JPH0576534A - 脳とコンピユーターの情報交換システム - Google Patents

脳とコンピユーターの情報交換システム

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JPH0576534A
JPH0576534A JP3273189A JP27318991A JPH0576534A JP H0576534 A JPH0576534 A JP H0576534A JP 3273189 A JP3273189 A JP 3273189A JP 27318991 A JP27318991 A JP 27318991A JP H0576534 A JPH0576534 A JP H0576534A
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computer
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JP3273189A
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Akihiro Fujimura
明宏 藤村
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  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特公平3ー6814号「多電極型脳表面イ
ンパルス測定装置」に記すLSIを脳表面に取り付ける
には、そのLSIの面積より大きく頭蓋骨を切開しなけ
ればならず、脳内にまで入れる事ができない欠点があ
る。本発明はそれらの欠点を解消しようとするものであ
る。 【構成】 大きさが血球以下で種々のセンサーや刺激
装置を備え、電磁波等の搬送波で体外のコンピューター
と情報交換をしたり、現在位置を特定する電気回路を設
けた多数のインターフェース用微粒子状端末素子と体外
のコンピューターとから成るシステムを構成し、微粒子
状端末素子を小さな傷口から脳内に入れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人間や動物の脳と体外の
コンピューターとの情報交換(連結)を図るための装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公平3ー6814号「多電極型脳表面
インパルス測定装置」は本発明と同様の目的を持ち、表
面に多数の微小入出力電極を設けたLSIを、人間や動
物の脳表面に接触させ、コンピューターとLSIをつな
ぎ、脳とコンピューターの情報交換をするものである
が、脳表面にLSIを取り付けるために、かなり大きな
手術をしなければならず、脳の皺の透き間や脳の内部に
まで、電極を接触させる事ができない欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術の欠点を解消
し、注射針その他で造った比較的小さな傷口から、脳の
深部や内部にまで送り込む事のできるコネクター(イン
ターフェース)としての端末素子と、体外のコンピュー
ターから成るシステムを得ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】脳内に入れる端末素子を
血球以下の大きさの多数の微粒子状にし、手足の血管に
注入し、脳にも届かせ、素子には脳細胞の発生するイン
パルスの電圧や化学物質を測定し、素子の現在位置情報
(アドレス)と共に電磁波搬送波に乗せ、体外のコンピ
ューターに送るための電気回路と、体外のコンピュータ
ーから電磁波搬送波に乗せて送られる指令信号に応答
し、任意の位置で、任意の電圧パルスや化学物質を発生
放出するための電気回路等を設け、それらの端末素子と
体外コンピューターのなす一体的なシステムにより、上
記の課題を解決する事を基本とする。
【0005】
【実施例】図1は本発明を実施した脳とコンピューター
の情報交換システムの一部横断面を含む平面図で、1は
人間の生きた脳の横断面。2はその周囲の骨や皮膚の横
断面。3は脳内の血管内の血液中に多数入っている直径
5μmの微粒子状端末素子。4はそれらの周囲を囲むロ
の字形の送受信器。5はその内部の右面に取り付けた電
磁石。6はその内部の左面に取り付けた送信アンテナ
で、右方の脳に、平行で、いずれの場所でもほぼ同じ強
さを示す(微小アンテナをマトリックス状に多数平べる
等して)、100GHz(千億ヘルツ、波長3mm)の
電波ビームを出す。7は内部の前面(紙面の上側)に取
り付けた送信アンテナで、6と同様、101GHzの電
波ビームを後方の脳に照射する送信アンテナ。8は図で
はその一部しか示さないが、送受信器4の内腔全体の上
をおおい、下方に向かう102GHzの電波ビームを出
す送信アンテナ。9、10、11は送受信器4内の下縁
の左後部、左前部、右前部に取り付けた送信アンテナ
で、相互間隔は20cm程度である。12は右後上部の
送信アンテナで、前三者を含む水平面上20cm程度の
高さにある。13、14、15、16は各々が送信アン
テナ9〜12に隣接する電波カメラ。17はコンピュー
ターである。
【0006】脳1の人はコンピューター17の前側に置
いた椅子にすわり、頭部を送受信器4内に入れている。
これらは厳重に外部からの電磁気を遮蔽した室内に置か
れる。人間の全血量は体重の約1/13で、体重65k
gの人なら約5lあり、その1立方ミリメートル中に直
径7.7μm、厚さ2μmの赤血球が500万(女子で
は450万)、直径6〜20μmの白血球が7千、2μ
mの血小板が数十万個程度含まれている。従って人血中
の総血球数は約28兆個である。
【0007】微粒子状端末素子3の直径は5μmで、小
白血球程度であり、総血球数の1/500(1万個/立
方ミリメートル)、総数500億個、総体積約4.3m
lを生理的食塩水その他に分散させ、手足から点滴静注
し、全身を循環する血液中にほぼ均等に混入、分散させ
る。脳の重量は約1300gで、比重は水と大差なく、
約1.3lの容積を持つ。
【0008】脳にも動脈と静脈のほか、両者を連ね、く
まなく分布している内径6〜20μmの毛細血管が豊富
に存在する。これらの血管内を流れる血液量を脳容積の
10%の130mlとすれば、血流による出入りや移動
があり、血管分布の大きい灰白質と、小さい白質等によ
る密度差もあるものの、常に脳内には総数13億(平均
密度1000個/立方ミリメートル、1000立方ミク
ロンに1個)の微粒子状端末素子3が存在する事にな
る。
【0009】図2は微粒子状端末素子3の拡大横断面図
である。18はマイクロエレクトロニクスの技法により
造られた、厚さ1μm以下のLSIを多数積み重ねる等
して成る電気回路。(この電気回路を5μM平方のシリ
コンチップから切り出すとすれば、500億個分は1.
