JPH057840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はステレオオーデイオ信号の再生音場を
改善するためのサラウンドプロセツサ等のオーデ
イオ信号処理装置に関する。

背景技術 オーデイオ信号処理装置の従来例を第２図に示
す。本装置においては、入力される２チヤンネル
のオーデイオ信号のうちのRch（右チヤンネル）
のオーデイオ信号がRchの主オーデイオ信号とさ
れ、またLch（左チヤンネル）のオーデイオ信号
がLchの主オーデイオ信号とされる。一方、Rch
のオーデイオ信号からLchのオーデイオ信号が減
算器１によつて減算されて遅延回路２に供給され
る。遅延回路２はBBD等の遅延素子を用いて、
或いはデイジタル回路によつて形成される。遅延
回路２の出力信号、すなわちＲ−Ｌ信号がRch及
びLchの各副オーデイオ信号として出力される。

第３図はかかるオーデイオ信号処理装置を用い
た車載オーデイオシステムを示している。本シス
テムにおいて、オーデイオ信号処理装置６にはテ
ープデツキ、CDプレーヤ等の信号発生源７から
Rch及びLchの２チヤンネルのオーデイオ信号が
供給される。オーデイオ信号処理装置６から出力
されるRch及びLchの主オーデイオ信号はパワー
アンプ８によつて増幅されてスピーカ９，１０に
供給される。またRch及びLchの副オーデイオ信
号はパワーアンプ１１によつて増幅されてスピー
カ１２，１３に供給される。

第４図に示すように主オーデイオ信号再生用ス
ピーカ９，１０は自動車１５の左右のフロントド
ア１６，１７に設けられ、副オーデイオ信号再生
用スピーカ１２，１３はリアトレイ１８の左右に
設けられる。

かかるオーデイオシステムにおいては、前方か
らの主オーデイオ信号の再生音が原音場における
直接音として、また後方からの副オーデイオ信号
再生音が原音場における間接音として作用するの
で再生音に対し疑似的に広がり感、臨場感等の立
体的聴取効果が得られる。しかしながら、主オー
デイオ信号と副オーデイオ信号との間には音像を
変化させるような関連性がないので聴取開始から
しばらくの間は聴取効果が得られても次第に聴取
者自身の生理的な性質によ新鮮さを失うため聴取
効果が薄れてくる傾向にあり、やがて不自然さを
感じてしまうという欠点があつた。

考案の概要 そこで、本考案の目的は、永続的に立体的聴取
効果を感じせしめ得るオーデイオ信号処理装置を
提供することである。

本考案のオーデイオ信号処理装置は、遅延した
信号レベルを変化させる第１ないし第４可変利得
手段と、該第１ないし第４可変利得手段の各利得
を互いに無関係にランダムに変化させる利得制御
手段とを有し、入力ステレオオーデイオ信号の一
方のチヤンネルのオーデイオ信号と第１可変利得
手段の出力信号とを加算してそれを一方のチヤン
ネルの主オーデイオ信号とし、他方のチヤンネル
のオーデイオ信号と第２可変利得手段の出力信号
とを加算してそれを他方のチヤンネルの主オーデ
イオ信号とし、第３可変利得手段の出力信号を一
方のチヤンネルの副オーデイオ信号とし、第４可
変利得手段の出力信号を他方のチヤンネルの副オ
ーデイオ信号とすることを特徴としている。

実施例 以下、本考案の実施例を第１図を参照しつつ説
明する。

第１図に示した本考案の一実施例たるオーデイ
オ信号処理装置においては、入力２チヤンネルス
テレオオーデイオ信号のRchのオーデイオ信号か
らLchのオーデイオ信号が減算器２１によつて減
算されて遅延回路２２に供給される。遅延回路２
２の出力には第１ないし第４可変利得手段として
VCA（電圧制御増幅器）２３ないし２６が接続さ
れている。VCA２３ないし２６の各利得は利得
制御回路２７ないし３０によつて制御される。利
得制御回路２７はノイズ信号を発生する雑音発生
器３１と、雑音発生器３１の出力に接続されノイ
ズ信号の低減成分のみを通過させるLPF（ローパ
スフイルタ）３５と、LPF３５を通過したノイ
ズ信号を検波することにより直流電圧に変換する
検波回路３９とからなる。利得制御回路２８ない
し３０も利得制御回路２７と同様に雑音発生器３
２，３３又は３４，LPF３６，３７又は３８、
及び検波回路４０，４１又は４２から構成され
る。雑音発生器３１ないし３４から出力されるノ
イズ信号の帯域は例えば、15msec程度で良い。
VCA２３の出力信号は入力ステレオオーデイオ
信号のRchのオーデイオ信号と加算器４３によつ
て加算され、VCA２４の出力信号は入力ステレ
オオーデイオ信号のLchのオーデイオ信号と加算
器４４によつて加算される。加算器４３，４４及
びVCA２５，２６の各出力が本装置の出力とな
る。

