JPH057577U - 電動式四輪操舵装置 - Google Patents

電動式四輪操舵装置

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JPH057577U
JPH057577U JP6246891U JP6246891U JPH057577U JP H057577 U JPH057577 U JP H057577U JP 6246891 U JP6246891 U JP 6246891U JP 6246891 U JP6246891 U JP 6246891U JP H057577 U JPH057577 U JP H057577U
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output shaft
rear wheels
rear wheel
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勇 竹間
広 恵田
広之 狩野
信康 安藤
薫 清野
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NSK Ltd
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】製作費を低廉化し、しかも後輪に付与する舵角
の微調節を容易に行なえる様にする。 【構成】後輪への舵角付与は、電動モータ19への通電
量を、制御器により制御する事で行なう。制御器は、後
輪に付与する舵角を算出し、算出値に基づく電流を電動
モータ19に流し、後輪への舵角付与を、オープン制御
により行なう。電動モータ19により軸方向に亙って変
位させられ、後輪に舵角を付与する後輪用出力軸11に
は第一、第二両センタリングスプリング29、31を設
ける。後輪用出力軸11の変位初期には、ばね常数の大
きな第二センタリングスプリング31を圧縮し、その
後、ばね常数の小さな第一センタリングスプリング29
を圧縮する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係る電動式四輪操舵装置は、自動車の操舵装置として利用し、自動 車の進路を変更する場合に、前輪だけでなく後輪の向きも変える事で、回転半径 を小さくしたり、或は車両の走行安定性を保てる様にするものである。
【0002】
【従来の技術】
狭い道での進路変更を容易に行なえる様に、自動車の回転半径を小さくする為 、或は、高速走行時に於ける進路変更でも車両の走行安定性が保たれる様にする 為、ステアリングホイールを操作した場合に、前輪だけでなく後輪も動かす四輪 操舵装置が、近年使用される様になって来ており、後輪への舵角付与を、電動モ ータにより行なう、電動式四輪操舵装置も、従来から種々提案されている。
【0003】 従来から知られている電動式四輪操舵装置は、前輪に付与される舵角を検出す る前輪舵角センサと、車速を検出する車速センサと、軸方向に変位する事により 後輪に舵角を付与する後輪用出力軸と、この後輪用出力軸の変位に基づく後輪の 舵角を検出する後輪舵角センサと、前記後輪用出力軸を軸方向に亙り変位させる 電動モータと、前記各センサからの信号に基づいて、前記電動モータへの通電を 制御する制御器とから構成されている。
【0004】 後輪に舵角を付与する場合には、前輪舵角センサと車速センサとからの信号に 基づいて制御器が、後輪に付与すべき舵角を求めると共に、前記電動モータに通 電し、前記後輪用出力軸を軸方向に亙り変位させて、後輪に舵角を付与する。