25平方メートルになる。)19と20はそれぞれの右
面と左面が電気回路18に連なり、左面と右面は露出し
ているインパルス測定用電極。21、22は両電極の側
において、一面が電気回路に連なり、他の面は露出して
いるアセチルコリンセンサーとノルアドレナリンセンサ
ー。23は両者の間に取り付けた小鉄片。24は電極1
9のそばにあり、数種の固定化酵素膜を重ねたり、並べ
たりして、血液中の前駆物質からアセチルコリンを造り
出すためのアセチルコリン生成膜。25は電極20のそ
ばのノルアドレナリン生成膜。26、27は両者の表面
をおおい、一端は電気回路18に固着し、電圧をかけれ
ば反り、生成膜24、25を血液に接触させる可動カバ
ー。28は電気回路18等の表面をおおうテフロン等、
血液凝固物の付着しにくい材料から成る球形カバー。2
9は素子3のほぼ中心部に設けた受信アンテナで、例え
ば、反射板の左面と右面に単巻きコイル状のアンテナを
取り付け、両者の出力を位相反転回路や差動アンプを用
いた回路に通し、電波源が左方にあると、振幅が0〜+
1Vの脈流出力を生じ、同じ電波源が右にあれば、0〜
−1Vの脈流出力を生じ、それ以外の方向では、電波の
方向とX軸のなす角度に相関して(角度のコサイン等)
振幅の最大値が+1V〜−1Vの範囲で連続的に変わる
等の特性を持つX軸(電極19と20を連ねる軸)用受
信アンテナ。30はY軸用、31はZ軸用受信アンテ
ナ。32は無指向性送受信アンテナである。
【0010】図3はその端末素子3中の電気配線のブロ
ック図である。33は電気回路18中のコンピュータ
ー。34は無指向性アンテナ32に連なり、100・1
01・102GHzの3周波数の電波の同調器と、それ
らの交流出力を倍電圧整流し、更に直列に合成する等
し、1V程度の電圧を造り出す電源電圧発生用受信器
で、その電圧はコンピューター33その他に供給され
る。35は指向性アンテナ29、30、31に連なり、
100・101・102GHzの3出力をコンピュータ
ー33に送る、素子3の姿勢検出用受信器。36は無指
向性アンテナ32に連なり、110・120・130・
140GHzその他の受信器を内蔵した粗大位置検出用
受信器。37はその出力を各々検波(半波整流)し、単
極パルスに変換し、コンピューター33等に送る検波
器。38は検波器37から出るパルスの数と所要時間を
測定し、コンピューター33に送る連続パルス幅測定
器。39はコンピューター33の指令により、110・
120・130・140GHzのいずれかを無指向性ア
ンテナ32に送る微細中心位置検出用送信器。(ただ
し、製造時に500億個の端末素子の内、半数にはこの
送信器を設けるが、残る半数には設けない。)40はア
ンテナ29、30、31に連なり、それら出力(110
・120・130・140GHzのいずれか)を受信
し、出力電圧の大小値をコンピューター33に送る微細
位置検出用受信器。41は無指向性アンテナ32に連な
り、150〜210GHzの指令電波を受け、コンピュ
ーター33に送る指令信号受信器。42はコンピュータ
ー33の指令により、無指向性アンテナ32に110・
120・130・140GHzのいずれかの周波数の高
周波パルスを送る微細位置決定用送信器。43は無指向
性アンテナ32に連なり、110・120・130・1
40GHzパルスを同時に受け、コンピューターに送る
微細位置決定用受信器。44は電極19、20、センサ
ー21、22等の測定値をコンピューター33でディジ
タル符号化し、素子3の位置により、異なる搬送周波数
に乗せ、無指向性アンテナ32に送る160〜210G
Hzの測定値送信器である。
【0011】図4は図1に記す電波カメラ13の拡大構
造右側面図である。45はパラフィン等から成る電波レ
ンズ。(ヘルツがパラフィン製の三角プリズムを用い、
電波が屈折する事を確かめた実験が知られている。)4
6はその左方のLSIから成るマトリックス状電波セン
サーで、47はその表面に数千個配列した、各々に微小
アンテナと無同調高周波増幅器がLSI製造の技法で造
り付けられており、各出力回路の一端は個別チャンネル
で送受信器4につながり、他端は共通線で送受信器4に
つながる受信ユニット。
【0012】電波カメラ14〜16も同様の構造を持っ
ている。図5はシステム全体の電気回路の概要を示すブ
ロック図である。次にこの動作を説明する。高性能のコ
ンピューター17の制御により、システムは諸機能を示
し、まず、送受信器4を通じて電磁石5に直流通電し、
脳1に磁界を加える。血流速度は血管の内径にほぼ比例
し(内径6〜20μmの毛細血管では0.5mm/s程
度)端末素子3は血流と同速度で移動する。そこに磁界
が作用すれば、素子内の小鉄片23が引力を受け移動速
度が落ち、全身の平均分布密度より、やや多く、素子3
を脳に集める事ができる。(脳内の特定部位に素子3を
集めたい場合には、小電磁石を頭皮上に置けばよい。素
子3を回収する際は、右上腕動脈から導いた血液を沈殿
槽を介して左上腕静脈に返し、沈殿槽の底部に強い磁石
を置いて、素子3を沈殿させればよい。)送信アンテナ
6、7、8からは100・101・102GHzの電波
が常に出ており、脳内の全端末素子3中の無指向性アン
テナ32に入り、電源電圧発生用受信器34で1V程度
の直流電圧に変換され、各素子内で利用される。
【0013】同時に、この100GHzの電波は指向性
のあるX軸用アンテナ29に入り、姿勢検出用受信器3
5の同調・検波回路を経て直流出力になり、コンピュー
ター33内のAーDコンバーター等から成る電圧検出器
で電圧測定され、101GHzの電波はY軸用アンテナ
30と受信器35を経てコンピューター33に入り、1
02GHzはZ軸用アンテナ31と受信器35を経てコ
ンピューター33に入り、それぞれ電圧が測定され、コ
ンピューター33のメモリーに記億され、後にコンピュ
ーター17に送信される。
【0014】コンピューター17はこれら3値から各素
子3の姿勢を判定する。例えば、その電圧比が1:1:
1であれば、その素子3のX・Y・Z軸はアンテナ6、
7、8が出す電波のなす基準座標系の各軸に対して平行
である事を示し、0.7:−0.7:−1であれば、素
子の電極19は左前を向き、小鉄片23は左後を向き、
素子の上面は基準座標系の下を向いている事を示す等で
ある。
【0015】次に、コンピューター33は1300ml
(130万立方ミリメートル)ある脳1の各1mm立方
の範囲を粗大位置とし、各範囲に第1番地〜第130万
番地の粗大アドレス(粗大位置符号)を与え、更に、そ
の内部の位置を示す微細アドレスを設定するための反復
同作(走査)の最初として、脳1の最前下部の左右の中
央を第1番地に指定するため、送信アンテナ9、10、
11、12から110GHzの電波パルスを10サイク
ル分、90.9ps(10兆分の909秒)だけ発射す
る。ただし、4者が第1番地に同時に達するように、各
アンテナへの通電時間に位相差を与える。
【0016】各アンテナから出た電波はいずれの端末素
子3のアンテナ32にも入り、粗大位置検出用受信器3
6内の110GHz受信部で同調・濾波され、検波器3
7に入り、検波(半波整流)されて10個の単極パルス
になり、コンピューター33で波形分析等も行ない、1
個のパルス幅が4.545psである事から、110G
Hzの電波であった事を判定する。また、検波器からの
パルスは、連続パルス幅測定器38にも入り、各アンテ
ナ9〜12から出た電波の各10個のパルスは、第1番
地にある素子3でのみ位相が一致し、重なり合って10
個になり、第1パルスの始まりから、第10パルスの終
りまでの所要時間が86.3636ps(1s/{1.
