構３７を制動作用状態と制動解除状 態との夫々の２位置に位置保持自在な切換保持機構３８を設け、搭乗操縦部Ａに 配設した操作ペダル３９あるいは歩行操縦部Ｂに配設した操作ペダル４０のいづ れの操作によっても制動状態の切り換え操作が行えるよう構成してある。つまり 、図１〜図３に示すように、天秤操作アーム４１を横軸芯周りで回動自在に機体 フレーム１に支持させ、前記各操作ペダル３９，４０をリンク４２，４３を介し て天秤揺動アーム４１の両端に枢支連結してある。そして、天秤揺動アーム４１ と制動機構３７の操作軸４４に形成した揺動アーム４５とをピン長孔係合により 連動回動自在に設けるとともに、天秤揺動アーム４１をトッグルバネ４６により 、制動作用位置と制動解除位置との２位置において位置保持するよう切換保持機 構３８を構成してある。又、各操作ペダル３９，４０は天秤揺動操作自在に構成 し、搭乗操縦部側ペダル３９を前側に踏み込み操作するか、あるいは、歩行操縦 部側ペダル４０を後側に踏み込み操作すると、前側リンク４２が引き操作され、 又は、後側リンク４３が押し操作されて天秤揺動アーム４１が制動作用位置に操 作される。そして、いづれかの操作ペダル３９，４０を反対側に操作すると、制 動解除位置に切り換え操作されるよう構成してある。このようにして、いづれの 操作部Ａ，Ｂにおいても制動機構３７の入り切り操作が行えるものとなる。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】制動用連係機構の側面図

【図２】制動用連係機構の側面図

【図３】制動用連係機構の切欠正面図

【図４】モーアクラッチの操作系を示す側面図

【図５】機体走行駆動系を示す平面図

【図６】芝刈機の全体側面図

【符号の説明】

３ 後輪 ４ 前輪 ５ モーア ３７ 制動機構 ３９，４０ 操作具 Ａ 搭乗操縦部 Ｂ 歩行操縦部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モーア（５）を装着した走行機体におけ
   る前後車輪（３），（４）の中間部上方に搭乗運転部
   （Ａ）を設けるとともに、機体後端部に機体後方側から
   歩行操縦するための歩行操縦部（Ｂ）を設け、機体走行
   用伝動系に、制動作用状態と制動解除状態の夫々に位置
   保持自在な２位置切り換え式制動機構（３７）を備え、
   前記搭乗運転部（Ａ）及び前記歩行操縦部（Ｂ）の夫々
   に、前記制動機構（３７）を切り換え操作自在な操作具
   （３９），（４０）を配備してある芝刈機。