【0005】 この様にして後輪に付与された舵角は、前記後輪舵角センサによって検出され 、この後輪舵角を表わす信号が、前記制御器に送り込まれる。そしてこの制御器 は、後輪に付与された舵角が所望値に達した状態で、前記後輪用出力軸がそのま ま停止する様に、前記電動モータへの通電を制御する。即ち、前記制御器は前記 電動モータを、後輪舵角センサからの信号をフィードバック信号として利用して 、所謂クローズド制御する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上述の様に構成され作用する、従来の電動式四輪操舵装置の場合、 制御器が電動モータをクローズド制御する事に基づき、フェイルセーフ用も含め て複数個の後輪舵角センサが必要になる為、装置の構成が複雑になり、装置の製 作費が嵩む事が避けられない。
【0007】 特開昭57−99470号公報、同58−214469号公報、同58−21 4470号公報には、油圧シリンダ或は空圧シリンダにより後輪に舵角を付与す る四輪操舵装置に於いて、前輪に付与された舵角に応じて後輪に適切な舵角を付 与する動作を、後輪の舵角を後輪制御用のフィードバック信号として利用しない 、所謂オープン制御により行なう技術が開示されている。
【0008】 しかしながら、油圧シリンダ或は空圧シリンダを使用する場合には、操舵用の 圧油若しくは圧縮空気を得る為のポンプ若しくはコンプレッサや、圧油若しくは 圧縮空気を送る為の配管が必要になり、やはり装置の製作費が嵩む事が避けられ ない。
【0009】 この様な問題に対処する為、本考案者は先に、図3〜4に示す様な電動式四輪 操舵装置を考案した。運転席に設けられたステアリングホイール1の動きは、ス テアリングシャフト2によりステアリングギヤ3に伝えられて、前輪用出力軸4 を軸方向(図3の左右方向)に亙って変位させ、この前輪用出力軸4の両端部に それぞれ連結された左右1対のナックルアーム5、5を介して、前輪6、6に所 望の舵角を付与する。
【0010】 前記ステアリングシャフト2を挿通したステアリングコラム7には、前輪舵角 センサ8、8が支持されており、この前輪舵角センサ8、8が検出するステアリ ングシャフト2の回転角から、前輪6、6に付与される舵角を検出自在としてい る。尚、前輪舵角センサ8、8を2個設けるのは、一方の前輪舵角センサ8が故 障した場合にも所望の制御を行なえる様にする、フェイルセーフを図る為である 。
【0011】 又、車両の後部床面には、後輪9、9への舵角付与機構を納める為のハウジン グ10が、車両の幅方向(図3〜4の左右方向)に亙る変位を不能として、支持 されている。そして、このハウジング10の内側に後輪用出力軸11が、左右方 向(車両の幅方向)に亙って挿通されている。この後輪用出力軸11は、軸方向 (図3〜4の左右方向)に変位する事により、前記後輪9、9に舵角を付与する もので、後輪用出力軸11の左右両端部と各後輪9、9とは、ナックルアーム1 3、13により結合されている。
【0012】 そして、前記後輪用出力軸11が軸方向に変位する事に伴なって、各後輪9、 9が操舵中心14、14を中心として揺動し、前記後輪用出力軸11の変位量に 見合う舵角が、前記各後輪9、9に付与される様にしている。又、各後輪9、9 の操舵中心14、14は、各後輪9、9の着力点12、12(タイヤ下面と地面 との接触面の中心)よりも距離lだけ、車両の前進方向(図3の上方向)後方( 同図下方)に位置させている。
【0013】 一方、図4に詳示する様に、前記後輪用出力軸11の中間部で、前記ハウジン グ10の内側に位置する部分には、ラック歯15を固設している。又、前記ハウ ジング10の中間部内側に、前記後輪用出力軸11と捻れの位置関係で回転自在 に支持された、伝達軸16の一端部(図3〜4の上端部)には、ピニオン歯17 を固設し、このピニオン歯17を、前記ラック歯15と噛合させている。又、前 記伝達軸16の他端(図3〜4の下端)には、ウォームホイール18を固設して いる。
