JPH0572687U - 自転車の風防カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自転車の前側に取り付ける風防カバーを、車
体に取り付ける下部カバー部材と、下部カバー部材の上
に固定する上部カバー部材とで構成し、それ等の部材を
プラスチック製の薄い板状のもので構成することによ
り、運転者の保護を行うとともに、着脱を容易にできる
ようにする。 【構成】 自転車１の前側に装備する風防カバー１０
は、下部カバー部材１１と上部カバー部材２０とを組み
合わせるもので、それ等をＦＲＰのようなプラスチック
により構成する。前記下部カバー部材１１は、中央部に
設けた挿通孔１４に、自転車の斜めのフレーム６を貫通
させるようにして、２つの固定金具２５、２７により取
り付けるようにする。また、前記下部カバー部材１１の
上部に配置する上部カバー部材２０は、下部カバー部材
に重ねた部分をネジ部材等を用いて固着するもので、風
防カバーが運転者の下半身を保護するとともに、風の抵
抗が少ないように、運転者側に湾曲させて構成してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自転車の前側に取り付ける風防カバーに関し、特に、プラスチック 製の板部材で作った部材を組み合わせることにより、高さを任意に調整可能な風 防カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術および解決を要する課題】

昔から自転車等においては、キャンバス製の風防カバーを取り付けることが行 われており、風雨の強い場合に、運転者の下半身が濡れることを防止するような 手段が用いられている。しかし、昔の風防カバーは、ハンドルにキャンバス製の 風防カバーの上部を紐で取り付け、該風防カバーの下部を前輪のシャフト等に取 り付けるようにしている。しかし、前記風防カバーは、標準的な自転車には用い ることができるものの、ハンドルの高さを容易に調整できるようなタイプの自転 車や、子供用の小型の自転車には使用しにくいという問題がある。

【０００３】 これに対して、例えば、小型のオートバイの前側に設けるような風防カバーを 、自転車にも設けることも考えられている。しかし、プラスチック製の大きな部 材を自転車の前側に配置する場合には、通常の走行に際しても、風の抵抗が大き いものとなる。また、風防カバーを取り外し不能に取り付ける場合には、晴天の 日にも、余分な抵抗を受けながら自転車をこぐ必要があり、登り坂等では、余分 なエネルギーを消費させることになる。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、前述したような従来の風防カバーの欠点を解消するもので、任意の タイプの自転車にも容易に取り付けることができ、着脱を容易に行うことができ るとともに、構成の簡単な風防カバーを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段および作用】 本考案の風防カバーは、自転車の車体の前側に固定する下部カバー部材と、該 下部カバー部材の上部に取り付ける上部カバー部材とから構成し、前記下カバー 部材の中央部の所定の位置に挿通孔を配置し、該挿通孔に向けて上部からスリッ トを形成するとともに、前記下部カバー部材には、自転車のハンドルフレームと 、斜めのフレームとに対して固定保持させる手段を配置し、前記下部カバー部材 を挿通孔に斜めのフレームを貫通させる状態で取り付け、固定保持手段を用いて 下部カバー部材を固定させ、該下部カバー部材の上部に上部カバー部材を取り付 けるように構成している。

【０００６】 また、本考案の風防カバーを構成する下部カバー部材と上部カバー部材とは、 下部カバー部材の挿通孔に斜めのフレームを貫通させる際に、スリットを押し拡 げることができるように、剛性と弾性とを有するプラスチック製の板部材で構成 し、前記下部カバー部材と上部カバー部材とのそれぞれに、高さの異なる複数の ネジ孔を設け、それ等のネジ孔を組み合わせて固定ネジで固定することにより、 風防カバーの高さを変更可能に構成している。さらに、本考案の風防カバーは、 両側と下部に向けて湾曲面として構成しているので、風の抵抗を少なくすること ができる。

【０００７】 前述したように構成することにより、本考案の自転車の風防カバーは、下部カ バー部材を自転車の前部分に固定保持させてから、上部カバー部材を下部カバー 部材の上部に固定するために、着脱の作業を容易に行うことができる。また、２ つのカバー部材の高さを任意に調整することができるので、１つの標準的な風防 カバーを用いて、自転車の大きさや、ハンドルの形状等に影響されずに、容易に 取り付けることができる。

【０００８】

【実施例】

図示される例にしたがって、本考案の自転車の風防カバーを説明する。図１に 示される例は、本考案の風防カバー１０の構成を示しており、該風防カバー１０ は、ＦＲＰ等のようなプラスチック製の、比較的薄い板状の部材で構成した下部 カバー部材１１と、上部カバー部材２０とを組み合わせて構成している。前記下 部カバー部材１１は、平らな板状の中央部材１２と、該中央部材１２の両側に形 成する側部材１５、１５ａ、および、前記中央部材１２の下部に形成する下部部 材１６とから構成され、それらを一体に成形している。