1×10↑11}×10×19/20)になる。他の場
所ではパルス数が11個以上になったり、所要時間がそ
れ以上になったりする。
【0017】この条件を満たした第1番地付近の半径1
mmの範囲(約4立方ミリメートル)内の数千個の端末
素子3の連続パルス幅測定器38から、全パルス幅が規
定値であった事を示す肯定信号がコンピューター33に
送られる。この信号を受けたコンピューター33は直ち
に微細中心位置検出用送信器39に検波器37からの信
号で判定した110GHzの電波を5サイクル分アンテ
ナ32を通じて微弱出力で発射する。ただし、製造時に
半数の素子は送信器39を省略しているため、第1番地
の約半数の素子3からのみ、この電波が発射される。
【0018】これら素子からの電波群はせまい範囲から
出たものであり、全パルス幅は5サイクル分をそれほど
越えないので、第1番地の内外の素子がそれを粗大位置
検出用受信器36で受け、検波器37から連続パルス幅
測定器38に入っても、前記の粗大位置検出用の電波と
は区別され、コンピューターへ粗大位置決定用の信号が
送られる事はないが、その総出力電圧値がコンピュータ
ー33に記億される。
【0019】同じ電波はアンテナ29、30、31にも
入り、微細位置検出用受信器40で各アンテナの総出力
値がコンピューター33に送られる。アンテナ29、3
0、31の出力がいずれも0である第1番地中の素子は
第1番地の中心にある事を意味する。すなわち、X軸ア
ンテナ29の左から入る電波と、右から入る電波の出力
は相殺され、90°の方向からの電波はもともと0の出
力しか生じさせない等、周囲から均等に電波が入るとい
う事は、3アンテナの出力を0にする事になる。もし、
中心から少しはずれると、それらの値は0にはならず、
中心からの位置と素子自体の姿勢により異なる様々な値
をとる。
【0020】このようにして、第1番地中の1〜数個の
素子が自らその中心に位置する事を判定する。ついで、
本体のコンピューター17は脳1の第1番地の右1mm
の位置を第2番地に指定するための位相差を付けた12
0GHz、10サイクル分の電波パルスをアンテナ9〜
12から発射させる。
【0021】この電波は脳1内の全素子3が粗大位置検
出用受信器36中の該当周波数同調器で受け、検波器3
7でパルス化し、連続パルス幅測定器38で、パルス数
が10個であり、かつ、経過時間が79.1666ps
である場合には、規定値であった事を示す信号がコンピ
ューター33に送られる。それに該当する第2番地の素
子3の内の約半数(第1番地の指定の際に入っていた物
が新たに第2番地に指定される事もある)の送信器39
から120GHzの5サイクル分の電波パルスが発射さ
れ、アンテナ29〜31と微細位置検出用受信器40で
受け、中心にある素子はその事を認知する。
【0022】ついで、コンピューター17は第2番地の
後ろ1mmの第3番地を指定するための位相差を付けた
130GHzの10サイクル分の電波パルスをアンテナ
9〜12から発射させ、前記と同様の動作で第3番地の
中心の素子が認知される。全素子は110〜140GH
zの電波が何回発射されたかを計数しており、もし、第
3回目にパルス幅測定器38から肯定信号が出たなら
ば、自分の粗大アドレスは第3番地である等と判定し、
コンピューター33にその値を記億する。
【0023】ついで、コンピューター17は第3番地の
左及び上に1mm離れた第4番地を指定するための位相
差を付けた140GHzの10サイクル分の電波パルス
をアンテナ9〜12から発射させ、前術と同様の動作で
第4番地の中心位置を認知させる。なお、位置指定に
は、9〜12の4アンテナから電波パルスを出す必要が
ある。9〜11を用いた場合、この3アンテナを含む水
平面上の任意の位置を指定する位相差の組み合わせは、
水平面の下方の対称位置にも適合し、1点を特定できな
いが、アンテナ12を加える事により、そのいずれであ
るかを特定できるようになる。
【0024】また、脳1中への透過性のある、なるべく
短波長の電波や赤外線を用いたとしても、時間差測定に
は限度があり、微細な位置指定まで行なう事ができな
い。そこで、粗大位置指定を行なった後、更に微細位置
を決定して行くのである。第1〜4番地の各中心位置を
決定した後、コンピューター17はアンテナ9から15
0GHzの電波パルス(微細位置決定指令信号)を50
ps発射させる。この電波は各素子3のアンテナ32か
ら指令信号受信器41を通り、コンピューター33に入
り、150GHzの単パルスである事から、微細位置決
定の指令信号であると判断され、第1〜4番地の各中心
位置の素子3は一斉に、それぞれが番地指定を受けた際
の周波数(第1番地は110、第2番地は120、第3
番地は130、第4番地は140GHzの電波パルス
を、それぞれ5サイクル分ずつ、微細位置決定用送信器
42から発射する。第1〜4番地のいずれかの指定を受
けている各素子3は、この電波をアンテナ32を経て、
微細位置決定用受信器43で受け、コンピューター33
に送る。コンピューター33は4種の電波のそれぞれの
出力電圧値を読み取り、記億する。この各電圧値はそれ
ぞれの電波源(各番地の中心の素子)からの距離に逆比
例しており、距離に換算し得る。この4値は、各素子が
電波源の4者からどれだけ離れた位置にあるかを示し、
これから微細アドレス、すなわち、各番地中の号地を決
定する事ができる。
【0025】例えば、ある素子の各電波出力比が34
5:204:92:78mVであれば、第1番地の中心
から右へ0.4mm、後へ0.2mm、上へ0.3mm
の位置(第1番ー800ー200ー300号地、もしく
は通し番号で第1番ー82300万号地)である等と算
定する。(この計算は後にコンピューター17が行な
う。)1mm立方の各番地中を1μm立方の1000×
1000×1000=10億(号地)に区画し、各左前
下隅を1ー1ー1号地、もしくは通し番号の第1号地と
するのである。各端末素子3のコンピューター33は前
述の粗大アドレスと共に、微細アドレス指定用のこの4
電圧値を次のアドレス指定走差が行なわれるまでの1.
3msの間、コンピューター33に記億する。(この間
に血流に乗って他へ移動し、アドレスを付け替えられる
場合もある。10μm立方を1区画にし、微細アドレス
を定めてもよい。)なお、微細位置の決定に、各番地の
中心の素子から出た電波の大小比を用いるのは、相互間
隔が小さいので、到達時間差の測定が困難なためで、技
術的に可能であれば、到達時間差から位置を判定しても
よい。また、各素子のコンピューター33に余力があれ
ば、受信器35や43の電圧出力情報から、座標表示の
姿勢や微細位置を算定してもよい。
【0026】以上の第1〜4番地を第1群、第5〜8番
地を第2群等と呼ぶ。一つの群の走査の所要時間は4n
s(4000ps)程度である。第1番地の指定のた
め、アンテナ9〜12から電波が出て1ns後、コンピ
ューター17は第2群中の第5番地(第1番地の2mm
後)を指定するため、同時にそこに達するように位相差
を付けた110GHzの10サイクル分の電波パルスを
アンテナ9〜12から発射させる。以下、第1番地の位
置指定の際と同じ動作が行なわれ、第5番地中の中心位
置の素子3が決定される。
【0027】ついで、第6番地(第2番地の2mm後)
に対し、120GHzの電波パルスが発射され、その中
心位置の素子3が決定される。次には第7番地(第3番
地の2mm後)に対し、130GHzのパルスが発射さ
れ、その中心位置の素子3が決定され、ついで、第8番
地(第4番地の2mm後)に対し、140GHzのパル
スが発射され、中心位置の素子3が決定される。
【0028】ついで、アンテナ9から150GHzのパ
ルス(微細位置決定指令信号)を発射し、第2群の第5
〜8番地中の各素子のコンピューター33は、各素子と
各中心素子間の距離に対応する4電圧値を測定し、記億