【0014】 又、前記ハウジング10の外面に固定された電動モータ19の出力軸20には 、ウォーム21を固設し、このウォーム21を前記ウォームホイール18と噛合 させる事で、前記出力軸20の回転により、前記後輪用出力軸11を軸方向に亙 って変位させる減速機構を構成している。この減速機構は、動力の伝達方向に可 逆性を有するものとし、前記出力軸20の回転に伴ない、後輪用出力軸11を軸 方向に変位させる他、後輪用出力軸11の軸方向の変位に伴なって、前記出力軸 20を回転させる様にしている。但し、前記減速機構の逆効率は低く抑える事に より、前記各後輪9、9に付与した舵角をそのまま保持する際に、後述するセン タリングスプリング25の圧縮による荷重が、そのまま前記電動モータ19に加 わらない様にしている。
【0015】 前記伝達軸16の一端には変位センサ22を設けて、前記後輪用出力軸11の 変位量を、伝達軸16を介して検出自在としている。この変位センサ22から送 り出される信号は、前記前輪舵角センサ8、8からの信号、及び車速を検出する 車速センサ23からの信号と共に、前記電動モータ19への通電を制御する制御 器24に入力している。尚、前記変位センサ22を設けたのは、前記制御器24 等の故障に伴なって、後輪用出力軸11の変位量が所望値とずれた場合に於ける フェイルセーフを図る為である。
【0016】 又、前記後輪用出力軸11は、前記ハウジング10に対して、軸方向(図3〜 4の左右方向)に亙る若干の変位自在に、且つ弾性的に支持している。即ち、前 記後輪用出力軸11の中間部に、互いに間隔をあけて1対の座板26、26を、 後輪用出力軸11の軸方向に亙る変位を自在として外嵌保持すると共に、両座板 26、26の内側面同士の間に、前記電動モータ19の故障時にも前記後輪用出 力軸11を中立位置に戻せるだけの弾力を有する、センタリングスプリング25 を設けている。
【0017】 又、前記ハウジング10の内周面には、互いに間隔をあけて1対の段部27、 27を形成しており、前記1対の座板26、26の外側面外周寄り部分を、それ ぞれ段部27、27に対向させている。又、前記後輪用出力軸11の中間部外周 面で、前記1対の座板26、26を挟む位置には、1対のストップリング28、 28を止着して、後輪用出力軸11に対する各座板26、26の移動を制限して いる。
【0018】 上述の様に構成する結果、前記後輪用出力軸11は、前記電動モータ19への 通電等に基づく外力が加わらない限り、前記センタリングスプリング25の弾力 により、中立位置に戻される。又、このセンタリングスプリング25は、図5に 示す様に、前記後輪用出力軸11が中立位置(変位0)にあっても、前記1対の 座板26、26を或る程度の力で押し付ける様に、予圧を付与されている。この 為、前記後輪用出力軸11は中立位置にしっかりと保持され、前記後輪9、9が ふらつく事はない。
【0019】 更に、前記制御器24は、前記前輪舵角センサ8、8と車速センサ23とから 送り込まれる信号に基づいて、前記電動モータ19の出力トルクを所望値に調整 し、前記後輪用出力軸11を所望量だけ変位させる制御を、オープン制御により 行なう。
【0020】 即ち、後輪9、9に舵角を付与すべく、前記後輪用出力軸11が軸方向に変位 する事に伴なって、前記センタリングスプリング25が圧縮されると、このセン タリングスプリング25の圧縮量に応じた荷重Wが、前記後輪用出力軸11の軸 方向に加わる。この場合に於ける後輪用出力軸11の変位量L(センタリングス プリング25の圧縮量に等しい。)とセンタリングスプリング25の圧縮量に応 じた荷重Wとの関係は、図5の様に表わされる。
【0021】 一方、後輪9、9に所望の舵角を付与すべく、前記後輪用出力軸11を軸方向 に亙って所望量だけ変位させる為には、前記電動モータ19の出力トルクを、前 記図5の縦軸に表わされた、センタリングスプリング25の圧縮量に応じた荷重 Wに見合うものにすべく、前記電動モータ19に流す電流値Eを調整する必要が ある。直流型の電動モータ19に流す電流値Eとこの電動モータ19の出力トル クとは比例関係にある為、電動モータ19への通電に基づき後輪9、9に舵角を 付与する場合に於ける、電動モータ19の電流値Eと前記後輪用出力軸11の変 位量Lとの関係は、図6に示す様になる。