【０００９】 前記下部カバー部材１１の形状は、プラスチック製のスノーボートの前半分に 類似した形状に構成されるもので、前記側部材１５、１５ａは、後方に湾曲した 状態に配置され、下部部材１６は足の方向に湾曲した形状に形成される。また、 前記側部材１５、１５ａおよび下部部材１６の周囲には、フランジ１７を突出さ せて設け、全体を湾曲させて形成すること、および、フランジ１７を周囲に配置 することによって、前記下部カバー部材１１を比較的薄いプラスチックにより構 成しても、その強度を維持できるようにしている。したがって、本考案の風防カ バーは、運転者の下半身を保護できるとともに、両側と下部に向けて湾曲した形 状に形成されるので、風の抵抗を小さくすることができる。

【００１０】 前記下部カバー部材１１の中央部材１２には、その中央部に挿通孔１４を形成 しており、該挿通孔１４と下部カバー部材の上端部の縁との間にスリット１３を 設けている。前記挿通孔１４は、図３に示されるように、自転車の斜めのフレー ム６が貫通する状態にして装着し、下部カバー部材を位置決めするために用いる もので、該下部カバー部材を斜めのフレームに取り付ける際には、スリット１４ を拡げて、斜めのフレームを通過させるようにする。したがって、本考案の風防 カバーは、そのスリットを拡開できる程度の弾力性を有する部材で構成し、装着 時にスリット１３を容易に開くことができ、その後で、プラスチックの弾性によ り、スリットを閉じた状態を維持できるようにすることが必要となる。

【００１１】 また、本考案の下部カバー部材１１において、前記挿通孔の部分、および、下 部部材１６の所定の位置には、上部固定金具２５と下部固定金具２７との２つの 固定部材を取り付けている。前記２つの固定部材のうち、上部固定金具２５は、 図２に示されように、下部カバー部材本体の前側に突出させるようにして、金属 製のアングル部材をビス等を用いて取り付けておき、そのアングル部材の突出部 に複数のネジ孔を設けている。そして、上部固定金具２５は、自転車のハンドル フレーム５に対して、２つのアングル部材を跨がせるようにして配置し、その突 出部の孔にボルト２６等を取り付けることにより、中央部材１２の固定を行うよ うにする。さらに、下部部材１６に設ける下部固定金具２７は、図１に示される ように、下部部材１６の内側に上部固定金具と同様な部材を取り付けておき、斜 めのフレーム６に対してボルト２８等を用いて固定できるようにする。

【００１２】 前記下部カバー部材１１の上部に配置する上部カバー部材２０は、その本体２ １の幅方向の形状が、下部カバー部材１１の上部の形状に対応するものとして構 成されており、２つの部材を重合わせることができるようにされている。また、 前記上部カバー部材２０は、本体２１の上部に、後方に折り曲げた形状の上部折 り返し部２２を一体に設けており、その本体の両側側部と上部折り返し部２２の 端部には、フランジ２３を一体に突出させて設け、そのフランジ部材により、上 部カバー部材の強度を向上させる機構を構成している。さらに、前記上部カバー 部材２０の本体の下部の中央部には、係止凹部２４を設け、下部カバー部材１１ と重ねた状態で、下部カバー部材の挿通孔１４に対して、前記係止凹部が重なる ように取り付けることができる。

【００１３】 前述したように構成される本考案の風防カバー１０において、下部カバー部材 １１と上部カバー部材２０には、それぞれ横方向に同じ間隔でネジ孔Ｎ１〜Ｎ４ と、ネジ孔ｎ１〜ｎ４とを設けている。そして、２つのカバー部材１１、２０を 重ねた状態で、それ等のネジ孔を貫通させるようにしてボルト等を取り付け、２ つのカバー部材を固定することができるようにする。なお、図示される例では、 下部カバー部材１１には上下方向に４列のネジ孔Ｎ１、Ｎ１１、Ｎ２１、Ｎ３１ とのネジ孔群を形成し、上部カバー部材２０には２列のネジ孔ｎ１とｎ１１のネ ジ孔群を形成しているが、それ等のネジ孔群の列の数と、間隔とは任意に設定す ることができる。そして、自転車の大きさ、ハンドルの高さ等に応じて、下部カ バー部材１１に対する上部カバー部材の取り付け位置を、任意に選択することが できるようにする。