する。以下第3群(第2群の後2mm)、第4群等と、
同様の動作でアドレス情報をとって行く。
【0029】やがて、脳1の後端に達し、次は第1群の
上1mmの群、ついで、その後等と、走査を行なって行
く。それも後端に達すれば、その1mm上の走査を行な
う。脳1の最上部の走査が終れば、その右側を順次、走
査し、右端まで終れば、中央の左側の走査を行ない、1
30万番地までのアドレス指定を一通り終える。この所
要時間は1.3msとなる。
【0030】ついで、第2回目のアドレス設定走査に移
るため、コンピューター17はアンテナ9から150G
Hzの電波パルスを相次いで2個発射させる。これはテ
レビジョンのフレーム走査のくぎりを示す垂直同期信号
に類似する機能を果たし、全素子3は指令信号受信器4
1で受け、コンピューター33は次の粗大アドレス指定
信号を第1番地の指定と判定するようにリセットされ
る。
【0031】第2回の走査の内容は前述した第1回の内
容と全く同じで、順次、第1番地〜第130万番地の指
定をしながら、各番地内の微細アドレス特定用の情報を
得て行く。第2回目の走査が終れば、また150GHz
のパルスを2個出し、以下、第3回目の走査に移る。
【0032】このような走査を1.3μsの周期で、毎
秒769回行ない、アドレスを付けなおし、血流による
端末素子3の移動に対処する。なお、付け替え周期をも
っと短くするため、第1〜第4番地に対し、110〜1
40GHzの4周波数の電波パルスをアンテナ9〜12
から位相差を付けて、ほぼ同時に発射し、粗大位置指定
の速度を4倍に上げたり、更に、第1・5・9・13番
地等、同じ周波数を用いる番地に対し、110GHzの
位相差付の多数の電波パルスをほぼ同時にアンテナ9〜
12から発射する事等も組み合わせ、一回の走差時間を
短縮し、太い血管内を急速に移動する素子に対処しても
よい。(粗大アドレス指定に用いる周波数を更に大きく
してもよい。)総数140億といわれる脳1の全脳細胞
(神経細胞)が常に活動しているのではないが、精神活
動その他に伴い、あちこちの脳細胞からインパルス(活
動電流)が生ずる。(その総合が絶縁性の高い頭蓋骨を
通して頭皮上に現れたものを、捕らえたのが従来の脳波
である。)できれば、個々の細胞体や神経線維を伝導し
て行くインパルスを捕らえ、コンピューター17にリア
ルタイムで伝える事が望ましい。
【0033】毛細血管はかなり細かく脳細胞間に入り込
んでいる。脳細胞から漏洩したインパルスの電圧は細胞
間の電解質溶液である組織液(やや広いくも膜下腔、そ
の他の脳脊髄腔を満たす脳脊髄液にもつながっている)
にも流れ、毛細血管内の各素子の電極19と20に加わ
る。電極19と20に入ったこの測定電位はコンピュー
ター33内のAーDコンバーターで、サンプリング周波
数1万Hzでディジタル化され、高周波搬送波に乗せら
れ、測定値送信器44とアンテナ32を通じ、電波とし
て放射される。(搬送方式等は後述する。)脳の毛細血
管には、周囲を取り囲むグリア細胞から成る血液ー脳関
門があり、脳細胞から出る諸種の神経伝達物質の一種で
あるアセチルコリンやノルアドレナリンが毛細血管内の
アセチルコリンセンサー21や、ノルアドレナリンセン
サー22に到達する量はわずかであるが、それらの物質
が血液中の一定値以上に増加した場合、両センサーから
の測定電圧がディジタル信号になり、送信器44を介し
て電波で搬送される。
【0034】電極19と20の出力は8びっと、センサ
ー21と22の出力は各6ビット、素子3の姿勢情報は
3×6ビット、粗大アドレスは21ビット、微細アドレ
ス情報は4×10ビット、素子番号(各素子に付けた番
号)を36ビット、合計135ビットで送るとして、そ
れを1回送るための所要時間を1nsとすれば、一つの
インパルスの経過時間は1ms程度であるので、サンプ
リング周波数を1万Hzにし、一つの素子から毎秒1万
回、135ビット(実際には、くぎり情報等も加えるの
で、少し増す)の情報をコンピューター17に送信する
事になる。従って、1搬送波につき、10万個の素子か
らの情報を時分割方式でリアルタイムで送り得る事にな
る。
【0035】全血液中に500億個の端末素子3を入れ
ているが、各素子には声造時に個別識別番号(素子番
号)が与えられている。従って、各素子が一斉に送信し
た場合でも、混信の起こらないように、500億個の搬
送座席(ボックス)を設けなければならない。各座席に
付した番号を搬送座席番号と呼ぶ事にする。
【0036】時分割方式で1搬送波につき、10万の時
席(時間座席、時座)を取れば、50万本の搬送波があ
れば、500億個の搬送座席が得られる事になる。16
0〜209.9999GHzの周波数を100kHzき
ざみにすれば、50万本の搬送波を取り得る。この16
0GHzに第1搬送波、160.0001GHzに第2
搬送波等と番号を付し、各搬送波を第1〜第10万時席
に時分割し、第1搬送波の第1時席を第1搬送座席(搬
送座席番号1)とし、第50万搬送波の第10万時席を
第500億搬送座席番号にする等、搬送座席番号を付け
て行く。
【0037】この搬送座席番号に同素子番号を対応さ
せ、各素子3の製造時に、測定値送信器44の送信周波
数を、その搬送座席番号の周波数値になるよう、設定
し、コンピューター33も、割り当てられた時席に対応
する時間にのみ、測定値を送るよう、プログラム設定す
る。コンピューター17からアンテナ9を通じ、151
GHzの電波を用いた時分割の同期用クロックパルスを
1GHzで発射する。そのクロックパルスは各素子の指
令信号受信器41で受信され、コンピューター33で計
数される。このクロックパルスには10万回に1回、リ
セット信号が含まれるので、コンピューター33には1
〜10万の時間表示が時計のように記録される。
【0038】各素子3は測定値を送信する場合、自己に
割当てられた周波数の搬送波を用い、また、自己に割当
てられた時席(コンピューター33に記録された時間)
に、電極19と20、センサー21と22等の測定値、
姿勢情報、粗大アドレス、微細アドレス情報、素子番号
等を、リアルタイムで、送信器44とアンテナ32を通
じ、周囲に電波で放射する。
【0039】これら各微粒子状端末素子3からの電波は
電波カメラ13〜16の電波レンズ45で屈折し、電波
センサー46に結像する。各受信ユニット47の出力は
個別にも送受信器4に送られているが、通常はアンテナ
13の共通線の出力のみを用いる。この出力は脳1中の
全端末素子3からの電波を含んでいる。送信器4中には
50万本の搬送波に対応する同調器や検波器、増幅器、
それらの出力を一時記憶し、順次、コンピューター17
に転送するレジスターとCPU等を一シリコン基板上に
造り付けた受信回路があり、各受信出力はコンピュータ
ー17に送られる。(脳1中の13億個の素子3が常に
情報を送信するわけではなく、そのごく一部から送られ
てくる事になるので、時分割の時席の空白をつめ、搬送
波数より、ずっと少ないチャンネル数でコンピューター
17にデータを送信する事ができる。)コンピューター
17はそのデータを解析し、電極19と20の測定電圧
を送ってきた個々の素子3の三つの姿勢情報値から、そ
の素子のX軸の傾斜方向を算出し、微細アドレス情報か
ら、粗大アドレス中のどこにいるかを算出し、測定され
た電位の方向、大きさ、位置等を知り、記憶する。
【0040】多数の素子3からのこのような情報をつな
ぎ合わせば、個々のインパルスにより生ずる等電位曲面
を描く事もでき、その中心がインパルスの発生源である
と判定する事ができ、脳1全体のインパルスの発生状況
を明らかにする事もできる。ほぼ同様、アセチルコリン
やノルアドレナリンのリアルタイムで変化する濃度文布
図を求める事ができる。
【0041】任意の脳細胞を電気刺激する場合、コンピ
ューター17からアンテナ9を通じ、その脳細胞のアド
レスの近くにいる素子3に対し、電波に乗せたパルス符