【0022】 前記制御器24の演算処理部には、前記図6に示した関係で、電動モータ19 への通電量を調整する機能が組み込まれている。そして、前記前輪舵角センサ8 、8と車速センサ23とから送り込まれる信号に基づいて、前記後輪9、9に舵 角付与が必要であると判断された場合には、図6に示した関係に基づいて前記電 動モータ19に所望の電流を流し、前記後輪用出力軸11を所望量だけ変位させ る。
【0023】 上述の様に構成される先考案の電動式四輪操舵装置により、後輪9、9に舵角 付与を行なう場合、先ず、前輪舵角センサ8、8と車速センサ23とからの信号 、更に必要とする場合には、図示しない横加速度センサやヨーレートセンサから の信号に基づいて、後輪9、9に所望の舵角を付与する必要があると判断される 場合に、前記制御器24が、前記前輪舵角センサ8、8と車速センサ23とから の信号に基づいて、後輪9、9に付与すべき舵角の大きさと、当該舵角を得る為 に要する、後輪用出力軸11の変位量Lとを求める。そして、求められた変位量 Lから、前記図6に示した関係に基づき、前記電動モータ19に所望量の電流値 Eを流して、各後輪9、9に所望の舵角を付与する。
【0024】 電動モータ19への通電に基づく後輪用出力軸11の変位量Lは、伝達軸16 の端部に設けた変位センサ22によって検出され、前記制御器24に入力される 。但し、先考案の電動式四輪操舵装置の場合、前記変位センサ22からの信号は 、前記後輪用出力軸11の変位量Lが所望値通りであるか否かを知る為の、所謂 フェイルセーフの為にのみ用いる。
【0025】 言い換えれば、制御器24は後輪用出力軸11を所望量だけ変位させるのに、 変位センサ22からの信号とは関係のないオープン制御により行ない、変位セン サ22の信号を利用するクローズド制御は行なわない。
【0026】 尚、図3〜4に示した構造に於いては、上述した、電動モータ19への通電に 基づく後輪9、9への舵角付与は、万一システムが故障した場合の安全性を考慮 して、車両が比較的低速(例えば40km/h以下)の場合にのみ行なう。そして、 車両が前記一定速度(40km/h)を越えて走行する場合には、前輪舵角センサ8 、8と車速センサ23とからの信号に拘らず、制御器24が後輪9、9の舵角制 御を行なう事はなくなる。即ち、車両が一定速度を越えて走行する場合には、制 御器24が電動モータ19に通電する事はない。但し、非通電時に於いても、電 動モータ19の出力軸20は、ロックする事なく、外力により回転自在である。
【0027】 そして、図3〜4に示した構造の場合、上述の様に車両が一定速度を越えて走 行する際に進路変更が行なわれると、遠心力に基づいて後輪9、9に、前輪6、 6と同じ位相で舵角が付与され、進路変更時に於ける車両の走行安定性が保持さ れる。
【0028】 例えば、ステアリングホイール1の操作に基づき、前輪6、6を図3の矢印α 方向に変位させた場合、車両の進路変更に伴なう遠心力によって後輪9、9が図 3の右方に振られ、各後輪9、9と路面との摩擦により各後輪9、9に、同図に 矢印βで示す様に、横方向の力Fが加わる。
【0029】 この力Fは、後輪9、9と路面との接触面、即ち、各後輪9、9の着力点12 、12を含む鉛直面上に加わる。一方、各後輪9、9の操舵中心14、14は、 前記着力点12、12よりも距離lだけ車両の前進方向後方に位置している為、 各後輪9、9は、F・lなるモーメントで、図3の矢印γ方向に操舵される。
【0030】 この様にして各後輪9、9が矢印γ方向に操舵されるのに伴ない、後輪用出力 軸11が軸方向に変位して、センタリングスプリング25が圧縮される。従って 、各後輪9、9に付与される舵角は、前記横方向の力Fに基づき後輪用出力軸1 1の軸方向に加わる力と、前記センタリングスプリング25の圧縮に基づいて後 輪用出力軸11に加わる力とが釣り合った状態で保持される。