かかる構成の本考案のオーデイオ信号処理装置
においては、入力ステレオオーデイオ信号のRch
のオーデイオ信号からLchのオーデイオ信号を減
算したＲ−Ｌ信号が減算器２１から出力され、そ
のＲ−Ｌ信号が遅延回路２２によつて遅延されて
VCA２３ないし２６に供給される。VCA２３な
いし２６は遅延回路２２の出力信号を各々増幅し
その各増幅利得は対応する利得制御回路２７ない
し３０の出力電圧に応じて変化する。雑音発生器
３１ないし３４は互いに無関係なノイズ信号を発
生するので検波回路３９ないし４２から出力され
る各直流電圧、すなわち利得制御回路２７ないし
３０の各出力電圧は互い無関係に変化する。よつ
て、VCA２３ないし２６から出力される信号レ
ベルは無相関である。VCA２３の出力信号と入
力ステレオオーデイオ信号のRchのオーデイオ信
号とは加算器４３において加算されてRchの主オ
ーデイオ信号として出力され、VCA２４の出力
信号と入力ステレオオーデイオ信号のLchのオー
デイオ信号とは加算器４４おいて加算されてLch
の主オーデイオ信号として出力される。また
VCA２５の出力信号がRchの副オーデイオ信号
として出力され、VCA２６の出力信号がLchの
副オーデイオ信号として出力される。

なお、出力オーデイオ信号に対して副オーデイ
オ信号は例えば、−12dB〜−16dBほどのレベル
差がある。またVCA２３ないし２６の利得変化
幅は基準値に対して例えば、±3dBの範囲である。

また、上記した本考案の実施例においては、混
合手段としてRchのオーデイオ信号からLchのオ
ーデイオ信号を減算する減算器が用いられている
が、これに限らず、例えば、Rchのオーデイオ信
号とLchのオーデイオ信号とを加算する加算器を
用いても良い。

更に、上記した本考案の実施例においては、単
一の遅延回路２２でＲ−Ｌ信号を遅延させている
が、VCAの数だけ、又はチヤンネル毎に遅延回
路を設けても良い。また、複数の雑音発生器を用
いて各VCAの制御電圧を得ているが、これに限
らず、例えば、複数の単信号発生器を用いても良
い。

考案の効果 以上の如く、本考案のオーデイオ信号処理装置
においては、遅延手段の出力信号レベルを第１な
いし第４可変利得手段によつて互いに無関係に変
化させ各チヤンネルの副オーデイオ信号を得ると
共にチヤンネル毎に異なる可変利得手段の出力信
号と入力オーデイオ信号とを加算して各チヤンネ
ルの主オーデイオ信号を得るのでこれらの主オー
デイオ信号及び副オーデイオ信号による再生音場
においては定位がランダムに変化するのである。
よつて、聴取者の聴感をたえず刺激するとにな
り、再生音に対する広がり感、臨場感等の立体的
聴取効果の減退を抑制して永続的に良好な立体的
聴取効果を与えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す回路図、第２図
は従来のオーデイオ信号処理装置を示す回路図、
第３図はオーデイオ信号処理装置を用いた車載オ
ーデイオシステムを示すブロツク図、第４図は第
３図のシステム中のスピーカの配置を示す図であ
る。 主要部分の符号の説明、１，２１……減算器、
２，２２……遅延回路、２７ないし３０……利得
制御回路、４３，４４……加算器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２チヤンネルのステレオオーデイオ信号を入力
   しチヤンネル毎に主オーデイオ信号と遅延処理を
   施した副オーデイオ信号とを得るオーデイオ信号
   処理装置であつて、前記ステレオオーデイオ信号
   の一方のチヤンネルのオーデイオ信号と他方のチ
   ヤンネルのオーデイオ信号とを混合する混合手段
   と、該混合手段の出力信号を遅延させる遅延手段
   と、該遅延手段の出力信号のレベルを変化させる
   第１ないし第４可変利得手段と、該第１ないし第
   ４可変利得手段の各利得を互いに無関係にランダ
   ムに変化させる利得制御手段と、前記一方のチヤ
   ンネルのオーデイオ信号と前記第１可変利得手段
   の出力信号とを加算する第１加算手段と、前記他
   方のチヤンネルのオーデイオ信号と前記第２可変
   利得手段の出力信号とを加算する第２加算手段と
   を含み、前記第１加算手段の出力信号を一方のチ
   ヤンネルの主オーデイオ信号とし、前記第２加算
   手段の出力信号を他方のチヤンネルの主オーデイ
   オ信号とし、前記第３可変利得手段の出力信号を
   一方のチヤンネルの副オーデイオ信号とし、前記
   第４可変利得手段の出力信号を他方のチヤンネル
   の副オーデイオ信号とすることを特徴とするオー
   デイオ信号処理装置。