号の命令を送れば、対応する素子のコンピューター33
から、電極19と20に直流パルスが送られ、付近の脳
細胞を刺激する事ができる。(数個の端末素子3に電流
を発生させ、それらの合成電流の最大部にある脳細胞の
みが刺激されるようにしてもよい。)コンピューター1
7から任意の素子3に対し、アセチルコリンの生成を命
令するパルス符号を送れば、そのコンピューター33か
ら可動カバー26に直流電圧が送られ、カバーは反り、
血液中の液体成分の血漿がアセチルコリン生成膜24に
接触し、血漿中の諸物質を原料にし、生成膜中の酵素系
により、細胞内の酵素系でアセチルコリンが生成される
のと同様、アセチルコリンを生成する。
【0042】できたアセチルコリンの多くは血液と共に
流れさるが、一部は毛細血管外に拡散し、付近の脳細胞
に作用する。コンピューター17からノルアドレナリン
の生成命令符号を送れば、コンピューター33から可動
カバー27に電圧が送られ、カバーは反り、血漿中の物
質を原料にし、生成膜25でノルアドレナリンが生成さ
れ、一部は毛細管外にで、付近の脳細胞に作用する。
【0043】コンピューター17から脳1中の任意の素
子3に命令を伝える方法は種々可能である。ごく最近、
測定値情報を素子3から送った場合、そのアドレスと共
に素子番号(搬送座席番号)もコンピューター17に記
録されており、対応する搬送座席(周波数と時席)を用
いて送信すればよい。
【0044】そうでない素子に命令を送る場合、まず、
コンピューター17が送信したいアドレスを152GH
zで全素子に提示する。それを受けた素子の中で粗大ア
ドレスが一致し、微細アドレスが比較的近いものが、自
己の素子番号と、微細アドレスと、提示への応答である
コード(符号)を、自己に割当てられている搬送座席
(周波数と時席)を用いて送信する。いくつかの素子か
らの応答信号があるので、コンピューター17はその中
で、最も希望の微細アドレスに近い素子を選び出し、そ
の素子の搬送座席を用いて、命令を送る。
【0045】110〜140GHzを用いて付けた粗大
アドレスとは無関係に、半径1mm程度の範囲の素子に
一斉に命令を送りたい場合等、コンピューター17はア
ンテナ9〜12から、対象の位置でそろうように位相差
を付けた153GHzの10サイクル分の電波パルスを
発射する。それを粗大位置検出用受信器36、検波器3
7、連続パルス幅測定器38等で受け、パルス幅の合致
を見た素子のコンピューターが、153GHzのパルス
はアセチルコリンの放出命令と判断し、それに応答す
る、等の動作をする事もできる。
【0046】以上では50万本の搬送波を用いたが、次
のようにして使用搬送波数を減らしてもよい。全血液中
に入れる500億個の端末素子3の500個ずつに同じ
素子番号を与え、総素子番号数を1/500に減らし、
必要な搬送座席数も減らし、搬送波数を1千本に減ら
す。
【0047】その結果、同じ搬送番号を持つ500個の
素子が全信に散在し、脳1内には約13個の同番号素子
が常に存在する事になる。この内の複数個の素子が同じ
周波数の同じ時席を用いて測定値を送信する事もあり得
る。(搬送波数を更に減らすため、総素子番号数をもっ
と減らせば、混信の確率は更に高まる。)しかし、この
複数個が、脳1中の1局所に集まる確率は非常に小さ
く、映像化して分離する事ができる。
【0048】電波カメラ13のセンサー46の面に結像
した電波像は、脳1の映像であり、その中の1個の素子
からの電波は、ほぼ受信ユニット47の1個に結像し、
他のユニットに結像した同一搬送座席で送られてくる素
子からの情報と分離する事ができる。しかし、複数の素
子の像が1ユニットに結像する場合もあるので、他の電
波カメラ14〜16の各ユニットの出力情報も組み合わ
せ、立体視により、更に分解能を高める事ができる。
【0049】別の分離法として、電波カメラ13〜16
の各共通出力中に含まれる同周波数、同時席の電波の各
カメラへの到達時間差の測定や、波形の解析から、複数
素子の位置を分離する事もできる。前述した粗大アドレ
スを指定するための110〜140GHzの電波パルス
を用いての走査の所要時間をなるべく小さくするため、
脳1の立体範囲を測定し、その範囲内にのみ、走査を限
定する必要がある。その範囲測定は次のようにして行な
う。
【0050】前述の走査の開始前に、送受信器4内の2
0×20×20cm立方(800万立方ミリメートル)
の全範囲に、110GHzの10サイクル分の電波パル
スを、アンテナ9〜12から位相差を付けて順次、発射
する1mm立方きざみの走査を行なう。各1回の電波パ
ルス発射ごとに、指定された小範囲内にある素子3の連
続パルス幅測定器38に肯定信号が生じ、コンピュータ
ー33に送られる。この肯定信号を生じた素子3は、直
ちに微細中心位置検出用送信器39から110GHzの
電波パルスを発射する。その電波は電波カメラ13の共
通出力線に出力電圧を発生させる。その出力値の大小は
応答した素子数に比例するので、全範囲を一通り走査す
れば、全範囲の素子3の分布密度図ができる事になる。
【0051】この立体図は脳1(脳膜を含む)内で濃
く、周囲組織2の内の脳のすぐ外の頭蓋骨の部は薄く、
その外の筋肉や皮膚の部は濃く、その外の空気の部は0
である。この走査で分かった脳1の範囲内に、前述の走
査を行なう。以後にも、前述の走査を10回行なうごと
に、脳1の範囲測定走査を1回入れて行く。(両走査を
全く異なる周波数で、同時に行なってもよい。)このよ
うにして、コンピューター17と脳1は多数の端末素子
3を介して、直接つながったのと、ほぼ同様に電気的、
物質的情報の交換を行なう事ができ、脳の生理学的、生
化学的微細動的機能の研究や、心を発生する細胞レベル
でのメカニズムの解明や、人脳とコンピューターの知的
機能の連結、人脳の代わりに動物の脳を用いての上記の
研究、等々に役立たせる事ができる。
【0052】上記の実施例は種々の設計変更が可能であ
る。以下その概要を記す。例示した電波の周波数、微粒
子状端末素子3の直径、個数、送信アンテナ9〜12や
電波カメラ13〜16の設置数、その他の数値を任意に
変更してもよい。端末素子3の直径を1μm以下にし、
腰椎穿刺や脳腔穿刺により、脳脊髄液に注入し、脳脊髄
の神経細胞間隙にくまなく行きわたらせてもよい。
【0053】端末素子3に上記以外の種々のセンサーや
物質生成用の酵素系、内蔵物質の放出用マイクロポン
プ、その他の装置を取り付けてもよい。インパルス検出
のための常温超伝導を利用した高感度の磁気センサー
や、数種の発光素子と受光素子を備えた化学分析センサ
ー、その他を用いてもよい。アンテナ9〜12、その他
の電波源をメーザー、レーザー、その他にしてもよい。
【0054】電気魚の発電組織等のように、血液中のブ
ドー糖等を基本エネルギー源として発電するために必要
な酵素系等を備えた化学電池システムを、各端末素子3
に取り付け、電源に用いてもよい。図3に示す端末素子
3中の電気回路における送信器類を一まとめにし、受信
器類も一まとめにする等、回路の簡素化を図る事が望ま
しい。
【0055】端末素子3とコンピューター17の情報交
換(通信)の搬送方式、符号化方式、位置判定方式、そ
の他に一般通信技術の任意の方式を取り入れる事ができ
る。微細位置決定用送信器42から出る高周波電圧パル
スを素子3に取り付けた圧電素子に加え、周囲に超音波
パルスを発生させ、同じ圧電素子で、他からの超音波パ
ルスを受け、微細位置決定用受信器43を介してコンピ
ューター33に加える等、超音波その他の波動を通信に
用いてもよい。
【0056】素子3に与え得る機能の程度はマイクロエ
レクトロニクスの発達の程度に影響されるが、コンピュ
ーター17で代償し得る機能はそれに移す等、素子3の
構造と機能をなるべく簡素化する事が望ましい。しか
し、上記程度の機能は、1個の生物細胞中のDNAがも
たらす機能量に比べれば、はるかに少なく、将来の技術