【0031】 この為、車速が一定値を越えた場合には、後輪9、9に付与される舵角は、常 に前輪6、6と同じ位相となる。又、この場合に於いて後輪9、9に付与される 舵角の大きさは、車両の進路変更に伴なう遠心力により後輪9、9に加わる横方 向の力Fの大きさによってのみ定まり、車速や前輪6、6に付与される舵角の大 きさとは(間接的には大きく関係するが)直接は関係しない。
【0032】 ところが、上述の様に構成され作用する、先考案に係る電動式四輪操舵装置の 場合、依然として、次に述べる様な、解決すべき問題点が存在する。
【0033】 即ち、高速走行時に於ける車両の走行安定性を向上させる為には、前記ヨーレ ートセンサ等からの信号に応じて各後輪9、9に対し、微妙な舵角制御を行なう 必要がある。この際、各後輪9、9に付与する舵角は小さいものである為、舵角 付与に伴なう後輪用出力軸11の変位量も少なく、従って前記センタリングスプ リング25の圧縮量も少ない。
【0034】 一方、前記先考案に係る構造の場合、前記センタリングスプリング25のばね 特性が線形である(変位量と弾性とが直線的に変化する)為、後輪9、9への舵 角付与時に於ける前記センタリングスプリング25の弾性変化量も少なかった。 この為、前記電動モータ19に流す電流値Eを制御するだけの、所謂オープン制 御によっては、後輪9、9に付与する舵角を微妙に調節する事が難しかった。
【0035】 前記センタリングスプリング25のばね常数を大きくする事で、前記後輪用出 力軸11の変位量に対するセンタリングスプリング25の弾性変化量を大きくす れば、各後輪9、9に付与する舵角を微妙に調節する事が可能となるが、代わり に各後輪9、9に対して大きな舵角を付与する際に大きな力を要する様になって 、前記電動モータ19として大きなものが必要になるばかりか、各後輪9、9に 大きな舵角付与を行なう際に要する電流値Eが徒に大きくなり、バッテリーに負 担を掛ける原因となる為、好ましくない。
【0036】 本考案の電動式四輪操舵装置は、上述の様な事情に鑑みて考案されたものであ る。
【0037】
【課題を解決する為の手段】
本考案の電動式四輪操舵装置は、前述した先考案に係る電動式四輪操舵装置と 同様に、前輪に付与される舵角を検出する前輪舵角センサと、車速を検出する車 速センサと、軸方向に変位する事により後輪に舵角を付与する後輪用出力軸と、 この後輪用出力軸を中立位置に復帰させる方向の弾力を有するセンタリングスプ リングと、このセンタリングスプリングの弾力に抗して、前記後輪用出力軸を軸 方向に亙り変位させる電動モータと、前記前輪舵角センサと車速センサとからの 信号に基づいて、前記電動モータへの通電を制御する制御器とを有し、この制御 器は、前記前輪舵角センサと車速センサとから送り込まれる信号に基づいて後輪 に付与すべき舵角の目標値を演算し、前記後輪にこの目標値に見合う舵角を付与 すべく、前記電動モータの出力トルクを所望値に調整し、前記後輪用出力軸を所 望量だけ変位させる制御を、オープン制御により行なう。
【0038】 更に、本考案の電動式四輪操舵装置に於いては、前記センタリングスプリング のばね特性を非線形とし、このセンタリングスプリングの弾性変形量が少ない範 囲でのばね常数を大きく、弾性変形量が多い範囲でのばね常数を小さくしている 。
【0039】
【作用】
上述の様に構成される本考案の電動式四輪操舵装置の場合、後輪に付与する舵 角が小さく、従ってセンタリングスプリングの弾性変形量が少ない場合には、セ ンタリングスプリングのばね常数が大きくなって、微小な舵角変化でも前記セン タリングスプリングの弾力が大きく変化する。この結果、前記後輪に付与する舵 角の微調節を容易に行なえる。
【0040】 又、後輪に付与する舵角が大きく、従ってセンタリングスプリングの弾性変形 量が多い場合には、センタリングスプリングのばね常数が小さくなって、舵角が 大きく変化した場合でも、前記センタリングスプリングの弾力が余り大きくなら ない。この結果、センタリングスプリングを弾性変形させる為に要する力が徒に 大きくなる事はない。