【００１４】 前述したように構成される本考案の風防カバー１０を、自転車に取り付けた状 態は、図３の斜視図に示されるようになる。なお、図示される例で、自転車は、 ミニサイクルや婦人用の自転車を対象として考えているものである。前記図３に 示されるように、下部カバー部材１１の前方に突出する上部固定金具２５は、ハ ンドル３と前輪２とを支持するハンドルフレーム５に対して取り付けられる。ま た、下部カバー部材１１の中央部材を貫通する斜めのフレーム６には、下部固定 金具２７を取り付けて、固定し、その下部カバー部材１１の上部には、上部カバ ー部材２０をボルト等の固定具を用いて一体に取り付けるようにする。したがっ て、前述したようにして取り付けられる風防カバー１０は、自転車に乗る人の下 半身を風、雨等から保護することができるものとなる。

【００１５】 なお、前記本考案の実施例において、風防カバーの幅は、ハンドルの幅よりも 狭く形成されるが、その幅は任意に形成することができるものであり、上部カバ ー部材の上端部の高さは、ハンドルよりも上に突出しない状態に固定することが できる。前記本考案の実施例において、風防カバーをＦＲＰのようなプラスチッ ク材料を用いて、２つの部材として成形することを示しているが、風防カバーを 塩化ビニールや、その他のプラスチック材料を用いて形成することも可能であり 、上部固定金具や下部固定金具等の固定手段を、ハンドルフレームや斜めのフレ ームに対応させて形成することも可能である。そして、風防カバーを全体に丸み を帯びた形状とすることや、角張った断面形状のものとする等、任意の構造のも のとして形成することができる。

【００１６】 また、下部カバー部材をフレームに固定するための上部固定金具や下部固定金 具に対して、ボルトを用いて固定する場合で示しているが、ボルトを用いずに、 紐等で固定することも可能であり、その取り付け手段は、任意のものを用いるこ とができる。さらに、下部カバー部材と上部カバー部材とを固定する手段には、 ボルトを用いることの他に、任意の構成のピン等を用いることが可能であり、場 合によっては、引っ掛けて係止するような、任意の固定手段を用いることもでき る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の風防カバーは、前述したように構成することにより、全体の構成を簡 素化することができ、軽量で運転に支障を与えずに、運転者を風雨等から保護す ることができる。また、本考案の風防カバーは、下部カバー部材を自転車の前部 分のフレームに固定保持させてから、上部カバー部材を下部カバー部材の上部に 固定するために、着脱の作業を容易に行うことができる。また、２つのカバー部 材の高さを任意に調整することができるので、１つの標準的な風防カバーを用い て、自転車の大きさや、ハンドルの形状等に影響されずに、容易に取り付けるこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の風防カバーの分解斜視図である。

【図２】 下部カバー部材の上部の構造を示す説明図で
ある。

【図３】 風防カバーを自転車に取り付けた状態の説明
図である。

【符号の説明】

１ 自転車、 ５ ハンドルフレーム、 ６ 斜
めのフレーム、１０ 風防カバー、 １１ 下部カ
バー部材、 １２ 中央部材、１３ スリット、
１４ 挿通孔、 １５・１５ａ 側部材、１６
下部部材、 １７ フランジ、 ２０ 上部カバー
部材、２１ 本体、 ２２ 上部折り返し部、２３
フランジ、２５ 上部固定金具、 ２７ 下部
固定金具。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車の車体の前側に固定する下部カバ
   ー部材と、該下部カバー部材の上部に取り付ける上部カ
   バー部材とから構成し、 前記下カバー部材の中央部の所定の位置に挿通孔を配置
   し、該挿通孔に向けて上部からスリットを形成するとと
   もに、 前記下部カバー部材には、自転車のハンドルフレーム
   と、斜めのフレームとに対して固定保持させる手段を配
   置し、 前記下部カバー部材を挿通孔に斜めのフレームを貫通さ
   せる状態で取り付け、固定保持手段を用いて下部カバー
   部材を固定させ、 該下部カバー部材の上部に、上部カバー部材を取り付け
   ることを特徴とする自転車の風防カバー。
2. 【請求項２】 前記下部カバー部材と上部カバー部材と
   は、下部カバー部材の挿通孔に斜めのフレームを貫通さ
   せる際に、スリットを押し拡げることができるように、
   剛性と弾性とを有するプラスチック製の板部材で構成
   し、 前記下部カバー部材と上部カバー部材とのそれぞれに、
   高さの異なる複数のネジ孔を設け、 前記２つのカバー部材のネジ孔を組み合わせて固定する
   ことにより、風防カバーの高さを変更可能に構成するこ
   とを特徴とする請求項１に記載の自転車の風防カバー。