JPH0574541U - 脱臭用フィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡素な構成でありながら効率よく空気の脱臭
を図ることのできる脱臭用フィルタとする。 【構成】 吸水性を有する素材により形成され曲折箇所
（７）を有する板状部材を脱臭用単位部材（６）とし、
この脱臭用単位部材（６）を所要間隔をおいて複数並設
し、通過する脱臭前空気は脱臭用単位部材（６）を形成
する壁面に衝突、反射を反復しながら脱臭用単位部材
（６）間を通過していくようにしたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、室内の空気中に含まれている種々の異臭を脱臭するために用いる脱 臭用フィルターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

家庭の室内、各種事業場における室内には、種々の異臭が空気中に含まれてい る。これらの異臭が人体、物質に与える影響は看過することのできないものであ り、これまでにも空気清浄機は種々提案されてきた。 このうち水自体が脱臭作用を有することに着目して、空気清浄機の中に水を保 留させておき、脱臭前の空気をこの水面に沿って通過させるようにして脱臭させ るようにしたものがある。この装置は、複雑な機構を要することがないとともに 低コストで生産できるため広く実施されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の従来例は水面上に空気を取り込み通過させるだけである ので、ある単位量の空気が水面に触れることができるのは極めて短い時間である 。したがって、空気が水による脱臭作用を受けることができる時間も極めて短く 、脱臭効果も少ない。 一方、空気の流れを制御することにより水面に触れる時間を長くしたり、ある いは複数回水面に触れるようにした後、装置外に出ていくようにすることも考え られるが、装置の構成が複雑化したりコストアップを招いてしまう。

【０００４】 本考案は、こうした不具合を解決すべく提案されるもので、簡素な装置であり ながら効率よく空気の脱臭を図ることのできる脱臭用フィルタを提供することを 目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、上記の目的を達成するために、吸水性を有する素材により形成され 曲折箇所を有する板状部材を脱臭用単位部材とし、この脱臭用単位部材を所要間 隔をおいて複数並設し、通過する脱臭前空気は脱臭用単位部材を形成する壁面に 衝突、反射を反復しながら脱臭用単位部材間を通過していくように構成したこと を特徴とする脱臭用フィルターとしたものである。

【０００６】

【作用】

このように構成されているので、脱臭前空気は脱臭用単位部材に長い時間にわ たり触れた後に排出されていくようになるので、十分に脱臭された後、排出され るようになる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面にしたがい本考案の実施例を説明していく。図１は、本考案のフィ ルタを用いた脱臭装置の一部概要を示したものである。フィルタ１は、液体槽２ の中に浸しておき液体を吸い上げるための吸い上げ用舌状片３を有している。こ の吸い上げ用舌状片３を介して吸い上げられた液体は、フィルタ１を形成する脱 臭用単位部材全体に効率よく浸潤していくようになっている。 したがって、フィルタ１を形成する部材は吸水性があり、浸潤していき易い部 材を用いることはいうまでもなく、こうした性質を有する素材はこれまでにも種 々開発されているので周知のものを選択使用すればよい。

【０００８】 また、液体槽２の中に収容しフィルタ１に吸水させる液体には、水を始め各種 の合成水を用いればよい。例えば、合成水としてはマンガンとビタミンＣを結合 させたものを溶解させたものがある。これは有害微生物の繁殖を抑制する効果を 有するとともに特有の脱臭効果を有する。 このフィルタ１に浸潤させた液体は、空気中の悪臭物質を化学的変化により脱 臭して無臭の空気とした後、液体中の成分は元の成分に戻るように形成されてい る。したがって、フィルタ１には脱臭作用後、付着物質が残るおそれはなく保守 管理を要しないので、長期間にわたるフィルタ１の反復使用が可能である。

【０００９】 フィルタ１で脱臭された清浄な空気は、モータ４によって駆動するファン５に より装置外に排出されていく。このような装置要部を有する脱臭装置は、他の所 要部材と組み合わされて用途に応じた空気清浄機の形態をとればよい。以下、脱 臭フィルタ１について詳細に説明していく。

【００１０】 図２は、本考案に係るフィルタの第１実施例を示したものである。脱臭用単位 部材６は、屈曲箇所７が１箇所で平面視Ｖ字の屏風状を呈している。この脱臭用 単位部材６を同一方向に複数個並設させ、脱臭用単位部材相互は図示されていな い連結部材で連結されている。 また、脱臭用単位部材６の何れかに、あるいは図示されていない前記連結部材 に吸い上げ用舌状片３を設けている。この吸い上げ用舌状片３は、前記液体槽２ にその一部が浸されており、液体を吸い上げ各脱臭用単位部材６に液体を浸潤さ せるようになっている。