【0041】
【実施例】
図1〜2は本考案の電動式四輪操舵装置の実施例を示している。軸方向に変位 する事によって後輪9、9(図3)に舵角を付与する後輪用出力軸11は、車両 の床面等に支持されたハウジング10に対して、軸方向(図1の左右方向)に亙 る若干の変位自在に、且つ弾性的に支持している。即ち、前記後輪用出力軸11 の中間部に、互いに間隔をあけて1対の座板26、26を、後輪用出力軸11の 軸方向に亙る変位を自在として外嵌保持すると共に、両座板26、26の内側面 同士の間に、前記電動モータ19の故障時にも前記後輪用出力軸11を中立位置 に戻せるだけの弾力を有する、コイルスプリングである第一センタリングスプリ ング29を設けている。
【0042】 前記1対の座板26、26の内周縁は、それぞれ前記後輪用出力軸11の中間 部外周面に設けられた段部30、30(ストップリング等により代用する事も出 来る。)に対向させて、両座板26、26の間隔が縮まる事はあっても、或る程 度以上広がらない様にしている。そして、両座板26、26の間隔が最も広がっ た状態に於いても、前記第一センタリングスプリング29に、図2に示す様に、 或る程度の予圧f1 が付加されたままの状態となる様に、前記段部30、30の 間隔を定めている。
【0043】 又、前記ハウジング10の内周面には、互いに間隔をあけて1対の段部27、 27を形成し、前記後輪用出力軸11の中間部外周面で、前記1対の座板26、 26を挟む位置には、1対のストップリング28、28を止着している。そして 、両ストップリング28、28及び段部27、27と前記1対の座板26、26 との間に、それぞれ皿板ばねである、第二センタリングスプリング31、31を 挟持している。
【0044】 この第二センタリングスプリング31、31のばね常数は、前記第一センタリ ングスプリング29のばね常数よりも大きくしている。但し、前記第一センタリ ングスプリング29を、前記1対の座板26、26の間で挟持する事で付加した 予圧f1 は、前記第二センタリングスプリング31、31を圧縮し切った場合に 、各第二センタリングスプリング31、31に生じる弾力F1 とほぼ同じ(f1 ≒F1 )としている。又、各第二センタリングスプリング31、31も、前記1 対の座板26、26と段部27、27及びストップリング28、28との間で、 或る程度の(第一センタリングスプリング29に加えられた予圧f1 よりも小さ い)予圧f2 (<f1 )を付与されている。
【0045】 上述の様に構成する結果、前記後輪用出力軸11は、前記電動モータ19への 通電等に基づく外力が加わらない限り、互いに直列に配置された前記第一、第二 センタリングスプリング29、31の弾力により、中立位置に戻される。両セン タリングスプリング29、31は、図2に示す様に、前記後輪用出力軸11が中 立位置(変位0)にあっても、前記1対のストップリング28、28を或る程度 の力で押し付ける様に、予圧を付与されている。この為、前記後輪用出力軸11 は中立位置にしっかりと保持され、前記後輪9、9がふらつく事はない。
【0046】 後輪に舵角を付与する為に、電動モータ19に通電し、後輪用出力軸11を軸 方向に亙って変位させると、先ず何れかの第二センタリングスプリング31が圧 縮され始める。即ち、後輪に付与する舵角が小さい場合には、比較的大きな予圧 f1 を付加された第一センタリングスプリング29は圧縮されず、前記何れかの 第二センタリングスプリング31のみが圧縮される。この第二センタリングスプ リング31のばね常数は大きく、従って微小な舵角変化でも弾力が大きく変化す る。この結果、前記後輪に付与する舵角の微調節を容易に行なえる。