進歩により、充分与え得るものではある。
【0057】脳1内の全脳細胞が常時活動し、インパル
スを出すのではなく、一時点を取れば、比較的少数の脳
細胞が活動しているため、センサー類の感度の設定にも
関係するが、常に、脳1中の一部の素子3からのみ、測
定値の送信が行なわれる事になる。そこで、搬送波数を
1千本に減らし、5千万ずつの素子に1〜1000番の
素子番号を割り当てる。脳1内には同番号の素子が約1
30万個存在する事になる。時分割数は10万にしてお
く。任意の素子が測定値を送信する際、まず、自己に割
り当てられた搬送波で受信を試み、他の同番号の素子か
らの送信がない場合には、次のクロックパルスの直後の
時席にデータを送信する。もし、他の素子からの送信が
あれば、空白の時席が見つかるまで待ち、見つかれば、
その次の時席に送信する。送信をすませた素子は測定値
の変化があった場合にのみ、同様に空白時席を見つけ、
その次の時席に送信する。その間には測定値の変化がな
かった事はコンピューター17が判断する。
【0058】このようにすれば、同座席に同番号の複数
素子からの送信が重なる確率は小さくなるが、電波カメ
ラ13〜16への到達時間差による分離、映像による分
離等を併用すれば、分離し得る可能性は更に高くなる。
この場合、各搬送波の時分割をやめ、測定値の送信をし
たい素子は、自己の割り当て搬送波による送信が行なわ
れていない事を確認した上、コンピューター17に送信
許可を求める単パルス、またはアドレス信号も添え、短
期間に発射する。単一の受信アンテナまたは電波カメラ
13〜16でそれを受けたコンピューター17は、最も
速い時点に許可請求信号を出した素子に対し、その位置
で位相が合うように時間差を付けたアンテナ9〜12か
ら出す154GHzの単パルス、または素子3を指定す
るアドレス付の送信許可信号を送る。許可された素子は
自己に割り当てられた搬送波を用い、測定値を送信する
ようにしてもよい。
【0059】素子3の製造時に、電位測定のみ行なうも
の、アセチルコリンの測定のみ行なうもの、微細位置決
定用の電波のみ出すもの、等々と専門機能を与えてもよ
い。一つの粗大位置内等にある多数の素子3が、互いに
情報交換をしながら、その付近の等電位面を求め、その
面の電位、傾斜方向等を簡単な符号に置き替え、一つの
代表素子からコンピューター17に送る等、多数の素子
に連係機能をさせてもよい。
【0060】直径5μm程度の種々の素子を、血管内で
1分程度を要して溶けるポリビニールアルコールや、ゲ
ラチン等で固めて素子塊にし、必要によっては素子間を
水溶性の導電線でつなぐ事もし、血流を通す貫通孔があ
る、外径25μm、長さ50μm程度の円筒形にし、大
腿動脈等からカテーテルを入れ、それを通じてこの素子
塊を多数頸動脈に入れ、脳内の毛細管の手前で細動脈に
つまらせ、血流は管通孔を通し、約1分後につなぎ剤が
溶け、各素子が毛細管に流れさるまでの期間、素子1個
だけではできない高機能の測定や作業を行なうようにし
てもよい。
【0061】例えば、素子塊中に数種の異なる色の発光
素子と、その受光素子を加え、細動脈でつまるまでの間
の血管壁の色の変化を捕らえ、コンピューター17に送
信する。コンピューター3はその色の変化から、血管壁
にコレステロールが沈着している部分を検出し、後続の
治療用素子塊がそこに到れば、素子塊の周囲に付いてい
る多数の線状圧電素子を傘の骨を開いたように広げさ
せ、コレステロールを溶解するための酵素を放出させ、
かつ、圧電素子を超音波振動させ、酵素反応を促進する
等である。
【0062】その際、大腿動脈から入れた外径1mm程
度のカテーテルを脳動脈のどの枝に入れるかを予め定め
ておくため、予備診断として、陽電子を放出する放射性
炭素を含むHDL(高比重脂蛋白)、マクロファージ
(大食細胞)、その他血管壁中の低比重コレステロール
に選択的な親和性のある物質、抗体、それに向かう遊走
性のある細胞等を静脈注射し、一定時間後、それらが血
管壁に沈着したコレステロールに高濃度に結合した状態
で、PET(陽電子放射コンピューター画像診断機)で
立体映像化し、肉眼またはコンピューターでコレステロ
ールの沈着箇所を検出しておき、カテーテルを挿入する
動脈の枝を選んでおけばよい。
【0063】これらの放射性試薬が原血液中にほぼ均等
に混じり、しかし、まだ血管壁のコレステロールにあま
り沈着していない時点で、脳からのガンマー線放射量を
測定すれば、それは脳内の血管中に含まれる血液量に比
例するので、脳内の血液量(脳血管腔の総容積)が求め
られ、素子3を全血中にどの程度加えればよいかを知る
ための基礎データを得る事ができる。(放射性炭素を含
み、血管外へはでられないイヌリン、その他の分子量の
大きい物質を用い、この測定を行なってもよい。)血管
壁のコレステロールに結合する物質やマクロファージに
蛍光色素を結び付け、注射で血液中に入れ、血管壁のコ
レステロールに結合させ、素子塊からでる光に応答する
蛍光でコレステロールを検出してもよい。
【0064】最も単純化したシステム構成として、電
波、X線、その他の電磁波を立体走査のために機械的に
駆動する電波レンズ、凹面反射鏡、X線レンズ等を用
い、脳内に指令信号としての動く小焦点を結ばせ、焦点
部にある素子3から順次測定値を送信させたり、別の指
令電波も加え、刺激電圧を発生させたりする事もでき
る。一局所を対象にした粗大位置指定用電波パルスを、
始めは弱く脳1に送り、数10段階で、しだいに強めて
行けば、一粗大アドレス内でも、電波が強く当たる所
と、弱く当たる所があったり、各素子3の感度にばらつ
きがあったりして、順次、応答する素子数が増して行
く。各素子は一度応答すれば、その後は応答しないよう
にしておけば、各素子に順次、測定値を送信させたり、
指令を送ったりする事ができ、素子3自体による微細位
置決定動作を省略する事ができる。ただし、電波カメラ
の個数を増す等して、電波発生源の位置特定の分解能を
高めたり、送信アンテナ数も増し、対象箇所に近接した
4アンテナから位相差付の4電波パルスを出すとか、電
波等の焦点をなるべく小さくするように工夫する等しな
ければならない。
【0065】素子3の表面は異物反応を起こさない、抗
原性のないテフロン等で被覆するが、それでも硬いた
め、機械的刺激で、白血球の食作用で貪食され、その体
内に取り込まれる可能性もある。そこで、その表面に多
量の水を含んだポリビニールアルコールから成る含水ゴ
ム、カンテン、その他の柔らかい物質で被覆してもよ
い。あるいは、自己の蛋白質、自己の蛋白質を混ぜたア
ルギン酸カルシウム、白血球が自己と非自己を区別する
ための自己マーカー物質、その他で被覆してもよい。
【0066】逆に、素子3を牛乳のカゼイン等の異種蛋
白質で被覆し、白血球に取り込ませ、白血球と共に血流
に乗せてもよい。ただし、白血球の寿命は短く、リンパ
節、骨髄、脾臓、肝臓、その他の細網組織で破壊され、
そこに沈着する率も高い蛋白質、核酸、その他、一定期
間後に血液中で分解、消化される有機物質や、アルミニ
ウム、鉄、その他血液中で溶解される無機物質等を用
い、電気回路18や、素子3のその他の部分を造る事が
望ましい。
【0067】自己の白血球、その他の細胞、酵母、無害
細菌等の生きた細胞中のDNAに、素子3のような機能
を持つ蛋白質等から成るバイオ素子を造り出し得る、人
工的なDNAを組み込み、増殖性のある端末素子3を造
る事が望ましい。この場合、連鎖状球菌やブドー状球菌
のように、多数の同機能素子がつながるようにしたり、
神経細胞を改造した直流電源細胞、刺激電圧発生細胞、
生命を持たない素子3をよく取り込み、寿命は長く、死
滅する際には他の同様の細胞に素子3を受けわたすよう
に改造した白血球等、機能の分化した数種の細胞が含ま
れるようにしてもよい。
【0068】絶縁体で被覆して、外径が1μm程度にな
る、長さ1・2mの炭素繊維、金属繊維等を100本程