【００１１】 フィルタ１は、保持枠８により保持されて所定の形態を成しているが、脱臭前 の空気の流れは矢印のように各脱臭用単位部材６の壁面に当たるように侵入し、 壁面で反射されながら脱臭用単位部材６間を通過していく。したがって、屈曲箇 所を有しない脱臭用単位部材６間を脱臭用単位部材６の面に平行に通過していく 状態に比較し、空気は脱臭用単位部材６の面に強制的に長時間にわたり接触しな がら通過していくこととなる。

【００１２】 このように、空気は脱臭用単位部材６に浸潤されている液体により化学的に脱 臭された後、無臭の空気となって排出されていく。液体は前述したように、空気 を脱臭しても脱臭用単位部材６に付着物を残すことがないので、継続使用が可能 である。したがって、液体槽２の中に所要の液体を補充さえしておけば、特別な 保守管理を要することなく継続的に空気の脱臭を行うことが可能となる。

【００１３】 図３は本考案の第２実施例を示したもので（第１実施例と対応する箇所には同 一符号を付した。以下の実施例についても同様）、フィルタ１の一部平面図であ る。本実施例では、脱臭用単位部材６の屈折箇所７を複数設けている。このよう に構成することにより、フィルタ１を通過していく空気はフィルタ１を通過する までに脱臭用単位部材６の面に当たり、反射する回数が増え脱臭効果を増大させ ることができる。 なお、屈折箇所７が多く通過する空気に対して抵抗が大きくなるので、こうし た構成のものの場合は、通過させる空気圧をやや大きくする必要があろう。

【００１４】 図４は本考案の第３実施例を示したもので、脱臭用単位部材６の壁面に抵抗片 ９を付設している。しかも、脱臭用単位部材６相互によって形成される空気通過 路の通過方向両側に、抵抗片９を付設しているので通過する空気に対しての抵抗 は極めて大きくなる。 このように構成することにより、空気が通過する場合、空気が脱臭用単位部材 ６に当たり、反射することに加え空気通過路で渦流を生成させるので、空気は脱 臭用単位部材６により多く接触するようになる。なお、抵抗片９は空気の通過に 際し、付設箇所を支点に遊動するように材質を選択するか、あるいは取り付けて おけば、必要以上に通過する空気に対して抵抗を大きくすることを避けられる。 また、抵抗片９の高さ方向取り付けは、脱臭用単位部材６毎に変えてもよいし、 抵抗片９の高さ方向全域にわたり取り付ける等任意の構成であってよい。

【００１５】 図５は本考案の第４実施例を示したもので、第３実施例の変形例ともいうべき ものである。本実施例では、脱臭用単位部材６の壁面に付設する抵抗片９を空気 通過路の片側のみに設ける。しかも、第３実施例と異なり抵抗片９を付設する角 度を壁面に対して９０°とする。 このように構成することにより、空気が通過する場合の渦流を、最小限の抵抗 片９により生成することができることになる。したがって、抵抗片９を有するフ ィルタ１を生産する場合のコストダウンを図ることができる。

【００１６】 本考案は、以上の実施例に限定されるものではなく、幾多の変更、変形が可能 である。例えば、フィルタの形状は曲折箇所が鋭角でなくとも緩やかな曲がり方 をしたものでもよいし、脱臭用単位部材相互の間隔は等間隔でなくともよい。ま た、フィルタへの空気導入側に着脱自在な防塵用フィルタを付設しておけば、装 置に設けられる他の防塵用フィルタとあいまってフィルタの保護を図ることがで きる。また本考案は、図１に示すような配設に限定されることはなく、空気清浄 機の具体的態様に応じて、適宜配設することができることはいうまでもない。

【００１７】

【考案の効果】

以上のごとく本考案によれば、空気を脱臭用単位部材の面に効率よく接触させ ることにより、脱臭用単位部材に浸潤されている液体を介して効率よく脱臭する ことができる。しかも、保守管理をする必要もなく、耐久性上の問題を生じさせ ることもないので、アンモニア、トリメチルアミン、硫黄化合物、メルカプタン といった臭気を容易かつ適正に脱臭することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を用いた脱臭装置の一部概要図である。

【図２】本考案の第１実施例に係るフィルタの斜視図で
ある。

【図３】第２実施例に係るフィルタの一部平面図であ
る。

【図４】第３実施例に係るフィルタの一部平面図であ
る。

【図５】第４実施例に係るフィルタの一部平面図であ
る。

【符号の説明】

１ フィルタ ３ 吸い上げ用舌状片 ６ 脱臭用単位部材 ７ 屈曲箇所 ８ 保持枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸水性を有する素材により形成され曲折
   箇所を有する板状部材を脱臭用単位部材とし、この脱臭
   用単位部材を所要間隔をおいて複数並設し、通過する脱
   臭前空気は脱臭用単位部材を形成する壁面に衝突、反射
   を反復しながら脱臭用単位部材間を通過していくように
   構成したことを特徴とする脱臭用フィルター。