【0047】 又、後輪に付与する舵角が大きく、前記後輪用出力軸11の変位量が多くなる と、前記何れかの第二センタリングスプリング31が完全に押し潰される(必ず しも完全に押し潰される必要はない。)。そして、それ以上前記後輪用出力軸1 1が変位すると、第一センタリングスプリング29が圧縮され始める。前述の様 に、この第一センタリングスプリング29のばね常数は小さい為、舵角が大きく 変化した場合でも、前記第一、第二両センタリングスプリング29、31により 後輪用出力軸11に加えられる弾力はあまり大きくならない。この結果、前記後 輪用出力軸11を軸方向に亙って変位させる為に要する力が徒に大きくなる事は ない。
【0048】
【考案の効果】
本考案の電動式四輪操舵装置は、以上に述べた通り構成され作用する為、複雑 な回路構成や、油圧或は空圧配管を要する事なく、比較的安価で、しかも電力消 費を従に増大させる事なく、後輪に対して付与する舵角の微調節を容易に行なえ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の電動式四輪操舵装置の実施例を示す、
図3のA部に相当する横断平面図。
【図2】同じく、後輪用出力軸の軸方向に亙る変位量L
とセンタリングスプリングの圧縮量に応じた荷重Wとの
関係を示す線図。
【図3】先考案に係る電動式四輪操舵装置の全体構成を
示す部分横断平面図。
【図4】図3のA部拡大図。
【図5】後輪用出力軸の軸方向に亙る変位量Lとセンタ
リングスプリングの圧縮量に応じた荷重Wとの関係を示
す線図。
【図6】後輪用出力軸の軸方向に亙る変位量Lと電動モ
ータに流れる電流値Eとの関係を示す線図。
【符合の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングギヤ 4 前輪用出力軸 5 ナックルアーム 6 前輪 7 ステアリングコラム 8 前輪舵角センサ 9 後輪 10 ハウジング 11 後輪用出力軸 12 着力点 13 ナックルアーム 14 操舵中心 15 ラック歯 16 伝達軸 17 ピニオン歯 18 ウォームホイール 19 電動モータ 20 出力軸 21 ウォーム 22 変位センサ 23 車速センサ 24 制御器 25 センタリングスプリング 26 座板 27 段部 28 ストップリング 29 第一センタリングスプリング 30 段部 31 第二センタリングスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 清野 薫 群馬県高崎市八幡町1390番地の12

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 前輪に付与される舵角を検出する前輪舵
    角センサと、車速を検出する車速センサと、軸方向に変
    位する事により後輪に舵角を付与する後輪用出力軸と、
    この後輪用出力軸を中立位置に復帰させる方向の弾力を
    有するセンタリングスプリングと、このセンタリングス
    プリングの弾力に抗して、前記後輪用出力軸を軸方向に
    亙り変位させる電動モータと、前記前輪舵角センサと車
    速センサとからの信号に基づいて、前記電動モータへの
    通電を制御する制御器とを有し、この制御器は、前記前
    輪舵角センサと車速センサとから送り込まれる信号に基
    づいて後輪に付与すべき舵角の目標値を演算し、前記後
    輪にこの目標値に見合う舵角を付与すべく、前記電動モ
    ータの出力トルクを所望値に調整し、前記後輪用出力軸
    を所望量だけ変位させる制御を、オープン制御により行
    なう電動式四輪操舵装置であって、前記センタリングス
    プリングのばね特性を非線形とし、このセンタリングス
    プリングの弾性変形量が少ない範囲でのばね常数を大き
    く、弾性変形量が多い範囲でのばね常数を小さくした電
    動式四輪操舵装置。
JP6246891U 1991-01-10 1991-07-15 電動式四輪操舵装置 Pending JPH057577U (ja)

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