度、先端を0.1mmずつ短くしながら、束ねて接着
し、外径が20μm程度で、先端がしだいに細くなった
導電繊維束を造り各繊維の先端の露出面に1個または一
列に並ぶ数個の素子3をつなぎ、素子3中の電気回路と
各繊維とを電気的にも接続し、動脈カテーテルを通じ、
体外から同電繊維束の先端を脳動脈内に送り込み、脳血
管内に各素子を固定し、各導電繊維の体外端を直流電源
の正電極につなぎ、各素子に電源電流を導電繊維→各素
子→各素子の周囲の血液→全身の体液→皮膚→皮膚に置
いた電極→電源の陰極、の経路に通電し、各素子の電気
回路18等をそれで作動させ、アドレス指定用の電波は
空間に放射し、測定値の送信や、コンピューター17か
らの命令は導電繊維を通じて送る等してもよい。
【0069】この導電繊維を光ファイバーに代え、各素
子3中に光電池を設け、体外から送り込んだ光で発電
し、電源に用い、一部のデータをその光ファイバーで送
ってもよい。微粒子状端末素子3を42℃程度のカンテ
ンゾル中に分散させ、頭蓋骨を貫いた注射針(脳腔穿
刺)で脳の外面及び皺の透き間に入れ、体温で冷えてゲ
ル化したカンテン中に素子3を固定して用いてもよい。
この場合、1時間以内に溶解する蛋白質その他の被膜中
に、アルギン酸ナトリウムを硬化させ得るカルシウム塩
を封入したマイクロカプセルを加えたアルギン酸ナトリ
ウムのゾルや、フィブリノーゲンを硬化させ得る酵素の
トロンビンを封入したマイクロカプセルを加えたフィブ
リノーゲンのゾルその他をカンテンゾルの代わりに用い
てもよい。
【0070】血流で素子3が移動し、アドレスが付け替
えられた際、220GHz代の電波等で、引継情報であ
る旨のコードと、旧アドレスと、引継内容とを送信すれ
ば、その時点において、引継ぐべきアドレスに居る素子
3が、その情報を取り込み、引継ぐようにしてもよい。
例えば、インパルスの測定値が変化した時にのみ、コン
ピューター17に送るようにした場合、その引継ぎを行
なえば、移動した素子が、新アドレスの場所の測定値を
直ちに送る必要がなくなり、引継いだ素子の実測値が引
継値より増減した場合にのみ、コンピューター17に測
定値を送ればよい事になる等、素子3が絶えず移動して
も、あたかも、同じ場所に居る1個の素子から、情報が
送られているような結果になる。
【0071】粗大アドレスの指定を脳1内にある端末素
子3のみによって次のように行なってもよい。各素子3
に外部からの同期信号で発信開始時点を制御し得る2M
Hzのパルス発振器を設ける。その出力を90GHzの
搬送波で送信する。各素子は低感度の受信器を持ち、受
信出力パルスを発信器の制御回路に加える。送信後の約
0.1μsの期間は、受信器は同期信号を受けても反応
しないように設計されており、自らの送信波を受けて自
己発振を起こす事はないが、その後に入った受信信号は
発信器の制御回路に入り、信号が強ければ、発信器はそ
の時点から発振を開始する。
【0072】始めはは各素子の発振周期は不揃いである
が、しだいに特定周期に発振の位相が揃い、ついには、
全素子が同位相で発信する事になる。かつ、それが全素
子に共通なクロックパルスになる。インパルスを強く出
す組織は脳、約25gの脊髄、心臓の心筋、運動時の骨
格筋、その他であるが、それらの総合波形(脳波、心電
図、筋電図等)はそれぞれ波形に特徴があり、各素子の
電極19と20に入る電圧値の連続測定から、自己が現
在脳内に居るか、心筋内に居るか、骨格筋内に居るかを
判別する事ができる。
【0073】そこで、脳内に居ると判定した各素子は、
前記のクロックパルスに同期して91GHzの電波パル
スを発生する。このパルスを受けた各素子の内、無指向
性アンテナ32で受けた出力が一定値以上あり、指向性
のアンテナ29〜31の出力が各々0または0に近い値
を示せば、自ら脳1の中心に近いと判定する。ついで、
半径数mmのほぼ球形の範囲に含まれるそれらの素子か
ら、92GHzの電波パルスが発射され、指向性アンテ
ナ29〜31のいずれの出力も0であるものが、最も中
心にあると判定し、基準原点素子に決定される。
【0074】また、脳内でも、延髄の呼吸中枢の出すイ
ンパルス、音を受ける聴覚野のインパルス等はそれぞれ
特徴があり、その総合波形から、延髄の素子は自己が延
髄中にあると判定し、93GHzの電波パルスを用いて
その中心の基準延髄素子を決定し、94GHzの電波パ
ルスで右聴覚野の中心にある基準右聴覚野素子を決定
し、95GHzで基準左聴覚野素子を決定する。
【0075】合計4個の基準素子が決まれば、それらか
ら同時に92〜95GHzの相互関係決定用電波パルス
が発射され、各基準素子は各電波を受け、その強度、ま
たは到達時間差から相互の位置関係を計算し、合わせて
指向性アンテナ29〜31の出力比から、各自の姿勢を
明らかにする。この4電波は同時に脳1内の全素子も受
け、それぞれの粗大アドレスや姿勢を知る。
【0076】ついで、第1粗大アドレスと自己判定した
素子群に対し、基準原点素子から、準次96GHzの指
令搬送波を用い、粗大アドレスのディジタル符号を送
り、該当するアドレスの全素子に順次97GHzの微細
アドレス検出用パルスを発生させ、それを受けた各素子
が、まず、粗大アドレスの中心素子を決定し、更に中心
素子が98GHzの微細アドレス決定用電波パルスを発
射し、各素子は自己の微細アドレスを知る。
【0077】以下、第2、第3と全粗大アドレス群に対
し、微細アドレスの決定動作を基準原点素子がさせて行
く。このように、脳1内の全素子3のアドレスを素子自
体で総て決めるようにし、送受信器4内の送信アンテナ
9〜12や電波カメラ13〜16等を送受信器4の外面
に取り付ければ、人が送受信器4内から頭を出し、室内
を自由に動いても、脳1とコンピューター17との情報
交換が自由にできる事になる。
【0078】このようにした場合、用途は更に広がる。
例えば、人が危険に面した場合、インパルスを強く発生
する恐怖感情中枢にある素子群から、99GHzの搬送
波により、危険検知信号が送信されると、それを受けた
全身の全素子3が、一斉に80GHzの搬送波に乗せ、
ディジタル信号による、その人に固有の識別番号と、危
険検知信号を発信し、電話局等に設けた受信施設でそれ
を受け、その人がどこに居るかを探知し、かつ、危険状
態にある事を警察に通報する等である。(恐怖脳波の検
知可能なコンピューター付脳波計と、検知信号の電波送
信器を内蔵した装置を頭皮上に取り付け、このような事
をしてもよい。)抑欝状態にある人に対しては、快感中
枢等を電気刺激し、その治療をすればよい。
【0079】図6は本発明の一変形の平面図。図7はそ
の正面図である。48は厚さ1mm、左右幅数mmのシ
リコン板から成るLSI。49はその前後両面に造り付
けた制御回路。50は前後両面に数百万個造り付けた図
1〜3の端末素子3と類似の機能を持つ直径数μmの端
末ユニット。51は各ユニット間の透き間を埋める固定
化酵素膜で、切断された神経線維の生存に必要な物質
を、脳脊髄液等に含まれる物質を用いて生成する酵素系
をなしている。
【0080】これを用いるには、人間や動物の頭頂部の
中央(頭蓋骨の矢状縫合等のある部)に幅、数mm、長
さ数cmの溝状の穴を開け、メスを入れて、左右の大脳
半球をつないでいる神経線維の交連線維の束である脳梁
(人間では神経線維数は約1千万本といわれる)を切断
し、その間にLSI48を挿入し、各端末ユニット50
と神経線維の切断面とを接触させる。(神経線維の太さ
は様々であり、素子と1対1には対応しない。)LSI
48を挿入して傷口も癒えた人や動物の頭部を送受信器
4内に入れると、アンテナ6、7、8からの電波で各ユ
ニット50は電源電圧を供給され、接触している神経線
維にインパルスがつながってくれば、その断端における
電位をヂジタル信号に変換し、LSI48上における各
ユニットの位置に対応してLSIの製造時に与えられた
搬送周波数と時分割の時席を用い、コンピューター17
に送信する。その際、制御回路49は、時分割の送信許
可パルス(同期信号)を順次、各ユニット50に送る等
の制御を行なう。(有線または無線で)。
【0081】コンピューター17からの指令信号は各ユ
ニットに与えた搬送周波数と時席を用いて送信される。
その際、制御回路49でコンピューター17からの信号
を受信し、増幅して各ユニットに送る中継機能を果たし
てもよい。(各ユニットからの送信も、搬送波数だけ設
けた送信器で中継してもよい。電源にリチウム電池等を
用いてもよい。)通常、神経線維を切断すれば、インパ
ルスはそれより末梢側(神経細胞体から遠い側)へ伝導
されなくなる。電流刺激を人為的に加えれば、末梢側
も、なおインパルスを発生するが、その機能も、しだい
に低下し、ついには全くインパルス伝導能力を失い、構
造も変化してしまう(ウォーラーの変性)。切断すれ
ば、なぜウォーラーの変性に落ち入るのか、よく解明さ
れていないが、神経細胞体から送られる構造や機能の維
持に必要な物質の供給が絶たれるからと考えられる。
【0082】その必要物質を供給すれば、末梢側の構造
や機能の維持、または低下速度の減小を図る事ができる
ものと思われる。固定化酵素膜51には、脳梁の神経線
維間に存在する細胞間液(脳脊髄液)中の物質を用いて
必要物質を造る酵素系が含まれており、その物質は神経
線維の末梢側切断面から内部に入り、線維の機能の維
持、延長を図る。線維中に加圧して押し込む必要があれ
ば、1本の神経線維の断面に自動的につながり、周囲を
硬化剤で固め、LSI48中の貯蔵タンクまたは製造機
から必要物質を注入する。マイクロマシン型のマイクロ
ポンプ系を取り付ける。酵素膜にどのような酵素を用い
るかは今後の研究課題である。酵素膜51の代わりに、
胎児の神経細胞等、神経線維の断面に結合し、必要物質
を供給し得る生体細胞、加工細胞、人工細胞等をLSI
48に多数取り付けておいてもよい。
【0083】[自己の精巣や卵巣中の精祖細胞、***細
胞、卵祖細胞、卵母細胞、または、自己の減数***した
X染色体を持つ***と、Y染色体を持つ***とを細胞融
合した細胞、または減数***した卵子を2個細胞融合し
た細胞等は、自己の体の大部分をなす体細胞と同じ遺伝
子(DNA)を持つ事になるが、その核を、他の受精卵
内の核と交換する等し、人工子宮内等で発生させ、細胞
が増殖し、適度に分化が進んだ時点で、将来、神経細胞
になる細胞を取り出し、体外培養するか、胎児中で更に
増殖と分化を適度に進めた後、上記のLSIに取り付け
てもよい。
【0084】なお、この細胞は自己の細胞であり、免疫
反応を起こさないので、自己に移植しやすい。その他の
組織や臓器も胎児中から取り出し、自分自身の欠損組織
や、欠損臓器の代わりに、自分の体に移植してもよ
い。]このLSI48を脳の表面に接触させて用いる事
もできる。その場合、脳細胞の出すインパルスを捕らえ
るため、カンテンゲル中に封入する等した、ピラゾロン
オキソノール等の電位感受性蛍光色素をLSI側から少
しずつ出し、付近の脳細胞を染色しておき、インパルス
による発光をLSIに取り付けた微小レンズ付の指向性
受光素子で捕らえ、脳細胞を刺激する場合には、メチレ
ンブルー等、脳細胞を染色して光を加えれば、刺激する
事のできる物質をLSIから少しずつ出し、付近の脳細
胞を染色しておき、LSIに付けた微小レンズ付の発光
素子から光を出して刺激する等してもよい。
【0085】その他種々の設計変更が可能である。
【0086】
【発明の効果】本発明を実施すれば、コネクター(イン
ターフェース)となる多数の端末素子を比較的小さな傷
口から脳内に送り込む事ができ、端末素子が血流その他
の力で移動しても、その現在位置を高精度で特定でき、
コンピューターから微細箇所を刺激する情報を送る事も
できる、脳とコンピューターの情報交換システムが得ら
れる利点が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した脳とコンピューターの情
胞交換システムの一部横断面を含む平面図。
【図2】 微粒子状端末素子3の拡大横断面図。
【図3】 端末素子3中の電気配線のブロック図。
【図4】 電波カメラ13の拡大構造の右側面図。
【図5】 図1に示すシステム全体の電気回路のブロ
ック図。
【図6】 本発明の一変形の平面図。
【図7】 その正面図。
【符号の説明】
1 人脳。 2 頭蓋骨や皮膚。 3 微粒子状端末素子。 4 送受信器。 5 電磁石。 6 100GHz送信アンテナ。 7 101GHz送信アンテナ。 8 102GHz送信アンテナ。 9 送信アンテナ。 10 送信アンテナ。 11 送信アンテナ。 12 送信アンテナ。 13 電波カメラ。 14 電波カメラ。 15 電波カメラ。 16 電波カメラ。 17 コンピューター。 18 端末素子18中の電気回路。 19 インパルス測定用電極。 20 インパルス測定用電極。 21 アセチルコリンセンサー。 22 ノルアドレナリンセンサー。 23 小鉄片。 24 アセチルコリン生成膜。 25 ノルアドレナリン生成膜。 26 可動カバー。 27 可動カバー。 28 球形カバー。 29 x軸用受信アンテナ。 30 y軸用受信アンテナ。 31 z軸用受信アンテナ。 32 無指向性アンテナ。 33 コンピューター。 34 電源電圧発生用受信器。 35 姿勢検出用受信器。 36 粗大位置検出用受信器。 37 検波器。 38 連続パルス幅測定器。 39 微細中心位置検出用送信器。 40 微細位置検出用受信器。 41 指令信号受信器。 42 微細位置決定用送信器。 43 微細位置決定用受信器。 44 測定値送信器。 45 電波カメラの電波レンズ。 46 電波カメラの電波センサー。 47 電波カメラの受信ユニット。 48 LSI。 49 LSIに造り付けた制御回路。 50 LSIに造り付けた端末ユニット。 51 端末ユニット間の固定化酵素膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血球以下の大きさの粒子状で、脳内の
    血液中または脳の表面や細胞間にある脳脊髄液中等に多
    数散在させて用い、その周囲の神経細胞が発生する電圧
    波形や化学物質等の測定値と、各微粒子状端末素子の現
    在位置を示すアドレス(位置表示信号)を電磁波搬送波
    に乗せ、体外の受信器に送信するための測定用電気回
    路、及び体外の送信器から電磁波搬送波に乗せて送信す
    るアドレス(位置指定信号)付の指令信号に応答し、指
    定位置において、刺激電圧パルスや化学物質等を発生放
    出するための刺激用電気回路とを内蔵した、多数の微粒
    子状端末素子と、それら端末素子に体外から作動用エネ
    ルギーを供給したり、指令信号を送ったりするための送
    信器と、体内の端末素子からの送信波を受信するための
    体外受信器と、それら送受信器を制御するためのコンピ
    ューターとよりなる、脳とコンピューターの情報交換シ
    ステム。
JP3273189A 1991-09-24 1991-09-24 脳とコンピユーターの情報交換システム Pending JPH0576534A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002524124A (ja) * 1998-09-04 2002-08-06 ウルフ リサーチ プロプライエタリー リミテッド 医療埋込みシステム
US8447392B2 (en) 2002-08-21 2013-05-21 New York University Brain-machine interface systems and methods

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